奥田亜希子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【ポリアモリー】という言葉を私はこの本を読んで初めて知りました。意味は複数の人を同時に誠実に愛するライフスタイル。
この小説はそんなポリアモリスト(複数愛者)であることが入居条件のシェアハウスで暮らす男女4人の物語。それも相手は異性だけとは限らない所も多様性の現代を象徴しているようなお話でした。
悟郎さんは両親がカルト教団に入っていた事がポリアモリストになった原因の1つなんだろうけど、千瀬ちゃんは嫉妬もするし独占欲もあるからポリアモリストにはなりきれなかったのかな。
世の中には色いろな愛の形があるのですね。
奥田さん2冊目でしたがなかなか斬新な内容。他の作品もまた手に取ってみたいです -
Posted by ブクログ
それまでの家族という形態の何処かを欠かせた人達の連作短編6編。
登場人物を少し重ねて、他の人から見た彼らとして作品に登場させます。見失うくらいで楽しいです。
「いちでもなく、さんでもなく」は、双子の姉亡き後、その娘を引き取り育てた妹夫婦のお話。血縁は濃いけれど、本当の親子にはなれなかった家族。彼女は、姉になりたかったのか、母になりたかったのか、両方なのか。本当の親子だけが家族というわけでないね。って娘の巣立ちの時に、思いが溢れる優しい作品です。
“家族か他人か互いに好きな方を選ぼうか”がこの本のコピーのようになっていますが、血縁者との関係は何処か許している感じがして、そこが優しい希望になってい