斎藤真理子作品一覧

  • 文藝 2023年秋季号
    -
    1巻1,485円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 町屋良平「生きる演技」(550枚)一挙掲載/創作:安堂ホセ、日比野コレコ、山下紘加/特集:WE LOVE 藤本和子!/創刊90周年連続企画3:村田沙耶香×柴崎友香×西加奈子 ◎創作 【舞台(、、)は、戦争―。長編580枚一挙掲載】 町屋良平「生きる演技」 【文藝賞受賞第一作】 安堂ホセ「迷彩色の男」 【文藝賞受賞第一作】 日比野コレコ「モモ100% 」 山下紘加「煩悩」 ◎特集・WE LOVE 藤本和子 【座談会】 岸本佐知子×くぼたのぞみ×斎藤真理子×八巻美恵 「片隅の声に耳を澄ませる 藤本和子と、同時代の女たちの闘い」 【エッセイ】 柴田元幸「お寿司を食べる人 」 井戸川射子「塩は喉を、叫びが喉を」 * 【短篇】 尾崎世界観「電気の水」 滝口悠生「恐竜」 * ◎創刊90周年連続企画3 【鼎談】 村田沙耶香×柴崎友香×西加奈子「どの年齢や時間にも、初めて見える景色がある」 ◎連載 絲山秋子「細長い場所」 【第2回】気配と残像 古川日出男「京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る 」【第3回】 山内マリコ「マリリン・トールド・ミー 」【第4回】 朝吹真理子「ゆめ」 【第5回】 島本理生+岩崎渉 「トランス」【第7回】 柳美里 「JR常磐線夜ノ森駅 」【第5回】 町田康「ギケイキ」【第41回】 【季評】 たったひとり、私だけの部屋で 「閉ざされた壁の中」2023年4月~6月 水上文 文芸的事象クロニクル 2023年3月〜2023年5月 山本貴光 ◎書評 金原ひとみ『腹を空かせた勇者ども』【評】山崎ナオコーラ 桜庭一樹『彼女が言わなかったすべてのこと』【評】竹田ダニエル 王谷晶『君の六月は凍る』【評】児玉雨子 朝比奈秋『あなたの燃える左手で』【評】皆川博子 若竹千佐子『かっかどるどるどぅ』【評】八木詠美 カレン・ラッセル 松田青子 訳『オレンジ色の世界』【評】谷崎由依 市川沙央『ハンチバック』【評】伊藤亜紗 第61回文藝賞応募規定
  • すべての、白いものたちの
    4.3
    アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。 生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。 文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。
  • ちくま 2024年5月号(No.638)
    NEW
    -
    110円 (税込)
    筑摩書房のPR誌です。注目の新刊の書評に加え、豪華執筆陣によるエッセイ、小説、漫画などを掲載。2024年5月号! 【目次】〈ポラポレプリリン神話 5〉市川春子/あとがきにかえて 藤田貴大/平安時代を挑戦的に読みとく 大薮海/ホーボーだろうが、浮浪者だろうが 青山南/四半世紀の時を超えた謎解き 水野太貴/社会を回復するための責任論 吉良貴之/『spring』刊行記念書き下ろし短編/H.H.邸におけるチャリティー・ディナー・パーティ 恩田陸/『センス・オブ・ワンダー』──あとがきのあとで 森田真生/〈些事にこだわり 19〉「本は売らないとたまるね」という中村光夫の名言、もしくは迷言の真実味について、実地に確かめてみるとどうなるか 蓮實重彦/〈世の中ラボ 168〉斎藤美奈子/〈韓国ドラマ沼にハマってみたら 12〉過去の伝えかたとしての娯楽作品 角田光代/〈思考の習性──ニッポンの大学教育を読みとく 13〉「階級」なき格差社会論のユーフェニズム 苅谷剛彦/〈ネにもつタイプ 267〉シバジー 岸本佐知子/〈読んで出会ったすごい人 4〉アカシアの花を食べる本──武川みづえ『空中アトリエ』 斎藤真理子/〈中江丑吉伝──ある時代傍観者の軌跡 4〉保阪正康/〈吉本隆明2019 63〉鹿島茂/〈〈面白さ〉の冒険──進化する世界観エンタメ 21〉都留泰作/〈最果からお届けします。 97〉私にはセンスがある。 最果タヒ/〈中絶について 1〉のりたまハウスのこと 石川義正
  • 82年生まれ、キム・ジヨン ストーリーブック
    無料あり
    3.6
    1巻0円 (税込)
