ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
なぜ日本はこんなにも息苦しいのか。その原因は教育をめぐる磁場にあった。教育が私たちに求めてきたのは、学歴なのか、「生きる力」なのか、それとも「人間力」なのか――能力・資質・態度という言葉に注目し、戦前から現在までの日本の教育言説を分析することで、格差と不安に満ちた社会構造から脱却する道筋を示す。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
本書は、出口治明さんの著書で触れられていたこともあり、興味をそそられたので手に取ってみました。 著者は、日本の教育の原理的な特性を、「垂直的序列化」と「水平的画一化」という2つのキーワードで表現しています。 「垂直的序列化」とは、相対的で一元的な「能力」に基づく選抜や格付けを意味し、「水平的画一化...続きを読む」とは、特定のふるまい方や考え方を全体的に要請する圧力で、「態度」と「資質」がそれと不可分の言葉だと指摘します。 特に「能力」について、明治以降の書籍の丹念な調査により、その意味の変遷をたどっていく過程はとても興味深いものでした。 かつては、単に様々な力を表現するだけの言葉であった「能力」が、徐々に優劣を決める測定可能なものに変化し、特に1960年代以降、学生の増加により普通科の高校が急増することもあって、「学力」(偏差値)による垂直的序列化が進んでいきました。 しかし80年代以降は、学力偏重の反省もあり、「生きる力」や「人間力」といったものが「能力」を構成する要素として重要性を増してきたということです。 この現象について、著者は、「学力」による垂直的序列化に対処しようとした政策が、皮肉にも「人間力」というもう一本の垂直的序列化の物差しを立ち上げたと指摘する一方、今世紀に入り法律や学習指導要領による「水平的画一化」の圧力も再浮上したとして、選抜と同調圧力が教室に充満する今、「水平的多様性」というベクトルを教育に張り巡らしていくことが必要だと主張します。 著者曰く、「水平的多様性」とは、一元的な上下(垂直的序列化)とも均質性(水平的画一化)とも異なり、互いに質的に異なる様々な存在が、顕著な優劣なく併存している状態のことで、異質であることの価値を認め、排除を可能な限り抑制することにある、と定義しており、そのために必要な施策について、高校に焦点を当てた提言を行っています。 この点についても、日本の教育制度の際立った特徴として、高校における普通科の比率の高さと専門学科の比率の少なさ(かつ序列内での低い位置づけ)を著者はその論拠として挙げており、高卒者の比率は過去から大幅に減少しているにも関わらず、(普通科が多いことで)高校には垂直的序列化が凝縮して生じていると論じています。 本書における著者の主張については、表現的なものも含め全面的に首肯するものではありませんが、教育のあり方を考える上で大いに示唆に富む一冊でした。 著者が解説を寄せる「実力も運のうち 能力主義は正義か?」(マイケル・サンデル)も読んでみたいと思います。
「古市くん、社会学を学び直しなさい!!」に登場した教育社会学者の本田由紀さんの本。初めましてだったがもう何というか頭の中のぐちゃぐちゃがスッキリ整頓された。 自分の38年間の教師生活で抗いまくった思いをこんなにあっさり解き明かしてくれて感動した。その時々に学んできたものが一直線に説明され、なるほどの...続きを読む思いが強い。 「垂直的序列化」と「水平的画一化」、頭に入った。 本田さんの本の書き方はとても工夫されていて、感心した。なかなかこういう人とは出会わない。 子どもの現在と未来に関わる人には、心から薦めたいと思う。
垂直的序列化と水平的画一化 ↓ 高校における普通科に偏ったコース編成の多様化 イエナプラン
日本における人間の「望ましさ」とは何なのかを他国との比較や戦前期から近年までの日本の制度や政策を「能力」「態度」「資質」の言葉の用法に踏み込んで論じている。その中で、垂直的序列化は格差を生み、水平的画一化はふるまい方や考え方を強要(同調圧力)してきた背景があり、これからの時代には水平的多様化が必要で...続きを読むあると著者は述べている。 個人的にも格差や貧困、マイノリティ、少子高齢化や人口減少等を考える上でも、多様性や柔軟性は必須と考えるため、排除の仕組みを変えていくことや誰ひとり取り残さない政策は国としても、小集団のグループにしても必要と思う。そして、能力だけで人を判断するのではなく、多様な生き方を受け入れる社会が求められるのだと思う。自戒も込めて。
