椎名誠のレビュー一覧
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読み終わって得るものは、な~~んもない。けど、それがいい。
テレビ業界ではトリビアの泉以来、「ためになる系」の番組がゴールデンの主流を握っているらしいし、本業界でも「新書ブーム」が起こった。お手軽にためになる情報を手に入れたいという欲求はかなりの人に共有されているようだ。そんな中、この本はほっとんどためになることはない。俺は怒ったぞ~!!、ということを「昭和軽薄体」と筆者が名づけた文体で延々と、え~んえ~んと述べていく。それでも読み続けられるのは、文体の軽薄さの奥に筆者の人間性、人徳というものが確かに見えるから。がしかし、そこで早合点してはいけない。この本のメインは決してそこではないから。 -
Posted by ブクログ
大黒屋光太夫のロシア漂流を追う、シベリア横断の旅。
大黒屋光太夫のロシア漂流は、井上靖の「おろしや国粋夢譚」で読んだことがあります。三重から漂流して千島まで流されてロシア人に助けられ、帰国を求めてシベリアを横断してサンクトペテルブルグの女王に会いに行きます。結局帰国が許されて北海道に送り届けられますが、日本では幽囚の身となって余生を送る実話です。この本は20世紀に生きる著者が、その経路を追った旅行記です。
大黒屋光太夫の記録には無い、生のシベリアの姿が伝えられてとても面白い。20世紀であっても、シベリアの過酷さは昔と変わらないのかもしれない。夏場の蚊の来襲に悩まされ続ける一行の記述が、シベリ