    韓国100万部突破! チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化決定! 異例の大ベストセラー小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ 著/斎藤真理子 訳)。立ち読み感覚で、本書からの抜粋を西村ツチカ氏が本冊子のために描き下ろした絵とともに試し読みできます。韓国で社会現象となった経緯や、著者から日本の読者へのメッセージ、反響の声などが収録されています。まだ読んでいない人も、すでに読んだ人も楽しめる一冊!(非売品)
  • アヒル命名会議
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    神「お前、なんで生きとる?そんなことで次の天地創造までやっていけると思うのか?」ーー仕事、友だち、家族、恋人、性別、神様…新時代の自由を拓く稀代のアーティスト、待望の初小説集。後藤正文氏推薦
  • 韓国現代詩選〈新版〉
    5.0
    1巻2,420円 (税込)
    「いい詩は、その言語を使って生きる民族の、感情・理性のもっとも良きものの結晶化」 詩的世界の多様さ、現実に根ざしつつ生み出された作品の面白さは、時代を超え、今もなお心に響く。 豊潤で余韻に満ちた茨木のり子の名訳で贈る珠玉の詞華集。 【解説】若松英輔さん、斎藤真理子さん ---------------------- 隣国の多彩な現代詩人十二人の、発想豊かな六十二篇を、日本を代表する詩人・茨木のり子が編み、翻訳した。 刊行から三十余年。 韓国文学の真髄ともいえる簡潔で奥行き深い言葉できざまれた詩的世界は、時代を超えて心に鮮烈に響く。 ---------------------- まったく一種のカンだけを頼りに、五十冊ぐらいの詩集のなかから選びとったものだが、みずから選んだ六十二篇の詩には深い愛着を覚える。 訳す過程で、ハングルにはハングルの豊かさがあり、日本語には日本語の豊かさがあると痛感させられた。(「あとがき」より)
  • 韓国文学の中心にあるもの
    4.6
    1巻1,650円 (税込)
    なぜ、韓国文学はこんなに面白いのか。なぜ『82年生まれ、キム・ジヨン』は、フェミニズムの教科書となったのか。世界の歴史が大きく変わっていく中で、新しい韓国文学がパワフルに描いているものはいったい何なのか。その根底にあるのはまだ終わっていない朝鮮戦争であり、またその戦争と日本は深くつながっている。ブームの牽引者でもある著者が、日本との関わりとともに、詳細に読み解き、その面白さ、魅力を凝縮する。 (「まえがき」より) 『最近日本で、韓国文学の翻訳・出版が飛躍的に増えている。この現象は、読者の広範でエネルギッシュな支持に支えられたものだ。読者層は多様で、一言ではくくれないが、寄せられる感想を聞くうちに、読書の喜びと同時に、またはそれ以上に、不条理で凶暴で困惑に満ちた世の中を生きていくための具体的な支えとして、大切に読んでくれる人が多いことに気づいた。(中略)韓国で書かれた小説や詩を集中的に読む人々の出現は、ここに、今の日本が求めている何かが塊としてあるようだと思わせた。それが何なのか、小説を読み、また翻訳しながら考えたことをまとめたのが本書である。』 【目次】 まえがき 第1章 キム・ジヨンが私たちにくれたもの 第2章 セウォル号以後文学とキャンドル革命 第3章 IMF危機という未曾有の体験 第4章 光州事件は生きている 第5章 維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』 第6章 「分断文学」の代表『広場』 第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である 第8章 「解放空間」を生きた文学者たち 終章 ある日本の小説を読み直しながら あとがき 本書関連年表 本書で取り上げた文学作品 主要参考文献
  • 曇る眼鏡を拭きながら
    4.5
    ひとりでも拭けるけど、ふたりで拭けば、もっと、ずっと、視界がひろがる。 ノーベル文学賞受賞作家、J・M・クッツェーの訳者として名高いのぞみさん。 パク・ミンギュ『カステラ』以降、韓国文学ブームの立役者である真理子さん。 「ことば」に身をひたしてきた翻訳家どうしが交わす、知性と想像力にみちた往復書簡集。 生まれ育った地に降りつもる雪、息もたえだえの子育て期、藤本和子との出会い、出版界の女性たちの連帯、コロナ禍とウクライナ侵攻の混迷……丹念に紡がれた、記憶と記録のパッチワーク!
