奥田亜希子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本作の求めよ、さらば(与えられん)というタイトルには、2つの意味が込められているように感じた。
1つは、実力・努力至上主義に対する疑念。
志織と夫の誠太は、不妊治療を進めるも子どもを授かれず、それでも妊娠にこだわる志織を見かねた誠太は離婚を考える。
志織には進学、就職と自身の努力で望むものを叶えてきたという自負がある。
パワースポット巡りや食事など、いわゆる妊活と呼ばれるものすべてを試すも妊娠には至らず、初めて自分の努力とは無関係に事が運ぶ様を見ることになる。
もう1つは、全力でものごとと向き合えば、少しの障害があっても優に乗り越えられるということ。
タイトルの原義は宗教的なもので、心の底か -
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Posted by ブクログ
同じ「白野真澄」という名前の、それぞれ全く違う境遇の主人公たちが送る日常を描く短編集。(全5編)
姓名判断ってあるけど、結局人生は「その人」でしかない。
同姓同名なら、性格も考えも能力も同じかと言われたら…
そうではないですよね。
なんなら、性別まで違う場合もある。
この「白野真澄」さん、この作品にピッタリのお名前ですよね。
中性的だし、かなり珍しいタイプのお名前でもない。
結局、名前はある種の記号みたいだなと思えて、肩の力が抜けるようでした。
(決して軽く捉えてるわけではないです!
我が子が生まれた時も、願いを込めて大事に名付けました。)
大きな事でも小さな事でも、自分で選択肢から選ぶの -
Posted by ブクログ
オミクロンにかかり、暇すぎてひたすら小説を読んでいる。
この本は自分の境地と似ている部分があって面白かった。
僕も恋愛経験が多いわけでもなく、性格的にもとても難しい人間だ。
だから、主人公の早希子がいう「特定の誰かと付き合えないんじゃないか?」というフレーズは何度も頭の中を巡っている。少なくとも、早希子は合コンでたくさん出会いの機会があるだけマシなのではないかとさえ思う。
ただ、この本の中にある「不一致」というキーワードはとても参考になった。
どうしても人と話したり関係を築く時に、共通点や何か自分と似ている部分を探してしまい、その一致具合で親近感を覚えてしまう。けど、逆に「不一致」が -
Posted by ブクログ
「リバース&リバース」を読んでから、同一作者の作品をもっと読みたいと思って買ってみた。
この本も面白かった。基本的に奥田亜希子さんの作品はものすごく考えさせられるから好きだ。
たしかに、学生時代に「セックス」はジョーカー的役割を果たしていたし、それに憧れていたのは間違いない。けど、それだけを目的に付き合いをしようとしていただけで、本当に愛情があったかどうかと聞かれると、自信を持って答えられない。
「本当の愛って片想いなのかもね」というフレーズがこの本の中にもあったが、たしかに実らない恋が1番純粋で愛情深いものなのかなと思った。実際僕は自分が一目惚れしたり、自分から告白した人は付き