あらすじ
リーン・スタートアップとは、膨大な時間とお金とエネルギーを費やして誰も欲しがらない製品を作ってしまうムダをなくし、時代が求める製品・サービスを、より早く生み出し続けるための方法論です。
それは起業に限らず、企業や組織の中であっても新事業を始めようとする人にも役立ちます。本書の中でも「スタート・アップとは、不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織であり、そこで働く人は皆アントレプレナーである」と語っています。
先の見えない不確実な時代、失敗を繰り返さなければ素晴らしい新製品は開発できず、価値を正しく見極め、失敗をムダにしないためのアプローチがリーン・スタートアップです。
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Posted by 読むコレ
ネットサービス業界の経営者だと、この概念が腹に落ちてるのとそうでないのでは明暗が分かれると思った。ネット業界でなくても、経営者でなくても、幸せに働きたい全ての人向けの考え方だな。
Posted by ブクログ
リーンスタートアップ組織を作るために必要なエッセンスが込められているめちゃめちゃ良書だった!!
方法論だけでなく、実例も添えられているのでよりわかりやすい。学んだ、自組織に活かしていきたい!!
【まとめ】
- リーンスタートアップが最も大切にしなければならないのは「学び」
- 構築 => 検証 => 学習のループを回す
- ビジョン => 戦略 => 製品のピラミッド
- 戦略を進化させるのは、pivot
- 製品を進化させるのは、最適化
- 革新会計:
---- MVPを計測する
---- 理想状態に最適化していく
---- pivotを検討する
- 虚栄の評価指標に騙されるな = ファネルのコホート分析などが有用
- 「かんばん」によるリーン生産方式が有用
バックログ => 構築中 => 構築完了 => 検証中
と「検証中」をいれることで
必ず学びまでがセットであることをチーム全体で理解する。
- バッチサイズを小さくしてサイクルを回そう
- スタートアップの概念図
責任(?) => プロセス => 文化 => 人
のピラミッド
Posted by ブクログ
スタートアップ、リーン系の本を読んでいると
単に決断できない先延ばしを「組織的にやろう」「戦略を立てて」と言い換えてゴニョゴニョやっているJTCと180度違っていて心が洗われる
Posted by ブクログ
イノベーションを産み出す組織・ルール作りための教科書。訳が良いのですらすら読める。
以下メモ
p49 全員のアイデアを試す
たくさんの中から1つしか選ばないとなると、アントレプレナーではなく政治家が生まれる。全員のテストを行うこととすれば、全員が、アントレプレナーになる
5回のなぜを繰り返すこと。決して5回の「誰」にしないこと
小さなバッチサイズに順応すること
Posted by ブクログ
「起業の本」と思って長らく手を出さずにいたことを後悔した。ビジネスに限らず、人生におけるチャレンジ全般に対して示唆がある。
アジャイルとかfail fastといったキーワードはすっかり一般的になったが、まだまだ言うは易しだ。優秀な人ほど直感的にその逆の選択をする習性が染み付いているはず。
計画よりも仮説を。分析よりも実験を。作業効率よりも学習効率を。
Posted by ブクログ
商品開発では「何を作るべきか」を確かめていく(顧客について理解をしていく)ことに最も重点を置くべきだということを主張し,その方法論を沢山の例示とともに説明している本.
イノベーションのジレンマ(The Innovator's Dilemma)を避ける方法論にもなっている.
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- 成長仮説と価値仮説
例 p.222
p.79 「問うべきなのは「この製品を作れるか」ではなく「この製品は作るべきか」であり「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか」である。」
p. 80 「耳を傾けるとしたらどの顧客の意見を聞くべきだろうか。...『とりあえず製品をリリースして様子を見よう』と言う方針で進むと、このような問題に悩まされがちだ。...この方針に従うと様子を見ることには必ず成功するが、検証による学びが得られるとは限らない。失敗がなければ学びもない---それが科学的手法の教えるところなのだ。」
p.81 ザッポスの例
p.90 Kodak Galleryの例(「4つの問い」と実験の例)
p.94 ビレッジランドリーサービスの例
p.97 消費者保護局の例
p.112 「我々が集めなければならない情報は『事務所の外』にしかない。」
p.126 グルーポンの例
p.132 ドロップボックスの例(動画型MVP)
p.135 フード・オン・ザ・テーブルの例(コンシェルジュ型MVP)
p.140 Aardvarkの例
p.150 実用最小限の製品を作るときこれさえ守ればいいというルールをシンプルな形でまとめておこう。「求める学びに直接貢献しない機能やプロセス、労力はすべて取りのぞく」である。
p.151 素晴らしいアイデアが簡単に盗まれるようなら、苦労はしないと思う。だいたいスタートアップの場合、自分のアイデアや会社、製品を競合他社どころか誰でもいいから知ってもらうことが難しいのだ。
p.152 スタートアップはすごいブランドを作りたいと考えているところが多く、MVPはブランド構築に対するリスクだと感じられたりする。既存組織内で活動するアントレプレナーの場合、親会社のブランドに傷をつけてはならないと思って行動が制約されたりするが、これモネは同じ話だ。どちらの場合にも使える便利な対策がある。MVPを別ブランドで出せばいいのだ。
p.201 ヴォティズンの例(ズームイン型ピボットとプラットフォーム型ピボットの例)
p.214 経験豊富なアントレプレナーは、スタートアップの滑走路について語ることが多い。...スタートアップが滑走路として考えるべきものは、もうあと何回のピボットが可能か、である。事業戦略を根本的に見直すチャンスがもうあと何回あるかとも表現できる。時間ではなくピボットというレンズを通して滑走路を見れば、滑走路を延ばす別の方法に気づくことができる。次のピボットまですばやく進むのだ。
p.215 ピボットを決意したアントレプレナーに話を聞くと、ほとんどの場合、もっと早くに決断すればよかったと言われる。こうなってしまう理由は3つある。...
