奥田亜希子のレビュー一覧

  • ほろよい読書 おかわり

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    「ほろよい」というくらいだから
    もっとフワフワした優しいストーリーかと
    油断していたら、思いの外面白かった。

    青山先生の話は安定の読みやすさとほっこりさ。
    それでいて飽きさせない伏線回収。
    1話目に持ってこられたから、その後のストーリーが似たようなものだと思い込み、いい意味で裏切られた。

    牡蠣の話も、途中から「え!?そっちか!」とドキドキしたし、一穂ミチさんは刺激的でさらにドキドキした。

    タイムスリップはもう少し深いところまで描いてほしいなと物足りなさは感じたが、最後の締めくくりとしては後味がよかった。

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    2025年02月07日
  • ほろよい読書 おかわり

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    甘いカクテルの様な恋愛話から、復讐心を燃やしたお酒の話やら一気に重たいお酒に絡む話と熱燗に詳しくなるかもしれない居酒屋の話まで酔っていないけど色々満喫できました。

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    2025年01月06日
  • ほろよい読書 おかわり

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    ネタバレ

    青山美智子さん、朱野帰子さん、一穂ミチさん、奥田亜希子さん、西條奈加さんによる、お酒をテーマにしたアンソロジー。

    青山美智子さんの、きのこルクテルを読みたくて。

    どの作品もとてもおもしろくて好きだった。


    青山美智子さんのきのこルクテル
    下戸のライターと取材先のバーの店員とのお話。

    最初の一文にすごく惹かれた。
    どう展開していくんだろうとわくわくした。
    言葉の力ってすごいなと思った。こういう風に言葉の力を使っていきたい。
    そしてラストの文。そうきたか!と思った。
    最初と対になってるのがいい。

    きのこの栽培、楽しそう。


    朱野帰子さんの オイスター・ウォーズ
    なにやら秘密を抱えている

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    2024年09月22日
  • クレイジー・フォー・ラビット

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    隠し事の匂いをかぎとってしまう主人公。
    私はそんなの能力は無いけど、友人関係の距離感とかふと湧き立つ緊張感とか、リアルでヒリヒリした。ほぼ主人公とは同年代なので、時事的な内容とか凄くリンクして読めました。

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    2024年04月27日
  • 左目に映る星

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    ネタバレ

    人は自分と似ている人か正反対の人を好きになると聞くが、正反対の人を好きになった早紀子にとても共感した話だった。早紀子と宮内は、あの合コンがなければ決して交わることのない2人だったし何もかもが異なっていた。私も、自分とは全く違った人を好きになりがちだから、宮内に惹かれた早紀子の気持ちはよくわかった。
    短い話でとても読みやすかった。
    最後の日向はあんなことを言うためにわざわざ跡をつけてきたのかと思うと、かなり気持ち悪いと思った。

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    2024年04月15日
  • 白野真澄はしょうがない

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    5人の性別、年齢、住む場所など異なる白野真澄の物語。全てにおいて名前にまつわるしがらみや喜びが書かれている。身近にある日常を描く表現がとてもリアルで、知人の話のように感じられた。

    方言に馴染みのない私には、少し読みづらいところがあった。ただそれも、それぞれの環境による違いを表しているので、面白いところでもある。

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    2023年05月31日
  • 行きたくない

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    最初の2つは自分の好みではなかった。
    (面白いと感じる人はいると思う。自分の好みじゃないってだけ。)
    その後の4つはどれも面白かった。
    特に渡辺優先生のピンポンツリースポンジが好き。

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    2023年05月29日
  • 白野真澄はしょうがない

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    共通点は「白野真澄」という名前。
    5人の白野真澄が主人公の短編集。

    「砂に、足跡」が好きだった。
    装丁もなんか好き!


