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Posted by ブクログ
「身体の中で、人はみんな1人なんだよ。自分以外の人間が何をどう見ているかなんて、絶対に分からないし、寝返りをうちたくなったら、大事な人の手だって離してしまう。身体があるかぎり、人は一人ぼっちで、つまり、寂しいのは当たり前のことなんじゃないかって、最近僕は思う。」
こんなこじらせ哲学を語る吉住くんは、早希子の初恋相手。早希子はこの初恋が忘れられない。
初恋をいい思い出にできず「自分のことを分かってくれるのは吉住くんだけだ!」とか思っちゃう早希子も、こじらせ女子(笑)
ただこの作品は決して孤独に囚われた女の話でない。
この作品の1番の魅力は、
孤独という「価値観を共有できる人こそ真の理解者」だと思い続けてきた早希子が、
「自分とは考え方が根っから異なる」男性に出会い、惹かれていくところ。
とても可愛い恋愛小説でした。
でもわたしは、小学生でこんなこじらせた事をいっちゃう吉住くんがすき(笑)
Posted by ブクログ
主人公の神田早季子は都内の文具メーカーで仕事をしている26歳。小学校の同級生で大好きだった吉住君のことが忘れられずに、その時の刷り込みで孤独を抱えて生きています。他人に恋愛感情が持てずに、合コンで出会った男とその時だけの関係を結ぶこともあります。ある合コンの時に、吉住君と同じ片目を瞑る癖をもつ人の話が出て、紹介してもらいます。その同じ癖をもつ宮内は、女性アイドルを追っかける、早季子とは全く違う人でした。宮内と話をするために、福岡でのライブに同行し、なぜか度々アイドルイベントに同行するようになります。その度に、宮内と自分との違いを感じます。
早季子と3年間付き合った元カレは嫌なやつなので触れませんが、特に後半、甘くて幸せな感じが、心を満たしてくれます。
Posted by ブクログ
オミクロンにかかり、暇すぎてひたすら小説を読んでいる。
この本は自分の境地と似ている部分があって面白かった。
僕も恋愛経験が多いわけでもなく、性格的にもとても難しい人間だ。
だから、主人公の早希子がいう「特定の誰かと付き合えないんじゃないか?」というフレーズは何度も頭の中を巡っている。少なくとも、早希子は合コンでたくさん出会いの機会があるだけマシなのではないかとさえ思う。
ただ、この本の中にある「不一致」というキーワードはとても参考になった。
どうしても人と話したり関係を築く時に、共通点や何か自分と似ている部分を探してしまい、その一致具合で親近感を覚えてしまう。けど、逆に「不一致」が心地よかったり、愛おしさが芽生えたりするなら、それが本当に通い合っているのではないかとも思う。
すごく新鮮な感覚だった。あとは、この文庫の解説がとてもわかりやすく、要点を捉えてて面白かった。良い本でした。
自分に自信がなかったり、迷いがある人は読んでみると良いかもしれません。
Posted by ブクログ
他の誰かと関係を持つときは誰もがその人の虚像を創り上げてしまう
どれだけ親密にしていたり濃密に情報を共有しても、その人の本質的な部分に触れることは難しい
ましてや、その人が観て聴いて味わって感じたことなんてその人にしか分からない。
人は誰しもが孤独である。
そのジレンマの狭間で繋がり、踠き、苦しんで、生きていて、何も考えずに生きている人はそんなジレンマにも気付かないけど、早希子や吉住くんはそんな構図にいることを気付いてしまっているから、本当に辛い。
孤独ぶって自分のことしか考えてない、周りの人は傷ついていると言われても、たぶんきっと一番傷ついてるのはその本人で、お気楽で一人で過ごしているわけではないと思う。
孤独を越えて繋がるのもしんどいし、孤独でいるのもしんどい。
Posted by ブクログ
奥田亜希子、二冊目。
以下、ネタバレ注意。
26歳の早季子には、小学生のまま時を止めた想いびと、吉住くん以上に好きになれる人がいない。
そのことを認識してからは、割り切った関係しか築けなかったのだが、早季子と同じ乱視を持つ男性の話を聞き、吉住くんに近い匂いを感じる。
しかし、その男性は、吉住くんどころか、リリコというアイドルのために休日を費やす、真性のオタクなのであった。
早季子にとっては吉住くん、宮内さんにとってはリリコは、偶像崇拝の対象だ。
当の吉住くんが変わってしまっても、リリコが実は不倫していても、そのこととは無関係に、あの日あの時の彼、彼女が二人の心を占めている。
また、そのことだけが、二人を繋ぐ脆い橋にもなっている。
でも、そんな二人を見ていても、なぜか否定的な気持ちにはならない。
二人は、現実世界をシャットアウトしているわけではないからだと思う。
そこでは誰にも分かってもらえないことを分かりながら、ただひたすら分かってもらえる世界に足を浸すことが、いじらしいからだ。
ちょっと厨二病というか、アオいんですね。
なので、お互いが「分からなくてもいい」相手になってゆく後半は、早季子の年齢から考えると、「りぼん」かと思うくらい甘酸っぱい(笑)
そこに元カレが登場して、というお決まりパターンまで踏襲するわけだけど、そこは26歳設定だからか、割と生々しい。
「俺のコト一番好きじゃねーんだろー」とキレて、勢いで別れて、まもなく別の彼女と結婚するくせに、早季子に付き纏っては許せない元カレ。
この人と結婚しなくて正解だと思います。
子供時代を抜けきれなかった男女の、青春小説と思って読んで欲しい。
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