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  • 戦争と平和 田中美知太郎 政治・哲学論集
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    戦争は悪だ。しかし、悪であって、なお正義であり得るのはなぜか。そして、戦争を悪だと告発することがアリバイ証明と自己弁護、他を非難するための手段として利用されるのはなぜか。「道徳問題としての戦争と平和」ほか、ギリシャ哲学の碩学が戦中・戦後の政治的問題を考察した一七篇。文庫オリジナル。
  • ゴルギアス
    -
    プラトン初期対話篇の代表作、練達の訳者による決定版新訳が完成! 本書では、当時を代表するソフィストであるゴルギアス、その弟子ポロス、気鋭の政治家カリクレス、ソクラテスの崇拝者カイレポンの四人を相手にしてソクラテスが対話を展開します。その中心的な主題は「弁論術とは何か」です。 ただ雄弁に語り、聞く人を説得するのが理想的な弁論術ではありません。大した内容もなく、正しい知識を与えることもないのに、相手を論破したり、耳障りのよいことを訴えたりするだけの言葉が今もよく聞かれます。言うまでもなく、そのような言葉を語る人が政治的な意図を隠しているなら、聞く者は気づかぬうちに意図された方向に導かれ、特定の政治的な主張を支持するようにもなるでしょう。古くは「プロパガンダ」と呼ばれ、今日では「フェイクニュース」や「ポルトトゥルース」、「オルタナティブファクト」などと呼ばれる現象には、そのようなからくりが含まれています。 では、正しい弁論術とはどのようなものなのか? ソクラテスは、ゴルギアス、ポロス、カリクレスの順に濃密な対話を交わし、その答えを明らかにしていきます。それは最終的に「正しさ」とは何かを知ることに行き着くでしょう。何が正しいのかを知っている人にしか正しい弁論術は使えない――当たり前に思えますが、その当たり前のことを残念ながら人類はプラトンの時代よりよく理解し、実践していると言えるでしょうか? 価値の基準が崩壊したと言うしかない現代世界の中で、道徳的であること、正しくあることとは何か、という問いは、ますます重要性を増しています。練達の訳者によって蘇ったプラトン渾身の対話篇を手に、今と未来を考えていただけるなら幸いです。 [本書の内容] [プロローグ ゴルギアスとは何者か] [第一幕 ゴルギアス対ソクラテス] [第二幕 ポロス対ソクラテス] [第三幕 カリクレス対ソクラテス] [エピローグ 死後の裁きについて]
  • 哲学入門
    3.0
    西欧古典文化の研究者としてわが国の第一人者である著者が、平明な文章で哲学とはなにか、科学史をどのように理解するかを問う。著者の学生時代をふりかえり周辺の教師像を描く随筆とあわせて、読者を深い思索の道へとさそってくれる。哲学そのものを問いながら、いっぽうでは哲学を難解な言葉から解放して、やさしい言葉で一般の読者に話しかけることは至難のわざであるが、本書には、こうした著者の努力がみごとに結晶している。
  • ソフィスト
    -
    名著、復刊。 ソフィストとは「にせものの知識を売物にして人を欺くような言論を試みる者」というような悪名を被されているが、本来はけっしてそのような悪い意味ではないのだというところに、本書の著者は出発点をおく。そしてソフィストの概念を克明に追求して明らかにし、ソフィストが西洋の思想史において持つ意味や果たした役割を積極的に評価し、その上で古来ソフィストに冠せられてきた悪名の由来を丹念に解き明かそうとするものである。
  • ゴルギアス
    4.5
    古代ギリシャの演説の技術、弁論術をめぐり、ソクラテスがゴルギアスら3人と交わした対話篇。人びとを説得し、自分の思い通りに従わせることができるという弁論術の正体をあきらかにすべく、ソクラテスは弁論術教師のゴルギアスと弟子ポロス、アテネの若き政治家カリクレスを相手に厳しい言葉で問い詰め、論駁する。理想政治を追い求めるプラトンが、この時代の社会と政治の現実に対して投げかけた、告発と批判の書。
  • テアイテトス
    3.8
    知識とは何か,真にものを知るとはどういう場合を言うのか.当時行われていた三つの知識説をとりあげて批判しつつ,哲学が様々な角度と立場からの吟味や思考を要求するゆえんを示す.有名な無理数論やソクラテスの産婆術などのエピソードを交えた対話篇.日本における本格的なプラトン研究をきりひらいた泰斗による翻訳.

