奥田亜希子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
行きたくない
そんな誰しも抱える感情。
タイトルを見て、取り憑かれたかのように購入。
学校、会社と、行きたくない気持ちは色んな場所に存在する。
私は会社。
6名の作家さんが描く、「行きたくない」お話。
個人的に、「ピンポンツリースポンジ」が好きだった。ロボットが色んな事をやってくれる世界の話。
その中で、突然にロボットが「行きたくない」って言い出す話。
あー、いつか現実でもこうしてロボット頼りの世界になるかもしれないな。なんて思いつつ、心が無いはずのロボットに「行きたくない」という感情が生まれる。
そうだよなぁ〜あるよなぁ…と。
はぁ〜、サボってみたいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ実緒が小説を書けなかったのは、圧倒的な経験不足かなと思った。
実際に経験したことから着想を得て書いていくタイプのようだから、高校を卒業して、人との関わりがぐっと少なくなって、それでインプットされないからアウトプットもできなかったのではないかな。
春臣といづみとの関わりは、実緒にとって今までにないものだったし、きっと今までにないものが書けるようになったんじゃないだろうか。
春臣へのストーキングはもちろん客観的に見たら気持ち悪いしダメなことだけど、読んでいる間は不思議と嫌悪感がわかない。実緒の視点で当たり前のことのように書かれているからだと思う。
実緒は、相手がそれをどう思うかわからない、という -
Posted by ブクログ
26歳の早季子は、小学生の頃に恋したマセガキ吉住君の「身体の中で、人はみんな一人なんだよ」という中二病セリフに感化されて以来、孤独ぶった投げやりな人生を送っている。どうせ理解しあえないからと、恋人も含めた人間関係をドライに消化している。
その上、久しぶりに再会した吉住君の内面も変わってしまっていたものだから、悲劇のヒロインぶりに一層の拍車がかかる。
「私はたぶん、この世界の誰とも付き合えない」なんて言っちゃう。
しかしこれは達観しているのではなくて、理解しあえないという現実を直視させられることが怖いだけなんだよな。
実際、宮内に異星人のような別の世界の人間として扱われることに嫌悪感を示して -
Posted by ブクログ
「書かなくては、自分の言葉を書かなくては、いつか本当に消えてしまう」
小さい頃から孤独だった実緒の側にずっとあった本。自分も賞を取ることができて注目されたのに、時間が経ち忘れられて誰も読まなくなってまた孤独になる
生きづらさを抱えながら、クラスの人気者のあの子のようにキラキラした青春を夢見ていた実緒の前に現れたのはいづみと春臣。
楽しい時間も束の間、実緒の行動によって3人の関係に陰りが見え始め、、
孤独であったが故に人との関わり方がちょっと常識からズレてたり、生きづらさを感じてるのに結局孤独である方が生きやすかったりするのかな⁇と感じました
この作品を読んで、本屋さんでいろんな本を手に取って一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私の中で、奥田亜希子さん2作品目。
各章ごとに、主人公が成長していっていて、おそらく私と同世代。其々に起こる実際のニュースや流行にも似たような関わり方をしていて、あー、そんなこともあったなぁと思いながら読んだ。
「求めよ、さらば」でゾワゾワさせられたミクシィにまた出会わされる笑
けど、本の半分、高校までくらいかなぁ、自分の記憶が曖昧な頃の話はなぜか全部夢の中みたいでフワフワしてつかめなくて、何の話を読んでるんだったっけと、浮いていた。
大学くらいから、ああ、そうかと思えるようになって、それまでのことも不思議とつながった。
だから最後まで一気に読めるときに読んで良かったかもしれない。
女子 -
Posted by ブクログ
愛衣という1人の女性の物語。
各章でそれぞれ年代ごとに愛衣の物語が綴られていく。
①クレイジー・フォー・ラビット
愛衣小学6年生。ウサギが好きな愛衣は当番でもないのに同級生の珠紀と毎日のようにウサギ小屋に行っている。
愛衣はその人が放つ匂いで嘘をついていることを感じることができた。嘘を感じさせない珠妃と友だちになりたいと思っていた愛衣は珠妃の話に合わせてしまうが、その時に感じたのは自分から漂う嘘の匂いだった。
②テスト用紙のドッグイア
愛衣中学2年生。美術部に所属する愛衣は、時々嘘の匂いを放つ仲良しグループのメンバーよりも、絵が上手な吉乃と仲良くなりたかった。
③ブラックシ -
Posted by ブクログ
ネタバレ連作短編集。
『プレパラートの瞬き』
「仕事が忙しいから、と頭に浮かんだ言い訳を、仕事が一段落したら行くね、に変換して舌に乗せる。」
『指と筆が結ぶもの』
「昔、おばあちゃんに言われたことがあるんだ。
家族になるなら、自分の長所を気に入ってくれる人じゃなくて、短所を許してくれる人を選びなさいって」
『ウーパールーパーは笑わない』
「出会えるといいね。今度こそ、ずっと一緒にいたいって思わせてくれるような相手に」
「それってどういう人なんだろうな」
「叱りたいって思える相手じゃないかな?私、一度でいいからちゃんと暁に叱られてみたかった」
『いちでもなく、さんでもなく』
「あの