本田由紀のレビュー一覧

  • 教室内(スクール)カースト

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    イジメではなく意識上存在する生徒間の上下関係について論じた本。ただし、サンプルが少ないためまだまだ研究の余地あり。ギャルもヤンキーもいない地域、学校はたくさんあるのだからインタビューのサンプリング如何によるかなあ、と。時間はかかると思うが関心は強いため今後に大いに期待☆個人的に学生時代の薄暗い感情といえば格差という感覚よりも劣等感に近い辻村深月氏の小説に描かれる感情に近いかも。

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    2015年09月27日
  • 教室内(スクール)カースト

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    基本構造は、インタビュー内容を掲載して、それを自分なりに咀嚼しながらまとめ直す、っていうのの繰り返し。それがくどく思えることがしばしばで、冗長に感じられたきらいあり。でも最後に、この研究の限界を自分なりに反省して、次への課題として開示していたりとか、インタビュー内容とは違った自分なりの見解を明示していたりとか、最後のまとめの部分はかっちり決まっていたと思います。う~ん、学校って難しいですよね。

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    2015年05月26日
  • もじれる社会 ――戦後日本型循環モデルを超えて

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    戦後日本型循環モデルを見出したことは社会学の真髄であり、戦後の日本のカタチが分かりやすく示されている。

    「家庭」、「教育」、「仕事」、この3つの社会的機能の新たな循環モデルを構築していく上で最も大切な視点は筆者の言うとおり「一方向」から「双方向」である。

    特に「教育」の本質、つまりは学ぶことの意義とは、従来の循環モデルでいう優秀な人材を「社会に送り出すこと(進学・就職)」に限ったことではなく、「個人が豊かに生きること」ではなかろうか。
    進学競争、就職戦線が人々をどんどん歪めていっている。就職し組織に入った後も、自己のキャリア形成という概念はどこ吹く風であり、学歴エリートほど「上を向いて歩こ

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    2015年01月31日
  • 教室内(スクール)カースト

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    ️p.6 同学年の児童や生徒の間で共有されている「地位の差」を、本書では「スクールカースト」と呼びます。

    こう定義される「スクールカースト」。でもよくよく考えてみると、この「スクールカースト」なるものって学校生活の中でごくごく自然にあったことだろう。それに敢えて焦点を当てて論じたという意味で、この本には意義があると言えるだろう。

    スクールカーストが発生する学校の「クラス」とは、全ての生徒がまったく平等であるという建前の下で扱われる集団だ。でもだからこそ、余計に地位の差、ヒエラルキーの差を作りたくなるものなのかもしれない。完全に平等であることに、もしかしたら人は耐えられないものなのかも。

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    2015年01月19日
  • もじれる社会 ――戦後日本型循環モデルを超えて

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    2014年10月初版
    本田由紀 著
    ==

    仕事→家族→教育と一方向性で成立していた戦後日本型循環モデルは崩壊。教育が地域のハブとなり家族を支える、就職後に再び教育を受けるリカレント教育、WLBの実現など、双方向的なバランス構造が必要。

    学生側だけの努力で現状の就活構造がどうにかなるのではなく、企業や社会、教育側の変革が必要というスタンス。勉強になりました。

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    2014年11月30日
  • 「ニート」って言うな!

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    非常に主張がはっきりしていることが特徴的である。
    「ニート」がテーマの中心ではあるが、マスコミ等が「世間の常識」として形作っている世論らしきものを無条件に信用することに警鐘を鳴らしているところに共感できる。
    しかし、「ニート」論への批判は納得できる、できない半々というところか。

    中身とは直接関係ないが、元々見ず知らずの三人の著者がブログのコメント欄でつながり、この本の出版につながったというところが面白い。ネットワーク社会の産物の一つと言えるのかも知れない。

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    2014年09月16日
  • 教室内(スクール)カースト

