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レジデンス
湾岸に立つ「湊レジデンス」は普通のマンションだ。どこにでもいるような人が暮らし、どこにでもあるような生活を送っている――はずだった。学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行っている中学生・望。自転車泥棒に制裁と称し暴行を働く弓矢。マンション内で乱れた関係を作る、弓矢の異母兄・充也。事故に遭い就職を失敗したフリーターの根岸。事情を抱える4人の行動が繋がる時、人間の悍ましい本性と残虐性が彼らに牙をむく――。錯綜する”衝動”と”本性”を描く、たった三日間の群像劇。 『ひと』小野寺史宜の、もう一つの顔を刮目せよ。衝撃の「黒小野寺」小説! -
不時着する流星たち
盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。 -
姉と鞭
「姉さん、これからはぼくの奴隷になれ」離婚訴訟中の姉・裕子はカーテンの閉ざされた部屋で、弟の一彦が振りおろす鞭に夜ごと甘美の声をあげる。やがて、二人だけの陵辱の世界に満足できなくなった一彦に、SM撮影会のモデルとなるように命じられた裕子は、見知らぬ男たちの眼前で縛られ、容赦ない鞭にうち震えつつも、快楽の海に耽溺していく。 -
触診
「触ってください、好きなところを」鷹見クリニックを経営する女医・令子は、患者である福川隆介のインポテンツを治すため、黒いガーターストッキングの上に白衣だけを纏って診察を始めた。細い指先で滑らかな愛撫を続け、はだけた白衣の隙間から体を隆介にまさぐらせるうちに、令子自らも欲望の疼きを覚えていく。魅惑の女医シリーズ第一弾。 -
目かくしがほどかれる夜
夜毎、地下室で繰り広げられるのは、ローションでぬめる少女の体を組み敷き、執拗に責め苛む男の倒錯したプレイだった。しかし、手錠をかけられ無防備な姿で嬲られるうちに、あどけなさの残る少女の目にも妖しい光が宿り始める。ED治療の名目で、合法的レイプを行う治療院の存在を知った女医・令子は…。艶麗な女医シリーズ第三弾。 -
令夫人
着物の胸元に両手を入れ左右に大きく割る。「いや……しないで」抵抗することを諦めた言葉だけの拒絶が唇からかすかに洩れた。製菓会社の社長夫人・友香は、待ちぶせしていたかつての恋人・鹿島に強制的にホテルに連れ込まれる。たった一度だけの過ちのはずだった。が、貞淑な妻は、平穏な家庭を守ろうとすればするほど過酷な罠に堕ちてゆく。 -
昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学
桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。 浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。 人間を喰らおうとする山姥の正体とは──。 誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。 しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰に その足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、 異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。 現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学。 ※本書は、山川出版社より二〇一三年に刊行された『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』に大幅に加筆修正し、改題して文庫化したものが底本です。 