あらすじ
持続可能な社会と環境を目指し、責任ある企業はどのように行動すべきか――。環境経営の先駆けとして知られるパタゴニアが50年にわたって試行錯誤を続け、築き上げた考え方と行動指針、チェックリストまですべて公開する。創業者イヴォン・シュイナードの勇退にあたって記された未来へのメッセージ。フルカラー愛蔵版。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
社会に対する責任とはなにか。ひとは社会的意義のある仕事をしたいと思っているもの。
パタゴニアが企業としての責任や社会に果たすべき役割を考え行動していることがよくわかります。そして地球が直面している課題も。
なんとなく知っていたパタゴニア、あらためて製品に込められた思いを知ることができました。正しいことをすれば正しいことをするようになる、、いい言葉だなと。できることからひとつずつ。
Posted by ブクログ
CSRを世界にも稀な高水準で果たすパタゴニアの経緯と事例、そして彼らの目指す世界が分かるという点では必読書。
一方で、彼らの顧客セグメントは登山家やサーファーなど、サステナブルなプロダクトとも相性がよく、プロダクト以外でもCSRを果たしそれをアピールすることで顧客ロイヤリティに繋がりやすいのは確か。
それを踏まえると、そうではない企業でどこまで再現性があるかは怪しいと感じた
Posted by ブクログ
過去に読んだり個人的に知っていることも書かれていましたが、パタゴニアが創立して50周年のこれからについてが読めました。
なので、パタゴニアの本を読んだことがない人にとっては過去の本を読むのもいいですが、これを読めばいいかもしれません。
起業している(したい)人や、会社を変えられる立場の人、今の所属している会社の旧体勢にもやもやしている人が読むと新たな発見があると思います。
自分の商売がうまくいっていて、自分の仕事に付加価値をつけたい、また、ビジネスに責任を持つことということが何か知りたい人にもよいと思います。
Posted by ブクログ
パタゴニアに入りたいと思う人は、その理由として、会社と自分の価値観が一致していることを挙げることが多い。このように深い部分で会社とつながっていると社員のモチベーションが高まり、仕事が大変になったときにも冷静沈着な対応が可能になる。毒性染料が使われていない新しい生地を探さなければならないときも、がんばりが利く。換気改善のためにびっくりするような額を投資してくれと工場と交渉するときも、配送センターの建設候補地に農地を提案してくるなと不動産業者を説得するときも、同じだ。正しいことをしようとするからモチベーションが高まり、ふつうならあきらめることもあきらめずにがんばるようになる。有意義な仕事というのは、大好きなことをするだけでなく、世界に報いるものでもある。このふたつが組み合わされば、人がふつうに持ち、また、力を尽くしたいと考える優れた点が発揮されるのだ。
責任のある企業としてすばやく対応できるようにしたければ、人がふつうに持つこの優れた点が発揮される環境を整えなければならない。それまで無理だと思われていたことを始めるたび、会社の文化は大きく前進し、実はさまざまなことが可能なのだと感じられるようになる。いま、ふり返ってみると、パタゴニアの歴史においても、なにが可能なのかという感覚が変わった節目がいくつもあった。責任ある企業として前進し、モチベーションが高まった瞬間だ――そういうことなのだと、 そのときには気づかなかったりもしたが(我々としては、ただ、衣料品を売って生計を立てようとしていただけだった)。
2018年、イヴォンは、パタゴニア創業時に定めたミッションステートメントをシンプルなものに書き換えた。問題を大きくするためである。オリジナルのミッションステートメントは「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」というもので、パタゴニア社員みなが信奉してきた。それを「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」と心髄だけに絞り込んだのである。
我々ができるかぎり使わないようにしている単語がある――「持続可能性」だ。この単語は、戻せる以上に自然を消費しないという意味である。だが我々は、みな、戻す以上に消費している。持続可能な経済活動などありえない。自然の再生する力や豊かな生命をはぐくむ力を阻害せず事業ができるようにならないかぎり、この言葉は使えないと思う。資源搾取型経済から資源再生型経済への転換を急ぐ我々にとっては、「責任ある」という言い方のほうが適切だろう。
Posted by ブクログ
基本的には人、地球、収益の3つをバランス良く持続可能な企業を目標にすることではあるのだが、そのくらいは今現在SDGsとか言って、たくさんの企業が考えていることではある。
ではパタゴニアブランドはなぜ、いまだに世界から尊敬される企業なのか。何か違うのか。
ザックリ言うと、何十年も失敗を繰り返して軌道修正しながら、方向性もフレキシブルにしていくことだと思いました。
イヴォンシュイナードさんは、70,80年代のころ自然のことなどあまり考えず、クライミング道具を作っていた過去。ハンパないCO2だったようです。
2000年代では低コスト、低賃金で労働者に働かせせていたことなど、今では考えられないこともあったようです。
パタゴニアはそんな過去をオープンにし、その反省や謝罪を含めた意味が重要だと。責任ある企業を目指すと言う。
今は正しいことと思い込んでも、一年後は正しくないことに変わることも想定する。
今の世の中、政治も企業も責任の押し付け合い。日本企業はなかなか真似できないですね。
パタゴニアブランドのような素晴らしい企業とは、自分の非を認めることだと痛感しました。