奥田亜希子のレビュー一覧
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一見良くないこと、道徳に反することに見えても、もしかしたらそれである意味では救われてる人もいるっていうことにハッとさせられた。命を続ける、命をつなぐっていうことは本当に複雑なんだ。Posted by ブクログ
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不妊治療中の夫婦の物語。
もっとドロドロした感じをイメージしていたけど、とても清々しい読後感。
夫婦はもちろん人との関わり合いには、時に本音でぶつかり合うことが大事だよなと思った。
誠太みたいな人がすごく好きだけど、リアルではなかなか出会わないタイプ。Posted by ブクログ -
5人の性別、年齢、住む場所など異なる白野真澄の物語。全てにおいて名前にまつわるしがらみや喜びが書かれている。身近にある日常を描く表現がとてもリアルで、知人の話のように感じられた。
方言に馴染みのない私には、少し読みづらいところがあった。ただそれも、それぞれの環境による違いを表しているので、面白いと...続きを読むPosted by ブクログ -
最初の2つは自分の好みではなかった。
(面白いと感じる人はいると思う。自分の好みじゃないってだけ。)
その後の4つはどれも面白かった。
特に渡辺優先生のピンポンツリースポンジが好き。Posted by ブクログ -
「友達」とはなんなのか、自身がいろんなステージで「友達」地獄に息苦しさを感じていた少女であったことを思い出した。いつの日か、そこから逃れられるのか、という淡い期待は、大人になってあっさり打ち砕かれたことも。でも大人になったから割り切れたこともたくさんあるなと。Posted by ブクログ
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「他人の嘘が匂いで分かってしまう」
自分がそんな能力を持っていたらどうでしょう…!
子ども、ましてや思春期の頃は、人と関係を築くのに苦労すること間違いなしだよね。
愛衣がどんな大人になるのかな…?と少し心配しつつ読みました。
物語が進むごとに、時代が移っていっている様子が描写から感じられ、なん...続きを読むPosted by ブクログ -
「クレイジー・フォー・ラビット」「テスト用紙のドッグイア」
「ブラックシープの手触り」「クラッシュ・オブ・ライノス」「私のキトゥ」
噓や秘密を敏感に嗅ぎ取ってしまう主人公・愛衣の五つの年代を切り取った連作短編集。
実際に起きた事件や事故、音楽などを絡めながら愛衣の成長が描かれる。
甘酸っぱい香り...続きを読むPosted by ブクログ -
5編収録されている短編集だけど主人公は白野真澄。でも年代も住む場所も違う同姓同名の別人の5人。悩みや生きづらさを抱えている白野真澄。自分の名前や他人の名前を通して何かの気づきを得て少し自分の世界が変わっていく。その変化の過程が丁寧に描かれていて読み終わったときに自分が少し軽くなるような、嫌な気分を掬...続きを読むPosted by ブクログ
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同じ「白野真澄」という名前の、それぞれ全く違う境遇の主人公たちが送る日常を描く短編集。(全5編)
姓名判断ってあるけど、結局人生は「その人」でしかない。
同姓同名なら、性格も考えも能力も同じかと言われたら…
そうではないですよね。
なんなら、性別まで違う場合もある。
この「白野真澄」さん、この作品...続きを読むPosted by ブクログ -
『書けないときの苦しみは窒息に似ている。浜に打ち上げられて、ぱくぱく口を開いている魚の気分だ。必死に跳ね、もがいても、一向に酸素は得られない』。
人は誰でも何かしら夢中になれることがあると思います。他の全てのことを差し置いてもあることに夢中になれる瞬間。それは幸せ以外の何ものでもないでしょう。それ...続きを読むPosted by ブクログ