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由比家の姉妹
異国で迎えた祖国敗戦の日から幾多の辛酸と闘って生きていく二人の健気な姉妹。満州・大連からの引き揚げ者の女3人の家族が、周囲に何度もだまされながらも、けなげに生きる様を描いた傑作。焼け野原となった東京で、父親を待ちながら……。巨匠の麗筆が全女性に訴える敗戦の哀歌。 -
無頼空路
加島は東京駅で、元海軍の機長に護衛を頼んだ。名古屋に着いてからのことを。機長は鉄道で行くと言うが、加島は飛行機を使うという……。守るのは現ナマ。ある企業の株主総会へ向けて、ある計画が……。経済小説の第一人者による、共同通信経由地方誌配信の連載小説。 -
肌は匂っていた
デパートに配送ミスの苦情が来た。ワイシャツがパンティにすり替わっていたというのだ。配送担当の枝里子は、自分のミスでも責任でもないという思いを抱きながらも、お客様の家へ謝りに行く。そして家に帰ると、結核の夫が待っているのだった。そして、意外な事件が起こり……。サスペンス感もあふれる、働く女性の物語。 -
鉄火奉行
現将軍派の頭領、老中・水野越前は、大御所派に属する遠山左衛門尉を失脚させ、自派の鳥居忠耀を奉行職に就かせようと画策し、兇悪五人組の召捕りに、ひと月の日限を切った。しかし、金さん自ら張込む陣頭指揮、町方躍起の探索にもかかわらず、連日市中を荒し回る傍若無人ぶりに、就任当時は江戸市民に人気のよかった金さんにも、「あんまり当てにならねえな」と、非難の声が起こり出した。窮地に立つ金さん! そして、仲秋8月15日、深川八幡祭りの夜、意外な事件が突発した。御家人くずれの馬場陣十郎に行手を阻まれた遊人風の男を見て、笠井小平太は思わず叫んだ。「あっ、親玉が危い!」……。 -
青空剣法
曽我平九郎は、たとえ貧乏でも浪人暮らしが性に合うという。しかし、剣の腕も立つし、情にも厚い。長屋の隣人に紹介されて質屋の深夜番に雇われたことで……。時代小説の名手による名作。続編『曽我平九郎』とともに。 -
人魚鬼 若さま侍捕物手帖の内
超美貌の姫の不老不死を願って、人魚の棲む南の孤島への渡航という奸計が進む中、悪と善、美女と剣客が入り乱れての、ファンタジーの味も加味された一大活劇――推理の第一人者・若さま、バテレンの怪医師・江川了巴、絶世の美人・うつぼ姫、姫を守る武芸者・小森新太郎、辰巳芸者・おさい、巡礼姿の娘、了巴に反対する岳庵と浪人の群れ……。不老不死の人魚島探検をめぐる大陰謀のメロドラマは、読者を誘って不可思議の魅力を満喫せしめる! エンターテインメント長篇小説。 -
女の港
丘の上にあるカトリック系の女子学園。港を見下ろすことができる。西川はそこで英語を教える、数少ない男性教師である。信者ではないが、司祭をしている叔父の紹介で勤めているが……。周囲の人々との関係性を描いた、生活感のある傑作。 -
私の耳は貝の殻
引き揚げ船で日本に戻ってきた奔放な美少女が、サーカスで暮らしたあと、波瀾万丈の人生を送る。社会性も常識もない彼女だが、エネルギーあふれ野生的、そしてなにより魅力的だ。女優としてデビューし出会った、セクハラ親父の大金持ちにもひるむことなく、手にした財産もすべて寄付してしまう……。ジャン・コクトーの詩から取ったタイトルも印象的な傑作。 -
紅顔夜叉
拝領物の短刀を持ち出し、主君を脅迫する国老・鬼頭。この鬼頭一派に挑戦して国許へ赴く、当主の妹君・百合姫の旅姿。美少年・新宮百合太郎が東海道に一歩踏み出したとたん、その後を追う小悪党・彫虎、不気味な浪人・のら旦那、つきまとう美人道中師・御守殿お兼。そして早くも、高輪大木戸に、百合姫を待伏せていた国老・鬼頭一味……。東海道から笹山へ、繰り展げられる虚々実々の戦い。 -
巷説水戸黄門
水戸光圀は、63歳で家督を養子にゆずり、水戸の西山荘へ隠退した。天下の副将軍として30年、非常に惜しまれてのことであった……。お馴染み、ご隠居・水戸黄門さまの、水戸での、そして道中・旅先での姿を、時代小説の第一人者が描いた傑作。 -
テント劇場
作者の得意とする大阪は河内を舞台に広げる男女の恋愛絵巻。どさ回りの一座がテント劇場にやってきて、大入り満員に。大学中退の演出家に惚れる、座長の娘二人。しかも姉の方は、看板スターの妻なのに……。複雑な三角関係を中心に、様々な男と女の関係を描いた作品。今村昌平監督の初監督作品「盗まれた欲情」の原作にもなった傑作。 -
たれかが呼んでる
本州最北端のふのりの採れる集落。15歳になったスズは、大農の長男のもとに嫁いだが、姑の気に入られず、やがて、実家にかえされる。スズの流転の人生は、ここからはじまる。ひたすらに愛を求めるスズは、その後、若い教師、行商人、牧場経営主、脱獄囚、牧夫と関係し、次々に子供を産んでいく。6人の男に身をまかし、10人の私生児を産んだ、スズという女の一生を温い目で描いた力作。 -
