知念実希人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ放送中のドラマ『天久鷹央の推理カルテ』第7話を見ていて思った。ん? 原作にこんな話あったっけ? もしかしてドラマオリジナルか?
…そんなわけなかった。原作は、2024年2月刊行の本作に収録されていたのだった。知念実希人ファンを自称する者として、本作の刊行を見落としていたのは、不覚も不覚。というわけで、1年以上も経ってから手に取ったのだった。
Karte.01「禁断の果実」。毎年、決まった時期に肝炎を発症するという少年。その理由とは。もちろんその疾患は知らなかったが、もう一つの真実は薄々感づいた読者もいるのでは。一見つっけんどんな鷹央の言葉に、優しさが滲む。
Karte.02「七色 -
Posted by ブクログ
天久翼の読心カルテ 神酒クリニックで乾杯を
著者:知念実希人(チネン ミキト)
**あらすじ**
神酒クリニック。
院長・神酒章一郎のもとに集まったのは、6人の天才たち。そしてその中には、あの天久鷹央の兄・天久翼の姿もあった。
資産家から依頼された「息子殺害の犯人捜し」をきっかけに、違法賭博、誘拐、殺人と、事件は複雑な闇を孕んでいく――。
現役医師・知念実希人による、もう1つの代表シリーズ。
ハードボイルド医療ミステリー、開幕!
**感想**
天久鷹央シリーズが大好きな私にとって、スピンオフとなるこの天久翼シリーズのスタートはとても嬉しいものでした。鷹央の兄・翼が新たな舞台でどのような活 -
Posted by ブクログ
鷹央と小鳥遊の出会いの物語。時系列的にはこれが一番最初だったようだけれど、どこからでも読めるのがこのシリーズの長所でもありました。まだまだ噛み合わない会話の応酬も楽しいです。なるほど、こうやって彼らはかけがえのない相棒になったのですね。そして宇宙人に命令されて殺人を犯したと主張する犯人の謎という事件もまた、さまざまな要素が絡んできてスケールの大きなものです。読み応えたっぷりの一作。
宇宙人による拉致&手術、謎の脳梗塞、怪しい宗教団体、これらの要素がいったいどのように絡んでくるのか。スリリングな展開でぐいぐい引っ張られて一気読み。一件落着したかのように思えたあとの真相にも衝撃でした。ううむ、あの -
Posted by ブクログ
連作ミステリ。「禁断の果実」「七色の猫」はややあっさりめの謎かな。とはいえ「七色の猫」の謎はなかなかに奇想天外でした。だってさまざまな色に塗られた猫がいっぱい放される事件って……猫好きからすると「なんてことするんだ!」ですね。ただフィクションとしては、面白い状況かも。
そしてメインの物語である「遺された挑戦状」はやはり白眉。鷹央が唯一尊敬する存在であり、同類でもあった御子神氷魚の死。病死としか思えない状態でしかも現場は密室であったが、生前の彼女の言葉からそれを殺人と確信した鷹央は捜査に乗り出すことになりますが。冒頭に現場見取り図があるので、絶対トリックがあるよねこれ、と考えたら解けました。犯人 -
Posted by ブクログ
呪い、超常現象を医療から解決していくのだろうけど、プロローグにある布石がどう展開していくのかも興味深い作品だ。私もリングを読んだ時はこれまでのホラーとは一線を画す作品であった。シリーズが進むに連れ恐怖感は薄らいだ記憶がある。
3つの呪い、水神の祟り、化け猫の憑依、皮膚を通過する弾丸、いずれも医療とどう繋げていくのか楽しめる。最後の皮膚を通過する弾丸は、小鳥の恩師のご遺体に弾丸が何故あるのか?単純に手法を紐解くだけでなく、背景の人間関係に切なさを感じる。
プロローグでの鷹央の「正解のない問題」の意味、小鳥がひと皮むけるのはよかったが・・・。鷹央、小鳥、舞のトリオが益々息があってくる。軽快な医