白水社の検索結果

  • ロレンスがいたアラビア 上

    ロレンスがいたアラビア

    ビジネス・実用
    5.0
    1~2巻3,168円 (税込)
    欺瞞、密約、だまし討ち 死後七〇年以上経った今日なお、トーマス・エドワード・ロレンスは二十世紀のもっとも謎に満ちた、毀誉褒貶相半ばする人物の一人であろう。本書はロレンスの評伝だが、けっして「聖人伝」ではない。第一次世界大戦中、ロレンスをはじめアラブ世界を舞台に暗躍した四人のスパイと彼らを取り巻く人間模様から、ヨーロッパ列強が中東という壺の中に手を突っ込んでかき回すさまを描いた歴史ノンフィクションである。 ロレンスほど有名ではないが、本書で重要な役割を果たす三人とは、表向きは大学講師だが、英国を欺くためオスマン帝国と共謀し、愛人のロシア系ユダヤ人医師を諜報活動に利用していたドイツのスパイ、K・プリューファー。ルーマニア系ユダヤ人の農学者で、オスマン帝国統治下のパレスチナで祖国建設のために奔走するシオニスト、A・アーロンソン。そして米東海岸の名門の出で、大手石油会社の調査員から米国務省の情報員に転身したW・イェールである。 戦況によってめまぐるしく変わる彼らの立ち位置を丁寧に追い、今日の中東紛争の淵源となった時代を躍動感あふれる筆致で描いた注目の歴史大作! 「現代史アーカイヴス」として復刊。 【目次】 表記・出典について  はじめに 第一部  第一章 聖地の「プレイボーイたち」  第二章 変わり種  第三章 別のところ、別のいいもの  第四章 最後の一〇〇万まで  第五章 あきれた混乱  第六章 秘密を守る人たち  第七章 背信 第二部  第八章 戦いを交える  第九章 キングメーカーになる男  第十章 無の中に収まって  第十一章 欺瞞の霧
  • ロングアイランド

    ロングアイランド

    『ブルックリン』の続編、終わらない愛の物語 物語のはじまりは1976年のロングアイランド。アイリーシュは夫のトニー、十代の娘、息子とともに新興住宅地で暮らしている。 ある日のこと、見知らぬ男が彼女を訪ねてきて、平穏な日々に激震をもたらす。トニーがその男の妻を妊娠させたので、赤ん坊が生まれたら連れてくるというのだ。「留守なら、玄関先に置いて帰るからそう思え」と。 赤ん坊の姿を絶対に見たくない、と夫に宣言したアイリーシュは、その夏80歳の誕生日を迎える母親に会うために、アイルランドへの帰郷を決める。姉が急逝したあの夏以来、じつに25年ぶりの帰郷である。 舞台はエニスコーシーの町へ移り、アイリーシュは懐かしい顔と再会する。幼なじみのナンシーは夫のジョージに先立たれ、苦労の末に今はフィッシュ・アンド・チップスの店をほぼひとりで切り盛りしている。そして、あの夏アイリーシュと恋に落ちて捨てられたジムは、親からパブを引き継ぎ、いまだに独り身でいる。 心に隙間を抱えた大人の男女3人が四半世紀の時を経て再会し、互いに本音を隠しながら、新たな物語を繰り広げていく……。
  • ローマ帝国の崩壊:文明が終わるということ

    ローマ帝国の崩壊:文明が終わるということ

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻3,564円 (税込)
    史学・考古学双方の研究を駆使して描く実態 ローマ帝国は衰亡したのか、独自の価値をもつ「古代末期」という新しいポジティヴな時代と捉えなおすべきなのか。本書は長年のこの議論をわかりやすく解説しつつ、「ゲルマン民族が侵入してきたとき、経済や社会に何が起き、人びとの暮らしはどう変化したのか」を、文献史料や陶器・家畜の骨・建築物(の跡)などを使い、史学・考古学双方の研究を駆使して描き出している。 ローマ帝国はさまざまな方法で経済的発展を促進し、税収による莫大な金銭を再分配した。ライン川とドナウ川に沿って駐屯していた職業的な軍が五世紀に崩壊すると、給料を得ていた何万もの兵士たちの購買力も失われ、彼らの装備を製作していたイタリア北部の工場も姿を消した。また皇帝たちは自身のために、交易を円滑にするインフラを維持したが、実際には貨幣は徴税官よりも商人や一般市民の手に渡るほうがはるかに多く、道路を旅するのも、軍より荷馬車と駄獣のほうがずっと頻繁だった。帝国の終焉とともに、これらへの設備投資は劇的に減少した。結果、地域の農業・工業の専門分化や作物・工芸品の換金が困難になると、住民はより生産性の低いシステムへの回帰を強いられ、人口は減少していく。 ローマ帝国の洗練された生産・流通システムがひとたび崩壊してしまうと、地域によっては先史時代の水準にまで後退し、回復には数世紀を要したという事実は、かなり衝撃的である。英国ペンクラブのヘッセル=ティルトマン歴史賞受賞。
  • ワイルドランド:アメリカを分断する「怒り」の源流(上)