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  • 古代哲学史
    -
    本書は、20世紀の日本を代表する哲学者・田中美知太郎(1902-85年)による生前最後の単行本です。 古代ギリシア哲学の専門家として、数々の著作や翻訳を送り出すとともに、日本西洋古典学会の設立に携わるなど、日本の哲学界の大きな礎を築いた著者が最後に残したのは、「古代哲学史」という単刀直入なタイトルを冠した1冊でした。全三部から成る本書の第I部では、万物の始源は「水」だと説いたタレス(前585年頃)に始まり、アナクシマンドロス、アナクシメネス、ヘラクレイトス、エンペドクレス、アナクサゴラスなどを経て、ソクラテス、プラトン、アリストテレスに至る哲学史の流れを大づかみにしてみせる「西洋古代哲学史」が収録されています。文庫版で100頁にも満たない分量で要点を的確に押さえた思想史を描く力量は、まさに出色です。 第II部では、古代哲学をより深く知りたいと願う読者のために碩学がアドバイスをする、という趣きを帯びています。残された哲学者たちの著作に触れる時に注意すべきこと、そして参考書や研究書を含めた読書案内まで、実践的な哲学ガイドとして役立つことでしょう。 そして、第III部には、著者が何度も改訂を繰り返してきたヘラクレイトスの残された断片の日本語訳が収録されています。ここに読むことのできる言葉は、時に謎めき、時に不思議な魅力を放つ、古来、多くの人たちを惹きつけてきたものです。 著者がその最期に読者に向けて贈った本書には、長年月にわたる研鑽の果実が惜しみなく凝縮されています。近年は政治論や文明論などに光をあてられることの多い偉大な学者の神髄に触れられる絶好の1冊です。学術文庫版には、田中美知太郎に思い入れを抱いてきた國分功一郎氏の解説を収録し、文字どおりの決定版となります。 [本書の内容]  I 西洋古代哲学史 古代アトム論の成立  II 古代哲学 一 古代哲学 二  III ヘラクレイトスの言葉 あとがき 解 題(國分功一郎)
  • ソクラテス
    3.8
    ソクラテスはなぜ毒杯を仰がねばならなかったか。この問いは、知を愛するとはどういうことか、人間はいかに生くべきかという問題につながっている。著者は、最新の研究にもとづき、ソクラテスの生活、その啓蒙思想、ダイモン、哲学を検討するとともに、アテナイの情報を明らかにすることにより、この問題に肉薄する。

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  • テアイテトス
    3.0
    知識とは何か、ほんとうに知っているとはどういうことかを主題に、ソクラテスの助産術などのエピソードをまじえ、知識と知覚について、相対主義批判、記憶や判断、真の考えなどとの関係について対話を重ね、若き天才数学者テアイテトスを「知識の哲学」へと導く、プラトン絶頂期の最高傑作。みずから考え、学ぶことの大切さを考えさせるスリリングな対話篇。
  • パイドン~魂について~
    3.8
    死後、人間の魂はどうなるのか? 肉体から切り離され、それ自身存在するのか? 永遠に不滅なのか? ソクラテス最期の日、獄中で弟子たちと対話するプラトン中期の代表作。魂の存在を哲学し、威厳をもっておだやかに死を迎えるソクラテスの姿は、「知を愛し求める人」そのものと言えよう。ソクラテスが死を迎えるその瞬間は、その簡潔な描写で美しい一幅の絵画のようであり、感動のラストシーンでもある。
  • パイドン 魂の不死について
    4.1
    人間のうちにあってわれわれを支配し、イデアを把握する力を持つ魂は、永遠不滅のイデアの世界と同族のものである。死は魂の消滅ではなく、人間のうちにある神的な霊魂の肉体の牢獄からの解放である-ソクラテスの最期のときという設定で行われた「魂の不死」についての対話。『国家』へと続くプラトン中期の代表作。