浪人市場シリーズ
江戸南町奉行・矢部駿河守が、老中・水野越前守の懐刀・鳥居耀三の奸策で、奉行職を罷免された天保12年の暮、御側御用人・堀大和守の公用人・黒川内記と結ぶ豪商・佐原屋九郎兵衛の毒牙をのがれたお美也を救った大川忠介が、極道ぞろいのはだか長屋に住んだことから、剣難女難の絵巻となる。忠介に助けられた鉄火姐御・お照と材木問屋の女主人・お杉の恋の鞘当てと、佐原屋配下の町道場の殺し屋剣客たちの物凄さ。世に謂う水野の天保改革を背景に、矢部直系の隠密をやめた一介の素浪人に対する鳥居新奉行の執拗な探索と、これに敢然と正義の戦いを挑む大川忠介の虚々実々のかけひき……。<全8巻> -
父の秘密
中学3年生の娘は、年末のある日、父と暮らす家の古土蔵を大掃除していたら、ある家族の写真を見つけてしまった。それは、昭和19年5月、東京・麹町の家で、その家族が撮った1枚のようだったが……。戦争を抱えながらも、懸命に戦後を生きて行く家族たちの物語。 -
七姫伝奇
松平右京大夫は小藩ながら、内実は豊かな財政を誇っている。その松平家の世嗣ぎ3人が、相次いで怪死した。どうも右京大夫の腹違いの妹・七姫の、7匹の愛猫のたたりらしい。若さま侍は、娘手妻の幻術師・おしの、七姫の寵愛をうける剣士・堀平四郎らの助けをえて、事件の真相に迫って行く……。怪猫と幻術師、術師と術師の妖幻なまでの闘いを迫力ある筆致で織りなし、猫を使ってのお家乗取りという謎の真相をうきあがらせる世界は、まさにこの作者独自のものである。ご存知長編「若さま侍捕物手帖」のうち。 -
黒髪日記
女学校を出た彼女は、仕事場である男性と出会い、恋愛結婚をした。東京・渋谷に住む、この若い夫婦の元に、召集令状が届いた。そして、夫は戦争に行ったのだが……。戦中戦後の都会の中での、女性たちの本音と生き方。少女小説の元祖といえる作家による傑作長編。 -
江戸の暴れん坊
鳶太郎は旅に出た。「蛮社の獄」で身辺に危険が迫ったので、崋山・長英らのすすめで、しばらく難を避けようと、家督を弟にゆずり、住みなれた江戸をあとにした。両国の骨つぎ・名倉の門弟を名乗り、股旅姿の身軽なひとり旅……のつもりであった。 高輪の大木戸を出ると、鳶太郎を待ちうけていたのが、年の頃なら19かはたち、ひどくあか抜けのしたお侠な下町っ子・お夏、次いで六郷の渡しで供に加わったのが、度胸と足が自慢の木更津屋佐平。さて、三人旅の行手に次々起こる剣難女難。鮮やかな鳶太郎の秘剣が舞って、胸のすくような、山手文学十八番の娯楽大作! -
弓削道鏡
河内国弓削ノ邑に住む貧しい鷹の羽取りの青年・道鏡は、馬の化身かと疑われるほどの肉体のために、村の娘にも相手にされなかった。弟の浄人が恋人を抱くのを垣間見るにつけ、道鏡は懊悩した。そして憤りは野心に変った。彼は家を出奔した。都大路で若く美しい皇女のお姿を拝した。思えば、後に女帝の御寵愛を一身に集め、空前絶後の権勢をふるった怪僧・道鏡の第一歩はここにあった。 -
化身
琵琶湖が一望に見下される泰門庵の庵主・梵仙は、眉涼しく筋骨たくましい青年であった。尼僧の舜海も、画学生の阿井子も、祗園の美しい芸子すら、身を投げだして悔のない魅力をそなえていた。しかし、法燈のもとの愛欲の業は、五条の親分の怒りを誘い、梵仙の法衣もまた風を孕む。厳しい戒律に反抗しつづける梵仙。彼によって女の灯を点された舜海尼。ここに生々しい人生図があった。…… -
隠密三国志
浪人・古賀新三郎と神田連雀町の小料理屋・松葉屋のお葉は、尼ヶ崎藩・松平家の家老・鷲尾刑部の奸策にかかり、隠れ切支丹の汚名をきせられ毒殺された天野屋浪右衛門の遺族と誤解されて、黒い剣風に襲われる。天野屋の埋蔵金100万両の行方を追って、江戸を舞台に、老中・稲垣伊勢守の放った公儀隠密・黒住鬼堂とその一党、鷲尾党の総帥・大倉玄蕃の率いる7人の忍者と、天野屋の娘・千鳥を擁して復讐に燃える天狗党の、三つ巴の乱戦の中に捲き込まれた。古賀新三郎に近づく謎の男・伊太吉に、新三郎とお葉の安否を気づかい、探索の眼を光らす八丁堀同心・清川一馬の活躍……。謎は謎をよぶ、異色時代長篇。 -
わんぱく公子
わんぱく公子とは、浜町に棄て扶持・五千石の気儘な生活をしている、松平鶴七郎のことである。江川坦庵について西洋流の砲術を、小野派一刀流の浅利又七郎に剣をまなんで、滅法強いが、将軍家御連枝だけに世上の事にはうとい。泥棒のかくし金を探し出す名人が、それを助けて活躍する。わんぱく公子・鶴七郎と忍者とのやりとりなど、これが家斉将軍の子かと思うほどだが、尾州家の駄々姫にはコロリとまいる。金子調達を依頼する棚倉屋の娘誘拐を解決したり、大衆文芸の独擅場ともいうべきお家騒動を中心に展開する道中記のおもしろさは、この作者ならではの時代明朗小説。 -
ポプラ並木はなにを見た