    ワイルドランド:アメリカを分断する「怒り」の源流

    ビジネス・実用
    4.0
    1~2巻3,168~3,762円 (税込)
    連邦議会襲撃に至る20年間の軌跡 2013年、米主要紙誌の特派員として十年に及ぶ海外生活から帰国した著者は、熟知していたはずの祖国アメリカが大きく変貌してしまったことに驚愕した。自分が浦島太郎になったかのような感覚を覚えるほどに、そこかしこで変化が起きていたのだ。その変化をもたらしたものは何なのか。トランプを大統領にまで押し上げたうねりの源はどこにあるのか。混沌の中から何か新しいものが生み出されようとしているのか。それを突き止めようと取材を開始する。 著者は、自分の人生で大きな関わりを持つ三つの場所(コネティカット州グリニッジ、ウェストヴァージニア州クラークスバーグ、イリノイ州シカゴ)を再訪する。取材対象は医師からヘッジファンド業界に転身するもインサイダー取引で犯罪者になったかつてのエリートに始まり、兵役を終えて帰国するも精神を病み殺人を犯してしまう元海兵隊員まで多岐に及んだ。彼らの人生の軌跡をたどることで、アメリカに「分断」や「怒り」をもたらした生々しい現実が浮き彫りになる。 「トランプ再来」に揺れるアメリカを理解するうえで重要な視座を提供する傑作ノンフィクション。 [目次]  プロローグ 1 ゴールデン・トライアングル 2 遺憾の意 3 丘の上の宝石 4 泥の街 5 みんながやっていることだから(その1) 6 みんながやっていることだから(その2) 7 みなさまがた 8 ヤク漬け 9 購買力 10 タマなし野郎  情報源についての解説
  • 〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン

    〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン

    ビジネス・実用
    4.2
    1巻2,178円 (税込)
    1991年のソ連崩壊後、ユーラシア大陸の中央に位置するカザフスタンは、独立国家の建設、計画経済から市場経済への移行という、大きな変化を潜り抜けてきた。その過程で、国のありかたや人びとの生活はどのような変化を遂げてきたのだろうか。 豊富な資源をもとに経済発展を続けるカザフスタンは、いまや新興国のなかでも優等生の一国に数えられる。 独立前からカザフ人のあいだにみられる特徴のひとつに「コネ」がある。そして、市場経済移行後に生活のなかに蔓延しているのが、このコネクションを活用して流れる「賄賂」である。経済発展がこれまでの人びとの関係性を変え、社会に大きなひずみが生じているのだ。 本書は、市場経済下、警察、教育、医療、ビジネス活動など、あらゆる側面に浸透している「賄賂」を切り口に現在のカザフスタンをみていく。賄賂は多かれ少なかれ世界中の国々でみられる現象だが、独立後のカザフスタンは、それが深刻な社会問題を生み出している典型的な国のひとつである。 ここから見えてくるのは、人びとの価値観の変容だけでなく、ほんとうの「豊かさ」を支える社会経済システムとはどのようなものかという問題だ。豊かさを追い求めた、この30年の軌跡。
  • ワインが語るフランスの歴史

    ワインが語るフランスの歴史

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,045円 (税込)
    フランスを代表する最もエレガントな文化といえるワインを通して見るフランス史。ワインにまつわる逸話の数々を読みながら、フランスが誇る銘醸ワインを味わおうとするものです。