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  • ゴルギアス
    4.4
    ソクラテスと三人の人物との対話は、弁論術が立身栄達の術とされている現実や若い人の実利主義的道徳意識などを次々と明るみに出す。プラトンは本編によって、個人の道徳と同時に政治の問題を追求し、アテナイの現実の政治に痛烈な批判を投げかけた。後に『国家』において発展させられた哲人政治の思想の第一歩である。

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  • メノン
    4.2
    「徳は教えられうるか」というメノンの問は、ソクラテスによって、その前に把握されるべき「徳とはそもそも何であるか」という問に置きかえられ、「徳」の定義への試みがはじまる……。「哲人政治家の教育」という、主著『国家』の中心テーゼであり、プラトンが生涯をかけて追求した実践的課題につながる重要な短篇。

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  • パイドロス
    4.0
    真実そのものの把握なしには真実らしく語ることさえ本来的に不可能であることを立証し、「哲学」の立場から鋭く当時の弁論術を批判したのがこの対話編である。本書はプラトンの代表作の一つであって、特に『ソクラテスの弁明』をはじめとする前期著作群を『テアイテトス』以降の著作に結びつけてゆく重要な役割を担っている。

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  • リュシス 恋がたき
    3.8
    美少年リュシスとその友人メネクセノスの二人を相手にして「友」とは何か、「友愛」とは何かを論じていく『リュシス』は、後世に幅広い影響を与えた名作として知られる。同じく二人の少年を相手にして「知を愛すること」としての「哲学(ピロソピア)」という主題を追求していく『恋がたき』をも併録した。「愛すること」という根本的な主題で貫かれた二つの対話篇、初の文庫版となる新訳が登場!
  • 国家 上
    4.1
    ソクラテスは国家の名において処刑された。それを契機としてプラトンは、師が説きつづけた正義の徳の実現には人間の魂の在り方だけでなく、国家そのものを原理的に問わねばならぬと考えるに至る。この課題の追求の末に提示されるのが、本書の中心テーゼをなすあの哲人統治の思想に他ならなかった。プラトン対話篇中の最高峰。