p.220 ウェルスフロントの例(劇的なピボット)
p.228 顧客セグメント型ピボット(アーリーアダプター→メインストリームと拡大するとき、顧客の層が変化する)
p.231 ピボットのさまざまなタイプ:ズームイン型、ズームアウト型、顧客セグメント型、顧客ニーズ型、プラットフォーム型、事業構造型、価値補足型、成長エンジン型、チャンネル型、技術型のそれぞれのピボットの説明。
p.237 ピボットとは、単に変化を勧めるものではない。製品、ビジネスモデル、成長のエンジンに関する根本的な仮説を新たに策定し、それを検証できる構造の変化をピボットと呼ぶのだ。これこそリーン・スタートアップ方式の肝だと言える。ピボットがあるからリーン・スタートアップを採用した企業は失敗から立ち直れる。失敗しても、失敗だったと気づき、別の道をすばやくみつけることができるのだ。
p.238 第2部では、最初の要仮説からMVPによる検証、革新会計と行動につながる評価基準による成果の評価、ピボットか辛抱かの判断までスタートアップのさまざまな側面を紹介した。
p.250 バッチサイズの縮小の仕方の例。「製品自体の開発やデザインなど、隠れた部分は今も大きなバッチサイズで動いている。新製品の開発に関わる作業は、仮装の組み立てラインを流れるように進められる。顧客が喜びそうな機能をプロダクトマネージャーが判断する。続けてプロダクトデザイナーがその機能のルックアンドフィールを決める。このデザインがエンジニアリング部門に贈られ、既存製品を改造するか製品を1から作るかする。最後に、プロダクトマネージャーとプロダクトデザイナーが意図した通りの製品になっているかどうかをチェックの担当者が確認する。iPhoneなどの場合、社内のバトンタッチが月ごとや四半期ごとに行われるはずだ。ここで郵送作業の例を思い出しつつ、どうすればこの作業を効率的に行えるのかを考えてほしい。IMVUで我々は、バッチサイズ縮小のメリットを活用するため、新機能を一つずつデザイン・開発・リリースすることにした。こんな感じだ。普通なら別々の部門で働くエンジニアとデザイナーが隣り合わせに座って1機能ずつ作っていく。顧客に使ってみてもらえるレベルまで完成したら、新バージョンとしてすぐにリリースする。比較的少人数にウェブサイトで公開するのだ。こうすれば、作業の成果をすぐに確認し、顧客に対する効果を評価するとともに次にすべきことを決められる。ごく小さな変更が続くと、このプロセスが一日に何回も繰り返されたりした。後で集計した結果を見ると、1日平均で50前後もの変更をIMVUは行っていた。」
p.252 継続的デプロイメント。
(最近のゲームはDLコンテンツで更新が行われたり、リリース後にゲームバランスが調整されたりする。)
p.255 デザインワークスの例(小さなバッチサイズ)
p.258 School of Oneの例(教育分野での小さなバッチサイズ)
p.264 リーンスタートアップの着想の一部はリーン生産方式。そこでは、書きかけの設計図、未検証の仮説、事業計画→MVP→検証→・・・といった生産ラインがある。これを、バッチサイズを縮小し、プッシュをプルにして効率化する。すると在庫を減らせる(ジャストインタイム的考え方)。
p.265 顧客は自分の望みをわかっていないことが多い。
p.265 検証したい仮設を設定したら、なるべく早く実験方法を考え、実行していく。このとき、バッチサイズは可能な限り小さくする。フィードバックループは実際に行う順番に合わせて「構築ー計測ー学習」としているが、計画はこの逆順で考えるーまず学ぶ必要があるものを見つけ、そこから逆順でその学びが得られる実験となる製品を考える。つまりポイントは顧客ではなく顧客に関する仮説(hypothesis about the customer)であり、それをプル信号として製品開発をはじめとするさまざまな仕事を動かす。これ以外の仕事はすべて無駄である。
p.265 アルファベット・エナジー社の例(仮説プルなプロセス。熱電素子スタートアップ)
p.274 3種類の成長エンジン:粘着型、ウイルス型、支出型。それぞれに定量的指標がある(ウイルス係数など)。