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    著者は東京大学大学院在学中の学生である。本書は、学校の教室内で見られる生徒同士の明文化されない階層的人間関係について考察したものである。質問紙法とインタビュー形式を取っているせいか、データに対する考察が甘い印象を受けるが、著者はそれを自覚しており、今後の研究課題としている所に好感が持てた。教職を志すものとして、またひとりの人間として、スクールカーストが生徒に与える社会的影響についてとても関心がある。緒についたばかりの研究が今後どのように発展していくか、期待することろだ。

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    2014年08月16日
  • 教室内(スクール)カースト

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    スクールカーストという名前付けはよいが、以前からあったものであり、アメリカなどでは学校で実際にカーストに近いランク付けが存在したりする。それらを、論文形式でまとめたものを新書にまとめなおしたという感じがした。

    内容は、スクールカーストとは、いじめとの関係、小・中・高等学校のそれぞれのカーストと特徴、教師にとってのカースト制度、権力や風土などのまとめをしているが、今まで誰もが気が付いていたが言葉になっていないことを表した本ではないような気がした。

    この手の本の問題は書き方の問題なんだろうか、それとも発想の問題なのか、自分にはわからなかった。

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    2014年08月14日
  • 「ニート」って言うな!

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     3人の著者が、バトンをわたすようにして、それぞれの立場から「ニート」言説について切り込んだ本。問題意識としては「三者三様」という面もありながら、その中心点として「ニート」という言葉が析出するところに妙がある。

     第一部の本田由紀のパートが、俗流「ニート」論のまやかしをわかりやすく示している。だいたいのところは

    ・統計で見れば、ニート(働く気がない若者)は増えていないし、以前からわずかである
    ・そもそもイギリスの「ニート」は、経済的に恵まれず低学歴な若者が社会から排除されるのを問題視するために生まれた言葉だった
    ・しかし日本では15~34歳までと対象が大きく拡大され、しかも「失業者」が除外

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    2014年03月30日
  • 教室内(スクール)カースト

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    小中高の学校に存在するスクールカーストと最近では呼ばれる、
    生徒間での序列がどういうものかを解き明かそうとする本です。
    前回読んだ、『桐島、部活やめるってよ』でも、生徒間の関係性の「上」「下」
    というものがでてきました。きっと、僕が高校生だった90年代の中頃よりも、
    そういったものがクリアになってより子どもたちをひっ迫しているのかなぁと
    思って読みました。そして、読んでいるうちに、自分が学生だった頃の、
    スクールカースト的な序列というものも思い出してきて、
    今考えればそう分類されるのかなと新たな視点からとらえ直すことになりました。

    きっと、ほとんどの人が感じたことがあると思いますが、
    あの人

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    2025年06月23日
  • 「ニート」って言うな!

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    言ってることは正しいけど、それはもうわかってるでしょ、
    とどうしても思ってしまう内容。

    "ニートとひきこもりを近似値で見ること自体が間違え、更に言えばひきこもりを否定的に見ること自体が間違え(要約)"

    "典型的なのは、2003年に内閣府が刊行した「平成十五年度版国民生活白書」における認識です。この白書の中では、「フリーター」問題は企業が若者、特に新規学卒者の採用を抑制したことから生じており、一番重要な原因は企業側にあると言い切っていました。"

    ニートという単語が張り切る前にフリーター論がそういう風に転んでいたのは初耳でした、おしい。

    "

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    2013年05月26日
  • 「ニート」って言うな!

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    「ニート」という言葉を正しく再定義し、その上で新たに考察しようとしてる一冊。

    ニートについて思うところは色々あるけれど、根本的には若者の怠惰な姿勢よりも、不景気に由来した社会の構造改革が必要だと痛感した。

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    2021年08月22日
  • 「ニート」って言うな!