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  • アルキビアデス クレイトポン
    3.0
    ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版で新訳が登場! 『アルキビアデス大』または『第一アルキビアデス』と称されてきた『アルキビアデス』は、一個人としての「この私」と捉えられる「自己」を認識すること、さらには「人間一般」を認識することを目指し、魂と徳の探究に乗り出す。短篇『クレイトポン』では、その魂と徳の探究への疑問が提示され、ソクラテス哲学の極限に向かって対話が進行していく。
  • ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン
    4.2
    その否定的対話によって、既存の社会体制、道徳、宗教を盲信する保守的な人々から糾弾され、不当な死刑に処せられたソークラテースが、法廷で自己の所信を力強く表明する『ソークラテースの弁明』、脱獄のすすめを退け、国法を守って平常心のまま死を迎える彼が、法と正義について弟子と対話する『クリトーン』、毒薬をあおって刑死する彼の最期を語る『パイドーン』を収録する。
  • マンガで読む名作 ソクラテスの弁明
    完結
    4.0
    全1巻628円 (税込)
    「大切なのはただ生きることではなく、善く生きることだ――」 国家の認めない神々を導入し若者たちを堕落させたとして、アテナイの民主派から不敬罪で告発されたソクラテス。死刑を免れる唯一の手段は、自身の弁明のみという状況の中、ソクラテスは一切の妥協を見せず、己の信念を力強く表明する!! 法廷のソクラテスを描いた表題作に加えて、脱獄を勧める老友との対話『クリトン』、毒杯を仰いで刑死する『ソクラテスの最期』を収録。
  • 饗宴
    3.8
    なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか? 愛の神エロスとは何なのか? 悲劇詩人アガトンの優勝を祝う飲み会に集まったソクラテスほか6人の才人たちが、即席でエロスを賛美する演説を披瀝しあう。プラトン哲学の神髄ともいうべきイデア論の思想が論じられる対話篇の最高傑作。(『ΣΥΜΠΟΣΙΟΝ』改題)
  • ワイド版世界の大思想 第1期〈1〉プラトン
    -
    ヨーロッパ哲学が誕生してすでに二十数世紀、その間生まれた幾多の作品のなかでも、面白さの点で「対話篇」(国家)は抜群である。そこには知識学や存在学や人間学に関する現代的思索の帰りゆく故郷がある。「国家」の完訳の他、ソクラテスの精神を如実に伝える代表二作を収録。 〈収録タイトル〉 国家/ソクラテスの弁明/クリトン ※この電子書籍は、オンデマンド本「ワイド版世界の大思想」を底本としております。
  • ソクラテスの弁明 ほか
    4.0
    前399年ソクラテスの刑死事件からプラトンの著作活動が始まった。師を弁明するための真剣な営為、それが哲学誕生の歴史的瞬間だった。対話篇の迫力を香気ゆたかに伝える名訳。
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~
    3.8
    「人間の徳(アレテー)は、教えられるものなのか?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。若くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中の老獪なソフィスト、プロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話を始める。しかし、議論は二転三転。次第に哲学的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎えることになる。躍動感あふれる新訳で甦る、ギリシャ哲学の傑作!
  • メノン~徳(アレテー)について~
    3.6
    20歳の青年メノンをソクラテスが挑発! 「徳(アレテー)は教えられるものでしょうか?」メノンの問いに対し、ソクラテスは「徳とは何か?」と切り返す。そして「徳」を定義する試みから知識と信念、学問の方法、魂、善をめぐって議論は進んでいく――従来あまり重視されなかったことばのニュアンスを細かく読みとり、対話のやりとりと内容の微妙な関係を鮮明に浮かびあがらせた意欲的新訳。プラトン対話篇の最高の入門書。
  • ソクラテスの弁明
    4.3
    ソクラテスの生と死は、今でも強烈な個性をもって私たちに迫ってくる。しかし、彼は特別な人間ではない。ただ、真に人間であった。彼が示したのは、「知を愛し求める」あり方、つまり哲学者(フィロソフォス)であることが、人間として生きることだ、ということであった。(「訳者あとがき」より)。ソクラテスの裁判とは何だったのか?プラトン対話篇の最高傑作、ついに新訳で登場!
  • 饗宴 恋について
    値引きあり
    3.3
    「愛」を主題とした対話編のうち、恋愛の本質と価値について論じた「饗宴」と、友愛の動機と本質について論じた「リュシス」の2編を収録。プラトニック・ラブの真意と古代ギリシャの恋愛観に触れる。
  • クリトン
    無料あり
    3.0
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

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  • 饗宴
    3.9
    原題「シンポシオン」とは「一緒に飲む」というほどの意味。一堂に会した人々が酒盃を重ねつつ興にまかせて次々とエロス(愛)讃美の演説を試みる。談論風発、最後にソクラテスが立ってエロスは肉体の美から精神の美、更に美そのものへの渇望すなわちフィロソフィア(知恵の愛)にまで高まると説く。プラトン対話篇中の最大傑作。

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  • ソクラテスの弁明 クリトン
    4.0
    自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた『ソクラテスの弁明』。死刑の宣告を受けた後、国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと、脱獄を勧める老友クリトンとの獄中の対話『クリトン』。ともにプラトン初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。

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  • ソクラテスの弁明
    3.0
    「無知」の自覚にもとづき自他を吟味しつつ生きたソクラテスは、「不敬」の罪で告発されて法廷に立った。そのときの「死をまえにしての弁明」を記した古典期ギリシアの哲学者プラトンの代表作。

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  • 饗宴
    -
    ギリシアの哲学者プラトンの、ソクラテスを主人公にした対話編の代表作。酒を酌み交わす饗宴のなかでエロスの神を順番に讃えようではないかという提案がなされ、面白おかしいさまざまな神話的・歴史的逸話を盛り込んだ演説が披露される。最後が酒豪ソクラテスの番であった。ソクラテスはエロスを美そのものへの渇望ではないかと説いて、イデア的な美学を展開する。

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