本田由紀のレビュー一覧
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東京大学大学院教育学研究科教授の本田由紀による職業教育論。
【構成】
序章 あらかじめの反論
第1章 なぜ今「教育の職業的意義」が求められるのか
第2章 見失われてきた「教育の職業的意義」
第3章 国際的に見た日本の「教育の職業的意義」の特異性
第4章 「教育の職業的意義」にとっての障害
第5章 「教育の職業的意義」の構築に向けて
職業教育には、労働への<適応>と<抵抗>という2つの側面がある。<適応>とは、実業系の高校・高専・専門学校で担われてきた文字通りの職業訓練である。<抵抗>とは普通科高校、大学等で学ぶ労働法規、職業選択等に関する適切な情報とリテラシーの学習などである。
明治 -
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ネタバレニートは「情けない」「甘えている」などの根拠のない精神論が一般大衆の間に罷り通り、膾炙される中、そんな風潮に異議申し立てをしているのがこの本。
一章では、ニートには、非求職型(仕事に就きたいが、今仕事を探していない)、非希望型(今仕事に就きたいと思わない)など様々な種類があること、各々に様々な背景があって(資格試験準備中、家事手伝い、療養中など)、一概には捉えられないこと、一般の固定観念と異なり、ニートと呼ばれる人の約4分の3が職に対する意欲を持っていることなどが挙げられていまる。
二章では、ニートを敵視する風潮は、97年の神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)により加熱した青少年ネガ -
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高校生・大学生の就職率が最悪の状況だ。それよりも、失業率も雇用状況も改善の見込みがない。そもそも中途採用の枠すらないのだから、新卒採用枠なんぞもっとないのが当然の成り行きのはずだが、雇用状況が悪い状況では、それに連動して教育も生活も悪くなるのは当然の帰結だろう。コロンブスの卵ではないが、しっかりした収入がまず無ければ、生活することができず、同時に教育への十分な投資もできるはずがない。
著者は、若年層への過酷すぎる就労環境への風当たりの原因を、社会(国家政府・企業)、学校などが「教育の職業的意義」を軽視し、学校現場で十分な教育をしてこなかったからだと主張する(学校現場といっても、教育政策がま -
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東大分析✖︎本田由紀先生。
教育、経験格差、再分配のされなさ、に、最近大変興味(と言うとなんか面白半分ぽくて良くないが、“問題視“というには行動が伴わなくて申し訳ない。)があり、また、仕事で東大生たちと関わる中で、そのエリート同質性(あまりに家庭環境が良い人たち、有名校出身者ばかり)に危機感を覚える中で、新聞で紹介された本。
本田由紀先生だし、きっと面白い。と思ったら面白かった。
何より私の中で新しかった、第一世代(非大卒の親を持つ大学生)と大卒の親を持つ学生との分断。
東大の中に、ジェンダーだけじゃない、複合的な分断や差別があること、なんとなくわかってたけど、はっきりと可視化された。
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国際データで日本とは何か?その特徴をまとめた本です。
国際比較することで、日本の変だなというところがよくわかる。
読み終えてみると、「日本ってダメじゃん」という絶望感がひたひたと沁みる。
日本人の意識調査をまとめたものや、経済的な成長度などを上げたものなど、トピックが複数あるんだけど、どのトピックでも、日本のダメさ加減にうんざりしてしまう…。
人間関係の話で言うと、いじめそのものは少ないかも知れないが、真面目な人ほど友達が作れないし、いじめられやすい!とか。
家族関係への満足度が低いとか、お父さんへの敬慕の数値が低いとか…。
何より、本当は政治でなんとかしなくちゃいけないのに、そういう意識