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    2023年03月26日
  • クレイジー・フォー・ラビット

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    ネタバレ

    「友達」とはなんなのか、自身がいろんなステージで「友達」地獄に息苦しさを感じていた少女であったことを思い出した。いつの日か、そこから逃れられるのか、という淡い期待は、大人になってあっさり打ち砕かれたことも。でも大人になったから割り切れたこともたくさんあるなと。

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    2023年03月21日
  • クレイジー・フォー・ラビット

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    「他人の嘘が匂いで分かってしまう」

    自分がそんな能力を持っていたらどうでしょう…!
    子ども、ましてや思春期の頃は、人と関係を築くのに苦労すること間違いなしだよね。

    愛衣がどんな大人になるのかな…?と少し心配しつつ読みました。

    物語が進むごとに、時代が移っていっている様子が描写から感じられ、なんとなく同世代の親近感を感じる(笑)

    どの章も、深いところまでは掘り下げられることなく柔らかに進み…
    ちょっぴり物足りない気もするけど、読みやすい1冊でした。

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    2023年03月03日
  • クレイジー・フォー・ラビット

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    「クレイジー・フォー・ラビット」「テスト用紙のドッグイア」
    「ブラックシープの手触り」「クラッシュ・オブ・ライノス」「私のキトゥ」
    噓や秘密を敏感に嗅ぎ取ってしまう主人公・愛衣の五つの年代を切り取った連作短編集。

    実際に起きた事件や事故、音楽などを絡めながら愛衣の成長が描かれる。

    甘酸っぱい香りが立ち込めると人の嘘に気付いてしまう。
    こんな特殊能力は悲劇だ。

    そのせいで愛衣は小学生の頃から人間関係が上手く築けない。

    愛衣の悩みは誰もが経験して来た事で懐かしさと共に苦みが込み上げる。

    だが失敗もきっと成長の糧となるはずだ。

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    2023年02月17日
  • 白野真澄はしょうがない

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    5編収録されている短編集だけど主人公は白野真澄。でも年代も住む場所も違う同姓同名の別人の5人。悩みや生きづらさを抱えている白野真澄。自分の名前や他人の名前を通して何かの気づきを得て少し自分の世界が変わっていく。その変化の過程が丁寧に描かれていて読み終わったときに自分が少し軽くなるような、嫌な気分を掬い取ってくれるような心地よさがある。もっとたくさんの白野真澄に出会いたくなる。

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    2022年12月12日
  • 白野真澄はしょうがない

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    同じ「白野真澄」という名前の、それぞれ全く違う境遇の主人公たちが送る日常を描く短編集。(全5編)

    姓名判断ってあるけど、結局人生は「その人」でしかない。
    同姓同名なら、性格も考えも能力も同じかと言われたら…
    そうではないですよね。
    なんなら、性別まで違う場合もある。
    この「白野真澄」さん、この作品にピッタリのお名前ですよね。
    中性的だし、かなり珍しいタイプのお名前でもない。
    結局、名前はある種の記号みたいだなと思えて、肩の力が抜けるようでした。
    (決して軽く捉えてるわけではないです!
    我が子が生まれた時も、願いを込めて大事に名付けました。)

    大きな事でも小さな事でも、自分で選択肢から選ぶの

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    2022年11月30日
  • 左目に映る星

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    あなたは、オンラインで行われる会議に出席したことがあるでしょうか?

    2020年春に突如世界を襲ったコロナ禍。あれから二年以上の年月が流れても私たちの生活はそれ以前の状況に戻る気配がありません。ある出来事に起因する大きな変化をもって新しい日常に慣れていく、私たちがこの世を生きるにはそれもやむを得ないことなのかもしれません。

    さて、そんな私たちの新しい日常で欠かせないもの、それがオンライン上で行われる会議です。かつては会議室という一つの物理的な場に拘束されていた私たちの日常がある意味で解き放たれました。コロナ禍なくしては決して訪れることなどなかったはずのある意味でコロナ禍による恩恵の一つだと言

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    2022年10月19日
  • 透明人間は204号室の夢を見る

