名称未設定さんのレビュー一覧
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囚われてたのは
本当に囚われていたのはどちらなんだろう。
監禁されていた大河内なのか?
好きだという気持ちが捨てられないまま大河内に執着した青池なのか?
身体的にも精神的にも虐げ、監禁し大河内の身体を完全に支配下に置いた青池。研ぎ澄まされた状況で青池が欲しかったものが大河内の心なんだってことが読み手にはっきり伝わってきた。でも大河内を死の恐怖で支配したからこそ好きになって欲しいという願いは叶わないんですよね。
物語の前半は大河内視点で、次に何されるんだと読んでるこちらも一緒に恐怖を味わった。これBLなの?怖いんだけど。
で、大河内の心を、その尊厳まで汚した青池は、けれど胸がすくどころか苦しい...続きを読む -
執着にお腹いっぱい
この本を読もうか暫く迷っていたのは攻めの外見がイケメンじゃないという理由から。ですが読んでるうちに攻めの規格外なキャラクターにぐいぐい惹き付けられました。
受けへの執着が凄まじく、徐々に受けがリードをコントロールできなくなってくる様子がゾワゾワしました。
元々攻めは従順に主人の隣を歩くような犬ではなかったんですね。主人大好きでお利口な犬振りを敢えてするけど、本性は犬でも狼でもない、モンスターのような印象。
受けが変わっていく終盤の様がとても悲しかったです。2人の中ではハッピーエンドだし、決してメリバではないのですが。
相手を底無し沼に沈めるようなドロドロした愛(愛と呼べるのか?...続きを読む -
早く読めば良かった
まだ1巻のみの感想ですが、面白いし甘さも切なさもあるストーリーでした。
1年半より以前の記憶を失くした静良井(受け)と彼が通う喫茶店での何気ないシーンが読むほどじんわり胸にきました。
静良井がいつも何気なく座る窓際の席、癖になるほど美味しいオリジナルブレンドの味…。1巻ではまだ謎のままですが喫茶店のマスター中上の静かだけどひたむきな想いが会話や喫茶店でのそこかしこに散りばめられているように感じられました。
1巻の前半で1度は想いを重ねて幸せな夜を過ごしたのに、その後の展開に軽く絶望しましたね。中上の気持ちを察すると苦しいだろうな。でも読んでてすごく面白いしどうなるか気になる。
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身もだえするほど
「身もだえるほど切ない」みたいな言い回しはあっても本当に身もだえたことはありませんでしたが、この本を読んで初めてリアルに身もだえのたうちました。
内容は重たいし、単純な恋愛物語に終始しません。ライトでハッピーな恋愛ものをお探しの時は回れ右すべき本と言えます。
攻めと受けの間には孤独や才能に対する嫉妬、憎しみや執着が横たわっていています。近寄れば傷つけ合うことしかできません。
それでも攻めは受けを手放したくないんですよね。
どうにもならない2人が痛々しく切なかったです。
こちらの先生は初読みでしたが、木原音瀬先生の『FRAGILE』や『箱の中』のような重くて濃密な作品と通じ...続きを読む -
ついていけなかった
受けの言動に違和感多々。
知り合って間もない、しかも憧れてる相手に痛々しいカミングアウトいきなりしちゃったり、「ここで泣くかなぁ?」というところで涙ポロポロ。
なんというか…、受けが「女が嫌うタイプの女」みたいだなと。これ狙ってやってるんじゃないの?素なの?とモヤモヤしてしまいました。
攻めは周りから王子様扱いで相手は選び放題なんですよね。じゃあどうしてたくさんいる中から受けを好きになってガツガツ行き出したの?というのもピンと来なかったです。
という感じで受け攻め2人ともに共感できず冷ややかに読み進めてしまいました。
絵が綺麗だけど時々不安定。
Hシーンは多め。
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痛々しい
続巻まで読み終えての感想です。
作家買い、かつイラストに惹かれて読みましたが痛々しい話だったな、と。
物語は受けのことを攻めが誤解からとはいえゴミクズのようにレイプし、あれよあれよと受けが辛い目に遭っていくという展開で始まります。
攻めは始め、受けに対して「弱い人間」くらいの印象しかなくて、特別な想いもありません。
攻めにも周りにも傷つけられ続ける受けが見てられなくてもう読むのを諦めたくなりました。
そこから受けが立ち上がっていく様子はすごいと思う。またもう読むの諦めかけようとしてるのにそれでも読ませる文章力には舌を巻きました。
続巻は攻め視点の悔恨が語られます...続きを読む -
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キュンが足りない
同級生カップルのお話。
お話もキャラクターも良かったのですが私はもうちょっと2人でキュンキュンしたかったな。切なさがもう少し足りないな、という読後感でした。
受けはその生い立ちの影響もあってか芯の強い性格で割りと男の子っぽさもあるΩ。その受け視点で本編は進みます。攻めは皆に好かれる人気者で何でもできるα。
そんな2人の高校時代のやりとりは瑞々しさがあり、攻めはその年頃の男の子なりの優しさで受けを大事にしようとする様子が伝わってきました。
同級生同士の甘酸っぱい感じが楽しかったです。でももっと2人のそんなやりとりを見たかったな。
攻めもやんちゃさのあるいいキャラなのに、なん...続きを読む -
執着攻めの片思い
スパダリの執着や片思いがたくさん堪能できました。読んで良かった!
