本田由紀のレビュー一覧
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データをもとに日本とはどんな国かを直視させる本。本田由紀氏の本気は、あらゆるところで、あらゆる層に向かって発信し続けることから、十分伝わる。Twitterさえ、発信している。
東大の教養部の推薦入試にも、彼女の本「教育は何を評価してきたのか」から出題され、東大もまた、この国に対する危機感を強くしている。
この本は、若者向けに、まずはデータでエビデンスを明確にし、偏見の先入観のない日本人像を提示、そこから展望を導き出す。
結局、やれることは、「どんな属性の人にも偏見を持たずに敬意を払う」という、どこでも言われ続けたことになるのだが、データを示された後では、説得力が増す。
本田由紀氏を応援します -
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家族、ジェンダー、学校、友だち、経済・仕事、政治・社会運動といった各社会領域を取り上げ、客観的な国際比較データにより、日本がどんな国かを浮き彫りにする。
世界的に見て、日本には様々な分野で問題があるという状況がよく理解できた。ただ、著者の解釈や評価には疑問に思う部分もあった。
特に政権与党批判の部分については、一理あると思いつつも、客観的データで日本の状況を明らかにするという本書のコンセプトに照らしても、著者の主観が出すぎているように感じ違和感を覚えた。せっかくの良書なのに、政権批判色が強く感じられることによって、届いてほしい読者層にそっぽを向かれてしまうおそれがあるように思われる。 -
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最近聞き始めたPodcastに著者の本田由紀さんが登場して、この本の内容のさわりを紹介していました。ちょっと気になる内容だったので手に取ってみた次第です。
本田由紀さんは東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は教育社会学とのことですが、本書では、政治・経済をはじめとして、社会運動・家族・ジェンダー等々に係る様々なデータを世界各国と比較し、「今の日本の実態」を顕在化させています。
そこに現れた現実の姿は大いにショッキングですが、実感として納得できるものばかりでした。それでは、その状況をどうやって改善していくのか。とても困難な道のりですが、諦めず、ゴールに向かってチャレンジしている本田さんの気 -
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日本という国のリアルな姿を国際比較データを用いて丹念に問い直す本著。中高生にもわかる平易な文章で書かれており、たいへん読みやすかった。
「家族」や「ジェンダー」の章で、日本の厳しい現実を示すデータが出てくることはある程度想定していたが、「学校」の章における、高校入試が行われるのは先進国では特異であるという指摘や、進学する高校でその後の進路が大きく左右され、かつ生徒の家族背景にも高校間で明確な格差があるという指摘には驚いた。昨今よく指摘されていることではあるが、学歴は本人の努力の成果とは言えないことがよくわかる。
また全章を通して、データから、日本人の自己効力感の低さや、家族や仕事への満足度 -
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ネタバレ教室内(スクール)カースト (光文社新書) 新書 – 2012/12/14
同年齢の学校内のクラスという中でも対等な関係というものはない
2016年6月3日
鈴木翔 による 著作
1984年秋田県生まれ。
群馬大学教育学部卒業。
東京大学大学院教育学研究科博士課程に進学。
現在 web で見ると秋田大学で助教をしているようだ
本書は鈴木氏の学術論文を一般向けにわかるように改めて加筆再構成した本である
率直に言って学生、大学院生などの一部の人間しか読めないようなものよりも広く世の中一般に訴えかけるべき内容の学術論文も数多くあると思われる。
本書はそのうちの一つであると思える。
結局同世代 -
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最初に日本の特殊な状況を示すデータと、その特殊な状況の要因になっていると思われる日本の教育の特徴が紹介され、それが歴史的に形成されてきた経緯が推察されています。
端的には教育が個々の人の幸せにつながっていない状況が浮き彫りにされていて、その原因として、「垂直的序列化」「(「相対的で一元的な「能力」に基づく選抜・選別・格づけ」)「水平的画一化」(「特定のふるまい方や考え方を全体に要請する圧力」)が挙げられています。
特に、具体的に職業につながるスキルの教育が手薄であるというのが興味深かったです。日本には普通科が多く、ひたすら一般的な能力や知識を養成される一方、具体的なスキルを身につける機会は -
