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シーナ家に新しい家族が加わった。名前は「風太」。サンフランシスコに住む岳の子供だ。あいかわらず、旅に出て釣りをして写真を撮って酒を飲んで大量の原稿と格闘する日々の中に、涼風のように飛び込んでくる風太くんからの国際電話。スバヤク「じいじい」の声になって対応しながらシーナは思う。人生でいちばん落ちついたいい時代を迎えているのかもしれない、と――。シーナ的私小説、新章突入。
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Posted by ブクログ
孫の風太くんとの電話のやりとりは、ほんわか和みます。電話がかかってくるのを楽しみにしつつも緊張している椎名さんもなんだかかわいらしいです。 岳物語を読んだころを思い出すと、、、自分も年を取ったんだなぁと感じます。
椎名さんも孫ができてすっかりおじいちゃん風になってきているけれど、アクティブな生き方はすこしも変わっていなくてとても嬉しく思う。文章も相変わらずとても読みやすくて、好き。
人生のトップ3に入るダイスキな著者の私小説。 2009年の刊行だから、シーナ氏65歳時。なんと、今のオレと同い年じゃんか! そう考えると、なんだか感慨深い。そして今年2024年にはシーナ氏80歳なのだ! そして本書。 鮮烈かつ圧倒的感動に咽んだ伝説的私小説「岳物語」から幾星霜。岳も父親となり、シーナ...続きを読む氏は「じいじい」になった。なんともほのぼのとした情景が浮かぶ。そして本書の印象も、彼の実年齢に即した枯れ感というか、達観を感じさせる雰囲気と語り口を感じさせるのが、大のファンの一人としては、なんとなく寂しい気もしないでもない。 もう一作の続編の方も一気に読めそうだ。楽しみ。
「椎名誠」の私小説『大きな約束』を読みました。 『本の夢 本のちから』、『カツ丼わしづかみ食いの法則 ナマコのからえばり』、『海ちゃん、おはよう』に続き、「椎名誠」作品です。 -----story------------- 『岳物語』から25年。 「シーナ」、「じいじい」になる 忍びよる老いを意...続きを読む識しながらも、相変わらず旅に原稿に忙しい「シーナ」。 だが、アメリカに住む息子に子供が生まれ「じいじい」になるという変化が。 家族の物語、新章スタート。 「シーナ家」に新しい家族が加わった。 名前は「風太」。 サンフランシスコに住む「岳」の子供だ。 あいかわらず、旅に出て釣りをして写真を撮って酒を飲んで大量の原稿と格闘する日々の中に、涼風のように飛び込んでくる「風太くん」からの国際電話。 スバヤク「じいじい」の声になって対応しながら「シーナ」は思う。 人生でいちばん落ちついたいい時代を迎えているのかもしれない、と―。 「シーナ」的私小説、新章突入。 (解説/「もとしたいづみ」) ----------------------- 「椎名誠」が、雑誌『すばる』の2007年(平成19年)3月号から2008年(平成20年)1月号に連載していた作品11篇を収録した短篇集です、、、 サンフランシスコに住む息子「岳」に子どもが生まれ、「椎名誠」が祖父となり、私小説も新しい段階に突入しましたね。 ■こんちくしょうめ ■風に揺れる樹 ■用意は? できてます! ■ふたつの島で ■花のまつり ■回流していく時間 ■「ブチクン」への旅 ■山の上の家 ■熱風の下 ■きのこ街道 ■冬の風 ■前編のあとがき ■解説 もとしたいづみ 取材旅行に忙しく、娘も息子もアメリカに暮らし、奥さんは時折チベットに出かける… という生活環境は、これまでの私小説と同じなのですが、大きな変化は孫ができたこと、、、 サンフランシスコに住む3歳の孫「風太くん」から、たびたびかかってくる国際電話、 「じいじい」 孫の「風太くん」のいつもののんびりした声だ。 「はいはい」 わたしはじいじいの声になって明るく答える。 この、ほのぼのとして、心安らぐ会話がたまらなく良いですねー いつか自分にも孫ができたら、こんな感じになるのかなぁ と想像しながら読みました。 ただ、日常生活が退屈な日々かというと、そうでもなくて… 取材旅行先での色んなエピソードや、狭い道路でのクルマ(愛車のメルセデスベンツ)の離合を発端としたトラブルや、クルマへの衝突事故、友人の病死等々、順風満帆とはいえない日々が淡々と綴られていて、愉しく読めました。 作中、何度も「椎名誠」が料理して食べる、辛い辣油をたっぷり入れた日本蕎麦… 食べてみたいなぁ、、、 最近、辣蕎麦(ラーソバ)というメニューを掲げている店を見かけたことがあるんですよねぇ… 同じ感じなのかな。気になります。 「風太くん」との"大きな約束"であるサンフランシスコのベイブリッジ(「風太くん」曰くベイブリブリッジ)での釣り… 続篇では実現するのかなー 続篇を読むのが愉しみです。
内容(「BOOK」データベースより) シーナ家に新しい家族が加わった。名前は「風太」。サンフランシスコに住む岳の子供だ。あいかわらず、旅に出て釣りをして写真を撮って酒を飲んで大量の原稿と格闘する日々の中に、涼風のように飛び込んでくる風太くんからの国際電話。スバヤク「じいじい」の声になって対応しながら...続きを読むシーナは思う。人生でいちばん落ちついたいい時代を迎えているのかもしれない、と―。シーナ的私小説、新章突入。 シーナさんもおじいちゃんになり、日々忙しく過ごしながらも穏やかな気持ちでおじいちゃんやっているんだなあとほっこりします。 が、しょっぱなからケンカで殴って人の歯折ってますがな。相変わらず血の気は多いようです。
あとがきのシーナさんのことば通り、なんにも起きないお話。でもそれを面白く、感じ入るのはやはりシーナさんの人柄と文章だなぁと思った。ちょうど沖縄に行くときに持っていったのでタイムリーだった。
時が流れてとうとう「じいじ」に。でも、年を取ってもずいぶん忙しそうなのである。あっちこっち移動してばかり。タフだなぁ。
椎名さんの私小説を読むのは、もう何度目かになりますが、未だに辺境の国に旅をするというワイルドな生活を送りながらも、孫の前ではひとりの「じいじ」になってしまうのが、とても微笑ましかったです。
淡々とした感じで日々のことがつづられているのが好き。 でも、やっぱり年をとってくると、友人知人の死や病気が多くなってくるのはしかたなく、読んでいてちょっと憂鬱になってくるような。(わたしは基本、ユーウツ気味な性格なのでそのせいも多分にあると思うけど)。 無理やりなカラ元気とか前向き思考がないのもいい...続きを読むかな。 続編も読みます。
「哀愁の町に・・」に代表されるエッセイの文体は饒舌であったが、「岳物語」や本作の私小説の文体は、削ぎ落とされておりながらウェットな文体で味わい深い。
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