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  • わからない

    わからない

    小説・文芸
    3.9
    1巻2,277円 (税込)
    四半世紀分のキシモトワールド リディア・デイヴィス、ルシア・ベルリンなど数々の名翻訳で知られる著者は、エッセイストとしても絶大な人気を誇る。本書はデビューエッセイ集『気になる部分』(白水社刊、2000年)以降に様々なメディアに寄稿した、単行本未収録の文章を集大成したものだ。 全三章で構成。第一章は、「前世が見える」という人に教わった著者の前世の物語「わからない」、一度も訪れたことのない場所を精緻な妄想で描写する「ここ行ったことない」等、ヴァラエティ豊かなエッセイを集める。 第二章は、書評の意味を崩壊させてしまった伝説の朝日新聞連載「ベストセラー快読」、子供のころ猿のように繰り返し読んでいた本を今読んだらどうなるのか実験した「もう一度読んでみた」等、本にまつわる文章でまとめた。 さらに第三章として、キシモトワールドのエッセンスを凝縮したようなウェブ日記「実録・気になる部分」等、2000年代の「日記」を収録。いずれの章も、抱腹絶倒、奇想天外、虚実の境をまたぎ越す著者の真骨頂が堪能できる。 危険防止のため、電車の中では読むことをお控えください。
  • 私はイスラム教徒でフェミニスト

    私はイスラム教徒でフェミニスト

    コーランにもとづく、「服従」しないための療法。 フェミニストでありながら、イスラムのスカーフを被ること─。これは、スカーフを女性差別の象徴としてみなす西洋のフェミニストたちに理解されにくく、議論の的となってきました。でも、それが、ナディア・エル・ブガの流儀です。宗教に敬虔であることとフェミニストであることは、矛盾しません。 イスラムというと女性蔑視の因習的な宗教という先入観や、テロと短絡的に結びつける傾向もあるでしょう。そんな誤解や偏見は、イスラム法を学んで、モスクで講和を行なう専門知識をそなえたナディアが、丁寧にときほぐします。 この本は、イスラムの聖典をひもときながら男女平等を説き、セクシュアリテの封印を解く、フランスで人気の性科学医(セクソローグ)による自伝的エッセイです。 セックスやジェンダーに悩むひとに、コーランにもとづく、「服従」しないための療法を! 診療室をおとずれる多様性をかかえた患者の生に寄りそってきた著者ならではのアドバイスや語り口は、どれも魅力的で、イスラム文化のみならず性教育に関心を持つ読者にも有意義。日本の読者へのメッセージ「コロナ禍を経て、伝えたいこと。」も収録。
  • わたしはこうして執事になった

    わたしはこうして執事になった

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻2,376円 (税込)
    華麗なる時代の最後の輝きの日々 登場するのは、『日の名残り』の主人公のモデルといわれる「クリヴデンのリー卿」ことアスター子爵家のエドウィン・リーをはじめとする五人。彼らはみな、十九世紀後半~第二次大戦前のイギリスで、地方の労働者階級の家に生まれて十代前半から働きはじめる。執事になってからの、大邸宅の日常や豪華な大イベントを取り仕切る仕事。チャーチル首相や王家の人々との関わり。そして、二十世紀社会の激変に翻弄されながら、華麗な貴族の時代の終わりを目の当たりにする哀しみ……。華やかなまま引退する者もいれば、悲運に見舞われた雇用主一家にあくまで忠義を尽くす者、〝旧時代の雇い主〟の要求と〝新時代の部下〟という現実の板ばさみになって苦しむ者など、その結末はさまざまだ。  五人それぞれが一人称で語る人生の物語は、楽しい読み物であると同時に、二十世紀イギリス史の貴重な記録である。 【目次】 まえがき 1 プロローグ 2 ゴードン・グリメット   ランプボーイの話   ゴードンの回想についてひとこと   3  エドウィン・リー ページボーイの話 リー氏の回想についてひとこと   4 チャールズ・ディーン   ブーツボーイの話   チャールズの回想についてひとこと   5 ジョージ・ワシントン ホールボーイの話   ジョージの回想についてひとこと   6 ピーター・ホワイトリー   雑用係の話   ピーターの回想についてひとこと   7 エピローグ   解説   訳者あとがき
  • ワン、ツー、スリー、フォー:ビートルズの時代

