本田由紀のレビュー一覧

  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

    Posted by ブクログ

    マル激トーク・オン・ディマンド(第1136回)
    『まず今の日本がどんな国になっているかを知るところから始めよう』
    に触発されて読ませていただきました。

    2014年6月に発行されていますが、今(2023年)読んでも古びるどころか身に迫ってくるようです。
    戦後の日本社会を1973年のオイルショックと1991年のバブル崩壊をターニングポイントとして「高度成長期」「安定成長期」「低成長期」に分けて分析。
    高度成長期〜安定成長期について仕事、家族、教育という三つの異なる社会領域の間が①きわめて太く堅牢で、②一方向的な矢印によって、結合されていること特徴とする「戦後日本型循環モデル」を提示。低成長期にこ

    0
    2023年01月22日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

    Posted by ブクログ

    「教育は何を評価してきたか」や「『日本』ってどんな国?」の中で触れられてきた、戦後日本型循環モデルと、その破綻、それから、新たな社会モデルについて述べたブックレット。

    二つの循環モデルについて、よーくわかる。

    戦後の循環モデルは、教育と家族と仕事が強固な一方向の矢印で結ばれていたが、それは、人口要因や国際関係要因、エネルギー要因、自然要因がしっかりと支えてきたから。そのため、いい大学にはいっていい会社に勤める。そのために勉強する、ということが目的となり、本来あるべき根本的な意味が喪失されてしまうという、自壊的な性質を持つものであった。

    これが、バブルの崩壊により、一つの矢印が崩れてしまう

    0
    2022年07月29日
  • 教室内(スクール)カースト

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    教室内(スクール)カースト (光文社新書) 新書 – 2012/12/14

    同年齢の学校内のクラスという中でも対等な関係というものはない
    2016年6月3日

    鈴木翔 による 著作
    1984年秋田県生まれ。
    群馬大学教育学部卒業。
    東京大学大学院教育学研究科博士課程に進学。
    現在 web で見ると秋田大学で助教をしているようだ
    本書は鈴木氏の学術論文を一般向けにわかるように改めて加筆再構成した本である

    率直に言って学生、大学院生などの一部の人間しか読めないようなものよりも広く世の中一般に訴えかけるべき内容の学術論文も数多くあると思われる。
    本書はそのうちの一つであると思える。

    結局同世代

    0
    2023年06月13日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    最初に日本の特殊な状況を示すデータと、その特殊な状況の要因になっていると思われる日本の教育の特徴が紹介され、それが歴史的に形成されてきた経緯が推察されています。

    端的には教育が個々の人の幸せにつながっていない状況が浮き彫りにされていて、その原因として、「垂直的序列化」「(「相対的で一元的な「能力」に基づく選抜・選別・格づけ」)「水平的画一化」(「特定のふるまい方や考え方を全体に要請する圧力」)が挙げられています。

    特に、具体的に職業につながるスキルの教育が手薄であるというのが興味深かったです。日本には普通科が多く、ひたすら一般的な能力や知識を養成される一方、具体的なスキルを身につける機会は

    0
    2021年11月27日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    「能力」「態度」「資質」という言葉が日本の近代以降の教育の中でその意味を変化させながら今日まで使われており、「垂直的序列化」と「水平的画一化」という枠組みが変化する社会への適応を阻害しているとのこと。そして、今世紀に入って「日本型メリトクラシー」と「ハイパーメリトクラシー」、「ハイパー教化」が進行しているといいます。筆者が理想とする教育は、オランダなどにみられるイエナプラン教育であり、とりわけ後期中等教育、高等学校での学びの中で「水平的多様化」を推し進めることを提言しています。最後は自民党政権批判でした。

    0
    2021年06月26日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    能力主義に基づく「垂直的序列化」と特定の考え方を要請する「垂直的画一化」を組み合わせたシステムにより日本の教育が行われている。新学習指導要領のキーワードである資質・能力は、まさにこのシステムによる典型である。しかし、閉塞的な社会を乗り越えるためには、「水平的多様性」の実現が大事であると筆者は提言している。

