奥田亜希子のレビュー一覧
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ネタバレ高校生で小説新人賞を受賞したが、それから6年間、小説が書けないままの実緒。書店で自分の著書を手にする青年を目撃し、思わず後をつけ、家と名前を特定する。
それ以来、嘘のように書けるようになった掌編を彼(春臣)の郵便受けに投函し続けていた実緒だが、やがて彼の恋人(いづみ)とも知り合い、3人で交流するにようになり…。
実緒が一方的に送り付け続けていた掌編を、春臣がいづみに見せて(もしくはいづみが偶然見つけて)、その内容に非凡なものを感じたいづみが、自分名義の作品に仕上げて新人賞に応募。実緒はいづみのゴーストライターとして、歪な三角関係を続けていく…みたいな展開を想像していたが(実緒の場合、そ -
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「行きたくない」がテーマのアンソロジー。
いやあ。
行きたくない、分かる分かる。
住野よると奥田亜希子が目に入って購入したけど、星四つか五つか迷うくらい、どれも印象に残るお話だった。
以下、ネタバレ含む注意。
「ポケット/加藤シゲアキ」
友達が不登校になって、周りからは浮いた存在になってしまう。
そんな彼に、優しく声をかける俺、という優越感が形になる後半が面白い。
実は自分には出来ないこと、知らない世界を開いていた友達に、自分自身の狭量さを感じさせられる主人公。その描写に、青春を感じる。
「ピンポンツリースポンジ/渡辺優」
ロボットが「したくない」と言うのはオカシイ、という着眼点が -
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「キャンディ・イン・ポケット」通学の30分間だけの友達。見た目も付き合う人も世界が違い、なんとなく一緒に登校してるだけなんだろなと思われていると感じている沙耶。控えめで内気な感情や憧れ。後半に向かい少しずつ感情が溢れ出していく鮮やかさ。後悔と喜びの間で揺れながらも前に進む沙耶が素敵。
「ジャムの果て」ジャムの描写がいい。気分のいい時には光り色鮮やかに、子供達への不満を感じた後には鈍くどろりと重たいようなものに。良かれと思ってたことが押し付けだと言われ今までの自分はなんだったのかという失望。ジャムとうまく絡み合って面白い仕上がり。
6編全てに人への想いや距離感や他人の肯定、自分自身への肯定と、こ -
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どこかで見たことある名前と思ってたら、すでに一冊読んでた方でした。
タイトルと装丁はポップで可愛いけれど、内容はきゅっとなったり、読んでて苦しくなったりしました。
携帯電話ができて、インターネットが普及して、
いろんな情報がダイレクトに届くなか、
情報に踊らされたり、その沼にはまってしまったり、
誰かから承認されないと満たされなかったり。
確かにショッピングサイトの評価を見て、購入を決めたりするし、ブログに反応があれば嬉しいし、いいねが、つけば嬉しいし。
でも渇望してる気持ちは満たされず。
他者の目、ことば、評価にさらされて
じゃあ自分はどうするのか。
改めて自分のいまの状況を考えさせら -
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奥田亜希子、二冊目。
以下、ネタバレ注意。
26歳の早季子には、小学生のまま時を止めた想いびと、吉住くん以上に好きになれる人がいない。
そのことを認識してからは、割り切った関係しか築けなかったのだが、早季子と同じ乱視を持つ男性の話を聞き、吉住くんに近い匂いを感じる。
しかし、その男性は、吉住くんどころか、リリコというアイドルのために休日を費やす、真性のオタクなのであった。
早季子にとっては吉住くん、宮内さんにとってはリリコは、偶像崇拝の対象だ。
当の吉住くんが変わってしまっても、リリコが実は不倫していても、そのこととは無関係に、あの日あの時の彼、彼女が二人の心を占めている。
また、そ -
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帯タイトルは、
「私はたぶん、この世界の
誰とも付き合えない」
私はいつもブックカバーをつけて読んで、
読み終わったあとに装丁を改めて見るんですが、
夜景がぼけてキラキラしているのも、読み終わったあとに見ると、なんとも言えない気持ちに。
20代って、気持ちが不安で、毛羽立ってるときって、すごく多かったなあ、と思う。
30代の今もそうなんですが、でも、なにかちょっと違う。
その隔たりも感じた一冊。
たぶん20代前半で読んでた刺さってたのかなあ。
ただ、学校生活も会社も一定程度の協調や同調は必要で、そこから誰か一人と深く繋がって…って行為は私にとっても奇跡に近いかもしれない。
「違い」に