エッセイ - KADOKAWA - 角川文庫作品一覧
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-お調子者で正義感が強く、娘の謀反にホロリとするキムラ弁護士は一日にして成らず――。東京・八幡山で自然にまみれ、中野で合理主義の母の才覚に育まれたキムラ少年は、都立杉並高校ダンプ岩切軍団でもまれ、あやしい探検隊の前身となる小岩の下宿・克美荘を巣立ち、キムラ修習生として、長崎に赴任する。かの地で見つけた酒場ルパン。長崎青春時代の最重要拠点となったルパンを中心に、途中、新妻・ノリコも加わり、一年四カ月の修習生活がすぎていく。ルパンなくして、キムラ弁護士は成らず。熱き青春の日々を綴る痛快エッセイ! ※本書は、一九九五年五月、本の雑誌社より刊行された単行本『キムラ弁護士大熱血青春記』を改題し、文庫化したものが底本です。
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-たとえば、作者が新潟県の山奥で暮したときに初めて飲んだ岩清水の話。「ピリピリひきしまり、鋭く輝き、磨きに磨かれ、一滴の暗い芯に澄明さがたたえられている。のどから腹へ急転直下、はらわたのすみずみまでしみこむ。脂肪のよどみや、蛋白の濁りが一瞬に全身から霧消し、一滴の光に化したような気がしてくる。……」そんな超一流品と呼べるような水が味蕾にしみこんでくるような歓びを、作者のまさしく超一級の文章によってあなたは存分に味わうことができる。飲む・食べる・困る・驚く・狂う・弔(いた)む・流れる・学ぶ・遊ぶ・余枝る…21の動詞形の章からなるこの一冊は、あなたを快い酩酊と、ときにはラブレイふうの哄笑やユーモアへと誘う。作者の“裸の味覚”と豊饒な表現の中に詩人の資質が光る。極上のエッセイ。
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-わずか百年にしかすぎない日本近代史が、これほど大きな謎を包含してきたことに読者はあらためて驚かされるにちがいない。木霊が語り風が生きものだったころの民話をさがして村を訪れた筆者は、古い老尼殺害譚を契機に血ぬられた村の歴史を掘りおこし、村に富と騒擾とをもたらした一本の道を追求する……。本書は、男たちの欲望と機織り女のエロスの唄によって撚られた謎の道シルク・ロードの全貌を貴重な証言と豊富な聞き書きによって実証し、開港前のブラック・マーケット=横浜の姿や近代日本の性格を決定的にしたペリー来航の隠された目的などをここにはじめて明らかにする。画期的傑作長編ドキュメント。
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