あらすじ
アジア杯による中断期間後、天宮杯の初戦にサブ組で挑むETU。リーグ戦残り4試合を想定し、チームの一体感を高め、サブ組の去就をも考慮した達海の采配に抜かりはない!? 一方、アジア杯準決勝で敗退に繋がるプレーをおかした椿はまだ立ち直れない……。浮上のカギを握るのは――。
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『GIANT KILLING』は、東京の東のサッカークラブ、ETUが強豪クラブを相手に大番狂わせ(GIANT KILLING)を起こしていく物語です。
このマンガの魅力は、監督であり主人公である達海猛のプロデュース力とマネージメントスキル。と言いたいところですが、それだけではありません。
『GIANT KILLING』は様々な立場の人が描かれます。監督だけでなく、選手・コーチ・クラブの社長・広報・スカウト・スポンサー・スポーツ記者・サポーター・サポーターの家族。それら全員の注目が集まる場所が、サッカースタジアムであり、それら全員が同時に歓喜する瞬間が、ゴールが生まれる瞬間なのです。
「プロスポーツとしてのサッカー」の本質を捉えた数少ない、いや唯一といってもいいマンガかもしれません。
人々がサッカーに「熱狂」する理由が、きっとこの作品を読めば分かるはずです。
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Posted by ブクログ
再びリーグ戦が始まった57巻である。
ジャパンカップ決勝での鹿島ワンダラーズの勝負強さを印象付ける戦いぶりを冒頭に置いて、残り四試合の初戦となる大分トリプレックスとの対戦の前半が描かれている。
降格圏のチームの終盤戦におけるしぶとさというのは、各国リーグで見られる類だろう。
意外な強豪チームの足踏みが見られたり、奇跡的な残留劇が描かれたり、事実は小説より奇なりを文字通り見届けてきたファンも多いはず。
この大分トリプレックス戦もまた、そうした降格を争うチームのしぶとさが丁寧に描かれている。
戦いぶりは悪くないのに、PKすら外れての1-1と試合の趨勢はうかがい知れない。
何かがズレていると予感する村越と、「お前らって…幽霊とか信じるタイプ?」(P.222)などと素っ頓狂なことを訊き始める達海。
そんな二人がハーフタイムのキーになっていきそうな、そんな結末が置かれた巻だった。
そして巻の半ば、大分戦を前にして自身の思いを吐露する椿。
彼もまた次巻以降のキーマンになっていくことだろう。読者はみんな、そう期待しているに違いない。
彼に送られたサポーターからのコールは、ホームチームであればこそ。彼はこのコールに応えられるかどうか。
というわけで、非常に楽しい一巻だった。やはりETUは良い。
今回は星五つで評価している。次巻も期待したい。
監督って難しい
続く椿の精神的不調。それに対するサポーターの温かい応援は素晴らしい!これこそサポーター・スポーツの良い部分だと思う。
優勝を狙うチームと残留を狙うチームの試合も両チーム思いのこもったプレイで白熱!
次巻も楽しみ!
それにしても改めて監督って凄いなぁと思う。
リーグ戦も残り4試合。ETSは負ければ2部降格となる大分と対戦する。
去年まで残留争いに巻き込まれていたETSは成長した自分たちのサッカーで勝利を手にできるかが見所。
そして代表戦でミスを犯し立ち直れない椿は復調の兆しもないまま途中出場する。
椿のサッカーの根幹にあるのは周りの人を喜ばせたいという気持ち。
試合中にそのことを再確認した椿がついに躍動し始める!
椿のさらなる成長を期待できるし、なんだかんだで強いETSを感じさせてくれる一冊。