永嶋恵美のレビュー一覧

  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    大正の横浜を舞台に富豪一族の中で妾の子であるかな子が地位を得るために奮闘する物語。
    とにかくボリュームのある一冊。女系一族で知略を尽くしてのし上がろうとするかな子と、一族を支配する本妻スヱとの静かな戦いが面白く読み応えがあった。

    本妻の『大奥様』スヱは要吉が興した商店を一代で横浜一の大店に育て上げたやり手で要吉が寝たきりになってからは商店の経営を取り仕切っている。その補佐役を担う娘の『奥様』花、さらに花の3人の娘たち。
    『檜垣澤に男はいらない』とまで言われる女系一族で使用人と同じような待遇を受けていたかな子だが、自分も要吉の娘であるというプライドと持ち前の知恵と容量の良さで檜垣澤家での地位を確立するため立ち回る。

    蔵で不審死を遂げた花の婿、スヱの片腕として暗躍する書生、軍との密談などのミステリー要素もあるが、子供ながらに知恵と度胸のあるかな子と、常に先を読み周囲をうまく操るスヱの腹の探り合いにワクワクした。
    成長とともに考え方、立ち回り方がスヱに似てきている部分もあって、かな子にとって大きな壁であったスヱだけど、女の戦いにおける手本でもあったんだよなぁ…

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    2026年06月30日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    ミステリーと呼ぶべきかはわからないが、かなこの人生を楽しむという点でとても面白い作品だった
    大河ドラマにできるくらいのボリューム

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    2026年06月27日
  • おいしい旅 初めて編

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    全て未読作品のアンソロジー!尊い!!
    坂木司さん!近藤史恵さん!感涙!!

    旅に出たい。
    下田行きたい。糸島、函館も良い。
    台湾、アムステルダム、サハリンも素敵。
    愛媛も割と行ったけど、改めて回ってみたい。

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    2026年06月18日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    歴史混じる大作
    読み応えあった
    ひさびさにずっと読みたいと思ってた
    思うようにいかない展開ばかりで
    だがきっと
    かな子は檜垣澤家の伝説の大奥様となったであろう

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    2026年06月15日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは──。

    Xで旅行記や読書記録をよく読んでいるファンの方が絶賛していた一冊。めっちゃ面白かった!こういう明治・大正時代のお家騒動みたいな話には少し苦手意識があったのだけれど、妾の子として苦難を浴びつつも自分の頭でしっかりと考えて人生を切り開いていこうとするかな子のたくましさに心を打たれる。血のにじむような努力を重ねても重ねても報われなかったり想定外の展開になったりするんだけれど、いったい真実は何なのか?謎を解き明かそうとするかな子や周りの人々の思惑に翻弄されっぱなしだった。ミステリーとしても面白いけれど、大河ドラマを見ているようなスケールで、ひとりの女性の底力に元気をもらえる。

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    2026年06月10日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    孤児となった7歳の妾の子が本妻に引き取られて,幼いながら頭を働かせ成長していく物語.明治から大正にかけての世の中の様子と横濱の富豪としての生活,商売の仕組みや社交界,陸軍との関係など社会面での面白さと一族にまつわる火事と不審死などに纏わるミステリーの楽しみがぎゅっと詰まっている物語.大作である.

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    2026年06月08日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    刑事や探偵が謎を解き明かしていくミステリーものとは違い、
    大きな事件が起きたり、
    謎を解き明かすために奔走したりするわけではないので
    それが欲しい人には物足りないかもしれない。

    でも、そんなことを忘れてしまうほど
    最初から最後まで楽しく読めました。

    あの時代のあの土地は
    個人的に非常に馴染み深く、
    建物やお着物の描写から
    ああ、こんな感じなのだなと美しい想像を膨らませながら読み進められる幸せを感じながら
    かな子の半生を楽しみました。

    それにしてもあの時代の方々の言葉遣いの綺麗さは、
    本当にすてきだな。

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    2026年06月03日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    時代物(とは言え大正あたりだけど)に苦手意識があったけれど、横浜が舞台だからか読みやすかった。かっこいいかな子。読後、強い女に憧れてしまう。笑
    登場人物それぞれ個性豊かで、読んでいて楽しかった。最後の最後までしっかり伏線回収。まさかあの人があの人だったなんて…あぁ面白かった!