  • 声をあげます
    3.8
    地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費…… 《 解決の鍵はいつだって未来にある! 》 身に覚えのないことで突然、収容所に監禁された英語教師のスンギュン。16名もの教え子が殺人者になっているという。 そして、その原因が自分の“ 声” にあるというのだが……(「声をあげます」) 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。 文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。 二十三世紀の人たちを怒らせるのではないかと思うと私は恐ろしい。 この正常ではない、腹立たしい豊かさは最悪の結果に終わってしまうだろうと思う。 未来の人々に軽蔑されずにすむ方向へ軌道修正できたらいいのに。(「あとがき」より)
  • こびとが打ち上げた小さなボール
    -
    韓国で300刷を超えるロングセラーにして、現代の作家たちから多大なリスペクトを受ける名作。急速な都市開発をめぐり、極限まで虐げられた者たちの、千年の怒りが渦巻く祈りの物語。
  • サハマンション
    3.4
    「世界でいちばん小さくいちばん異常な都市国家」である「タウン」。そこでは……。「口にしたり書いたり印刷したりしてはいけない単語があった。……歌ってはいけない歌があり、読んではいけない本があり、歩いてはいけない通りがあった」。その中で、「サハマンション」は「唯一の通路もしくは非常口のような場所だった」。そこには犯罪を犯して逃亡してきた者たち、「タウン」から排除された人々が流れついていた。
  • シソンから、
    3.7
    《私たちの心には、“彼女”のかけらがあるから》 女性への暴力や不条理が激しかったころ、美術家として作家として、時代に先駆けて生きたシム・シソン。 ユーモアを忘れずにたくさんの仕事をし、二度結婚して四人の子供を育て、世の評判をものともしなかった人。 そんな〈家長〉にならい、自由に成長してきた子供と孫たちは、彼女の死後十年にあたり、ハワイでたった一度きりのちょっと風変わりな祭祀を行うことにするが…… 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』のチョン・セランが贈る家族三代の物語。韓国で16万部を突破した待望の最新長編小説。 ――20世紀を生き抜いた女性たちに捧げる、21世紀を生きる女性たちからの温かな視線。
  • 「その他の外国文学」の翻訳者
    4.6
    1巻1,881円 (税込)
    「その他」の側から世界を見る 翻訳大国日本。多くの外国文学が翻訳され、読まれている。その中には日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語によるものも含まれる。 しかし、「その他」だといって存在感が小さいわけではない。インディペンデントな文学賞として知られる「日本翻訳大賞」の第1回大賞の2作品は、韓国語とチェコ語による作品だった。いずれも「その他」に分類される作品が、読者からも、翻訳者からも多くの評価を得たこと自体が、このカテゴリーの奥深さのあらわれではないだろうか。 では、「その他」を生み出しているのはどのような翻訳者たちなのか? 日本では馴染みの薄い言語による文学を、熱意をもって紹介してきた九人の翻訳者が、その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、そして文学観を語るインタビュー集。  序文・斎藤真理子  鴨志田聡子(ヘブライ語)  星泉(チベット語)  丹羽京子(ベンガル語)  吉田栄人(マヤ語)  青木順子(ノルウェー語)  金子奈美(バスク語)  福冨渉(タイ語)  木下眞穂(ポルトガル語)  阿部賢一(チェコ語)
  • たべるのがおそい vol.7
    -
    1巻1,320円 (税込)
    文学ムック「たべるのがおそい」vol.7 編集 西崎憲 巻頭エッセイ 斎藤真理子 特集〈ジュヴナイル―秘密の子供たち〉 岩井俊二 銀林みのる 櫻木みわ 飛浩隆 西崎憲 松永美穂 創作 高山羽根子 小山田浩子 柳原孝敦 短歌 熊谷純 佐伯紺 錦見映理子 虫武一俊 エッセイ 本がなければ生きていけない 梅﨑実奈 東雅夫 翻訳 ハイミート・フォン・ドーデラー「ヨハン・ペーター・へーベル(1760-1826)の主題による七つの変奏」(垂野創一郎訳) ※電子版には≪チョン・ミョングァン「退社」(吉良佳奈江訳)≫は含まれません。 【目次】 巻頭エッセイ 文と場所 斎藤真理子「文とふん」 創作 高山羽根子「ラピード・レチェ」 創作 小山田浩子「けば」 短歌 熊谷純「三日月の濃度」 短歌 佐伯紺「手をつないだままじゃ拍手ができない」 特集〈ジュヴナイル―秘密の子供たち〉 銀林みのる「上水線83号鉄塔」 飛浩隆「ジュヴナイル」 岩井俊二「作文という卵から小説という鳥は生まれない」 櫻木みわ「米と苺」 松永美穂「物置」 西崎憲「おまえ知ってるか、東京の紀伊國屋を大きい順に結ぶと北斗七星になるって」 本がなければ生きていけない 梅﨑実奈「心にプロなんてない」 短歌 東雅夫「安住の書庫を求めて」 短歌 錦見映理子「天国と地獄」 短歌 虫武一俊「インフルエンザに過ぎる」 ハイミート・フォン・ドーデラー「ヨハン・ペーター・へーベル(1760-1826)の主題による七つの変奏」(垂野創一郎訳) 創作 柳原孝敦「儀志直始末記」 執筆者一覧 編集後記 など 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部
  • タワー
    4.0
    674階建巨大タワー国家――。地上からの脅威が迫り、下層階を軍隊、上層階を富裕層が占める〈ビーンスターク〉の人々は、不完全で、優しい。 犬の俳優Pの謎、愛国の低所恐怖症、デモ隊vs.インド象、大陸間弾道ミサイル、テロリストの葛藤…… チョン・セラン、パク・チャヌク激賞!! 韓国SFの金字塔にして、笑いと涙の摩天楼エンタテインメントが、ついに日本上陸!
