本田由紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本は終わりだ、と言わないためのデータ分析。
学校、ジェンダー、職場、家族、人間関係など様々な場面の意識調査や統計を国際的に比較して日本の現状を分析しようとする本。著者の政権批判的な態度に反発してしまう読者もいるかもしれない。自分もそのような傾向がある。何を言ってもどうせ変わらない。誰かに任せておけばいい。学校で、職場で、ずっとそのように教えられてきた。それではダメだ、自分から動け、と言われても、ただでさえしんどい毎日で、自分からしんどいことをさらにできるわけがない。
しかし言わなければ変わらないのだ。言っても変わらない、言わなくても変わらない、ならば少しでも行動した方がいい。デモにネガティブなイメージがあるならハッシュタグやクラウドファウンディングで。
これまでの日本社会を動かしてきたモデルは壊れた。新しいやり方を探すしかない。あまりに傷つくことが普通になってしまった自分たちに、さらに変革の痛みを強要するのが民主主義だというのなら拒否する人もいるだろう。最良の独裁者と最低の民主主義の話を思い出す。
この本が若者と呼ばれる人に届くのかわからない。でも書くしかなかったのだと思う。誰かには届くと信じて。行動しないうちに変化はありえない。 -
Posted by ブクログ
様々な国際データに基づいて日本という国が世界と比べてどういう順位か、日本という国はどうなのかをジェンダー、学校教育、経済、政治の観点から考察している。2021年出版なので少し古いが、世界から見た日本の立場は変わらない。かさらに格差は拡がっているかもしれないと思う。
問題点は明らかになってきているものの、なかなか改善まではいかない。
最後の文章には
nobody's free until everybody's free.
すべての人が自由にならない限り、誰も自由にならない。
という、アメリカで1960年代から70年代にかけて、人種差別に立ち向かう公民権運動で活躍したファニー·ルー·ハマーさんの言葉を上げている。
あきらめないで、自分にできることを考えてやっていかなくちゃいけないと感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日々ぼんやりと感じていた日本の諸問題が国際データ比較によって明確な証拠や裏付けとなって明確に見えてくる。
既知の問題が多く、目からウロコが落ちるような新しい発見はほぼないが、この本を読んで今の日本の現状を再認識できたし、日本を「他人事」のような感覚ではなく、当事者意識を持って捉えられたのがよかった。
以下、読書メモ
家族、ジェンダー、学校・仕事、経済、政治どれも密接に関わり合い、複雑に絡み合いながら問題を孕んでいる。
いつまでも男性を主力戦力として働かせる政府、企業。女性は雇用機会が増えるも、男性の長時間労働を支えるため、仕事と家事の両立必須。
政府の非正規雇用制度を企業は大いに活用し、生産性と効率性の低いサービス業が増える日本では人々は仕事に縛られプライベートな時間が減っていく。
仕事に縛られる大人は育児の十分な時間が取れず、家族間の絆が希薄になる。子どもが孤立する。
家族の貧困格差から教育格差が生まれる。
政府が教育制度を整えないために、教師の生徒一人一人に掛けられる時間やサポートが減る。子どもは学力こそ高いが、学習の楽しさ、意義を感じられない…etc
なんとなく自分はやれてる、生活できてるから大丈夫。で終わらせてはいけない。
自分だけでなく、周囲の人、世界中の全ての人が自由を勝ち取り幸福になるまで、運動は続く。
日本政府に無力感を抱き、自国の問題から目を逸らし、なし崩し的に生きるのではなく、自分が当事者意識を持ってまずは日本の問題を直視すること。これこそが運動の第一歩になりうる。
まずはもっと知見を深め、政府の動向を伺い、自分に何ができるのかを見極めたい。 -
Posted by ブクログ
マイケル・サンデルの「実力も運のうち 能力主義は正義か?」の解説に本書が引用されていたため、読んでみることに。本書ではまず、日本人の異常さとして1.異常に高い一般的スキル、2.それが経済の活力にも社会の平等化にも繋がっていない異常さ、3.そして人々の自己否定や不安の異常な濃厚さを挙げる。これらを解明し、解決していく手立てが本書で論じられる。能力主義とはmeritocracyの日本語訳だが、本来は「業績主義」と訳すべきもの。海外のmeritocracyと日本の「能力主義」が乖離していく辺りに原因のひとつを求める下りは納得だが、全体に文章が硬く読みやすいとは言えない。25%ほど読んで挫折・・・積ん読コーナーへ。
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Posted by ブクログ
メリトクラシーという用語が、日本では「能力主義」と訳されることが、そのまま受け入れられているというところが、やはり日本は本当の近代化がなされずじまいで、脱近代の時代を迎えようとしてしまっているのだなと、思う。
まずは近代化からですね…。(ムリか)
このように間違った訳語が流布されることで、独自の考え方がどんどん再生産されてしまうという悲しさ!というより間抜けすぎるでしょ。
それに加えて水平的画一化(ハイパー強化)により、「態度」や「資質」を養うことを強いられている子どもたち。その閉塞感たるや、想像に難くない。
経済的基盤が高く、クラスに影響力もある生徒は、勉強もよくできて、道徳の授業が好きだという恐ろしいデータ。
それらの条件をみたしていない子どもたちは「自分には未来がないように思う」という割合が多い…。こんな日本に誰がした?その矢は自分に返ってきます。
閉塞感の強い国は、少子化も進む。
本田由紀さん、本気で日本のことを考えてくれてます。