北海道の貧しい村。そこに暮らす、やさしい人たち。小学校の吉岡先生は、子供たちに人気がある。そして、独身でまだ若い。 ある日、新潟から津軽海峡を渡ってきた祖父と孫がいた。村の人たちは心配して……。テレビドラマ化もされた感動の物語。 -
のっそりと参上
お香の人相をひと目みた易者の天運堂は、「あんたは“帝王の星を持った女”だ。しかし盗難の相がある」と言った。江戸は日本橋堀留の材木問屋の女主人で、鳶の頭と番頭を供に江戸へ戻る途上……。そのお香が、高崎城下のはずれで、旅の浪人・浅香八百太郎と道連れになった。一見茫洋としているが、江戸前の年増盛りで、娘時代には日本橋小町と謳われたほどの美人のお香が、ほれぼれするような男ぶり。お香の女心は、次第に八百太郎に傾いていった。さて、お香の胴巻と美しい身体を狙って出現した怪盗・稲妻小僧と旅人やくざ・杉次郎、そして悪旗本の頼光組。正義の味方・八百太郎の活躍は!? -
こちら社会部
新聞社の社会部は、複雑で捉えがたい現代社会を写す鏡である。東京駅の実在しないホームをさがす若い女、変質者の親を持つ悲しみから殺人を犯す少年、秘密を持つ家出娘、などが、ふしぎな成り行きで、社会部記者を、事件の渦中に巻き込んでしまう。警察官と立場の違う彼らは、仕事として事件の核心に迫りながら、いつのまにか、人間ドラマの登場人物にさせられる。……これは、一流新聞の社会部記者として、豊富な体験を持つ著者が、フレッシュな手法で、現代という怪物を描破した、異色ドキュメント・シリーズである。「恐怖デパート」「野獣の記憶」等など、44篇を収録。 -
おこま
二十歳になるおこまは、15年ほど前にさらわれてきて、スリの姉御にあずけられ、一人前のスリに育て上げられた。そして今日、親分から一人ずつ女の子を手渡された。今度はおこまがその子を育てろ、ということであった……。江戸に住む女スリを描いた傑作長編。 -
薔薇荘殺人事件
全作品、「問題篇」と「解答篇」に分かれ、読者の挑戦を待つ、楽しめる本格ミステリー。名探偵・星影龍三が、見事すべての謎を解き明かす! 小栗虫太郎の黒死館を摸した薔薇荘で起こる殺人のトリックとは……という表題作ほか、本格ミステリーの巨匠の手による、全7篇の傑作ばかり。 -
又四郎行状記
この「又四郎行状記」は、「鬼姫しぐれ」「美女峠」「又四郎笠」の3部作からなり、戦後の時代小説不遇の折に「夢介千両みやげ」とともに時代小説のエポック・メーキングとなった、山手文学の代表作。剣をとっては滅法つよいが、絶対に人を斬らない笹井又四郎、じつは松平和泉守の若君・源三郎が、深川で辰巳芸者お艶姐さんを助けたばっかりに、養子先の磐城平7万石・内藤丹後守のお家騒動にまきこまれる。多恵姫を育てた国家老・内藤治部右衛門と、八重姫を擁して起つ江戸家老・大島刑部の対立は、江戸と国許の道中双六に正邪入り乱れて暗雲をよび、茫洋とした風貌に似合わぬ又四郎の大活躍! <上下巻> -
放れ鷹日記
高崎藩・松井家の新当主の迫姦におびえる先君・河内守の後室・お美世の方に近づき、古河藩・土肥家の家名に傷のつかぬよう処置する密命を帯びた峰村鷹之助は、大名同士の複雑で陰湿な関係を知り、悲壮な決意で高崎へ潜入する。切り髪屋敷に下郎奉公した彼は、名倉の療法でお美世の方の寵愛をうけ、露の命を後室との痴情にふけるが、使命と愛情の板挾みになやむとき、運命は皮肉にもお美世の方を乳母の手で死なせる。放れ鷹の境涯におちた鷹之助は、危難をさけた街道で道連れとなった江戸娘・お光と新生活の夢をひろげる……。巨匠・山手樹一郎の新傾向をしめす問題長篇。 -
白扇
大衆文壇不世出の鬼才・邦枝完二、最後の長編小説。妖気迫る四谷怪談を画く傑作長編! ――山王祭の当日、江戸中村座の金主はスリに財布をすられた。取り返した田宮伊右衛門は、恩にきせて礼金を要求する。その悪党ぶりを見た菊五郎は鶴屋南北に、伊右衛門みたいな化物の侍物語を書くように言う……。 -
白い密室
雪が積もった邸宅の中で、大学教授が殺害された。だが、そこはまさに密室だった……。という表題作のほか、「赤い密室」「青いエチュード」など、全8編の本格ミステリー集。巨匠が『りら荘事件』より前に書いた傑作ばかり。 -
天を行く女 若さま侍捕物手帖
将軍家の寝所に夜毎現れる白い影……若さま登場して姿なき賊に挑戦――ヨガ念術の両派、友成・阿羅目の宗家争いを探り出した若さまは、念術者の巣窟を求めて単身、甲州の山深く入りこんで行ったが……。怪奇な念術者の行と生活。人間を超脱しようとして超脱できず、若さまへの恋に悩む女念術者・おゆう。若さま侍捕物手帖の長篇異色作。 -
沈まぬ太陽
福岡の八幡市に住む平凡な一家。近くには動物園があって鳴き声も聞こえる、のどかな生活をしている。娘の一人は東京の大学を出て、銀座の百貨店に入社が決まっていたが、頼んでいた戸籍謄本を両親が取り忘れていたことから、上京せざるをえなくなった母親が昔の恋人と偶然の再会したことで……。普通の家族の幸せを描いた、『糞尿譚』が芥川賞を受賞した作家による傑作長編。 -