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ
    4.3
    1巻1,870円 (税込)
    必死で 情けなくて まぬけな 愛すべき「私たち」 ネット古書店でエゴサをしていたら、サイン入り自作が売りに出されていることに気づいた作家「イ・ギホ」。しかも他の作家の本より格安、酷評のコメン付きだった。悶々として眠れぬ作家は、出品者に直接会おうとはるばるでかけるのだが……。(「チェ・ミジンはどこへ」) 夫殺害の嫌疑をかけられながら逮捕されなかった女が、十数年後、時効を3か月後に控えて自首した。一体なぜなのか。(「ずっと前に、キム・スッキは」) 「あるべき正しい姿」と「現実の自分」のはざまで揺れながら生きる「ふつうの人々」を、ユーモアと限りない愛情とともに描き出す。——韓国文学の旗手による傑作短編集 【もくじ】 チェ・ミジンはどこへ ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム クォン・スンチャンと善良な人々 私を嫌悪することになるパク・チャンスへ ずっと前にキム・スッキは 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ ハン・ジョンヒと僕 あとがき 訳者解説
  • 翼~李箱作品集~
    3.0
    陽の差さない部屋で怠惰を愛する「僕」は、隣室で妻が「来客」からもらうお金を分け与えられて……。表題作「翼」ほか、近代化・植民地化に見舞われる朝鮮半島で新しい文学を求めたトップランナーの歓喜と苦闘の証たる小説、詩、随筆等を収録。
  • 天才たちの日課 女性編
    3.6
    草間彌生、ピナ・バウシュ、フリーダ・カーロ、ヴァージニア・ウルフ、マルグリット・デュラス、スーザン・ソンタグ、ミランダ・ジュライ──女性の作家、画家、デザイナー、詩人、アーティストたちは、いかにして日々「制作」に立ち向かい、「生活」と「仕事」 の折り合いをつけていたのか。 働く女性にとって、これはもはや実用書だ。 ――伊藤亜紗(美学者・東京工業大准教授) 143人の日課が束になって力をくれる。 ――斎藤真理子(翻訳家) ロングセラー『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』の第2弾! 前作で取り上げた161人のうち、女性は27人しかいなかったことに大きく反省した著者が、創作に打ち込むクリエイティブな女性たち143人の、惚れ惚れするほど鮮やかでとても真似できない、ユニークで並外れた苦闘と試行錯誤の連続を丁寧に拾い集め、できる限り正確にまとめあげました。 それぞれの人物を特徴づける日々の日課や「仕事のお供」の嗜好品などはもちろん、創作に適した精神状態の保ち方や自信がなくなったときの対処の仕方など、彼女たちが切実な状況を乗り越えてきた姿は、現代の窮屈で不自由な枠からはみ出そうと格闘するすべての才能あふれる人々にとってとても他人事とは思えない、自由と勇気を得る福音の書となるはずです。 