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    2026年05月05日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    ネタバレ

    かな子の成り上がりの話かと思っていたらそういうわけでもなく。 

    しっかりミステリとして謎もあり解決もあり。

    総合的にとても面白かった。

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    2026年04月25日
  • おいしい旅 初めて編

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    知らない情報がたくさんで読み応えがありました。旅に出たくなったよ。
    「地の果ては、隣」が読んでいて学びがありました。

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    2026年04月03日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    ネタバレ

    時代は明治末期から大正にかけて。
    横浜で絹物商で大企業へと成長した檜垣澤要吉の妾腹の娘に生まれたかな子は、母の死に伴って父の家に引き取られることになる。
    本家には、病に臥せる父の他、正妻とその娘、入り婿、長女の孫娘3人と孫娘の入り婿がいた。
    女ばかりの女系一族の中で、母に教わった知恵と父譲りの胆力でしたたかに生きていく少女の青春と成長を描く物語です。

    終盤にかけて明らかになる真実は、驚きと涙なくしては読めない。
    がしかし、主人公の人生はこれから!というところで物語の幕は閉じる……。
    続きが読みたいがないのか?

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    2026年04月01日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    ネタバレ

    かな子の、綱渡りの日々と、その中でも少しずつ得た人との縁。長い物語だったけど、飽きずに読んだ。
    でも、最後、そうか、そうだったよね、と呆然とした。あんなに慎重に積み上げてきた日々が、あっという間に文字通り崩壊してしまう。ここから立て直していくのは、途方もないことだよね。
    読み終わってしばらく余韻が残る。

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    2026年03月24日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これは、出版社にブラボー!です。
    よくぞ上下巻に分けずに800ページを一冊にまとめてくれました。
    だって、もう、止められないもの、続きが気になって。

    主人公のかな子は、横濱で知らぬ者のない商家、檜垣澤家の当主の妾の娘。
    両親に愛されて育ったが、8歳の時に母が火事に巻き込まれて亡くなったのをきっかけに、父のもとに引き取られる。
    しかしその時には父は、卒中の後遺症で寝たきりになり、意思の疎通もままならない状態で、予後が良くなることなく父も亡くなった。

    女中部屋住まいから、物置部屋へと少しずつ自分の居場所を広げていくかな子。
    自分の居場所は自分で切り開かなければならない。
    売れっ子芸者だった母が幼かったかな子に教えたのは、人の顔色と声色と腹の色を見極めなさいということ。
    誰が敵か味方か、後に覚えた将棋で、手駒を増やすことも考えながらかな子は成長していく。

    かな子の父の正妻はスヱ、その長女である跡継ぎの花、さらにその長女の郁乃。
    檜垣澤家は女系一族なのである。
    花の夫である辰市が事故で亡くなっても、事業には何の問題もない。
    郁乃の夫である惣治はいるものの、病弱な郁乃の代わりを徐々にかな子が担っていくが…。

    一応はミステリなのだ。
    でも、とりあえずミステリでなくても、この女系家族の腹を見せ合わない駆け引きが面白い。
    誰も心の内を話さないので、かな子視点で想像するしかないのが、もどかしくも愉快。

    郁代の妹の珠代や雪江に可愛がられるために、かな子が取る態度。
    檜垣澤家の使用人たちに対する態度。
    家にいたって気は抜けない。

    でも彼女は頭がいい。
    勉強ができるだけではなく、その時自分が求められている役割を間違うことなくこなすことが出来る。
    花の妹の初(スヱの次女)の婚家である山名医院の書生である西原が、かな子には腹の色が読めない存在として登場するが、これの存在もかな子の成長を促している。

    というかねえ、何気ない描写が後々思いがけないスイッチになったりして、実は良質のミステリだったのだよなあ。

    檜垣澤家の炎上とは、SNS上の炎上ではなく、火事のこと。
    横濱は火事が多かったらしい。
    函館も大きな火事が多かったから、港町って風が強くて炎上しやすかったのかしら。

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    2026年03月09日
  • ここだけのお金の使いかた

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    わらしべ長者から怒涛のように感じた。
    お金にフォーカスをあてた話ばかりだが、先のものほど「お金」を強く意識し、後になるほど「人生」を意識していく。非常に面白い。

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    2026年02月03日
  • おいしい旅 初めて編

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    「アミの会」という女性作家の集団が書いた他のアンソロジーを読んで興味を持ったので。