隊長と犬係りと橇犬たち
西堀隊長率いる南極越冬隊。天候の悪化で、ソリを引く犬たちが……。という表題作のほか、山の中の狼、鷹匠と鷹、土佐闘犬、全部で4つの物語。動物文学を確立させた直木賞作家の腕が冴える傑作集。 -
下り“はつかり”
「四時半ごろ、浅見川にいたわたしが六時に東京で殺人をやるなんて不可能じゃないですか」と千家和夫が言う通り、手札の写真は、下り“はつかり”をバックに釣糸をたれる彼のものであった。当日の撮影に間違いなし、と傍証が固められては、丹那刑事も一撃を喰った感じで、南風荘事件の捜査はフリ出しにもどった。…… という表題作のほか、全6編を収める本格派の驍将・鮎川氏の新作推理小説集。 -
愛の海峽
女子少年院で更生し出所した清純な若い女性が、世の荒波にもまれながら人間の真実と愛情に目覚めていく、映画化もされた感動の物語。スリ犯の不良少女・多恵子は、女子少年院の生活と院長の息子・弘志の愛情で更生したが、少年院を出て彼女の行く先はなく保護司に預けられた。だがその家で……。 -
ふくろうの歌
昼は写真工場の工員、夜は定時制高校に通う泰彦に注ぐ母の愛は、母一人子一人ゆえに大きかったが、職場の無理解、定時制に対する世間のハンデキャップから、泰彦は母に抵抗する。演劇部グループ内の恋のさやあて、学生運動、そして絶望、幻滅、孤独、虚無……。現代の若い生命の苦悩と哀歓を描いた長編力作。 -
タイトル・マッチ殺人事件
霧の深い夜、世界バンタム級チャンピオンのホセ・ネルボと、日本バンタム級チャンピオン・竹中義夫の、タイトル・マッチが行われた。第5ラウンド、リングの中央に進んだ竹中は、突然、異様な苦しみに襲われた。そして、ネルボの勝利が告げられた時、竹中は謎の死をとげた。それに続く、湖上の水死事件と自殺事件。全篇スリルとサスペンスに富んだ、私立探偵・矢笠俊平ものの傑作ミステリー。 -
明けゆく島々
瀬戸内海の島に駐在することなった保健婦の俊子。懸命に島の人々の健康を守ろうとするが、島の風習とは対立してしまうことも多い。そういう島ならではの事件を経験しながらも、奮闘して成長する。『Dr.コトー診療所』などにも通ずる、僻地医療作品の傑作。 -
妙齢失わず
本を読まない人を馬鹿にしているちず子が久しぶりに実家に帰ると、姉の明子が出迎える。その明子は、実は子供を……。大人の女性たちの心模様を、詩的な風景描写をまじえて描いた、日本を代表する詩人の長編小説。 -
私も不良だ
大学の学生寮に住む真弓。友人のお見舞いのために寮の中へ忍び込みたいという、他大学の男子学生の願いに、偽善的な大人たちへの反発もあって……。衝撃的なラスト、親に反発して抵抗する女子大生の心理と行動を描いた、長編小説。 -
子供は悪魔だ
弁護士、売春婦、留年続きの大学生が探偵役という3つの探偵小説に、奇妙な味のどんでん返しの短篇を加えた、4つの短篇集。親のすねをかじる子供たち、雪山での死、三角関係……当時の世相や風俗が浮かび上がる背景と小道具が盛りだくさんの傑作だらけ。 -
山は大きい
大阪・心斎橋で、田舎から出てきた少年がスリを働き、地元のワルどもに因縁を付けられていたところ、一人の青年が助けに入った。お金持ちのその青年は、少年を自宅のある東京に連れてこようと上京すると、一人の女性が……。そして、ある事件に巻き込まれ……。少年と青年の交流を描いた感動の名作。 -
紅だすき無頼
公儀直参五百石・織部主膳の嫡男に生まれながら、義母との不和から余儀なく家出して5年、今では渡世人「顎外しの勘八」と異名のある信太郎が、ふとした奇縁で雨中に武家娘の危難を救ったが、それがまだ見ぬ許嫁のお雪だったとは……。という、可憐な美女のひとすじの恋慕絵巻をくりひろげる「紅だすき無頼」ほか、主君の悲哀を察して処女妻を残したまま放浪10年を送る武士の意地を描く「めおと春秋」、天下の剣豪競い立つ幕末期、甲源一刀流の若い剣士が男谷信友・高柳又四郎の情の鞭に鍛えられてゆく「剣客」。ほかに、動乱期に狂い咲く仇花を描いた「夜の花道」などを集めた傑作集。 -
雲を呼ぶ声
戦後、福岡の炭鉱の街。坑夫たちと農家との関係は微妙だ。その街に暮らす人形浄瑠璃に人生をかける一人の男……。絞首刑になったはずの戦犯など、まだ戦争を引きずりながらも、新しい時代へ羽ばたこうとする人々を、『糞尿譚』で芥川賞を受賞した作家が描いた傑作長編。 -
お助け河岸
江戸の下町、居酒屋「上州屋」にあつまる常連のなかで、奇妙な話が流れた。どこの河岸かはわからないが、その河岸に悩みをもつ者がたたずむと、きっと「旦那」があらわれて窮境を救ってくれる……そこを「お助け河岸」と呼ぶそうな。上州屋の常連客のなかに、いわくありげな隠居がいる。そして、若い浪人・仙之介の闊達な飲みっぷりに、看板娘のお菊はぞっこん惚れていた。その頃、江戸の町に、奇怪な殺人が続発する。第一の殺人は、質屋の番頭・和三郎、彼は「お助け河岸」を探すうちに殺されたらしい。事件の探索に仙之介が立った。意外や若きこの浪人剣土の腕の冴え! -
