椎名誠のレビュー一覧
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「椎名誠」の私小説『かえっていく場所』を読みました。
『南洋犬座―100絵100話』、『家族のあしあと』、『春画』に続き、「椎名誠」作品です。
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かけがえのない、あの場所へ──。
家族、友人、忘れ得ぬ土地……。
三十年住んだ武蔵野の地を離れ、妻とふたりで都心へと居を移した「私」。
ゆっくりと確実に変化していく日常と、家族の形。近づいてくる老いと沈殿していく疲れを自覚しながら、相変わらず取材旅行に駆けまわる毎日だ。
そんなとき、古い友人の悪い報せが「私」を大きく揺るがせる…。
『岳物語』から二十余年。
たくさんの出会いと別れとを、静かなまなざし -
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著者の中には紺色制服着用職、特に公務員に対する反感と、ジャーナリズムに対する世直しのほのかな期待が同居する。
しかしジャーナリズムに対する期待はとあるパーティーでのウニ寿司攻防戦に敗れたことによって崩壊する。
自らの生活に必要なのはジャーナリズムではなく著者が敵とさえ思っていた紺色制服着用職の人々であると気づく。
国分寺の古書店の女将はやたらと客を叱り飛ばす嫌な店主であったがしかしそれは真っ当な叱責であり客を大切にする本来の書店の姿なのだとも気づくのだ。
著者自身が名付けた「昭和軽薄体」なる文章には少々慣れが必要だが、体制に牙を向くような若い著者のバイタリティーを感じる。 -
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読書力養成読書9冊目。
椎名誠さんの文章を読むのは初めてではありませんが、著書を読んだのはこれが初めてです。
読み終えたときにまず浮かんできた言葉は、青春グラフィティ。主人公の津田尚介が、市立羽賀高校に入学し、「まあいいやどうだって」と思いながらも教師たちと出会い、友達と出会い、そして柔道と出会って柔道部に入り、通学電車で見かける「さの・あつこ」に胸を躍らせ、他校の生徒らと殴り合いの喧嘩をする、これを青春と呼ばずしてなんと呼びましょう。
本書は椎名さんの自伝的小説で、〈記憶の中の実際の体験をそのまま書い〉たそうです。ですから登場人物も、名前は違えど実在の人物。この後彼らはどうなっ -
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自身の旅にまつわるエッセイ。
最初の2章くらいまでは、旅先での不思議体験が色々と紹介されているけれど、次くらいから普通の(‥‥とは言っても普通じゃないところが椎名さんの旅なのだけれど)旅のエッセイとなっている。
しかし、オバケ系じゃなくてもすごい旅ばかりなのだ。
普通の人じゃなかなか体験できなさそうな貴重な体験を色々されている。
泊まる場所もホテルばかりではなく、そういった宿泊施設がない場所では、廃墟で泊まれそうなところに案内してもらったり、民泊させてもらったり。
日本の便利な生活に慣れてしまうと、カルチャーショックが大きすぎるだろうが(特に排泄系)、そんな旅の中でも、ステキだな~と思ったの -
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山登りが好きな両親がつけた名前、ってだけでソッコー読みたくなった本でしたが、山の話はでてこないです。笑笑
ただ、山登りが好きなお父さんだけど、釣りにハマった息子に釣りに付き合わされるっていう構図で話は進みます。
リアルな実体験、息子とわたしの話なのですが、読んでいて、、、息子の成長、青年期への緩やかな流れが、作者が旅小説を書く人で、年の数ヶ月海外へ行って帰ってきてることもあり、帰るたびに変化してる息子との対面。
家にいて仕事をするため、小さなころは送り迎えはお父さんがしていたので、公園でのコミュニティやら、仲良しのお友達、ママ友などをこんなふうに思った。という冷静な視点でゆったり分析して -
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筆者の旅に関するエッセイですが、怪しい探検隊等とは肌触りが違うように思います。旅の宿での体験が面白く書いてあります。面白くはありますが、おかしくはありません。これまでの面白おかしくという雰囲気とはいささか違うように思いました。少々報告文に近い印象。
「旅先のオバケ」という書名で、心霊関係の本かと思いましたが、そちらの内容は最初にフムフムとすぐに読み終えます。むしろ「オバケ」は心霊にあらず、人の情念こそが「オバケ」なのだ、ということかなあ。この書名をどう読むかで何かが大きく変わるように思います。
人の情念がオバケなら、情念で動く世界情勢もまたオバケ。
しかし、そんなオバケを目の当たりにしながらも -
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椎名誠さんの旅エッセイの中でも、"霊的なもの"に特化したエッセイ。
正直、ここ十数年、椎名さんのエッセイはわりと使い回しのエピソードが多くて、読んだことあるような…という話がとても多い。
ましてや今回のはオバケ話を集めたものなので、確実に以前読んだことある話が満載だった。
もちろん、より詳しく書いてあるし、初聞き(読み?)の話もあったけれど。
若い時の椎名さんは、無人島や秘境にドカドカ行って、ビールをガバガバ飲んでっていう、ワイルド系のイメージだけれど、実は(?)わりと繊細で神経質な部分も持ち合わせている(と思う)
だから、一見、霊とか一顧だにしないように思うけれど、実は霊