    旅をテーマにした短編を綴ったアンソロジー。

    それぞれが短編とは思えないほど内容が濃い。旅に出たくなる。コロナ禍の状況も、ロシアに行けなくなってしまった状況もリアルに描いている。前向きになれる結末が多くてよかった。

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    2026年01月30日
  • ここだけのお金の使いかた

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    どの作品もとても面白かった。
    特に気に入ったのは『わらしべ長者のつくりかた』と『二千万円の差額』
    お金関連の話なので共感できる部分や考えさせられる部分があり、とても読み応えがあった。

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    2025年12月25日
  • これが最後のおたよりです

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    もうひとつある 鷹宮家四訓 ★★★★★
    孤独の谷 ★★★★★
    扉を開けて ★★☆☆☆
    猫への遺言 ★★☆☆☆
    キノコ煙突と港の絵 ★★★★☆
    十年日記 ★★★☆☆
    そのハッカーの名は ★★★☆☆
    みきにはえりぬ ★★☆☆☆
    青い封筒 ★★★★☆
    黄昏飛行 時の魔法編 ★★★☆☆
    たからのちず ★★★★☆

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    2025年11月30日
  • ここだけのお金の使いかた

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    お金に関する短編集、どれもこれも今の世相を表す物語でした。
    私的に良かったのは(百万円の無駄)(わらしべ長者のつくりかた)(二千万円の差額)
    宝くじで100万も当たったら自分ではどうするだろう?!
    こっそり好きな物や好きな事に使うだろうか?!やっぱり家族で旅行したりしたいなぁ〜とか思ってしまった。

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    2025年05月19日
  • キッチンつれづれ

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    久々のアミの会本。食べること、作ることをテーマにした本で、それぞれ明るかったり切なかったり色々だけど、まぁどの短編も面白いこと!アミの会編の本で読み始めた作家さん多いなぁ。食べることはやっぱり誰かとの繋がりがあることが多くて、その繋がりを描いた短編がどれもよかった。

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    2025年05月17日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    昨年12月に読んだ複数の雑誌で見掛けて気になり、読みたかった作品。
    昨年のうちに買おうと思ったけれど、在庫が書店にもなく、ネットにもなく、予約すらできず、買えたとしても定価以上の値段…。
    メ〇カリではなんと、定価の倍以上の値段で販売されていてびっくり(⊙⊙)!!
    なので、買うことをすっかり諦めていたのだけれど、重版されたタイミングで手にすることができた。

    横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾であった母を亡くしたかな子は、この家に引き取られる。ある夜、婿養子である辰市が不審な死を遂げる。やがて、かな子が辿り着いた真実とはー…?

    主人公であるかな子。
    幼いながらに母の教えに従い、心を許せる相手がいない檜垣澤家の中でうまく立ち回る。
    優れた観察眼を持ち、相手に合わせて臨機応変に接し方を変え、子どもらしさを見せるのは檜垣澤家の三姉妹を喜ばせるための演技をする時だけ。
    女中たちからの嫌がらせにも屈しない。
    まだ10歳に満たない子どもなのに、達観しすぎていて、そうしなければ生きていけない境遇を思い、読んでいて切なくなった。

    かな子の前に立ちはだかる壁、大奥様がまたすごい。
    檜垣澤家の中で起こること全てが、大奥様の思惑通りに動いている。

    また、同じ妾腹であっても性差があることに驚いた。
    男に産まれていたら手に入れられたであろうものが、かな子には手に入らない。
    女であることをいいことに、いいように使われ、遠ざけられてしまう。
    年齢を重ね、「努力は惜しまない。自らの手で掴み取りたい。」と逆境に立ち向かっていくかな子を心から応援したくなった。

    本書は明治から大正時代の物語で、歴史的背景も語られており、歴史に明るくない私はすごく勉強になった。
    スペイン風邪の描写はコロナに似ているように感じた。

    物語の根底に大きな謎が横たわっているが、ちょっとした謎も織り込まれていて、ボリュームがあっても飽きることなく楽しめた。
    読みやすいが故に、サラっと読んでしまいがちで、謎が明らかになる場面では「あっ、あれが伏線だったのか…!」と毎回驚かされた。

    それまでのかな子を見守ってきたからこそ、ラストシーンは胸にグッときた。
    彼女たちの未来が明るくありますように。

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    2026年04月25日