最高だった!
イーロン・マスクとはどんな人物なのだろう、緻密な取材から作られたこの本で、それを知ることができる。
さらに、イーロン・マスクを通して様々なモノ・サービス・技術に触れられる。
ロケットや電気自動車の開発、ウクライナ戦争と衛星通信、Twitterの内幕、AIに関する話などなど。
最後にイン
...続きを読むタビュー取材先一覧が掲載されており、数えてみると計129人だった。
著者ウォルター・アイザックソンに拍手。
読後感は、自分も何かしたいな、と熱くなる気持ちにさせてくれる。
以下、心に残った部分を挙げる。
▼おもちゃからヒントを得る
不具合なく、安く、すばやく作られるおもちゃは参考になる。
従来は100個以上の部品を組み合わせていたが、シャーシ全体を80秒で作れるようになった。
▼シュラバ発動
ゆるんでいると感じると定期的にシュラバモードが発動。
良い点、悪い点がある。
良い点、現場に緊張感が生まれ、あり得ない期限を達成できることがある。
悪い点、ついていけない人間がどんどん辞める。しかも、そもそもできなかった結論になることもしばしばある。
やれなかったことで辞めた人が正しかったわけです。
▼技術の進歩について
「技術というのは、放っておいても自動的に進歩するものではない」
たしかに。実際、全体の科学技術の発展の割に、宇宙分野・電気自動車は止まっていたわけで。
こういった意識は大切ですね。
▼ポリトピアというゲームがしばしば出てくる
マスクの教訓は以下。
・共感は資源ではない
・ゲームのように人生を送れ
・敗北を恐れるな
・先を見越して動け
・ターンごとに最適な手を打て
・倍賭けする
・選んで戦え
・休むのも大事
一応、自分もポリトピアをインストールはしてみました。
▼ウクライナへの支援
スターリンクで協力。
しかし、軍事支援したいわけではないという、板挟みにあう。
国が中間に入って取引するというのは、たしかにと思わされた。
▼ゲイツと会う
ゲイツはマスクにスケジュール担当者がいないことにびっくり。
ゲイツは慈善活動に興味があるが、マスクは無関心。
あと、マスクはテスラの空売りが許せなかったらしい。
▼ツイッター
テック企業だから、テスラやスペースXに比べれば簡単に立て直してしまうのかと思いきや、すごく苦戦する。
たしかに、表現の自由と好ましくない発言の規制は相反しており。
さらに、広告収入も絡み合って、非常に難しい。
私もツイッターapiを使っていて、なくなると宣言された割にしばらく何事もなく、何がどうなってるんだと思っていたが。
この本で、内部はとんでもないシュラバが進行していたことがわかる。
▼ツイッターファイルでメディアについて考えさせられた
ツイッターも偏ったことをしていたことが明らかになる。
これだけ多くの人間が使うメディアが印象操作できてしまうのは、非常に怖いことですね。
あまり、SNS使わないので意識はしてませんでしたが、操作されることがあるという前提知識を持つ必要を感じた。
▼細かい取材が素晴らしい
マスクの父が送った陰謀論めいたメールを紹介、しかし、マスクはメアド変えていて受け取っていなかった、とか。
締め上げられた人間のその後も確認でき、
イーロン、締め上げられた人間、その上司、3者の視点からの話もある。
ちなみに、数年はミッション達成のために良い時間を過ごす。
ただ、結婚や子どもができることで、ワークライフバランスを重視するようになると、たいていの人間はついていけず、退職しているようだ。
▼本書に対する態度がスティーブ・ジョブズと同じ
刊行前に、本書を読ませてくれという話はなく、マスクの手はいっさい入ってないそうだ。
不思議と、このスタンスはスティーブ・ジョブズと同じ。
他人との比較に興味ないから、ありのままを書いてくれて結構、ということなのだろうか。