    0
    2021年01月23日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

    Posted by ブクログ

    仕事・家族・教育の3つの社会領域が一方向的に太く・堅牢に結合した「戦後日本型循環モデル」とする日本社会の捉え方には非常に腑に落ちた。
    高度成長期・安定成長期でこのモデルが形成・成熟していったが、バブル経済崩壊の端を発する低成長期になるとこのモデルは劣化が進み、モデルに内在する様々な問題が生じているのが現状。まず、バブル経済崩壊等で仕事の領域が劣化。非正規社員の増加で非婚化・少子化が進み家族領域が劣化。家族の劣化で十分な教育を受けた若者が減るうえ、元々少ない公的支出は依然増えず教育の劣化も進んでいる。
    対策(案)は、循環モデルを片方向から両方向にするというもの。現状分析に比べると、割かれたページ

    0
    2020年11月08日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    本田先生といえば「ハイパー・メリトクラシー」論。
    今や社会学の大家となった宮台先生の「終わりなき日常」のように、きっと後世に残る言葉になっていくのではないでしょうか。

    「能力」「資質」「学力」「態度」といった、教育の現場ではあまりにも一般的なことばが、実際は数十年の単位で使い方が変わっていく様が解説されています。

    日本の学校教育を見るときの、なんだか、「変」な感じや違和感を、新書の分量で的確に指摘して解説してくれる一冊です。

    「態度を養う」というのは、どういうことを表現しているのか。
    特定の行動を強いることを持って「態度が身についた」と表現されることはないのか。

    しかし、近年そうした議

    0
    2020年10月18日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    本田さんの著作の中では、読みやすく分かりやすい。当人はあとがきで、分かりにくくて申し訳ないと謝罪してるけど。
    行政や法律で「資質」「能力」の育成とか謳ったところで立法の精神が行政に引き継がれるとは限らない。例えば「能力」もそのコトバの解釈の仕方で現場で用いられるときには立法時とはずれた能力観になったりする。
    最終章で提言された「水平的多様化の推進」にはとっても同意する。何とか多様性を受け入れることのできる社会になってほしいもんだ。ただこういう書籍で触れられないのが、到達度をいかに確保するかだ。到達できないことを多様化にかこつけて肯定しちゃうのは困るよね。

    0
    2020年10月11日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     PISA(国際学習到達度調査)等、国際的な調査では、日本人は高い評価をされているのに、賃金水準は、他国との比較でもその評価に見合うものとなっていない。加えて、本人の意識が「職務を十分にこなすスキルが足りない」という自己評価になってしまっている。社会的な役割発揮意識が、諸外国の中でも目立って低いのも大きな特徴。どうして、そうなってしまっているのか。
     著者は、<「能力」「資質」「態度」という言葉が、社会と人々をがんじがらめにしていることが、多くの問題を生み出してしまっている>、ということを仮説として提示。このことがどうして異常なのか、それはどのようにしてできあがってきたのか、そのがんじがらめに

    0
    2020年06月10日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    日本の教育が「能力」「資質」「態度」という3つ(ないしは2つ)をどのように位置づけ、それを用いて生徒・学生を評価してきたかを記述し、終章に筆者の提言が載る。

    自分は所詮、(学力よりの)能力と、人に悪印象を与えない態度(コミュ力)でやりくりしてきただけだと、改めて思ってしまうよね。

    0
    2020年06月03日
  • 教育は何を評価してきたのか

    Posted by ブクログ

    著者の主張がデータと共にわかりやすく展開される良書

    家庭環境に由来する垂直的序列化の”恩恵”を預かって生きてきたので、少し心苦しいところもあったが、特に”能力主義”と”meritocracy”の相違についての考察と、それがもたらす力学的効果についての考察にうならされた。

    データの扱いや分析方法に若干の主観を感じなくもないが、新書という限られたボリュームで、これだけ学術的な内容を記述しきった著者の熱量に、著者の抱く本物の危機感を感じた。

