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父がいた、母がいた、きょうだいがいた――。シーナ少年が海辺の町で過ごした黄金の日々。家族ほどはかなく脆く変動する「あつまり」はない――。海辺の町へと移り住み、大家族とともに過ごした幸福な日々は、「家のヒミツ」と背中合わせなのだった。若々しい母の面影、叔父との愉快な出来事、兄・姉・弟に対する複雑な思い、そして父との永遠の別れ…。戦後日本の風景を、感受性豊かな少年の成長を通して描く、豊饒な私小説世界。『岳物語』前史、謎多き大家族の物語。
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Posted by ブクログ
「岳物語」の流れをくむ、椎名誠さんの私小説。椎名誠さんが岳くんくらいの少年だった頃の物語。今までのエッセイにもちらちらとこの頃の話は出てきていましたが、まとって書かれているのは始めてで、でもご本人もたびたび書いているように、この頃の家庭環境はやっぱり分からないこと多いようです。 考えてみれば自分も子...続きを読む供の頃に、あれは結局なんだったのかなと思うことの一つや二つはあるもので。 地球中をどかどか旅してビールをぐいぐい飲んでいた椎名誠さんも気付けば年を取られたのだなぁと、寂しさも感じつつ、過ぎ去った昭和の日本の風景も懐かしく(この頃は生まれてませんけどね!)、思いながら読みました。 続編待ちます。
あとがきを読んでいて、「岳物語」に夢中だったころを思い出した。40年くらい前? 当時、シーナさんのカジュアルな文体に惹かれて、エッセイなどずいぶん読んだ記憶がある。 数年前、たまたまお孫さんたちんのことを書かれた「三匹のかいじゅう」を読んで、時の流れの速さを実感した。 こんなふうに自分史が書ける...続きを読むといいよね。 周囲の迷惑にならなくて。
2020.09.27~09.30 シーナ少年、元気だよね。根っこが作られた、時代。ほんわかしていて、のんびりしていて。 本当は、いろいろと嫌なこともあったはずだけど、そんなことを感じさせず、「あった、あった」とおもいながらわくわくしながら読めた。
父がいた。母がいた。きょうだいがいた。大家族で過ごしていた我が家には、フクザツな事情が隠されていた?当時の記憶を辿りながら、あたたかくも脆い「家族」の風景を綴ったシーナ的私小説。
椎名誠が自らの少年時代をつづった自伝的小説。 続編が出るというので手に取ったのだが、すでに読んだものであることに気づき、まあいいかとパラパラと読み進める。 世田谷で過ごした裕福だった幼少期、複雑な家族構成と千葉に都落ちしてからの腕白期をなぞるうちに、かつて楽しく読んだスーパーエッセイを思い出した。...続きを読むただ、小説やエッセイならうまくオチをつけて読ませるところを、村上春樹もそうだったように、記憶にある部分だけを正確に記そうとしているため、読み物としては物足りない。作者のファンが人となりを知りたくて読むにはいいのかも。
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