奥田亜希子のレビュー一覧
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「キャンディ・イン・ポケット」通学の30分間だけの友達。見た目も付き合う人も世界が違い、なんとなく一緒に登校してるだけなんだろなと思われていると感じている沙耶。控えめで内気な感情や憧れ。後半に向かい少しずつ感情が溢れ出していく鮮やかさ。後悔と喜びの間で揺れながらも前に進む沙耶が素敵。
「ジャムの果て」ジャムの描写がいい。気分のいい時には光り色鮮やかに、子供達への不満を感じた後には鈍くどろりと重たいようなものに。良かれと思ってたことが押し付けだと言われ今までの自分はなんだったのかという失望。ジャムとうまく絡み合って面白い仕上がり。
6編全てに人への想いや距離感や他人の肯定、自分自身への肯定と、こ -
Posted by ブクログ
どこかで見たことある名前と思ってたら、すでに一冊読んでた方でした。
タイトルと装丁はポップで可愛いけれど、内容はきゅっとなったり、読んでて苦しくなったりしました。
携帯電話ができて、インターネットが普及して、
いろんな情報がダイレクトに届くなか、
情報に踊らされたり、その沼にはまってしまったり、
誰かから承認されないと満たされなかったり。
確かにショッピングサイトの評価を見て、購入を決めたりするし、ブログに反応があれば嬉しいし、いいねが、つけば嬉しいし。
でも渇望してる気持ちは満たされず。
他者の目、ことば、評価にさらされて
じゃあ自分はどうするのか。
改めて自分のいまの状況を考えさせら -
Posted by ブクログ
帯タイトルは、
「私はたぶん、この世界の
誰とも付き合えない」
私はいつもブックカバーをつけて読んで、
読み終わったあとに装丁を改めて見るんですが、
夜景がぼけてキラキラしているのも、読み終わったあとに見ると、なんとも言えない気持ちに。
20代って、気持ちが不安で、毛羽立ってるときって、すごく多かったなあ、と思う。
30代の今もそうなんですが、でも、なにかちょっと違う。
その隔たりも感じた一冊。
たぶん20代前半で読んでた刺さってたのかなあ。
ただ、学校生活も会社も一定程度の協調や同調は必要で、そこから誰か一人と深く繋がって…って行為は私にとっても奇跡に近いかもしれない。
「違い」に -
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Posted by ブクログ
恋と食のある10の風景
個性豊かな短編とエッセイがぎゅっと詰まった一冊
収録作品は以下のとおり
一穂ミチ 「わたしたちは平穏」
古内一絵 「ワタシノミカタ 」
君嶋彼方 「ヴァンパイアの朝食 」
錦見映理子 「くちうつし 」
奥田亜希子 「白と悪党」
尾形真理子 「SUMMER STREAMER 」
原田ひ香 「夏のカレー」
《エッセイ・掌編》
田辺智加 「初恋と食事」
山本ゆり 「ゆかりとバターのパスタ」
山田詠美 「恩響の彼方のトマトサラダ」
私は特に、錦見映理子さん、尾形真理子さん、原田ひ香さんの作品が好みだった。
ある作品では、涙がじんわり浮かんでくる。
また -