あらすじ
シーナの息子一家が日本に帰ってきた。しっかりものの風太君、おしゃまな妹の海ちゃん、生まれたばかりの琉太君。三人のマゴたちに囲まれヨロコビに打ち震えるシーナ。仕事の合い間にきっぱり育児参加、週末の家族全員での寿司パーティが楽しみでのう、とマゴバカ街道まっしぐら。東日本大震災の混乱を乗り越え、気がつくと三匹はそれぞれの成長をみせていく。シーナ家三世代の物語、感動の最終章。
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Posted by ブクログ
「椎名誠」の私小説『三匹のかいじゅう』を読みました。
『大きな約束』、『続 大きな約束』に続き、「椎名誠」の私小説です。
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父と息子とマゴたちの、「シーナ家」三世代の物語。
『岳物語』から30年。
「じいじい」の大変で幸福な毎日
出産のためアメリカから帰国した息子「岳ファミリー」。
「風太」、「海」、新顔の「琉太」、孫たちとの毎日に「じいじい」は大忙しだ。
そして、3月の大震災。
家族たちの決断は・・・。
「シーナ家」の物語、最新作。
(解説/「沢野ひとし」)
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「椎名誠」が、雑誌『すばる』の2011年(平成23年)4月号から2012年(平成24年)6月号に連載していた作品14篇を収録した短篇集です、、、
本作品では、アメリカから帰国した孫の「風太くん」が5歳から8歳までの期間が描かれています… 「海ちゃん」は2歳から5歳、「琉太くん」は出生から3歳ですね。
■おばけトイレ
■大きなテーブル
■△のオバケ
■ピョンキューター
■脱走パラソル
■そうなんだ!
■転変
■三月のつめたい海風
■鼻まがり事件
■通院シフト
■風雲凄絶バースデーパーティー
■看病合宿の開始
■じいじい救急隊
■カタパルト発進
■あとがき
■文庫本のためのあとがき
■解説 沢野ひとし
本好きでしっかりものの長男「風太くん」、紅一点でおしゃまな御姫様「海ちゃん」、いつもケガの絶えない、きかんぼうの「琉太くん」… 「じいじい」である「椎名誠」の性格を隔世遺伝したような三人の孫たちに囲まれた、喜びあり、笑いあり、事件ありの育児参加の賑やかな日々が愉しく綴られています、、、
週末の家族全員での寿司パーティや、東日本大震災の混乱(原発事故の孫への影響に対する不安)での沖縄への避難、ケーキがぐしゃぐしゃの誕生祝い、「琉太くん」の骨折、「風太くん」と「海ちゃん」のインフルエンザ感染… 等々、様々なトラブルを乗り越えつつ、孫たちが成長する姿が微笑ましいですね。
「椎名誠」の私小説を続けて読んでいるので… 自分もその一員のような錯覚に陥ってしまいますね、、、
家族… というと大げさですが、遠い親戚のことのように、一緒に喜んで、悲しんでいる感じです。
このあたりの表現… というか、描き方は「椎名誠」の特徴ですねー ホントに巧いなぁ と思います、、、
本作品が連載されていたのが7~8年前ですからね… 三匹のかいじゅうたちも、小学校高学年から高校生ですよね、感慨深いですね。