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椎名誠が衝撃的なデビューを飾ったスーパーエッセイ。ここから作家椎名誠の伝説が始まった。客を叱りつける古書店のオババとの確執を軸に鉄道業界、警察、甲子園への疑問や怒りをぶつける。その文体と流れ、構成などそれまでのエッセイの常識を破壊した作品が電子書籍になって登場。
本作用に表紙イラストを椎名誠が描き下ろし。巻末には、「対談 椎名誠×目黒考二」「電子書籍版あとがき」「椎名誠の人生年表」を掲載。
<目次>
1 国鉄はいま わしらの眼をまともに見ることができるか
2 日本の“本官”たちはいったい何を話しておるのか
3 死ね! そこいら中の制服関係の皆様
4 うに寿司のジャーナリズム的摂取方法
5 夕陽にむかい背を丸め痛恨のチーズケーキ九六〇円の春
文庫版のためのあとがき
対談 椎名誠×目黒考二
電子書籍版あとがき
椎名誠の人生年表
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Posted by ブクログ
(2023/8/30)
ずいぶん昔に一度読んだが、1年ほど前になって無性に読みたくなった。買った。
そうそう、「スーパーエッセイ」だ。「昭和軽薄体」だ。流行した当時は熱狂したものであるが、その饒舌、そのいかにもセーネンぽい熱、そしてその古さには、今読むと閉口を禁じ得ない。
逆に(当時は熱狂ゆえにほとんど気がついていなかったが)、制服へのアンチテーゼと、やがて愛しき制服への帰依というプロセスを、独特の観察によって描き出した意外な深みは、年を経て感じることができた。その観察、ひいては椎名氏の人となりがそのまま描き出されているという点で、やはりエッセイ、文章というものはそれぞれの生き様を映す鏡に他ならないということが大いにわかった。
すなわち、例えば昭和軽薄体を、例えば同時代に、オレが編み出して書いたとしても、面白いものにはちっともならない道理である。
Posted by ブクログ
読み終わって得るものは、な~~んもない。けど、それがいい。
テレビ業界ではトリビアの泉以来、「ためになる系」の番組がゴールデンの主流を握っているらしいし、本業界でも「新書ブーム」が起こった。お手軽にためになる情報を手に入れたいという欲求はかなりの人に共有されているようだ。そんな中、この本はほっとんどためになることはない。俺は怒ったぞ~!!、ということを「昭和軽薄体」と筆者が名づけた文体で延々と、え~んえ~んと述べていく。それでも読み続けられるのは、文体の軽薄さの奥に筆者の人間性、人徳というものが確かに見えるから。がしかし、そこで早合点してはいけない。この本のメインは決してそこではないから。人間性や人徳なんかは、二の次。とにかくくだらない。そのくだらなさを楽しもう。
なんかよく分からんが、僕はこういうのを楽しめる人とは、きっと仲良くなれる気がする。
Posted by ブクログ
著者の中には紺色制服着用職、特に公務員に対する反感と、ジャーナリズムに対する世直しのほのかな期待が同居する。
しかしジャーナリズムに対する期待はとあるパーティーでのウニ寿司攻防戦に敗れたことによって崩壊する。
自らの生活に必要なのはジャーナリズムではなく著者が敵とさえ思っていた紺色制服着用職の人々であると気づく。
国分寺の古書店の女将はやたらと客を叱り飛ばす嫌な店主であったがしかしそれは真っ当な叱責であり客を大切にする本来の書店の姿なのだとも気づくのだ。
著者自身が名付けた「昭和軽薄体」なる文章には少々慣れが必要だが、体制に牙を向くような若い著者のバイタリティーを感じる。
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