さらに今回、女性にフォーカスを当てたことで明らかになったのは、わたしたちがいわゆる「天才」に期待する奇行や儀式めいた日々のルーティンよりも、もっともっと切実な女性特有の葛藤や波乱があったということです。 女性たちは常に、おもに家庭生活において自分だけの場所や時間を確保できないという困難や、女性であるがゆえに受ける偏見や差別を乗り越えるという苦闘に直面させられています。収録されている143人すべての女性たちの日課を見てみると、その先には、女性が創作を仕事にするためにどれだけ格闘し、仕事を続けることがどれだけ困難だったのかを、如実に感じることでしょう。本書は、過去、現在そして未来の、ものをつくり、はたらき、生活していくすべての女性たちの姿を静かに照らし、現在進行形の問題としてわたしたちの胸に迫る、本物の実用書なのです。
  • ディディの傘
    4.1
    死と破壊、そして革命。 人々は今日をどのように記憶するのか。 「セウォル号沈没事故」「キャンドル革命」という韓国で起きた社会的激変を背景に、人が人として生きることの意味を問う最新作。 多くの人命を奪った「セウォル号沈没事故」、現職大統領を罷免に追い込んだ「キャンドル革命」という社会的激変を背景にした連作小説。 孤立し、閉塞感が強まる日常の中で、人はいかに連帯し、突破していくのか? 行く先に真の〈革命〉はもたらされるのか? 私たちが望む未来とは? ——人は誰もが唯一無二の存在という事実をあらためて突きつけていく。 デビューから15年。たくさんの読者を獲得すると同時に、文壇の確固たる支持を受け、名実ともに韓国を代表する作家となったファン・ジョンウンが放つ、衝撃の最新作。「d」と「何も言う必要がない」の2作品を収録。 2019年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉第1位に選出。 5・18文学賞、第34回萬海文学賞受賞作。 【目次】 ・d ・何も言う必要がない ・あとがき ・日本の読者のみなさんへ ・訳者解説
  • 年年歳歳
    4.4
    日本語で「従順な子」という意味の名で育った母の哀しみの向こうがわに広がる、それでしかありえなかった歴史の残酷と。韓国最高峰の作家が描く母と娘たちの物語。
  • 82年生まれ、キム・ジヨン
    4.1
    キム・ジヨンの人生を克明に振り返る中で、女性が人生で出会う差別を描き、絶大な共感で世界を揺るがした(事件的〉小説、待望の文庫化! BTSやRMらが言及、チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化。韓国で136万部、日本で23万部を突破。フェミニズム、韓国文学隆盛の契機となる。文庫化にあたり、新たな著者メッセージと訳者あとがき、評論を収録。
  • 本の栞にぶら下がる
    4.0
    『82年生まれ,キム・ジヨン』など,数々の話題作の翻訳を手がける著者が綴った,珠玉の読書エッセイ.文学に刻まれた朝鮮と日本の歴史をたどり,埋もれた詩人や作家に光を当て,人間が疫病や戦争に向き合ってきた経験をひもとくなど,韓国文学に止まらない古今の本を取り上げながら,その普遍性を今に開く25篇.