おれは不服だ
バラエティに富んだ6編のサスペンス集。アパートで起きた殺人事件について黙秘する女子大生、痣のある子供を狙う猟奇殺人魔、……。変格作家としてこの作品集も、主要人物の独白が多く、トリックよりも人物関係に重きが置かれている。 -
夜の人魚
シベリア抑留から生還した、頑固一徹の元・師団長がたどる、変わってしまった日本の世相。清純な長女といわゆるアプレゲールの次女が、社長の息子で漁色家に翻弄され、ついには騒動に巻き込まれるが、その先に幸せをつかんでいく……。 -
虹の誘惑
国鉄で若い頃一緒だった津村基幸と祖父江謙吉。平凡な幸せを掴んだ基幸家の人たちと、出世はしたが、道彦という長男が冷血な色魔である祖父江家の人たちの、愛と苦悩の物語を飽かせることなく読ませる。定年後、囲碁だけを趣味に生き、いかなる苦労も淡々と引き受ける飄々たる人生観が魅力的な基幸という人物像が、非常に魅力的に描かれている。 -
東方の夢 ボナパルト、エジプトへ征く
ナポレオンの最も華麗な戦いであったエジプト遠征を、雄大な構想で描く歴史ノンフィクション。1798年5月、弱冠29歳の青年将軍・ボナパルトが、3万3千の大兵力を率いて、地中海へと乗り出した。革命騒ぎのあと、異例な速さで昇進を果たした英雄が、唯一抱いた憧憬「東方の夢」=東西世界融合の夢とは、何であったのか。 -
地に満つる愛
瀬戸内海の同じ島に育った、高校の同級生という二人の青年。一人は高松市の講習所で農業を教えているが、船に乗って島へ帰ってきた。二人は役場に勤めている同級生の女性に声をかけるが、その女性は……。まじめな島の若者たちを描いた名作。 -
大阪の風
しがないサラリーマンの大川清吉と朝子夫妻、その子どもたちの久子、一郎、次郎3人の成長の物語。清吉が東京支店に左遷させられた後、子どもたちは大人たちの生き方を見て、それぞれの形で自立していく。久子は台湾人との結婚を宣言、清吉と朝子は衝撃を受けるが、一郎と次郎は受け入れる……。長門裕之、南田洋子、浅丘ルリ子らが演じてで映画化された家族物語。 -
若草軍記
紀ノ川の近くの館で、真田昌幸・幸村に仕える忍びの又四郎。また猿飛佐助。徳川の策略で秀頼は……。そして真田が動くとき……。大阪城落城前後の攻防のとき、隠密の活躍や人心の混乱を描き、被害を受けた善意の人々を浮彫にした異色時代長編。<上下巻> -
死のある風景
妹の誕生日に、謎の失踪をした石山真砂子。嫁ぐ日近く、未来の夢にふくらんでいるはずの彼女なのに……。一方、北陸の内灘海岸で無惨にも射殺された看護婦の春日鶴子。疑惑の人間数人が、いち速く警察のリストに上った。真砂子の婚約者・鳥居、鶴子の同行者・百済木医師、鶴子が裏切ったセールスマンの橋口、鶴子を憎む塩沢という女性たち。金沢から遠路上京して、容疑者のアリバイ崩しに汗水たらす伴刑事の苦労。独特のカンで情報を集めまわるトップ屋の桑原。事件は泥沼におちこむかにみえるが、著者の精緻な構成はひときわ冴えかえる。昭和40年度最優秀作との声が高い傑作。 -
絞首台の下
北海道の開墾地で兄と働く近代娘の千早。消息を絶っていた許婚のハガキを手に千葉へ向かうが、そこは刑務所で彼は殺人罪で服役中だった。そしていろいろと周囲に話を聞くうちに、事件を取材した新聞記者が会社を辞めていたり、不可解なことが出てきた。だが、彼は脱獄を……。赤木圭一郎、長門裕之らで映画化された傑作。 -
見えない影に
戦後、数年にわたって起きた不可解な3つの事件。社会的地位のある被害者と加害者が、何のために殺し合わなければいけなかったのか、まったく不明な難事件だ。双方同時に殺意を抱くという、加害者もなければ被害者もない、この相互殺戮事件のカギは……。240年以上前にもさかのぼり、そして日米両国を舞台に繰り広げられる、直木賞作家の傑作。 -
花園を荒す者は誰だ
渋谷のハチ公前に一人の貧しい青年がいた。古雑誌を売って今晩のおかず代にしようとして。そこにケーキの宣伝カーが現れ、美人のキャンペーン・ガールが登場した……。新しい時代には、金がものを言うことを今さらながら感じた青年は、犯罪に手を染めてでも……。アプレな戦後成長期の日本、そこでもがく若者たちを描いた傑作。戦争中に「糞尿譚」で芥川賞を受賞した作家の手による戦後の作品。 -
1812年の雪 モスクワからの敗走
悲愴なモスクワ遠征の光と影を描く、エッセイスト・クラブ賞受賞の歴史読物――ナポレオン摩下40万軍勢の悲劇的撤退行を、知られざるフランス側の生なましい資料によって書き下ろした絶好の歴史読物。モスクワ遠征には分からないことが多すぎる。皇帝自身は、この侵略を展開するに当たり、充分な認識と戦略を持っていたのか? また、数10万の餓死・凍死・戦死した兵士にとって、皇帝とは何だったのか? -