    ワン、ツー、スリー、フォー:ビートルズの時代

    ビジネス・実用
    -
    1巻7,920円 (税込)
    ピーター・バラカン氏推薦! 異色のビートルズ伝 時系列を大胆に再構成し、多種多様なエピソードをモザイク状に配置しながら、4人の生きた時代、ビートルズと関わった人々の人生を万華鏡のように映し出す。英国の著名なジャーナリスト、諷刺作家による悲喜こもごものポートレート。 長短さまざまな150章から成る本書は、数あるビートルズの伝記、関係者の回想録、インタビュー、日記、ファンレター、同時代の報道など膨大な資料から目ぼしい記述や発言を選りすぐり、著者自身のルポや思い出、噂話、架空の話も交えて、独自の視点で編まれたもの。第一章は伝説的なマネージャー、ブライアン・エプスタインが初めてビートルズの演奏を聴きに行く運命的なシーンで幕を開け、続く章からはエピソード同士がゆるやかに連なり、ときに思わぬ展開を見せ、読者を驚かせる。 著者一流の諷刺とユーモアを散りばめ、ビートルズの人と音楽、同時代への影響を多種多様な人々の声に語らせ、浮き彫りにする。「ビートルズがあまりに明るく輝いたため、誰でもその光線に当たった者は、それがたとえほんの一瞬だったとしても、ビートルズ神話の一部になる」(本書より)。2020年度ベイリー・ギフォード賞受賞作。
  • ヴァイキングの暮らしと文化

    ヴァイキングの暮らしと文化

    ビジネス・実用
    -
    1巻2,970円 (税込)
    「角のついた兜をかぶった北欧の海賊」という、誤りを含んだ偏ったイメージで語られてきたヴァイキング。実際には兜に角はなく、平時には商人であり農民だった。そもそも「ヴィーキング(ヴァイキング)」という言葉の語源は、海賊ではなく、商業地を点々としながら活動する商人そのものを意味している。北欧のみならず、イギリス・フランス・イタリア・ギリシア・ロシア史に大きな影響を与えてきた彼らは、どんな人々だったのか。 彼らの芸術は、象徴的な抽象主義と純粋な現実主義との中間にあり、機能性と美とを同時にかねそなえた、いわば実用的理想の域にまで達していた。ヴァイキングの精神・物質生活はひとつの文化であるだけでなく、西欧のキリスト教文明に匹敵するひとつの文明である。 本書は、ルーン学、サガや詩などの史料を駆使し、ヴァイキングの陸上や船上での日常生活や年中行事の、物質的側面のみならず精神生活をも幅広く扱い、「家族」を中心とした社会を組織したその豊かで高い文化全般を詳説する。
  • ヴィクトリア朝:ある時代の虚像と実像

    ヴィクトリア朝:ある時代の虚像と実像

    ビジネス・実用
    -
    1巻2,376円 (税込)
    歴史・人間・帝国 政治・経済・社会の制度から、科学・文学・芸術の文化までの遺産が、世界で称賛されつづけているイギリスの一九世紀。だが、このヴィクトリア朝には、つねに神話化されたイメージがつきまとう。 ヴィクトリア朝の人びととは、いったい誰のことを指すのだろうか。この時代を生きた彼ら/彼女らは近代都市社会の多くの課題に初めて直面する一方で、その世界的な行動が帝国という悪しき世界を形づくることにもなった。 それにしても、なぜヴィクトリア朝は、今なお日本を含む諸国の文化で重要な位置を占めつづけているのだろうか。「ヴィクトリアニズム」と呼ばれる特定の世界観/価値観は正当化できるのか。この時代のイギリスの実像はどのようなものだったのか。そして、その文化は世界にいかなる結果をもたらしたのだろうか。 本書は、このような問いをめぐって歴史学者が冷静な視点から論じる、ヴィクトリア朝研究の小さな名著である。今後、イギリスという国の歴史的な内情や、その栄光と秘密を知りたい読者、さらに世界の近代史への理解を深めたい読者にとっての必読書になるだろう。
  • ヴェルサイユ宮殿に暮らす:優雅で悲惨な宮廷生活