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  • ほんのよもやま話 作家対談集
    3.7
    人気作家46組がずらりとそろった豪華対談集! 「いま、何を読んでいるの?」「これからどんなものを書くの?」 書き手同士だからこそわかる創作秘話を語ったり、 お互いにオススメの一冊を紹介し合ったり。 作家同士のつながりや意外な組み合わせから、読書の楽しみがぐんぐん広がります。 ★例えばこんな組み合わせ 島田荘司&伊坂幸太郎「島田さんの本を読んで小説を書き始めました」 佐藤友哉&島本理生「夫婦対談ってはじめてだよね」 江國香織&島田雅彦「自分より上手い小説を読むと傷つくじゃない(笑)」 川上弘美&林真理子「出合った時に私のための小説だと思ったもの」 藤野可織&松田青子「洒落たラブストーリーやんな」「あれ私も大好き!」 村田沙耶香&穂村弘「傑作だから嫌いなんです」 青山七恵&綿矢りさ「ヘミングウェイのタフさに憧れるよね」 日々たくさんの作家にインタビューを重ねる瀧井朝世さんによるセッティングならではの 贅沢なラインナップで、読みたい本がどんどん増える対談集です。 【全46組】 桜木紫乃&桜庭一樹 朝井リョウ&西加奈子 島本理生&佐藤友哉 村山由佳&千早茜 山崎まどか&柚木麻子 青山七恵&綿矢りさ 山内マリコ&速水健朗 松田青子&藤野可織 村田沙耶香&穂村弘 島田荘司&伊坂幸太郎 恩田陸&辻村深月 岸本佐知子&クラフト・エヴィング商會 角田光代&川村元気 羽田圭介&中村文則 豊崎由美&阿部賢一 古市憲寿&加藤千恵 藤井光&小野正嗣 古川日出男&柴崎友香 西崎憲&米澤穂信 宮田珠己&金沢百枝 深緑野分&岡崎琢磨 長嶋有&和嶋慎治 須賀しのぶ&芦沢央 ジェーン・スー&春日太一 日高トモキチ&宮内悠介 垣根涼介&早見和真 星野智幸&松田青子 小嶋陽太郎&渡辺優 Pippo&古谷田奈月 森絵都&辻堂ゆめ 畑野智美&森見登美彦 東山彰良&小野正嗣 江國香織&島田雅彦 白岩玄&山崎ナオコーラ 中島京子&金井真紀 彩瀬まる&尾崎世界観 天野健太郎&斎藤真理子 朝井リョウ&奥田亜希子 高橋久美子&浅生鴨 今村昌弘&千街晶之 恒川光太郎&真藤順丈 朝比奈あすか&平野啓一郎 本谷有希子&武田砂鉄 はらだ有彩&王谷晶 平松洋子&小川糸 林真理子&川上弘美
  • 密航のち洗濯 ときどき作家
    4.8
    1巻1,980円 (税込)
    〈密航〉は危険な言葉、残忍な言葉だ。だからこれほど丁寧に、大事に、すみずみまで心を砕いて本にする人たちがいる。書き残してくれて、保存してくれて、調べてくれて本当にありがとう。100年を超えるこのリレーのアンカーは、読む私たちだ。心からお薦めする。 ――斎藤真理子さん(翻訳者) 本書を通して、「日本人である」ということの複雑さ、曖昧さ、寄る辺のなさを、多くの「日本人」の読者に知ってほしいと切に願います。 ――ドミニク・チェンさん(早稲田大学文学学術院教授) 【本書の内容】 1946年夏。朝鮮から日本へ、 男は「密航」で海を渡った。 日本人から朝鮮人へ、 女は裕福な家を捨てて男と結婚した。 