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    ニートという単語が元々の意味から離れて間違ったイメージだけで使われている。
    そのイメージはマスコミや一面的な分析者によって誘導されたものだ。
    いろんな人がニートを問題視し、解決策を議論しているが偏った見方をしていたら問題の本質には触れられないだろう。
    ニートの概念だけに留まらず、自分がいつのまにか持っているイメージを見直し、物事を多面的に捉える必要がある。

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    2012年07月31日
  • 軋む社会

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    筆者の近年の主張や概念(ハイパー・メリトクラシー、やりがいの搾取etc...)が見事に縮約された一冊。
    細切れにされたかのような社会の、至る所で起きている軋み。教育、仕事、家族。日本のいびつすぎる現状が描き出される。

    あとは、このようにあぶり出された軋みからいかに声を集積し、具体的な力としていくのかが問題なのだが…
    とにもかくにも、それが出来ずに軋み続けているのが現状なのだ。
    その解決の糸口に関しては、やはりこの本の主張だけではカバーできない。

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    2012年06月01日
  • 教育の職業的意義 ――若者、学校、社会をつなぐ

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    淡々と。
    読み物というより、論文的な構成ですので、楽しんで読む本でもないです。

    まず現状として、
    ・増加する非正社員側の苦境:低賃金と脱出の困難さ
    ・正社員側の苦境:過重労働化と、年功序列による賃金カーブの傾斜の鈍化

    という事態が呈示される。
    「若者」の中での非正社員の増加は最早一般常識として、
    正社員側の労働環境の悪化についてはまだ浸透した認識とは言えないし、
    個人的な実感としても議論の余地がありそうに思う・・・

    自分の勤め先について言えば、過去においては「実質」の労働時間と、データとして提出される額面上の労働時間とにかなりひらきがある。
    まぁそういう(法律に引っかかるような状況は)1

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    2012年01月15日
  • 「ニート」って言うな!

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    ・ニート主婦。ほっとけよ。
    ・ニートなんて昔からいたのに、社会の不安や不満のはけ口のために、血祭りにあげられた。結局人口構成比にうやむやにだまされてるだけだ。
    ・でもじゃあニートと呼ばれた人たちはどうしたらいいのか、誰かが何かしてくれるのか、完全に無のままなのが残念だ。
    ・暇を持つことが悪だというのは、日本のひどい文化だと思う。仕事なんて他にやる大事なことがない人がやるものだと。

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    2011年11月15日
  • 「ニート」って言うな!

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    所詮はニートという言葉も名声稼ぎ視聴率稼ぎ銭稼ぎのネタ。風が吹いていると分かれば、多少事実と違っていてもあおれあおれのメディアの大攻勢。新しい言葉が出たときは、銭稼ぎ言葉か身構える気持ちを与えてくれました。

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    2011年11月07日
  • 労働再審1 転換期の労働と〈能力〉

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    前期の教育社会学ゼミでの講読文献(ゼミの先生が編者本人)。まあ先生本人が編者ということもあって、編まれてる論文は全て今の日本の労働市場に関して否定的。とりあえず序章を読めば、彼女の主張と今の日本の労働市場の現況を概観できる。少し難しいけど、ここだけは読む価値あり。後はおきに召すままに☆

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    2011年10月23日
  • 教育の職業的意義 ――若者、学校、社会をつなぐ

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    2011.09.30 就職難が続く現状の厳しい社会環境の中では、おっしゃる通り教育の社会的な意義を強化することは重要なんだと思います。ただ、企業側も採るにとれない理由があるわけで、教育側を変えるだけでは解決できないと思われます。この問題は本当に難しい難しい。
    普通科オリエンテッドなこの環境を変えていく具体的な方法論にも、さらに迫っていく必要があると感じた次第です。

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    2011年10月04日
  • 「ニート」って言うな!

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    三人の著者が、それぞれニート問題の論点への疑問提起、誤ったニート論の産まれる社会構造、これまでのニート論壇の歴史検証について語っている。

    そもそも曖昧な調査によって語られていたニートだが、その曖昧な調査データをもとに論点をひっくり返したりなどはある。

    ただ、最近の若いものは、、というくだりで安直にニートとか言って本当の問題を曖昧にすんな、という事が徹底的に語られている。

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    2011年08月20日