東京0番地
戦後、不運にも刑務所に収監された男がいた。その刑務所の中での囚人たちの姿と心を通し、犯罪の本当の姿を暴いていく。欧米や朝鮮半島などと日本との微妙な関係など、当時の世相も見事に活写した傑作。芥川賞候補にして『早稲田文学』で多くの作家と接した著者の代表作。 -
子供は知っている
大人はわかっているつもりでいるが、子供のことを本当にわかっているのだろうか。そして、子供のことを大切にしているのだろうか。だから、いつもこんな……。貧しい家庭に生まれながら肉体労働をして早大で学んだ経験を経て、「子供をよくする会」設立、更生施設建設など、自ら少年少女の救済活動をおこなった作家による、大人と子供の相容れない視点の差異を描いた、リアルな長編小説。現代の教育・子育ての課題・問題にも通じる、心揺さぶられる普遍性に満ちた傑作。 -
大蔵官僚 超エリート集団の人脈と野望
日本を実質支配し国家運営する、大蔵官僚の権力構造と生態。国家のなかの国家=大蔵省のすべてを解明! ――「われら富士山、他は並びの山」と豪語し、他省庁はじめ政・財界までを操って日本を実質支配している大蔵官僚。その強大な支配構造のメカニズムやエリート・オブ・エリートとも呼ぶべき大蔵官僚の生態を、具体的に見事に浮き彫りにする。 -
千姫春秋記
千姫は、祖父・家康の命のままに、豊臣秀頼に嫁いだ。そして大坂夏の陣。秀頼は城と共に滅び、千姫は炎の中を助けられた。心ならずも永らえた千姫は、様々の想いを秘め、再び祖父の意に従って本多忠刻の妻となった。美男の忠刻に彼女は、かりそめの幸せを託したが、秀頼の旧臣・菅野長三郎に再会したことから、姫路城での千姫の春秋に秘密の翳がさすようになった。忠刻に死別した千姫は、江戸に帰った。やがて美しい女主人の住む竹橋御殿は、妖しい噂につつまれて行った……。数奇な運命を生きた美女・千姫の、嫋やかな肉体にすむ官能の妖しさと、孤独な愛の姿を描いた長編。 -
自治官僚
知事、副知事、総務部長など、都道府県の重要ポストは自治官僚によって独占されている.地方から日本を支配する自治官僚。大蔵省も恐れるパワーの秘密を解く! ――地方から日本支配をたくらむ、自治官僚の全容をレポート。知事、副知事、総務部長はじめ、そのラインにつながる財政課長や地方課長など、都道府県を牛耳る重要ポストを占める自治官僚出向組の数には、目をみはるものがある。大蔵省が「最大の敵」と恐れる自治省パワーの秘密を解明する。 -
夜間飛行 ミステリについての独断と偏見
ミステリを通して人生を語る異色のエッセイ。ミステリの楽しみが数行の謎ときだけなんてモッタイない。名作の行間から垣間みえる芳醇な人生の味を洒脱に描く! ――名探偵が登場して、「事件」は解決する。だが、「人生」という厄介なナゾは、そうスッキリ割り切れるものじゃない。ミステリの行間から垣間見えるほろ苦い人生の味、そんなプラス・アルファの魅力を、名コラムニストが軽妙に、ときにセンチメンタルに語る、大人のためのミステリ論。好評「課外授業」の姉妹編。 -
滅尽争のなかの戦士たち ―玉砕島パラオ・アンガウルー
奇跡的生還者が証言するアンガウル島の玉砕。唯一故国防衛のため、米軍の近代戦の前に勇猛果敢に闘い、そして玉砕していった若き戦士たち。この人間の「滅尽争」を、彼ら英霊の叫びを、代って報告する。 ◎三島由紀夫はこう評している。――近代戦のもっとも凄壮な様相が如実に描かれている点で、又、ただ僥倖としか思えない事情で生き永らえた証人によって、人間の「滅尽争」がはっきり描かれている点で、これは世界に比類のない本だということである。この本は実にありえないような偶然によって書かれたものであるから、これ以上の文学的贅沢などを求めるのは全く無意味である――と。 -
日本とは何か
日本には、「特殊戦後的基準」によって、経済的成功をはじめ、日本式経営や日本型官民協調体制を自賛する声が高い。だが、経済は、国家や国民が目指す理想を達成する手段の一つにすぎない。その上、経済そのものも、全体として見れば、世界に威張れるほどの効率と豊かさには達していない。日本及び日本人論の決定版。 -
自伝的戦後史
恐怖からの解放、自由と正義のための闘いの書。自由の敵・戦争の原因たるファシズムとの闘争に一生をかける著者の抵抗と革命への意志。たぎる情念が我々を闘いへと駆り立てるダイナミックな予見者の書。――アウシュビッツの大量虐殺が、なぜ起こったか? 本書は、この現代における人類の絶望からの解放なくして、人類の未来の希望はありえない、と偽りの平和を生きる我々に、忍び寄るファシズムの恐怖を訴え、自由と正義のための闘いに読者を駆り立てる、情念の書。また、困難な時代にこそ、繰り返しひもとかれるべき現代の聖書。<上下巻> -
教育の論理―文部省廃止論―
