主人公の早季子(26歳)は、小学生の頃の「吉住くん」のことが忘れられず、現実の恋愛にのめり込めない。ただし、現在の吉住くんに会ってもその時の感情を持つことは出来ず、好きだった吉住くんはあくまで小学生の頃の吉住くん。早希子も、小学生の頃の吉住くんは、周りに気を使っていたために無理にふるまっていたと分かっているが、その幻想の吉住くんのことが忘れられない。
この小説を読んで谷崎潤一郎の『春琴抄』を連想した。
ところで、早希子がなぜ、オタクの宮内に惹かれたのかよく分からなかったのだが、どこか読み落としたのだろうか…。