本田由紀のレビュー一覧

  • 教室内(スクール)カースト

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    本田由紀さんによる追加考察

    ①「スクールカースト」のような集団間の上下関係が最も顕在化するのが教室内であるならば、その教室の構造にこそメスを入れる必要があるのではないか。

    ②「スクールカースト」が顕在化するのが教室内であるとしても、自分(たち)の押しの強さや有利な立場をよいことに、他者に敬意を払わず押しつぶすようなふるまいは、日本社会のいたるところに見られるのであり、そのようなより広い社会的な素地をももっと踏み込んで問う必要があるのではないか。

    この2つのことについては、私自身も本書を読み進めていく中で感じていたことと同じだったので、私自身も教員としての経験を伊達に積んできたわけではない

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    2015年12月17日
  • 教室内(スクール)カースト

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    本屋さんで目についたタイトル。学校内で暗黙の了解内で形成されるランク付け。この”上がれない”・”落ちたくない”と言うパワーバランスの苦い経験はよくわかる。本来なら無い方が幸せだと思うが、人間の個性から考えると仕方がないとも思う。ただ、このインタビューに答えていた先生がこのカーストに肯定的な意見を語っているのが意外。まあ、先生も仕事を上手く回さないといけないサラリーマンと言う事か。

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    2015年11月19日
  • 教育の職業的意義 ――若者、学校、社会をつなぐ

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    柔軟な専門性のアイデアや教育の職業的意義の抵抗と適応を纏うべきという論調に同意した。本書では大学人が抱える現在のキャリア教育に対して感じていた違和感を詳らかにしてくれる。

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    2015年09月11日
  • もじれる社会 ――戦後日本型循環モデルを超えて

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    様々な提言が満載で消化するのが大変だったが、若者の動向を詳細に分析していることは素晴らしい.目新しい用語も沢山出てきて、刺激を受けた.教育的トリアージ、ジョブ型移行モデル、ポスト近代型能力などなど.高校教育で専門学科に焦点を当てて活用すべきだとの提言.70年代はそれを実現していたのだから、先祖帰りの発想だ.

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    2015年04月20日
  • 教室内(スクール)カースト

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    「いじめ」という問題ではなく、「スクールカースト」という現象として教育の現場を探求していく一冊。
    感情論になりがちなテーマに対し、アンケートやインタビューを用いた定量、定性の両角度から考察を行っている点は評価できる。(後半の教師陣の意見は極端すぎるとおもうが笑)

    そもそも群れを作る動物は狼であれサルであれ自然に優劣をつける習性がある。生物学的にそのほうが集団での意思決定が容易だからだ。(サルで言う餌の配分、クラスでの文化祭の出し物など)このことを踏まえると、この本では「各人を尊重するような道徳教育を~」のような理想論ではなく、きちんと「環境を変える」や「感情をコントロールする」などの現実的で

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    2015年02月03日
  • 「ニート」って言うな!

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    本田由紀さんのパートはまっとう。
    2番目の社会学者のパートは、挑発的な文章を目指したのかいなか、ちょっと引いてしまう。

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    2015年01月16日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

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    教育・仕事・家族のそれぞれのフィールドでの議論は活発ですが、その大切な3つの場を「結びなおす」というのは、世界中で求められている課題かなと思います。ただ、その実現にはどこから手をつけていけばいいのか?自分でも考え、小さなところから動いてていきたいポイントです。

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    2015年01月06日
  • 教育の職業的意義 ――若者、学校、社会をつなぐ

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    ネタバレ

    あとがきに書いてありますが、キャリア教育が具体的な教育課程・方法の議論から遠ざかっていることを批判している一方で、柔軟な専門性に関しての教育課程・方法の議論に踏み込めていないところは難しいなあと思いました。しかしそれを差し引いても、<適応>と<抵抗>のバランスは色んなところで考えたいものだと思いました。

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    2014年12月23日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

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    問題へのシステムシンキング適用が必須の課題。
    財源ばかりの政策では無駄ばかりが増えていく。
    家庭・教育機関・企業を三位一体とし立て直す。
    一方通行のスパイラルアップ方式は好調が基盤。
    ひとつでも不調感染すれば立ち上がれなくなる。
    三つが相互に補助し調整し合う理論に基づいた、
    タイムラグのない、新たなパラダイムでの施策。
    変わることへの恐れよりも希望を抱かせるもの。
    共有協同による「溜め」を持つ自律のシステム。
    いつも万民に都合のよい社会はありえなくとも、
    まとまりとつながりのある社会に生きていたい。

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    2014年12月17日
  • 教室内(スクール)カースト

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    分析は大雑把な印象ですが、今まで光の十分に当たってこなかった現象に光を当てたという意味で意義深いです。学校が好きなスクールカースト上位層が教師となり、これが再生産されている側面もあるかもしれないので、年代比較は重要だと思いました。