情熱をこめて説く若者独特の「教育の自由」。文部省を廃止せよ。それは教育を荒廃から救い教師や子どもたちを甦らせる。具体的なデータを提示し、教育の自由のために情熱をこめてつづる力作。――いま、日本の教育を荒廃と腐敗に陥れているのは、文部省である。官僚主義のはびこる文部省の関心は、管理監督取締りにあり、教育の自主性は皆無の現状なのだ。だが輝ける未来は、教育の自由なくしてはありえない。ここに文部省廃止の必然性が生じるのである。教育の自由にささげられた、羽仁五郎の文部省廃止論。 -
課外授業 ミステリにおける男と女の研究
海外のミステリにおける男と女の徹底的研究。ミステリも小説という信念から、作中の男女の関係をとおして分析する洒落たミステリ研究――この世は、男と女で成り立っている。そして、男と女の間には、つねに恋愛という大問題が横たわることになる。ミステリ作品のなかの男女にもまた、さまざまな形の恋愛が生じないはずがない。海外ミステリに現われた男と女の複雑微妙なかかわりを紹介分析した、ユニークなミステリ研究。日本推理作家協会賞受賞作品。 -
この人を見よ
人はいかにして、自分が本来あるところのもの=超人になるのか? いかにしてニーチェが、ニーチェその人となったのか? プラトン哲学、キリスト教、近代とドイツとを相手に鉄槌で哲学する一個の運命、ディオニュソス、ニーチェ。稀有の個性のニーチェ・44歳、発狂直前、荘重と放縦、賛歌と諧謔の交錯する筆致で、自己と自己の著作について喝破した「破天荒な」自伝。 -
「大変」な時代 常識破壊と大競争
いま日本の常識は破壊された! 不連続への不安と衰退の予感。新時代を生き抜く常識とは? ローコスト革命への提言――政界、政策、経済、経営、社会。5つの「五五年体制」が崩壊し、高齢化、国際化、成熟化、情報化の「四化」は、根本的に変化した。日本が「右肩上がり」から「うつむき加減」の社会に変わったことを嘆くばかりではなく、新しい世の中にふさわしい目標をもつべきだ。その鍵を握る「ローコスト化」と新常識を提言。 -
雨彦のサラリーマン講座
ヒラ社員必読、管理職必携の好エッセイ集。サラリーマン人生の運転免許証にして、会社という戦場で闘う戦士たちに必須の兵法書――サラリーマンは、男らしい仕事である。出世の競争もあろう、自分では選べない上司の理不尽なふるまいもあろう、無駄な会議も多かろう……。だが、愚痴を抑えて、ラッシュの電車にもまれ、少しばかりの酒にやりきれなさを託しつつ、今日も働いているこの健気な戦士たちを、男らしいと呼ばずして、何と言おうか? -
日本人の歴史
日本人にとって性は人間の根源の力であり神聖なものであった。性の歴史には裸の日本人を理解する最上のヒントがある。面白さ抜群の画期的な日本史――古代日本人は、「性」を人間と自然の繁栄の根源の力としてとらえ、その神秘的で不思議な力に霊性を感じ、それを生活の根本とする意識をもっていた。そして、世界に冠たる恋愛小説『源氏物語』を生みだすほどの、性の先進国となった……。秀れた日本人の知的蓄積を該博な知識で綴った、画期的な部門別日本史。渾身のライフワ-ク。<全5巻> -
都市の論理
全国民必読の書といわれたベストセラー。真に豊かで自由な人間生活のために、国家から都市の自治権を奪回せよと説く情熱の書――人間が豊かで自由に暮していくために、あの戦後民主主義が理想とした自治の精神を、今こそ蘇らせよう。都市の自治権を国家から奪回せよ! 国家独占の腐敗と堕落を許すな。ヨーロッパの都市の歴史を辿りつつ、われわれ市民には自立の喜こび、実践家には行動の指針を示して、勇気と情熱をあたえる真の名著。<全2巻> -
占領軍慰安婦
アメリカ占領軍に提供するため、日本政府の手で造られた占領軍セックス用慰安所と、日本政府が募集した日本人慰安婦の真実――「戦後処理の国家緊急施設の一端として、進駐軍慰安の大事業に参加する、新日本女性の率先協力を求む」……<日本婦女子の防波堤>の名の下、政府が募集した占領軍慰安婦。そこに送りこまれた7万人の性囚たちは、どのような行動を強いられたのか? その実態をさぐり、正史にない女たちの痛恨を追うルポ。 -
遠くて近きは……
男と女の「他愛もない話」に鋭く光る観察眼。夫婦の関係、結婚、浮気、離婚、男と女のホンネ……身辺でとりかわされる男と女の何気ない会話の奥に、キラリと光る人間の本質を探り出し、そっと描く独特の職人芸――男と女の、この不思議な距離! ああ、この熱い憧憬と深い断層! 遠くて近いか、近くて遠いかは、みなさまがたの経験やら自負によって、異なりましょう。理解しあって、誤解しあって、それでもお互いに求めあって、別れるのでしょうか? 愛しているよ、好きよ、1回きりよ、またね……。呟く言葉はさまざまですが、そこが凡俗煩悩の男と女の業というものでしょうか、雨彦さん? -
嘘でもいいから……