貧しい二人はやがて洗濯屋をはじめる。 朝鮮と日本の間の海を合法的に渡ることがほぼ不可能だった時代。それでも生きていくために船に乗った人々の移動は「密航」と呼ばれた。 1946年夏。一人の男が日本へ「密航」した。彼が生きた植民地期の朝鮮と日本、戦後の東京でつくった家族一人ひとりの人生をたどる。手がかりにしたのは、「その後」を知る子どもたちへのインタビューと、わずかに残された文書群。 「きさまなんかにおれの気持がわかるもんか」 「あなただってわたしの気持はわかりません。わたしは祖国をすてて、あなたをえらんだ女です。朝鮮人の妻として誇りをもって生きたいのです」 植民地、警察、戦争、占領、移動、国籍、戸籍、収容、病、貧困、労働、福祉、ジェンダー、あるいは、誰かが「書くこと」と「書けること」について。 この複雑な、だが決して例外的ではなかった五人の家族が、この国で生きてきた。 蔚山(ウルサン)、釜山、山口、東京―― ゆかりの土地を歩きながら、100年を超える歴史を丹念に描き出していく。ウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』初の書籍化企画。 【洗濯屋の家族】 [父]尹紫遠 ユン ジャウォン 1911‐64年。朝鮮・蔚山生まれ。植民地期に12歳で渡日し、戦後に「密航」で再渡日する。洗濯屋などの仕事をしながら、作家としての活動も続けた。1946-64年に日記を書いた。 [母]大津登志子 おおつ としこ 1924‐2014年。東京・千駄ヶ谷の裕福な家庭に生まれる。「満洲」で敗戦を迎えたのちに「引揚げ」を経験。その後、12歳年上の尹紫遠と結婚したことで「朝鮮人」となった。 [長男]泰玄 テヒョン/たいげん 1949年‐。東京生まれ。朝鮮学校、夜間中学、定時制高校、上智大学を経て、イギリス系の金融機関に勤めた。 [長女]逸己 いつこ/イルギ 1951年‐。東京生まれ。朝鮮学校、夜間中学、定時制高校を経て、20歳で長男を出産。産業ロボットの工場(こうば)で長く働いた。 [次男]泰眞 テジン/たいしん 1959‐2014年。東京生まれ。兄と同じく、上智大学卒業後に金融業界に就職。幼い頃から体が弱く、50代で亡くなった。
  • 優しい暴力の時代
    -
    いま韓国で「時代の記録者」といわれる屈指の作家による、代表作となる短篇集。絶望も希望も消費するいまを生きる人々の、生活の鎮魂歌。解説=西加奈子
  • 野蛮なアリスさん
    3.8
    現代韓国最注目作家、「暴力の心臓部」を描いた傑作! 「私はアリシア、女装ホームレスとして、四つ角に立っている」 ソウル郊外の農村コモリに建設される大規模マンションを巡り、人々の欲望がどこまでも加熱する――凶暴な母と年老いた父、そして沢山の食用犬と暮らす少年アリシアの、たったひとりの戦い。 韓国日報文学賞、シン・ドンヨプ文学賞、イ・ヒョソク文学賞、大山文学賞、キム・ユジョン文学賞……数々の賞を総なめにする韓国最前線の女性作家が、強烈なイメージで描く怒りと敗北、そして無垢な祈りの物語。

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