椎名誠のレビュー一覧
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なんだか椎名さんの本にしてはタイトルもカタイし表紙も明るくない。その予感通りに、割と重苦しい、というか切なくなるような話が続く。記憶というものが割と適当であること。その記憶と現代の風景を照らしあわせてみて、落胆したり、喜んだり。前半はなんだか本当に風景の退化ばかりが目立つような気がして、それが現実なのだろうなあとしんみりするのだけど、だんだん慣れてくると、椎名さんはいつのまにか、酒飲んでガハハっぽい雰囲気になってくる。とはいえ、劣化に落胆することや、懐かしがることはずっと変わらない。
僕も、近くまで行くと昔住んでいた所を見に行ったりすることがあるが、もうちょっとまじめに記憶と風景を照らしあわせてみたいなあ、と思った。僕がそうしても誰も喜ばないが、なんだか自分への義務のような気がする。 -
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かつをぶしに偏愛をささげて40年。だし汁の味はもちろん削った時の、薄桃色の優しく艶やかなひとひらふたひら。男らしい語感、凛々しいお姿。全面的にかつをぶしをお慕いする、シーナの拘りよじれる愛と真実のかつをぶし人生。他に、蚊とり線香とラーメン丼のグルグル渦巻きの検証と考察。魔法瓶と大相撲の相関関係。ニクタイ疲労時およびオトコの武器についてetc、シーナの始まり的エッセイ集。(「BOOK」データベースより)
久々にシーナさんの本を読みました。
あーまだ読んでいないのがあった!と嬉しかった~♪
相変わらず、いろんなくだらない(シーナさん、ごめんなさい)ことを潔く力強く語るシーナ節、いいなあ。
かつをぶしもいいけどね。
読みながら絶対吹き出しちゃうかニヤリとしてしまうので、電車などで読むときは気をつけなきゃいけません。
毎日、いいことも悪いことも全力で楽しんでいるんでしょうね、シーナさん。
見習いたいなあといつも思います。
あーおもしろかった! -
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七月の講演会で椎名さんが「今年はこの後、ちょっとどうかしてると思うほど次々本が出ます」とおっしゃっていたが、まったく読むのが追いつかないくらいだ。雑魚釣り隊に続いて探検隊本隊(?)のもあるし、最後の赤マントも出る。とてもにぎやかだけれど、ここのところ椎名さんの本を読むとちょっと切なくなってしまう。これもそんな一冊。
椎名さんが、思い出深い場所を訪ね歩き、その風景の変わりよう(あるいは変わらない様子)を綴っている。子ども時代を過ごした千葉の海、新橋・銀座は「ストアーズ・レポート」社の頃、武蔵野の家で子育てをし、「ガクの冒険」は四万十川、新宿御苑近くのビルで「本の雑誌社」は始まった…。
いやまったく、なんとエネルギーに満ちあふれた熱い人生であることよ。長年の愛読者としては、老年にさしかかろうとする今、それら懐かしい場所に立つ椎名さんの胸の内を思うと、何とも言いようのない感傷的な気持ちに襲われてしまう。
私は「岳物語」に始まるシーナファミリーの物語が大好きなので、そこはことにしみじみした気持ちで読んだ。誰だったか、「子育てにはゴールデンタイムがある」と書かれていたが、まったくそうだなあと思う。子どもたちが小学生だった頃、一緒にどこかに行ったり、いや別にどこへも行かなくても毎日の生活の中で、笑ったり困ったりバタバタしていた頃が、今思えば実に黄金の時間だった。過ぎ去らないとわからないものっていろいろある。椎名さんもきっと同じような思いでかつて住んだ家を見上げたんだろうな。
著者自らの手になる写真がとてもいい。表紙も含めすべてモノクロで、そこがノスタルジックな気持ちをかき立てる。なんだかしんみりと読みました。 -
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唯一無二の世界観。
解説で、椎名誠自身が好きというオールディスの『地球の長い午後』をオマージュしたものであることが触れられているが、どちらも非常に独特な未来世界を描き出していて、甲乙はつけられない。
生物の生存競争と広告戦争が混ざり合った奇妙ながら壮絶な生き物たちの姿は初めて見る光景だった。
特に巨樹同士の争いは圧巻。樹が動かす枝の動きに合わせて虫たちが踊り、広告の文字を浮かび上がらせ、それを阻止しようと鳥が群がる。そんなマクロなスケールの描写と共に、蠢く小さな虫たちの一匹に焦点を当て、ディティールの見事な闘いも描く。
この生物のディティールは本当にいいなあ。
人間たちのパートよりも、こうした人間不在の場面の方が強烈な印象を残す。
椎名さんの小説は初めてだったので、他のSF作品も読んでみたい。 -
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2010年1月に角川書店から発行された単行本の文庫化。
椎名誠のフォトエッセイ。主に1980年代に旅した各地について、写真を見ながら思い出しつつ書き綴ったもののようです。
旅した先は観光地とはちょっと違う、例えばタクラマカン砂漠の楼蘭やブラジルのベレンなど。また中国やモスクワも訪れているが、今ほど行きやすい場所ではないし、ミャンマーなどは厳しい軍事政権下だ。
椎名さんの文章は旅先で出会った人々のあたたかさやその土地土地の空気感が感じられて、とても生き生きとしている。行ってみたいなぁと思わせられるけれど、かなり不便なところを訪れているので、やっぱり話を聞くだけで十分かな。
人生が息苦しく感じた時に読みたいエッセイ。 -
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連続講演会の記録。
毎回お題(こわいもの、食べる、生きること死ぬこと、乗物・・・)を
決めて、それに関係した絵本を選んで紹介しつつ
人生に関わる四方山話というスタイル。
絵本ガイドはいろいろでているけれど、
母親とか保育者とはかなり違う「椎名誠」という視点が
やはりちょっと新しいのかもしれない。
おりおり語られる日本社会への危機感や絵本への批評は
共感できるものが多かった。
なかでも「スーホの白い馬」を映画にするという話題はとても興味深かった。
古今の名作から椎名さんらしい推薦作、自著まで
200冊近い絵本が紹介されているが、
自らの子育て中にであった作品が多く、
講演そのものも20年くらい前なので
その当時の絶版本はもちろん今入手困難な本も多そう
(そして紹介されていないその後20年間の良書も)。
ともあれ、未見のおもしろそうな本いくつかは
マークしておいおい探していこう。