あらすじ
サンフランシスコの息子・岳から家族ともども日本に帰るという連絡が入った。マゴの風太くん、海ちゃんとのひさびさの対面を前に、シーナの意識にタダナラヌ変化があらわれる。執筆や取材の旅で身辺多忙をきわめながらも「いいじいじい」になるためにベジタリアン化したり人間ドックに入ったり……。もうすぐだ。マゴたちとの楽しい「約束」が待っている。シーナ家三世代の物語、待望の続編。
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「幸せ」を全面に押し出しているわけでもないのに、文章から幸せがにじみでてくる感じがしてとても心地よく読むことができた。お孫さんや息子さんとの心温まるエピソードも好きだが、最近取り組んでいるテーマがとても興味深いと思った。そちらも本になるのが楽しみだ。
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あのシーナさんが「じいじ」になった!
もう恐ろしくデレデレなのだ。扉の著者近影にシーナさんの顔があるのだが、
「さつえい・風太君」とある。これが見事なまでにシマリのない顔に。。
あの尖った「おうおう、うりゃうりゃ」な雰囲気はどこへやら。
一人称が「わたし」に、
しかも「です、ます」口調で、
少々気味が悪いが^^ …もうシアワセいっぱいなのである。
『探検隊』時代の懐かしい名前もちらほら登場して、同窓会気分で、ちょっとガラの悪かった先輩の話を久しぶりに聞いている気分。
あのギラギラした先輩も、孫を前にすると、ドロドロに溶けてしまうだ。。
そんなシアワセ感のおすそ分け。有り難く頂戴します。
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シーナ氏の手による最新の、そしておそらくは最後の私小説。
前編(「大きな約束」)も良かったが、その後編となる本書もとても良かった。
これはなんというのだろう。大好きなシーナ氏の手による文章を読み進めるだけで、しみじみ読書のタノシミとシアワセを味わえる至福のひと時。いつまでも読み続けていたい。そう思わせてくれる、僕にとっては稀有な著者の一人なのだ。
本作(前編・後編とも)は、ある意味、大ベストセラー「岳物語」の後日譚。岳物語で小中学生だった主人公の岳が、19歳で米国西海岸に渡り、結婚し、子供も出来て、そして15年ぶりに家族で帰国することになった。そしてその大きな流れと並行して、著者・シーナ氏も還暦を過ぎ、大小様々な悲喜こもごもやら紆余曲折やら喜怒哀楽を噛みしめながら、それでも多忙な日々を過ごす日常。そうした全てが、過去50年来あまり変わらない(注:褒め言葉です)大好きなシーナ文体で綴られて行く。コレを読みながら至福を感じずに、何を以て至福を感じろと云うのか。責任者出て来い!...と、ついついシーナ文体モドキで熱くなってしまうのだ。
シーナ氏もあと僅かひと月あまりで80歳。コレが本当に最後の私小説になってしまうのか?
否。是非ともこの続編も書いて欲しい。切にそう希うのだ。
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内容(「BOOK」データベースより)
サンフランシスコの息子・岳から家族ともども日本に帰るという連絡が入った。マゴの風太くん、海ちゃんとのひさびさの対面を前に、シーナの意識にタダナラヌ変化があらわれる。執筆や取材の旅で身辺多忙をきわめながらも「いいじいじい」になるためにベジタリアン化したり人間ドッグに入ったり…。もうすぐだ。マゴたちとの楽しい「約束」が待っている。シーナ家三世代の物語、待望の続編。
椎名さんもすっかりお年を召しましたがますます忙しいようで、自由な印象とは程遠い原稿四の字固めで毎日毎日忙しく過ごしているようですね。この本からも数年経っていますが、未だに本出てますから本当にすごい。内容的にも親子、夫婦、友人との関係の在り方が良く書かれていて、昔から読んできたオールドファンには納得の内容かと思います。
この本の中でとうとう岳君(僕と同い年)も日本へ帰国するという事で、孫物語がとても楽しみです。
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岳物語以来のシーナさんの私小説。文学賞の裏側、小笠原への旅など、興味深いエピソードがたくさん。でも何と言っても、長男の岳君が、中学生の頃に、自分のことが書かれた本を読んで、父に激高したエピソードと、それからの父と子の関係についての紹介が、印象的でした。15年間アメリカに住み、二人の子供を持つ長男は、帰国することになり、そこで本書は終わります。シーナさんの人生の新たなステージの予感に満ち溢れたエンディングも印象的。
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「大きな約束」の続編。
椎名誠氏もすっかりおじいちゃんです。
「じいじい」
「はいはい」
「なんでハナにはハナクソが入ってるんだ?」
「なんでナルトはぐるぐるなんだ?」
回答が気になりますね。
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じいじいになった椎名誠氏の私小説新境地。帰って行く場所で少し暗くなった私小説が、新たに明るい壮年のおじさんとしての目線で描かれている。
最後にあった、生きていくことが約束だってのは少しシビれた。
あと、カバーの著者写真がやけに笑顔だと思ったら、孫の風太君が撮影してるのね。こりゃいいや。
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寝る前に少しずつ読むのにふさわしいような落ち着いた感じのエッセイ。
わたしのそのときの感じ方によるのかもしれないけれど、「春画」「かえっていく場所」「大きな約束」より、なんとなくトーンが明るく、さっぱりしたような気もするような。
やっぱり、岳くんに自分のことを書くな!と言われてなにも言い返せなかった、というあたりの話が印象的だった。そこで、ただ黙っていて、それ以降は書かない、ってところがなんだかすばらしいなと。
でも、椎名さんはイメージと違って本当はものすごく繊細なんだなあと。そしてすごく心配症なのでは。
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ただのジジバカ日記のようにも見えるのだが、とても抑制的な筆致なのだ。自分の父から孫まで、ツヅイテいくことに対してのアタリマエの感傷が、淡い印象派の絵みたいに全体を照らしている。
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椎名誠氏の自伝的私小説。
他人のうちではあるが、椎名誠氏と奥さん、岳君、娘さん、孫の風太くん、海ちゃんと、親戚でもないのだが、その後の事が気になります。
自由に人生を謳歌している椎名誠氏の、シーナ的生活には、憧れますが、真似をしようとは思わないし、出来ないな。
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前編、大きな約束の続編。椎名さんの日常が淡々と綴られていますが、日常の小さな生活の中にも、ちょっとした事件があったりして、他人の日記を読んでいるような気分になります。また、読んでいて椎名家のように家人はバラバラで生活しているけれど、基のところではしっかりと繋がっている。こんな家族が理想的だな、と思いました。