    ヴェルサイユ宮殿に暮らす:優雅で悲惨な宮廷生活

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻2,475円 (税込)
    豪華絢爛な宮殿の舞台裏 フランス貴族社会の象徴、ヴェルサイユ宮殿。18世紀、ここには王を頂点に1000人以上がひしめきあって暮らしていた。豪華絢爛な外観、贅沢な食事、着飾った女性たち、舞踏会や音楽会……。華やかな宮廷生活が思い浮かぶが、本書のテーマはこうした表の顔ではなく、より人間くさい日々の営みのほうにある。著者は残された書簡や官僚機構の報告書などを精力的に読み込み、宮殿での暮らしの実態をひもといてゆく。 宮殿の内部は226の居室からなる巨大迷路の様相を呈していた。広さ・設備とも許容量を超える人数が暮らすなかで、個人のプライバシーは守られていたのか。1000人分の食事はどのように準備され、消費されていったのか。安全な飲料水は確保できていたのか。入浴や排泄はどのようにしていたのか。広大な建物をどのように掃除していたのか。大量の洗濯物はどこで洗い、どこに干していたのか。華やかなイメージとは裏腹の驚くべき事実が次々と明かされる。 当時の史料からは、貴族たちの苦労がしのばれると同時に、彼らがたくましく生きていた様子もうかがえる。本書を読めば、これまでとは違った宮殿の姿が立ちあがってくるはずだ。
  • 神のゴーストライター:聖書を作った古代ローマの奴隷たち
    10/9入荷

    神のゴーストライター:聖書を作った古代ローマの奴隷たち

    聖書の文章を「書いた」のは誰だったのか 古代ローマ時代、文書・文芸作品を「創作」するのはしかるべき立場の人間だったが、それを「筆記」するのはもっぱら、秘書・書記・写字生職の奴隷や解放奴隷であった。それはローマ時代に成立した新約聖書も例外ではなく、「書いた」人物の名前まで記されている箇所がある。考古学上の理由から「書いた」のが使徒本人ではないと考えられる手紙もある。当時の口述筆記に、いったん速記記号に圧縮して書き取り後から文章にふくらませる方法が使われていたことを考えると、そこには「書いた」人物の編集能力や、解釈すら含まれている可能性もあるかもしれない。 では、古代ローマ社会の奴隷の目に、イエスはどういう存在に映ったか。福音書に書かれているイエス像は、当時の社会から見てどういう存在なのか。有力者が改宗すると、しばしばその家――ファミリアに属する大勢の奴隷たちもまとめて改宗となった時代、そうした奴隷たちにとって宗教とは、キリスト教とは何だったのか。 古代ローマに生きたさまざまな立場の奴隷たちの世界を見わたしながら、ローマ社会とくに奴隷制度という角度から、新約聖書について考察する。 [目次]  地図  著者からの注記 はじめに I 目に見えない手 第1章 エッセンシャル・ワーカー 第2章 パウロとその秘書たち 第3章 イエスの物語を読み直す II メッセンジャーと職人 第4章 神のメッセンジャー 第5章 言葉のキュレーター 第6章 福音書の顔 III 遺産 第7章 忠実なキリスト教徒 第8章 不従順な者への罰 エピローグ  謝辞  訳者あとがき  図版一覧  注  略語と著者による引用の翻訳についての注記

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  • フランス知と戦後日本:対比思想史の試み
    10/9入荷

    フランス知と戦後日本:対比思想史の試み

    なぜ、あれほど読まれたのか? 誰しも人生を変えた一冊があるはずだ。困難や逆境にあるとき、思わぬ力を与え、生きていく糧となった本。あるいは進むべき道を示してくれた本…… 本書は、「戦後日本」におけるそんな一冊を探し求める試みである。 敗戦を受け、「近代化」や「民主主義」を求めた戦後日本は、いわゆる知識人が活躍した時代であり、数多くの名著が生み出された。 とりわけ、「フランス知」が果たした役割は大きかった。 フランス文学からフランス革命史学まで、あるいは哲学・思想から社会・文化論まで、これらの知識人たちの著作は、フランスを対象にしながら、その根底に日本社会への強い問題意識がはっきりとみられた。 このフランスと戦後日本をつなぐ回路はいかなるものだったのか? そこには果たして必然性があったのか? こうした問いが本書の最大の焦点になる。 個々人の関心が多様化し、学問も細分化したと言われる。読書という経験も大きく変容している。だからこそ、社会全体がかなりの熱量をもって集約的に本を読んだ戦後の記憶は貴重である。戦後思想を読む異色のブックガイド!

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