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    2014年10月02日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

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    戦後日本社会のモデル化は的確。目指すべき社会像も共感できる。

    しかし、そのための処方箋がリベラルに過ぎる。持てるものに、痛みを強いるのは至難だからだ。持てざるものの存在は、持てるものの保守化を促すだけで、より社会的な視点で動くようにはできないからだ。

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    2014年10月02日
  • 教室内(スクール)カースト

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    スクールカースト…つまり、学校生活を送る上で教室内に必ずと言って良いほど存在する児童生徒たちの序列、ランク分け。本書はアンケートや教員・大学生へのインタビューなどを用いてスクールカーストについて少々粗くはありますが、考察されていきます。インタビューなんかは口調もそのままに記されていますので、その方のランク以外のものも自ずと見えてきて非常に興味深かったです。当たり前のことかもしれませんが、「私」は一人しかいないので、小中高の時間に「私」という一通りのあり方で身を置くことが出来ません。結局他の学校や他のランク、他の見方や経験は、他人から話を聞いたりこうやって本を読むことでしか知ることが出来ないのだ

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    2014年11月08日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

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    今日の日本的社会モデルの状況を、その成り立ちから崩壊、さてこれから、というところまでコンパクトにまとめ。

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    2014年06月20日
  • 軋む社会

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    特に引用する部分が無く、まぁ、他著で言っている事を焼き増ししているだけなので、これといった感想はありません(笑)
    悪い本ではないのですが、著者の熱が理論を邪魔して、説得力に欠ける部分もあり、もう少し学者らしく仕上げてほしかったなぁと感じました。
    僕の評価はAにします。

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    2014年06月11日
  • 「ニート」って言うな!

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    ネタバレ

    ニートのコアとされる「就業意欲の無い若年層」が増加していないという本田の現状分析には手堅さを感じるし、いたずらに心の問題に矮小化しニートの「鍛えなおし」を強調する論に対する内藤の構造批判にも説得力がある。ただ、先に内藤によりニート問題の心の問題化とその背景について分析がなされているので、最後の後藤による様々なメディアにおける言説批判が少々蛇足と感じられた。
    一方でニートという言葉が「社会的ひきこもり」と混同されている現状への本書の批判は、残念ながら、「社会的ひきこもり」という現象自体を問題として捉え、再教育を促そうとする声には届かないのではないか?昔からいた裕福な家庭の「道楽息子」(内藤)が、

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    2013年12月22日
  • 軋む社会

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    「楜沢 小説をひとりで読むのが近代文学なんですが、もともとプロレタリア文学には、「壁小説」というのがあって、壁にはられた小説をみんなで読んで、みんなで考えるという手法があった」ー 223ページ

    小説の出版数とかいろいろ厳しいと言われるようになって久しいし、今この時期に小説家になろうと思う人はよほどの酔狂か現実逃避者が大半なのだと思わざるをえない状況なのだが、それでも小説というものーーあるいは物語というものーーにあえて拘泥するのだとすれば、なにか別の表し方、手法について考えてみるのも必要なのだと思う。

    そのあたり、星海社とかいろいろ実験的にやってて面白いと思うし、こういうところが盛り上がれば

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    2013年11月25日
  • 「ニート」って言うな!

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    ネタバレ

    「ニート」と一般的に呼ばれる人たちの、社会の中での扱いを批評している。
    メディア等により、「ニート」が単純に「だらしない若者」を指すような風潮になっており、それは現状を錯誤する原因ともなり、施策の方向性をも謝らせてしまう。
    3人の著者により、社会で取り扱われている「ニート」なるものへの統計分析を行い、取るべき施策も提案している。

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    2013年09月12日
  • 教育の職業的意義 ――若者、学校、社会をつなぐ

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    日本の雇用形態および高校教育の変遷をまとめている部分はとても勉強になった(職務、職能、専門、普通)。雇用形態については不可逆であると納得した。

    本題に関わる「適応」と「抵抗」についての記述は特に目新しくは感じなかった。程度の差はあっても誰しもが考えることだろう。

    図表を大量に引用している。これについて本文中ではさらっと触れる程度のことが多く消化不良だった。

    OA入試

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    2013年08月05日
  • 「ニート」って言うな!

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    ニートが流行のひとつで消え去るものだろうと書いてあるけれど、今なおこの言葉が存在感を持っているのは何故だろう。

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    2013年01月22日
  • 軋む社会

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    私たちの生きる社会がどんな風になりたっているか、社会でよいとされてること、見て見ぬ振りをしている事実がなぜこのままではいけないのか。私たちはきちんと知らないとだめだなと思った。世の中に対しての“それはちとおかしい”という見方が私は好き。鵜呑みにせず、自分の意見を放つ言葉が私は好き。

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    2012年12月12日