私たち日本人が受けた学校教育が誰によってどのような人間になるように作られたものなのかを明らかにし、それが現在の日本の停滞感と閉塞感を生んでいると明らかにする大著。 2020年現在はコロナ禍の中、貧困と格差拡大が社会問題として大きくスポットライトを当てられており、現状に対する一つの解答を提示しているこ...続きを読むとはまさに今だからこそ読むべき一冊。 特に漫然の学校教育の中で使われてきた「能力」「態度」「資質」などという抽象的な語の意味を読み解く良書。 現役教員はもとより、教員を目指す学生や教育行政に携わる方々、目指す学生にとって示唆に富む一冊になるだろう。 ・日本の低成長、停滞感の原因は教育にある。 ・日本型教育の中心である垂直序列化(日本型メリトクラシー、ハイパーメリトクラシー)と、水平画一化が日本人の均一性を生み、イノベーションを生み出す妨げになっている。
感想メモ ①日本の若者は、高い一般的スキルを誇る一方、ウェルビーイングからは程遠く、その背景には日本の「垂直的序列化」と「水平的画一化」という独特なシステム構造がある。 ②「能力」「資質」「態度」といった言葉は、歴史の中でその意味合いが変遷しており、その言葉の磁力が「呪い」として社会と個人に独特な...続きを読む影響力を及ぼしている。 ③現状のシステム構造のオルタナティブとなるのは、「水平的多様化」であり、イエナプランはその参考となり得る。
様々な著者の論文を集めて新書にしたものであるが、それなりに統一は取れている。 学力、能力、態度についての歴史的な変遷や現在の状況まで説明しているので、読めば基本的な考えはわかる。また、水平的多様性のすすめがある。 多様性について企業からの考えも示されているが、非定期雇用の問題が指摘されていないのは...続きを読む教育の限界かもしれないので要注意である、
今までもやもやとしていたことを資料も使ってはっきりと示してもらえた感じ。特に、教育基本法にもあった「能力に応じて」のくだりは納得。やはり教育の目的は人格の完成にあるのだから、評価をしてはいけないと強く思った。 それぞれの子どもの良いところを見て伸ばし、社会性を育んでいければいい。 さらに巻末の提言が...続きを読むあり、未来へ向けた指標になる。 ここで示された「垂直的序列化」と「水平的画一化」という概念はとてもわかりやすく、納得のいくものだった。
教化の話しがあるが、教えられる側が知らないと食い物にされるだけだと思った 国や子どもたちの未来をより良いものにするためという目的がないんだろうなと思う 利権とかで済むハナシじゃない気がするんだよな
最初に日本の特殊な状況を示すデータと、その特殊な状況の要因になっていると思われる日本の教育の特徴が紹介され、それが歴史的に形成されてきた経緯が推察されています。 端的には教育が個々の人の幸せにつながっていない状況が浮き彫りにされていて、その原因として、「垂直的序列化」「(「相対的で一元的な「能力」...続きを読むに基づく選抜・選別・格づけ」)「水平的画一化」(「特定のふるまい方や考え方を全体に要請する圧力」)が挙げられています。 特に、具体的に職業につながるスキルの教育が手薄であるというのが興味深かったです。日本には普通科が多く、ひたすら一般的な能力や知識を養成される一方、具体的なスキルを身につける機会はないまま職業につく場合が多いということです。 国の政策としてはそうやって具体的なスキルを身につけるパスが用意されると多少なりとも幸福につながるのかもなあと思うし、意識の面では、結局個々の人が、個々の場面で言及される「能力」はある特定の観点で見た評価でしかなく、他の観点や基準もあると理解するかどうかという問題なんだろうなと思いました。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
教育は何を評価してきたのか
新刊情報をお知らせします。
本田由紀
フォロー機能について
「岩波新書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
軋む社会
教育の職業的意義 ――若者、学校、社会をつなぐ
国家がなぜ家族に干渉するのか 法案・政策の背後にあるもの
社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ
試し読み
進学校の進路選択とジェンダー 高校生たちの描く未来
新版 文系でもわかる統計分析
教室内(スクール)カースト
「東大卒」の研究 ――データからみる学歴エリート
「本田由紀」のこれもおすすめ一覧へ
みんなの公開リストをもっと見る
一覧 >>
▲教育は何を評価してきたのか ページトップヘ