奥田亜希子のレビュー一覧

  • 求めよ、さらば
    もっとシリアスな内容かと思ったら、ピュアな恋愛小説だった。
    文面はとても読みやすくて、あっという間に読み終わった。
    志織の印象も誠太の印象も最初と最後ではだいぶ違うものになった。
    個人的には、誠太が憎めない感じで可愛く映った。
    心の広い優しい彼が私は好きだと思った。
    あと、志織のように手に職を持った...続きを読む
  • 求めよ、さらば
    愛妻家の誠太。
    結婚して7年たち、妊活するが授からない。
    不妊の原因が、女性側にないなら男が身を引くべきと、突然家を出てしまう。
    バイトの友達バンドの歌詞を英訳した詩織。
    「求めよ、たとえ与えられなくても、求めよ、肉体が朽ち果てるまで」
    新約聖書の1節。
    askは、祈る、願うという意味も。
    惚れ薬を...続きを読む
  • 求めよ、さらば
    恋愛小説
    どのようにして人を好きになるか、そして愛し続けるかを描いている。
    夫視点、妻視点と二人の妊活の破綻、離婚の危機と進む中で、再確認するそこにある愛。確かめあって分かり合えて良かったね、チャンチャン、です。
    惚れ薬の一件はちょっと面白かった。
  • クレイジー・フォー・ラビット
    私の中で、奥田亜希子さん2作品目。

    各章ごとに、主人公が成長していっていて、おそらく私と同世代。其々に起こる実際のニュースや流行にも似たような関わり方をしていて、あー、そんなこともあったなぁと思いながら読んだ。
    「求めよ、さらば」でゾワゾワさせられたミクシィにまた出会わされる笑

    けど、本の半分、...続きを読む
  • 愛の色いろ
    ポリアモリーを自称する人のシェアハウスが舞台。
    同居人3人のうちオーナーを除く3人の視点から物語は語られます。

    オーナーは比較的序盤で亡くなり、その他の3人のその後の描かれ方はオーナーの亡くなった後だからこその心のありようが出てきます。

    ポリアモリー、私自身は細かいところまで存じ上げないのだけれ...続きを読む
  • クレイジー・フォー・ラビット
     愛衣という1人の女性の物語。

     各章でそれぞれ年代ごとに愛衣の物語が綴られていく。

    ①クレイジー・フォー・ラビット
     愛衣小学6年生。ウサギが好きな愛衣は当番でもないのに同級生の珠紀と毎日のようにウサギ小屋に行っている。 
     愛衣はその人が放つ匂いで嘘をついていることを感じることができた。嘘を...続きを読む
  • クレイジー・フォー・ラビット
    友だちってなんだろね?
    小学生や中学生の頃なら、一緒に行動する仲間ということかな? 年齢を重ねるほど、行動を共にということはしなく(できなく)なるのにねぇ。
    自分が納得できればいてもいなくてもいいんじゃない?
  • ファミリー・レス
    連作短編集。

    『プレパラートの瞬き』

    「仕事が忙しいから、と頭に浮かんだ言い訳を、仕事が一段落したら行くね、に変換して舌に乗せる。」


    『指と筆が結ぶもの』

    「昔、おばあちゃんに言われたことがあるんだ。
    家族になるなら、自分の長所を気に入ってくれる人じゃなくて、短所を許してくれる人を選びなさ...続きを読む
  • 求めよ、さらば
    過去の追体験のような話。
    好きな子の日記を見るために別人のふりをしてマイミクになったり、メール連絡をとるだけで一喜一憂したり、結婚してからも相手にとって自分が相応しいのかとか苦悩したりする。
    あまり積極的な人柄ではなかった男性は共感する場面を感じられると思う。
    妊活についてはセンシティブで、脆くて、...続きを読む
  • 愛の色いろ
    複数愛主義である事が条件のシェアハウスに住む四人の男女。四人ともなかなかのワケありで、『そんな関係が可能かのか?』の疑問を他所に、実にバランスよく生活している。が、ある事をキッカケに歪みが生じていき…それぞれが自分の置かれた現状から選択した『複数愛』という恋愛の在り方がサラリと表現されており、普段接...続きを読む
  • 行きたくない
    ネタバレあり。
    いろんなものの「行きたくない」お話。
    「ロボ」のお話では、自分も「ロボ」のいる世界で過ごしてみたい。と思ったが、よくよく考えると今の世の中も様々なものが人間以外のものに制御されてそうなりつつあるのでは?近い未来、起こり得ることかも。
    「佳緒」のお話は、ちょっと心に来るものがあった。自...続きを読む
  • 五つ星をつけてよ(新潮文庫)