【目次】 はじめに 第一話 桃太郎――桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか 第二話 かちかち山――トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち 第三話 花咲爺さん――お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか 第四話 浦島太郎――分断された乙姫の玉手箱 昔ばなしの論理を読み解く(1) 第五話 鬼の子小綱――笑いと性の力が春を呼ぶ 第六話 三枚の護符――便所はあの世の出入り口 第七話 蛇婿入り――苧環はなぜ蛇を退治するのか 第八話 蛇女房――無欲と貪欲の報酬 昔ばなしの論理を読み解く(2) 第九話 産神問答――魂を掃き出す箒の力 第十話 ミソサザイは鳥の王――仁徳はいかにして聖帝になったか 第十一話 ホトトギスと兄弟――夜鳴く鳥の悲しい前世 第十二話 鉢かづき姫――顔を覆い隠す花嫁 第十三話 一寸法師――脱皮する少年たち おわりに -
成り代わり令嬢のループライン 繰り返す世界に幸せな結末を
「ユール・ラキス、お久しぶりね。これを機に私と二年くらい婚約しましょう」「分かった。その婚約を受けましょう」 派遣社員だった八瀬咲良は、ある日友人の真砂からお願いを受ける。「異世界に行って二年後に起きる惨劇を止めて欲しい」と。『妖精姫物語』の主人公ローズィアとして新たな人生をスタートさせた咲良を待ち受けるのは、”妖精契約”の失敗により世界が破滅する未来――。一度は失敗し、気づけば二年前に死に戻ったローズィアは、何度もループする悲劇の歴史を打破するため、もっとも信頼する人物に助けを求めた。 ユール・ラキス――ローズィアの幼馴染であり、身分を偽る隣国の王子とともに、咲良はもう一度人生をやり直す。願わくは、死んでしまう運命のこの人も救えるように。 大切な人を救うためには手段を選ばない成り代わり令嬢と、彼女に振り回される不遇な青年の知られざる駆け引きと戦いが幕を開ける。 大ヒット『Unnamed Memory』の古宮九時が贈る、圧倒的に面白いループファンタジー! -
三浦綾子 電子全集 氷点
北海道旭川市を舞台に人間の「原罪」をテーマにした著者のデビュー作であり、代表作。 ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を引き取ることにする。事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりにかわいがる。夏枝や兄の徹らの愛情に包まれて明るく素直な娘に成長していく陽子だったが、いつしか家族に暗い影が忍び寄る―。 三浦綾子の朝日新聞の懸賞小説当選作であり、デビュー作。 そして、1969年(昭和44年)、1970年(昭和45年)、1981年(昭和56年)、2006年(平成18年)と昭和から平成にかけて4度にもわたりテレビドラマ化された、空前の名作である。 「三浦綾子電子全集」付録として、懸賞小説の当選発表記事や受賞の言葉などを収録! -
翼竜館の宝石商人
疫病と洪水の恐怖が迫る街。 死んだはずの宝石商が 二重密室に蘇る。 レンブラント vs. 謎のペスト医師。 2018 Apple ベストミステリー 「さっきお前は男は内科医だと言ったな? 顔を見せようとしなかった、とも」 「はい。鍔広の帽子と顔にかかるくらい襟の高い服をお召しで、 その方は仕事柄あまり人に顔を見せたがらないと いうようなことをおっしゃっていました」 「ペスト医師だ」 画家レンブラントのもとにやってきた、ある宝石商からの急ぎの使い。父の代理でその館を訪れたティトゥスは、憔悴しきった宝石商と会うが、宝石商はその夜ペストで命を落とす。そこに現れた瓜二つの男――。蘇った死者。二重密室。疫病と洪水の恐怖が迫る十七世紀アムステルダムで謎が謎を呼ぶ傑作ミステリー。 -
若様とロマン
