奥田亜希子のレビュー一覧
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ネタバレ青山美智子さん、朱野帰子さん、一穂ミチさん、奥田亜希子さん、西條奈加さんによる、お酒をテーマにしたアンソロジー。
青山美智子さんの、きのこルクテルを読みたくて。
どの作品もとてもおもしろくて好きだった。
青山美智子さんのきのこルクテル
下戸のライターと取材先のバーの店員とのお話。
最初の一文にすごく惹かれた。
どう展開していくんだろうとわくわくした。
言葉の力ってすごいなと思った。こういう風に言葉の力を使っていきたい。
そしてラストの文。そうきたか!と思った。
最初と対になってるのがいい。
きのこの栽培、楽しそう。
朱野帰子さんの オイスター・ウォーズ
なにやら秘密を抱えている -
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同じ「白野真澄」という名前の、それぞれ全く違う境遇の主人公たちが送る日常を描く短編集。(全5編)
姓名判断ってあるけど、結局人生は「その人」でしかない。
同姓同名なら、性格も考えも能力も同じかと言われたら…
そうではないですよね。
なんなら、性別まで違う場合もある。
この「白野真澄」さん、この作品にピッタリのお名前ですよね。
中性的だし、かなり珍しいタイプのお名前でもない。
結局、名前はある種の記号みたいだなと思えて、肩の力が抜けるようでした。
(決して軽く捉えてるわけではないです!
我が子が生まれた時も、願いを込めて大事に名付けました。)
大きな事でも小さな事でも、自分で選択肢から選ぶの -
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あなたは、オンラインで行われる会議に出席したことがあるでしょうか?
2020年春に突如世界を襲ったコロナ禍。あれから二年以上の年月が流れても私たちの生活はそれ以前の状況に戻る気配がありません。ある出来事に起因する大きな変化をもって新しい日常に慣れていく、私たちがこの世を生きるにはそれもやむを得ないことなのかもしれません。
さて、そんな私たちの新しい日常で欠かせないもの、それがオンライン上で行われる会議です。かつては会議室という一つの物理的な場に拘束されていた私たちの日常がある意味で解き放たれました。コロナ禍なくしては決して訪れることなどなかったはずのある意味でコロナ禍による恩恵の一つだと言 -
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『書けないときの苦しみは窒息に似ている。浜に打ち上げられて、ぱくぱく口を開いている魚の気分だ。必死に跳ね、もがいても、一向に酸素は得られない』。
人は誰でも何かしら夢中になれることがあると思います。他の全てのことを差し置いてもあることに夢中になれる瞬間。それは幸せ以外の何ものでもないでしょう。それは、スポーツかもしれません、芸術かもしれません、そしてまた、趣味の世界かもしれません。夢中になれるものがあると、人は強いものです。他にどんな辛いことがあっても、そのことを楽しみに生きていく、強く生きていく、それはとても幸せな人生だと思います。
では、そんな夢中になれることが仕事だったとしたらどうで -
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オミクロンにかかり、暇すぎてひたすら小説を読んでいる。
この本は自分の境地と似ている部分があって面白かった。
僕も恋愛経験が多いわけでもなく、性格的にもとても難しい人間だ。
だから、主人公の早希子がいう「特定の誰かと付き合えないんじゃないか?」というフレーズは何度も頭の中を巡っている。少なくとも、早希子は合コンでたくさん出会いの機会があるだけマシなのではないかとさえ思う。
ただ、この本の中にある「不一致」というキーワードはとても参考になった。
どうしても人と話したり関係を築く時に、共通点や何か自分と似ている部分を探してしまい、その一致具合で親近感を覚えてしまう。けど、逆に「不一致」が -
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「リバース&リバース」を読んでから、同一作者の作品をもっと読みたいと思って買ってみた。
この本も面白かった。基本的に奥田亜希子さんの作品はものすごく考えさせられるから好きだ。
たしかに、学生時代に「セックス」はジョーカー的役割を果たしていたし、それに憧れていたのは間違いない。けど、それだけを目的に付き合いをしようとしていただけで、本当に愛情があったかどうかと聞かれると、自信を持って答えられない。
「本当の愛って片想いなのかもね」というフレーズがこの本の中にもあったが、たしかに実らない恋が1番純粋で愛情深いものなのかなと思った。実際僕は自分が一目惚れしたり、自分から告白した人は付き -
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同世代だなぁーって。そうそう、消しゴムの交換とか、ウサギのお世話とか、SPEEDとか酒鬼薔薇聖斗とか、三木道三とか全部同じ時代に生きたので思わず唸るほど懐かしい。そして現代のポケモンGO。。わたしもハマったから、ここに飛んだかって。
本当に思ったよりも友達って選べない。いつの間にか友達になってるしなくなってる。失う方が多かったような気もするし、意外なあの人とまだ繋がってるってことも多い。
ウソの香り、さぞかし香ばしいんだろな。しんどいだろうな。
人付き合いの難しさをすごく丁寧に描いていて読んでいて苦しくなりながらもわたしは大好きでした。