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『もじれ』=「もつれ」+「こじれ」。
『戦後日本型循環モデル』日本独特の循環のあり方ともいえる社会構造。バブル崩壊前までに形成された、教育・仕事・家族の3つの社会領域が循環している図。一見効率的に見えるが、何のために学ぶか、何のために仕事するか、なんのために家族と一緒に住むのか、という人間の生涯にとって重要な意味を持つはずの家族・教育・仕事の本質的な存在意義や価値を、掘り崩すように作用していた。バブル崩壊後、モデルは破綻しつつあり、各社会で歪みが出来ている。今後の方向性としては、一方向の循環でなく、双方向になるよう、リカレント教育の推進によるジョブ型雇用の推進、ジョブ型雇用によるワークライフバ -
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仕事・家族・教育の3つの社会領域が一方向的に太く・堅牢に結合した「戦後日本型循環モデル」とする日本社会の捉え方には非常に腑に落ちた。
高度成長期・安定成長期でこのモデルが形成・成熟していったが、バブル経済崩壊の端を発する低成長期になるとこのモデルは劣化が進み、モデルに内在する様々な問題が生じているのが現状。まず、バブル経済崩壊等で仕事の領域が劣化。非正規社員の増加で非婚化・少子化が進み家族領域が劣化。家族の劣化で十分な教育を受けた若者が減るうえ、元々少ない公的支出は依然増えず教育の劣化も進んでいる。
対策(案)は、循環モデルを片方向から両方向にするというもの。現状分析に比べると、割かれたページ -
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本田さんの著作の中では、読みやすく分かりやすい。当人はあとがきで、分かりにくくて申し訳ないと謝罪してるけど。
行政や法律で「資質」「能力」の育成とか謳ったところで立法の精神が行政に引き継がれるとは限らない。例えば「能力」もそのコトバの解釈の仕方で現場で用いられるときには立法時とはずれた能力観になったりする。
最終章で提言された「水平的多様化の推進」にはとっても同意する。何とか多様性を受け入れることのできる社会になってほしいもんだ。ただこういう書籍で触れられないのが、到達度をいかに確保するかだ。到達できないことを多様化にかこつけて肯定しちゃうのは困るよね。 -
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ネタバレPISA(国際学習到達度調査)等、国際的な調査では、日本人は高い評価をされているのに、賃金水準は、他国との比較でもその評価に見合うものとなっていない。加えて、本人の意識が「職務を十分にこなすスキルが足りない」という自己評価になってしまっている。社会的な役割発揮意識が、諸外国の中でも目立って低いのも大きな特徴。どうして、そうなってしまっているのか。
著者は、<「能力」「資質」「態度」という言葉が、社会と人々をがんじがらめにしていることが、多くの問題を生み出してしまっている>、ということを仮説として提示。このことがどうして異常なのか、それはどのようにしてできあがってきたのか、そのがんじがらめに -
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タイトルからして、面白そうと思った一冊。
私たちが思う「能力」や「資質」「態度」とは一体何だったのか。
筆者は、こうした「言葉」の多用がある種のベクトルを発生させ、その基準をクリアーしなければならないという垂直的序列化を促進してきたと述べている。
言い替えると、日本社会にとって都合の良い「能力」を持ち、学校システムに従順な「態度」の人間だけが、「資質」ありと見なされるということなのだろう。
言いたいことは分かるんです。
でも、他国と比べて、日本人はこんなにマナー良いでしょうとか、ロックダウンなんかしなくても日本人は大人しく家にいますよ、って言いながら、他方で、不謹慎不謹慎と個人も会社もボ -
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著者の主張がデータと共にわかりやすく展開される良書
家庭環境に由来する垂直的序列化の”恩恵”を預かって生きてきたので、少し心苦しいところもあったが、特に”能力主義”と”meritocracy”の相違についての考察と、それがもたらす力学的効果についての考察にうならされた。
データの扱いや分析方法に若干の主観を感じなくもないが、新書という限られたボリュームで、これだけ学術的な内容を記述しきった著者の熱量に、著者の抱く本物の危機感を感じた。
僕も、自民党•保守団体の主導する昨今の教育改革の”教化”にとても危機感を抱いているのでその点での同意は勿論、日本型メリトクラシーと、ハイパーメリトクラシー