    僕も、自民党•保守団体の主導する昨今の教育改革の”教化”にとても危機感を抱いているのでその点での同意は勿論、日本型メリトクラシーと、ハイパーメリトクラシー

    0
    2020年04月05日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

    Posted by ブクログ

    初岩波ブックレット

    「社会を結びなおす」ことが、これからの自分がやろうとしていることなのでは?と思って買って積読だった。

    タイトルは「結びなおす」だけど、書かれているのは結びなおすために必要な現状把握。しかし、現状とそれを生み出した経緯を抑えることは、次に進むために大切なステップ。そういう意味では大変示唆に富んだ内容だった。

    日本社会が限界に達していることは疑いの余地がない。
    私はその限界をユルく溶かしていくように進んでいきたい。

    0
    2020年01月06日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

    Posted by ブクログ

    「世界をより良くする」というのは、みんなの共通の願いです。
    この本が述べている「戦後日本型循環モデル」の破綻は、
    確かにそうだな、と思います。それに対する新しいモデルは、
    本を読んで得る、といった受け身ではなく、
    自分で見つけて提示すべきですね。

    0
    2019年05月17日
  • 新版 文系でもわかる統計分析

    Posted by ブクログ

    ○確かに男女別分析でも交互作用は大雑把には見られますが、それだと、男女の回帰係数の差が統計的に有意なものかどうかはわかりません。交互作用の有無を統計的に示すためには、交互作用項を含めた重回帰分析が必要になります(228p)

    ★他の統計初学者向けの本と異なり独特。まず古市憲寿氏と須藤康介氏の対談形式で進む。そして統計ソフトSPSSの操作と結果の読み取り方の解説が詳しい。記述と説明をきちんと求めているところは好感を持てる。γ係数など他の本では目にしない用語の解説が多い。クロス集計から始まり、他の本で最初に出てくる平均や標準偏差が第4章でやっと出てくる。

    0
    2019年05月04日
  • 教室内(スクール)カースト

    Posted by ブクログ

    スクールカーストの存在が、大学生の具体的な発話記録からうかがえる。子どもだけでなく、教務室でも同じ状況はある。
    暴力系のいじめ、コミュニケーション操作系のいじめ

    0
    2019年01月13日
  • 日本を変える「知」~「21世紀の教養」を身に付ける~

    Posted by ブクログ

    献本PRで当選し、頂いたもの。,,これはセミナーの議事録に近い。そのセミナーに参加しているような感覚でスイスイ読み進められる。ただ、専門用語がわからない…。普段なじみのない分野だからだろう。一番おもしろかったのは教育の話。

    0
    2018年10月11日
  • 「ニート」って言うな!

    Posted by ブクログ

    もう刊行から12年が経過している。干支一回り。そして現在、確かにニートって言葉は聞かなくなってきた。その点のみをもってしても、本書で示されている内容に、相応の信頼が担保されているというもの。各所でネガティブキャンペーンが張られ、言葉のイメージだけがどんどん独り歩きってパターン、いつもどこかで起こってる。かくいう自分も、そんな流れに抗い切れない部分も少なくない。そんな自省にもかられなかがら、惑わされない目線を培っていく努力を怠らずにいたい。軽い題名に反し、深い内容の書でした。だから受けたのかな。

    1
    2018年08月09日
  • 社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ

    Posted by ブクログ

    戦後の日本を、短い文章で論理的にわかりやすく解説されている。共感を抱きながらも、これまでの戦後型循環モデルの頑健さは感じながら、新しい日本モデルは理想論的過ぎた。きっと、これは新しいモデルを皆で考えるべきという余地を与えたものだという解釈をした。

    0
    2017年06月02日
  • 教室内(スクール)カースト

    Posted by ブクログ

    スクールカーストの実態を一冊の本にまとめたのは評価されるべきで、内容も示唆に富んでいます。
    中学・高校での人間関係はサバイバルだと感じますし、僕らの時とは質が違っています。カースト序列を変更する手立ては(今のところ)無くて、カーストそのものを廃する方法も分かっていない……。人間関係を考えれば、仲の良い人同士で集まってグループが出来上がるのは当たり前の事なのですが、カーストの『見えない力』によって自分の序列に合った人としか接する事が出来ないのは問題だと思います。
    カースト上位はクラス運営の実権を握っているが円滑に進めなければならないという暗黙のプレッシャーがあって大変だし、カースト下位は上位者に

    0
    2017年02月22日