明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子店を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってくる。しかし平和そうに見える世の中に、不穏な空気が漂いはじめていた。数年以内に“戦争”が始まるかもしれない――。 明治になって現れた「成金」のひとり、小泉琢磨は、戦へと突き進む一派の意向を押さえるべく動いていた。が、このままでは開戦派のやりたいようになってしまうという懸念から、今いる仲間以上に人を集めようと考える。 その秘策がなんと、「若様たちのお見合い」だったのだ! はたしてその成り行きは――? -
小説家シリーズ
私の職業は小説家である。怪談系の雑誌に文章を書く仕事をしている。ベストセラーとは無縁だが、一応、生活はできている。そして出版業界に長年関わっていると、様々な小説家に出会う。彼らは、奇人変人であることが多い。たとえば――。作家のO氏は日常と作品世界の境界を曖昧にすることで執筆モードに頭を切り替える。死体発見の場面では、部屋に血糊を撒いたり……(「墓場の小説家」)。Yさんは筆が異様に早い若い男性作家だ。わたしとの対談の約束をすっぽかし逃げた――(「小説家、逃げた」)。Kという作家の本は、動物霊の霊障の原因となっているという。私はK先生について調べることにした――(「キ」)。X先生はベストセラー作家だ。新作小説は映画化されるという。ところが、私はその小説の設定や展開、結末を知っていた――。X先生には創作に関するある秘密があったのだ――(「小説の怪人」)。R先生は脳内にアクターがいて物語を自由に演じさせているという。ある時地味なキャラクターを消してしまうと――(「脳内アクター」)。D先生は大学生デビューの作家だ。Uは最初は熱心な編集者と思っていたのだが――「担当編集ガチャ」がD先生に迫っていた――(「ある編集者の偏執的な恋」)。文豪J先生は交通事故で執筆が絶望的と言われていた。ところがベトナム出身のN君は手を触れるとJ先生の言葉を受け取ることができ――(「精神感応小説家」)。 7人の奇妙な作家たちを山白朝子は観察し、告発する、世にも不思議な小説家の世界。 ――読み終えたら世界が歪み始める、文庫版『小説の怪人』あとがき、書下ろし。 -
ホーンテッド・キャンパス きみと惑いと菜の花と
雪越大学 オカルト研究会に所属する、超草食系大学生の森司。 しかし、奇跡は起きた。 なんと、こよみちゃんと、菜の花の有名な福島潟で初デートすることになったのだ! その日に向け、森司は着る服(と自らの体型)に頭を悩ませる。 オカルト研究会のメンバーも、二人のデートに興味津々だ。 けれど依頼人は容赦なくやってくる。 連続殺人事件現場の横に立つ豪華な洋館に現れた、女の足だけの霊。 森司がかつて経験した、先輩の同時二重体(バイロケーション)の謎。 そしてデート当日にまで、恐怖は忍び寄ってきて!? 甘甘なのに身の毛もよだつ、青春オカルトミステリ第10弾! -
崋山と長英
幕末に開港論を主張した高野長英と、攘夷の非を鳴らした渡辺崋山が、ともに幕府の忌諱にふれ、鳥居耀蔵の奸計で囚われの身となり非命に死んだ、いわゆる蛮社の獄の経緯を描いた名作。一章「獄中記」は長英の投獄を、二章「檻送記」では崋山の白洲での戦いを、三章「蟄居記」は幽閉された故郷での自害まで。野間文芸奨励賞受賞作品。 -
言いわけばかりの私にさよならを
■あらすじ 私だけだ、何も持っていないのは――。中学最後の大会で最悪なミスをして、大好きなバレーボールを辞めた鈴乃。高校は楽しいけれど、好きなものに夢中な友人達から取り残された気持ちになってしまう。そんな時、隆二先輩は「鈴乃ちゃんはもっと跳べる」と言葉だけでなく証明してくれた。ひたむきに努力する彼の言葉だから、信じることができた。だけど、先輩は人知れず絶望と闘っていて……。夢を追う2人の恋が爽やかな奇跡を呼ぶ物語。 ■著者からのメッセージ こんにちは、加賀美真也です。 この度は角川文庫さんから「言いわけばかりの私にさよならを」刊行させていただくことになりました。この物語は、挫折によって自らの才能や可能性を信じられなくなってしまった女の子が、ひたむきに努力する男の子と出会い、惹かれ、自分自身と向き合う物語です。彼女たちの行く末をあたたかく見守っていただけると幸いです。 -
暴君公爵の不敵な溺愛 「思い出すまで逃がさない」と迫られてます
