知念実希人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
以前出てきた登場人物、いつかまた出てくるだろうなあと思っていたら、やっぱり出てきた。満を持してという感じで読み進める。詐欺師ではあるが、下手すると主人公よりは常識的だったり、倫理観もしっかりしていたりするのがなかなかに粋である。まあ、そうじゃない出てくる詐欺師はボッコボコにされているのが、このシリーズの小気味良いところ。
宗教ネタをギリギリにせめているなあという印象。今回は、新興宗教ではなく大手どころなので、余計にそう感じたかもしれない。本棚の並びのまま読んでいるので、これも順番としてはちょっと前後している気がしている。そろそろ順番通りに読み直したい。 -
Posted by ブクログ
本棚の並びにあった状態で、特に考えなく手にとった。
最初の数頁で『あ、これ結構後に発行されたヤツだ』というのがわかった。さあて、どうしよう。結構前にあった事件が前提になってるぞ……と、躊躇したけれども、まあ手元にあるわけだし、まあいいかとそのまま読み進めた。
リアルの時流や世情を良い感じで取り込んでいる本作なのだけれど、作中での時間経過と若干のズレを感じなくもない。とはいえ、面白いのでそこまで引っかかるかというとそうでもない。
生命倫理の部分に食い込む本作に、医療の進歩と現実とのすりあわせの難しさを感じたし、基本倫理観が外れている主人公たちの、それでも外していない倫理観に安心感を得たりもする。 -
Posted by ブクログ
ざくっと人が死んだもんで、ちょっとばかりひるんでしまった。しかし、ミステリってのはこういうものだよなあとしみじみしたりもする。
作中時系列だと一番最初の話になるので、主役ふたりの人間関係が初々しいというか、ぎこちないというか、バランスが悪いというか、非対称というか……まあそんな感じで、これがどんどん変化していくのも、ある意味このシリーズの醍醐味なのかなあなどと思う。
いわゆる無印の『推理カルテ』に、前提として出ていた事件がこれなわけだけれども、なるほど初っぱなにこの話を持ってくるよりも、後出しにした方が登場人物に関しての感情が良い感じに受け止められるなあなどと感じたりした。未読の話が楽しみにな -
Posted by ブクログ
真夏の救急外来に搬送された一人の男性。その死因は、あり得ないはずの「凍死」だった――。奇妙な事件の裏には日本全土を揺るがす脅威が潜んでおり、天才診断医・天久鷹央が仲間たちとともにその真相へと迫っていく。
毎回ながら不可解な導入から一気に物語に引き込まれた。今回はスケールも大きく、展開のスリルと緊張感にページをめくる手が止まらない。謎が次々と繋がっていく爽快感と、シリーズならではのキャラクターたちの掛け合いや関係性の変化が絶妙で、読んでいて心地よい緊張と安心感を同時に味わえた。
そして何より心に残ったのは、クライマックスでの犯人との対峙。誰を犠牲にし、誰を救うのかという究極の問いに対して、鷹 -
「仮面病棟」
ピエロのマスクを付けたコンビニ強盗が、病院に籠城し、自分が撃った女・川崎愛美の治療を要求した。
愛美の傷口を縫った外科医の速水秀悟は、院長の田所三郎や二人の看護師と共に脱出法を探すものの、病院の暗部が暴露され、事態は思いがけない展開を見せていく------。
少数のキャラクターを閉鎖空間に配置し、心理戦を掘り下げつつ、秘密を徐々に明かしていくという、少し懐かしい構成は、アドベンチャーゲームを彷彿とさせるが、計算され尽くしたプロットには、謎解きの面白さがたっぷりと詰まっていて、本格ミステリの味わいのある作品だ。
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Posted by ブクログ
ネタバレアイヌに伝わる禁域の森を舞台にした現代バイオホラー。森に潜みヒグマを屠った未知の生命体の正体は何なのか、主人公の家族がある日突然失踪したのは何故なのか。2つの謎を追ううちに、禁域の全貌が明らかになる。
作者が医師兼業の知念実希人先生ということで、医学知識と科学的考察に支えられた非常にロジカルな作品という印象。グロい描写は王道ホラー的だが構成はSFやミステリに近く、終盤の事実誤認〜真相判明で物語の構図が一変する展開は鳥肌もの。他の作品も読んでみたくなった。
一方で、主人公が医学見地の解説役を担うせいで終盤饒舌&説明的すぎたのがちょっと不満。敵地真っ只中で落ち着いて解説しすぎで笑ってしまった。