あらすじ
津田尚介は、県立高校の受験に失敗し、創立2年目の“落ちこぼれ救済”の市立高校に滑り込む。最初は「まあいいやどうだって……」とすべてに醒めていた尚介だったが、親友ができ、打ち込めるスポーツをみつけ、気になる女学生が現れ、しかも喧嘩相手には事欠かず――と、その高校生活は徐々に熱くなって行く。喧嘩と柔道に明け暮れた高校時代を、パワフル&爽やかに描く、自伝的熱血青春小説。
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Posted by ブクログ
すごく良い本に出会えた気がします。作者の自伝だそうですがこんな光景今ではあんまりないですよね。麦の道というタイトルも読んだ後思うとすごく雰囲気に合ってます。7.30
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
津田尚介は、県立高校の受験に失敗し、創立2年目の“落ちこぼれ救済”の市立高校に滑り込む。最初は「まあいいやどうだって…」とすべてに醒めていた尚介だったが、親友ができ、打込めるスポーツをみつけ、気になる女学生が現れ、しかも喧嘩相手には事欠かず―と、その高校生活は徐々に熱くなって行く。喧嘩と柔道に明け暮れた高校時代を、パワフル&爽やかに描く、自伝的熱血青春小説。
椎名誠の青春小説はどれもこれも自伝的な本ばかりなので、登場人物に愛があります。本人が郷愁を感じながら書いているのが分かるので、自分も失われた時間を見つめながら読んでしまうので、懐かしい気持ちとほんのりとした寂しさで胸がキュッとします。しかし僕の30歳くらい上の先輩方は結構バイオレンスな青春を送っていたんですね。殴り合いで歯が折れたり、待ち伏せしてリンチしたりとか今考えると事件ですよね。先生も平気でグーパンするし。
Posted by ブクログ
読書力養成読書9冊目。
椎名誠さんの文章を読むのは初めてではありませんが、著書を読んだのはこれが初めてです。
読み終えたときにまず浮かんできた言葉は、青春グラフィティ。主人公の津田尚介が、市立羽賀高校に入学し、「まあいいやどうだって」と思いながらも教師たちと出会い、友達と出会い、そして柔道と出会って柔道部に入り、通学電車で見かける「さの・あつこ」に胸を躍らせ、他校の生徒らと殴り合いの喧嘩をする、これを青春と呼ばずしてなんと呼びましょう。
本書は椎名さんの自伝的小説で、〈記憶の中の実際の体験をそのまま書い〉たそうです。ですから登場人物も、名前は違えど実在の人物。この後彼らはどうなったか、「あとがき」で知ることができて感無量でした。
彼らがどんなに大けがをしても、親は決して出てこないのが時代を感じさせます。こんなん今だったら、すぐさま親が学校やら相手の生徒の家やらに怒鳴り込んでいくところでしょうけど、男の子を持つ親は当時、「子供ならケガしてなんぼ」くらいに思っていたところがあったのではないでしょうか。
椎名誠さんはとにかくたくさんの著書があり、大量の文章を書いていらっしゃるので、情景描写や心理描写はさすがだと思いました。常にコミカルな明るさが漂っていて、楽しく読めました。