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    『書けないときの苦しみは窒息に似ている。浜に打ち上げられて、ぱくぱく口を開いている魚の気分だ。必死に跳ね、もがいても、一向に酸素は得られない』。

    人は誰でも何かしら夢中になれることがあると思います。他の全てのことを差し置いてもあることに夢中になれる瞬間。それは幸せ以外の何ものでもないでしょう。それは、スポーツかもしれません、芸術かもしれません、そしてまた、趣味の世界かもしれません。夢中になれるものがあると、人は強いものです。他にどんな辛いことがあっても、そのことを楽しみに生きていく、強く生きていく、それはとても幸せな人生だと思います。

    では、そんな夢中になれることが仕事だったとしたらどうで

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    2022年10月15日
  • 左目に映る星

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    オミクロンにかかり、暇すぎてひたすら小説を読んでいる。

    この本は自分の境地と似ている部分があって面白かった。

    僕も恋愛経験が多いわけでもなく、性格的にもとても難しい人間だ。

    だから、主人公の早希子がいう「特定の誰かと付き合えないんじゃないか?」というフレーズは何度も頭の中を巡っている。少なくとも、早希子は合コンでたくさん出会いの機会があるだけマシなのではないかとさえ思う。

    ただ、この本の中にある「不一致」というキーワードはとても参考になった。

    どうしても人と話したり関係を築く時に、共通点や何か自分と似ている部分を探してしまい、その一致具合で親近感を覚えてしまう。けど、逆に「不一致」が

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    2022年05月05日
  • 青春のジョーカー

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    「リバース&リバース」を読んでから、同一作者の作品をもっと読みたいと思って買ってみた。

    この本も面白かった。基本的に奥田亜希子さんの作品はものすごく考えさせられるから好きだ。

    たしかに、学生時代に「セックス」はジョーカー的役割を果たしていたし、それに憧れていたのは間違いない。けど、それだけを目的に付き合いをしようとしていただけで、本当に愛情があったかどうかと聞かれると、自信を持って答えられない。

    「本当の愛って片想いなのかもね」というフレーズがこの本の中にもあったが、たしかに実らない恋が1番純粋で愛情深いものなのかなと思った。実際僕は自分が一目惚れしたり、自分から告白した人は付き

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    2022年05月05日
  • リバース&リバース(新潮文庫)

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    僕は結構好きな作品でした。

    タイトルのように、文中でさまざまなものが入れ替わる。

    世の中に当てはめても色々と思うことがある。お金を持っている人と持ってない人、働いてる人と働いてない人、強い人と弱い人、互いに反し合うものが世の中に溢れている。

    でも、どちらが良いってことはないし、いずれか一方にずっとい続けることは難しい。それを自覚して生きるだけでも大分生きやすくなる。

    登場人物の現在と過去の話を通じて、とてもわかりやすい文章だったかつ、凄く考えさせられるよい物語だった。

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    2022年05月02日
  • ファミリー・レス

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    全ての章で前回の主人公がほんの少し登場して、人によって見え方が違って面白い。
    物語的には暗い雰囲気で始まるが、最後きちんと暖かく終わる。ウーパールーパーだけ少し切ない。

    でもどの話も本当によかった。

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    2022年03月10日
  • クレイジー・フォー・ラビット

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    同世代だなぁーって。そうそう、消しゴムの交換とか、ウサギのお世話とか、SPEEDとか酒鬼薔薇聖斗とか、三木道三とか全部同じ時代に生きたので思わず唸るほど懐かしい。そして現代のポケモンGO。。わたしもハマったから、ここに飛んだかって。

    本当に思ったよりも友達って選べない。いつの間にか友達になってるしなくなってる。失う方が多かったような気もするし、意外なあの人とまだ繋がってるってことも多い。
    ウソの香り、さぞかし香ばしいんだろな。しんどいだろうな。
    人付き合いの難しさをすごく丁寧に描いていて読んでいて苦しくなりながらもわたしは大好きでした。

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    2022年02月19日