男と女の微妙なアヤを洒脱に描くエッセイ集。美女、猛女、才媛、妻、人妻……女性のことなら何でも熟知(?)している青木雨彦氏の実感的男女関係論。正規・不正規とりまぜて、男と女の結びつきを鋭く分析。愉快、難解、不可解な男女の仲を爽快に截断! ――結婚している、ということのメリットは、かりにヨソの女とそんなことになっても、「ねぇ、あたしと結婚して!」と言われなくて済むことだろう(「妻と別れて」)……。恋愛、結婚、浮気、別れなど、男と女の関係の、はかりしれない深淵を、独特の文体で描く名人芸。エッセイ全篇を流れる『嘘でもいいから……』の呟き! -
サラリーマン反道徳精神のすすめ
きみはサラリーマンになりたくて、サラリーマンになったのである。生まれたことは、自分の意思ではないかも知れないが、サラリーマンになったのは、自分の意思でなったのである。「オレは、サラリーマンになりたくて、この会社に入ったんだ」と自分自身に言い聞かせろ……。サラリーマン武芸百般、雨彦流の秘伝! -
いっしょうけんめい生きましょう おばあさまの一日一言
明るく有意義な老境を生きるために! 静かな感動と人生への示唆に富んだ日々の随想集。高齢化社会に贈る言葉の数々――元文部大臣・永井道雄氏の母堂が、82歳から5年半、明治・大正・昭和三代を体験した思いをこめて綴った随想集。ただ生きながらえるだけでなく、明るく充実した老境を生きた著者の言葉は、読む人に豊かな感動と示唆を与えずにはおかない。朝日新聞〈天声人語〉が「なにげなく見える文章の中にたくさんの宝物が隠されている」と絶賛した名著。敬けんなクリスチャンである筆者の幅広い教養が、こたつの埋み火のように人々の心を暖める! -
歴史の光と影 歴史エッセイ集
茫々たる廃墟の中に、幾多の興隆と衰亡を、生と死を、井上靖の「詩魂」が捉えた歴史紀行。歴史への確かな目と抒情が織りなす名編――中国、韓国、ロシア、幻の王国・ヒッタイトの故地・アナトリア高原へ。藤原三代のミイラが眠る奥州平泉・大和へ……。古き美しきものの中に、そして霧に包まれ、茫々たる廃墟の中に、往古の繁栄と衰亡を、人々の誇りと哀しみを、生と死を、井上靖の稟とした「詩魂」が捉えた歴史紀行。抒情にみちあふれた名篇。 -
知的風景の中の女性
男女ともに人間であるから、人間という点では、同じである。しかし、また、単なる「人間」なるものは、どこにも存在せず、必ず男か女であることも、また事実である。生物学的な差異から、歴史的・社会的な役割まで、冷静に考えてみると、男と女は、常に相補的な関係にあることがわかる。おたがいに理解しあうための、知的女性論。 -
男と女のト音記号
わかりあって誤解しあって、男と女の人間学。男性からは「こんなに女の悪口を書いてダイジョウブか?」と心配され、女性からは「いつも男をやっつけてくれてうれしいわ」と励まされる、雨彦流辛口の男女関係論――男と女をくらべれば、男はおしなべて規格品であるのに、女のひとは個性的だ。男はどいつも似たり寄ったりだが、女のひとにはアタリハズレがある。「だから、男にとって結婚は賭けだ」というのである(「賭けと負け」)。……など、男と女の間の微妙で繊細なアヤを解いたり結んだり、ご存知、雨彦氏の軽妙辛口エッセイ! -
女と男の方程式
微妙な女心と男の本音、理想の結婚相手と浮気相手、など、知らずにやれない恋のかけひき秘訣集。優しくシニカルな魅力のエッセイ!――結婚前の女たちと花ムコ候補生、そして不倫志願の大人のあなたに贈る、優しくシニカルな雨彦流「女と男のつきあい術」指南書。微妙な女心を探り、男の本音を知る。いま、はやりの結婚の条件とは? 結婚難の実態は? 長女を口説く法。理想の浮気の相手。浮気の時効。最近「不倫」事情。優しくシニカルな、恋のかけひき秘訣集。 -
語りつぐ経営 ホンダとともに30年
ホンダ、奇蹟の成長はなぜ実現したのか! ホンダの町工場の時代から奇跡の成長のすべてを体験してきた、当事者の元副社長が綴る、その発想力、実践力、人間哲学の全て。偉大なバイタリティーの秘密を、はじめて明かす――資本金100万円で、昭和23年に設立された小さな会社が、30数年で売上高2兆2千億円(昭和60年度)のビッグ・ビジネスに……。わが国の戦後経済発展の象徴として有名なホンダの奇跡は、どのような経営と生産現場によって実現したのか? 本田・藤沢の名コンビとともに、今日のホンダを築き上げた著者が、30年の歩みを的確に分析した好著。 -
雨彦のにんげん四季報
出会ったその時々の人物から、美女を俎上に! にんげんの魅力をホンネでひきだし、ホンネで語る! ――現代の美女とヒーローたちに、雨彦流で迫る。自称・人間嫌いといいつつも、「オレの興味はやはり人間にしかないのかなあ」と、いろんな人に会ってきた。「ウソでもいいから、ホンネで語り合いたい」と、インタビューしてきた。その時々の人物論から、美女との2000秒デートで生まれた「にんげん早わかり」。
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