    6篇の短編集。著者の「リバース&リバース」が面白かったので、他のも読んでみたくなって手に取りました。

    「キャンディ・イン・ポケット」がいちばん好みだった。
    主人公にはそこまで自分を卑下したり、へりくだらなくても、、、と思ったけれど、そうなってしまう気持ちもわかるから、原田先輩とのやり取りからのく...続きを読む
  • 行きたくない
    どれも薄ぼんやりした世界。人やロボットが「行きたくない」をにじみ出す。ふとした言葉で、行動で、心の中で。
    あぁこの人、行きたくないんだなあ、と気がつくとつい笑みがこぼれていた。そんな日もあるし、それでもいいんだと思えた。
  • 行きたくない
    印象に残ったのは住野さん。

    SFみのある話はあんまり好きじゃないけど
    なんともいえない世界観。
    でも暗くないところがよかった。
  • クレイジー・フォー・ラビット
    主人公の小学生〜母になるまでのストーリーで平成初期あたりの世代の女子が読めば、あぁたしかにあの頃こんなことがあった、こんなものが流行っていたなぁと人生をなぞるように楽しめるとは思います。本編では権利関係?か名前を伏せられているアイドルたちもだいたいなんのことを言っているかわかります笑

    読み始める前...続きを読む
  • 五つ星をつけてよ(新潮文庫)
    感動!とか、おもしろかった!とか、後味悪く怖かった、とか、鮮明な感想をもたせない。ただ、胸にジュワッと何かが残る。作者の奥田さんはどんな意図で、この年代、性別、状況の違う人たちを描いたのだろう…。
    母に五ツ星をつけてほしい感情は、自分にもある。バランスとって生きていきたいな〰️、という願望をもつ自分...続きを読む
  • 行きたくない



    それぞれの感想をすこし....

    *加藤シゲアキさん
    シゲアキさんらしく、のめり込みやすく、読みやすい短編。
    これで小説1本書いて欲しい、メキシコに行ったあとの条介の話も読みたいと思った。

    *阿川せんりさん
    タイトルの わたしの嫌いなセカイ をまさに感じてしまった。
    短篇の終わる頃には千春に...続きを読む
  • 青春のジョーカー
    中学生の日常を痛いくらい切り取った話。性欲に突き動かされるのかな。なかったよな中学のとき、そんなの。あとは人に媚びるような学生生活を送ってなくてよかったと思いました。くだらねえ。

    「理解できないならしなくていいよ。理解できてしまうと持っていかれることもあるから。気持ちとか情とか、そういうもの。許せ...続きを読む
  • 透明人間は204号室の夢を見る
    小説家としてスランプ真っ只中の実緒はずっと孤独を生きてきて、もう友達や恋人ができることはないだろうと諦めている。人との距離がわからない実緒はストーカー紛いな行為を繰り返してしまう。孤独は恐ろしいけど孤独であればあるほど、実緒は小説家としての勢いを取り戻していくのが切なかった。
  • 青春のジョーカー
    コンプレックスまみれの中3男子がひと夏の経験で得たものは?性欲に支配される思春期を描く青春小説。
    思春期の男子の性欲ったら、もう自分で嫌になるくらい有り余っている。酷い時には、目に映る全てのモノに"性"を感じる異常さだ。いつも大人の感情をクールに描き出す奥田さんなので、その辺どう表現するのか期待した...続きを読む