この本は3つの話で構成されていて、『アオイトリ』は受け視点。2人がくっつくまでの話、といっても心が通い始めそうかなってとこで終わります。
受けはもともとはノーマルだし、学生時代のショックな出来事で同性との恋愛は論外って感じなんですよね。
攻めは受けと同じ会社の5歳くらい年下の後輩なんですが、社内でちょっと浮いちゃうくらいかっこいいし有能なα。
攻めはそんな受けと少しでも接点を持ちたくて吸いたくない煙草を片手に喫煙所に通ったりする様子がいじらしいんです。
読んでてスパダリな攻めの思慮深さや優しい人柄がじん...続きを読む -
破りたくなった
後半の展開に腹が立って、電子じゃなかったら本に当たりたくなる気持ちになりました。
それくらい攻が受に対してクソ過ぎる最低な振る舞いをし続けるんです。
なので最後カップルとして結ばれ結婚するのが、許せませんでしたね~。
前作にも登場する篤郎くん(受)の視点で今回のお話は進みます。
篤郎くんは前作でやった残酷なことや過去をひたすら悔いているのが分かります。死んで楽になりたい気持ちと、苦しみながら生きていかなければ、という気持ちの狭間で。
兜(攻)はそんな篤郎くんの気持ちに触れてたのに、なんであんな残酷な言葉を吐きながら抱くことが出来たんだろう。
ムシシリーズの1作目にも...続きを読む -
真っ白い大型もふもふワンコ
例えるならそんな感じのかわいい攻めでした♪
身長は受けの先輩より大きいんですが、恋愛経験がなくてとってもピュア。
こんな子今時いないだろってくらいピュアです。
恋愛経験豊富そうな先輩に一方的に翻弄されまくる展開か?と思いましたが、先輩を守るべきところできっちり守ろうとする姿がねー、健気でかわいかったです!
恋愛方面ではやはり先輩にリードされる初々しい攻めだけど、家庭環境で悩む先輩を精神面で支えられる頼もしさもあって良かったー。
ピュアな攻めが初めての恋にワチャワチャする感じや、そんな攻めに大事にされて次第に攻めを心底好きになってしまう受け(先輩)にキュンキュンでした。 -
★5連打したいくらい良き
ほぼ無理矢理から始まった2人の関係がじっくり読めて甘々で、読後は『ごちそうさまです…///』と言いたいです。
エロ多め、後半特に甘々。
特に良かったのは受が本気の恋をしている自分自身に自覚できず戸惑いを感じるところから、攻を好きだと自覚するところです。その辺の描かれ方がとても素敵です。
受が過去フェロモン症なのを利用して他人の心(と身体)を弄んでいた時の対比が上手くてすごくキュンキュンしました。
2人ともとてもカッコいい男の子なのに受がすごくかわいげがあって、2人ともいいキャラです。
くっついたその後の大人の2人も描かれてて、『2人とも良かったね…!』と拍手です。
ごちそうさま。 -
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綺麗にまとまってた。
描き下ろしまで含めてタイトル通りのお話として綺麗にまとまってました。読んで良かったです。
2人のα(兄弟)の狭間で揺れるΩの三角関係のお話。
受けを溺愛するスパダリな攻めの、時折見せる冷たい雰囲気や受けの不遇な状況が気になって一気読みしました。
私はオメガバース初心者なので「魂の番」についてお花畑なハッピーエンドなイメージを抱いてました。でも物語の最後で攻めが語る「魂の番とは」を読むと、そんな生易しいものではないし(この物語のなかではですが)、攻めの異常とも言える受けへの執着が垣間見えます。
攻めのスパダリっぷりや受けへの溺愛と他者への冷酷さがドキドキする一冊でした。
と...続きを読む -
二作目が良かった。
二作入っててどちらの話も良かったです。
私は二作目が好みでした。
二作目「君は一万光年の光」は前後編の二話構成です。
この二作目にキュンキュンしました。
大学生同士のカプで、主人公含む4人の男子学生の話。
主人公はその中の一人に片思いなんだけど、相手はそのグループの他の子と同棲中。
前編は優しくて誠実な主人公くんの切ない告白や、実らなさそうな片思いにキュンときました。
と思いきや、前編最後に恋愛模様が一変します。
本当のカップリングは、主人公への片思いを拗らせたイケメン×他の子に片思い中の主人公。
話の終わりかたは綺麗に収まるような形ではありませんでした。が、その...続きを読む -