奥田亜希子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
料理と恋愛にまつわる短編集。
料理が絡むからか、どれも一定大人の恋愛ストーリー。
一穂ミチのエピは不思議な色気を感じる作品。地味女かと思わせといてなかなかやりおる男女だわ。
古内一絵作品はこの人の根底にあるものが伝わるので嫌いじゃない。
君島彼方の作品は性的マイノリティの葛藤がいい具合に滲み出ていてこれも好き。
奥田亜希子のズルい男とそれをわかってて演じた女の話も結構好き。転がされてるようで転がす女は勝ち組だな、って思う。
ということでどれもなかなか思いを馳せることの出来る味わい深い短編集でした。
カレー食べたくなるよ
2025.11.11
204 -
-
Posted by ブクログ
一穂ミチ目当てで手にとる。あと巻末の山田詠美のエッセイ 「恩讐の彼方のトマトサラダ」も。
さすが山田詠美!この短い短いエッセイの中にユーモアの中にちゃんと彼女らしい美学が語られている。
今まで振られたことはないって、「男と別れるのは、相手が逮捕されるか、強制送還されるか、死ぬか、のどれかなんで」ってすごい。
原田ひ香の小説、(夏のカレー)初めて読んだけどこの60歳過ぎたしーちゃんと冴子の好き同士だったのに結婚には至らず40年にも渡る出会いから邂逅を経て別れまで(冴子の死)せつないラブストーリーだった。
恋、片思い、両思い、愛、婚約、浮気、裏切り、不倫、
恋愛に関することは”結婚”以外全部(冴子 -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレなんか好きな本だったな。
主人公は夫と死別した40代の女性。あれ、40代だったっけ?笑
娘は単身、北海道の大学へ。
心配は沢山あるだろうけど、きっと子育てから解放というか。
少し卒業が見えていたんだと思う。
紆余曲折あって、恋人ができるんだけど。
雑な恋がしたい、軽い恋人関係を結びたい。
と、お互いの気持ちが一致して
・お互い干渉、束縛はしない
・会計は割り勘
・お互いの家への泊まりはなし
という、一見恋人同士ではなさそうな条件を結ぶ。
でも、これって理にかなっているかも。って思う。
恋愛って楽しいけれど、
お互いが干渉し合って自由が減るのってすごくストレスだし。
今日はどっちが支払 -
-
Posted by ブクログ
----------------------------------
中二の夏、私はアパートの一室に逃げ込んだ。
男は「大丈夫だよ」と言って
受け止めてくれた。
SNSを通じた未成年者誘拐
真の罪を胸に突きつける長編小説
----------------------------------
正直、手に取るの悩みました。
仕事が辛くてメンタルも落ち気味だったので、
本作をちゃんと読めるかなと。
誰だって病んでるし、
辛いことがあるし、
苦しいことだってある。
主人公が葛藤を抱えるなか、
中二の頃を思い出し、
記憶を辿る。
あの時どうしようもなかった自分を救ってくれたのは、見知らぬ男性だっ -
Posted by ブクログ
高校の生徒と教師という関係の頃から「運命」を感じ、卒業後に結婚した20歳年上の夫と30代で死別した40歳(作中で41歳に)の女性主人公が、自分が失ってきたものの大きさに気づき、「雑な大人の恋愛」をしようとするというあらすじの現代の「大人の恋愛小説」。
20歳での年の差婚や死別後まもなく「雑な大人の恋愛」をしたいなど、主人公の生き方に共感するわけではないが、心理描写が丁寧なので、主人公をはじめ、いろんな登場人物に感情移入しながら読み進め、悪くない読後感だった。
最後に主人公が得た悟りのようなものは、「運命」「永遠」なんて存在しないが、その時々の生のほとばしりは真実であり「そのどれもが絶対的に美し