見知らぬ場所で目覚めたルチェラ。 そこは美しくも尊大、暴風公爵と悪名高いカイの屋敷だった。 カイは現在皇帝殺しを疑われている。 潔白を示すには現場に倒れていたルチェラだけが頼りらしいが――ルチェラは記憶を失っていた。 記憶を取り戻すため、ルチェラは事件に関わる場所を連れ回されることに。 解放されたい一心で従うが修道院で虐げられた辛い記憶まで蘇る。 だがカイは過去も肯定し、ルチェラを必要としてくれた。 噂とは裏腹に真に国を思うカイを助けようと真相に迫るが、思いがけずルチェラの秘密も暴かれ――。 ==登場人物== ルチェラ 皇帝が死亡した現場近くに、修道服を着て倒れていた。 感情が高ぶると金色に光る特別な瞳には、皇国の根幹に関わる秘密が隠されていて――? カイ マルジョッタ皇国の皇帝を支える八公爵の一人。美青年だが傲岸不遜。 領民の生活向上のために改革を進めているが、その強引さゆえになかなか理解されない。 ※紙書籍初版&電子特典として、書き下ろしショートストーリー【暴君公爵と無敵の賭け事】を収録 詳細は紙書籍の帯、電子書籍の巻末をご確認ください -
さかさま少女のためのピアノソナタ
痺れる余韻。 ピアノの調べは戦慄のはじまりだった……。 ミステリの面白さが詰まった5つの物語。 大ヒット作『私たちが星座を盗んだ理由』の驚愕、再び! 古書店にあった「絶対に弾いてはならない!」と記された謎の楽譜。その旋律をピアノで奏でた高校生を襲う戦慄の出来事とは。TVドラマ化された表題作をはじめ、世にも奇妙な5つの物語を収録。美しくも切ない世界が一瞬にして変わる結末、心ざわつく余韻。これぞミステリの醍醐味。〈『千年図書館』を改題〉 【あなたの予想を超えるどんでん返し! 5つの短編ミステリ】 死後の世界と禁忌の谷に心を囚われた少女の物語 「見返り谷から呼ぶ声」 村で凶兆があるたび若者が捧げられる図書館の秘密「千年図書館」 地球侵略中の異星人に遭遇した大学生の奇妙な日々「今夜の月はしましま模様?」 巨大で奇怪な墓を村のあちこちに建てる男爵の謎 「終末硝子(ストームグラス)」 呪われた曲を奏でた傷心の高校生におこる不可思議「さかさま少女のためのピアノソナタ」 -
僕だけがいない街 Another Record
サスペンス・コミックの金字塔から生まれた衝撃のスピンオフ小説! 連続児童誘拐殺人事件の真犯人の「手記」。それが読み解かれる時、“真実”が明かされる――。 藤沼悟(サトル)の壮絶な追跡の果てに、ついに連続児童誘拐殺人事件の真犯人は逮捕された。犯人は一審で死刑判決を下されるが、発見された犯人の「手記」に頻出する“スパイス”なる謎の存在への呼び掛けから、精神鑑定によって、一転して無罪判決になってしまう。 検察は即日上告するが、犯人はなぜか無罪を勝ち取った弁護士を罷免し、若き弁護士・小林賢也(ケンヤ)が国選弁護人として指名された。 彼はサトルの親友であり、自身も事件の当事者の一人だった。 ケンヤは戸惑いを覚えながらも、手記を通じて犯人の不可解な内面を探り、己の“正義”をも突き詰めていこうとする。 そして、ついに訪れる最高裁での審理。そこで明かされた、ある“真意”とは……!? 文庫化にあたり、原作者の漫画家・三部けいと一肇の対談記事を特別収録。 -
あやかし民宿の愉怪なおもてなし
ほんの少しでも悪意を持って見た相手を、体調不良にさせてしまう「呪いの目」を持つ孤独な少年・夜守集(やもり しゅう)。 高校進学を機に、妖怪の町・鳥取県境港市にある、祖母が経営する民宿「綾詩荘(あやしそう)」に居候することに。 しかしそこは、あやかしも泊まれる宿だった! 祖母に上手く丸め込まれ、宿で働くことになった集はある日、フクロウの体に幼い男の子の魂が憑いたあやかし「たたりもっけ」と出会う。 自分の死を理解できないまま、この夜を彷徨う彼に、集はもう一度家族に会わせてあげたいと奮闘するが――。 のんびりゆったり居候……のはずが、手のひらサイズのお部屋掃除に、10メートルの布団干し!? 愉怪で奇怪なお宿、営業中です!
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