p.286 成功するスタートアップはひとつのエンジンに集中することが多い。...3種類のエンジンすべてが動くダッシュボードを作ろうとすると、だいたい大混乱になる。
// 製品-市場フィットについて
p.286 成長のエンジンが市場のフィットを決める
p.289 成長のエンジンという概念を通して製品と市場のフィットを見れば、足を地につけて考えられるようになると思う。
p.295 スタートアップは新しく入った社員に教育訓練を施すべきだろうか。...しかし結局のところIMVUはすばらしい教育訓練のプログラムを作り、その結果、新人が初日からきちんと仕事ができるようになったし、数週間もせずにハイレベルの貢献もできるようになった。もちろん、仕事のプロセスを標準化し、新人が学ぶべき概念をカリキュラムにまとめるのは大変な作業だった。新しく入ったエンジニアには必ずメンターがつき、IMVUで生産的な仕事をするために必要なシステムや概念、手法といったカリキュラムの習得を支援する。メンターとその指導を受ける人の査定をリンクさせたので、メンターも真剣に指導する。
p.298 5回のなぜ
p.304 「5回のだれ」の呪い
p.307 5回のなぜをスムーズに導入するヒント
p.315 IGNエンターテイメントの例(5回のなぜの例)
p.318 QuickBooksの例(小さなバッチサイズを導入する試みの例)
p.332 予算について
p.331 スタートアップの場合、予算が多すぎるのは少なすぎるのと同じくらい危険だ。
p.334 実験のプラットフォームを作る
Posted by ブクログ
小さく始めて、フィードバックループを回して、改善しろ!
これはすべての心理な気がします。
会社を始めるのもそうかもしれませんが、何かを始めるときには小さく始めていけば良いのです。失敗はそこでやめてしまうことです。成功するまでループを回せば、それは失敗じゃないです。成功への過程でしか無いのです!
その際には、恥をかくこともあるでしょう!でも、それで良い!権威も権限も捨てて、恥をかこう!始めてなんだから、そういうもの!
って、思える大変良い本です。
Posted by ブクログ
ビジョンの達成に向けてMVP(最小限の製品)を最適化しながら、戦略のピボットを最速で繰り返すという手法。アイデアを構築して製品に、製品をアーリーアダプターに問い、計測し、データを得、そこから学び、アイデアに反映させる。構築・計測・学習のフィードバックループ。MVPは最悪動画等でも良い。計測時には比較となるベースラインが必要。粘着型(マイクロソフトのように切り替えに莫大な労力がかかるモデル)、ウイルス型(Facebook、Paypalなど)、支出型(広告など)の成長エンジンが必要。またイノベーション条件として、①資源、②裁量権、③成果と個人的利害のリンクが必要と説いている。
Posted by ブクログ
僕はエンジニアで開発を行っている立場で読みました。とてもリーンスタートアップの考え方に共感できた。今気になっているアジャイル開発ととても似ているなと感じました。
これから僕は副業の中で起業をしようと思っているので、まずはビジョンを考えてMVPを早々に作って評価をしてもらうことを注力しようと思います。
リーンスタートアップの話は、ビジネス以外でも無駄をなくして効率的に時間を使いたい方にも向いているので、ぜひ、皆さんにもおすすめしたいと思いました!
Posted by ブクログ
起業や新規事業開発の本の王道でしょうか。これまで読んできた他の新規事業ノウハウ本の多くが、この本について触れていました。
著者はエリック・リース氏。
感想。
名著なのでしょうが、私には冗長すぎるか。海外の本は、事例をたくさん&長く挟むんだけど、要点をまとめてくれない傾向があり、この本もそうだと感じた。学習とはそういうものなのかもしれないが‥。
と思いつつも、読み終わった後で備忘録をつける過程で、学びの多い本だったことに気付かされた。
備忘録。
・スタートアップでは、世間から、不屈の努力に創造的な才能、失敗からの気づき、などの話が好まれる。違う、スタートアップは、面白くないことこそが大事だ。スタートアップは、革新的で破壊的、混沌としたものだが、それを管理しないといけない。マネジメントが大事だ。
・旧来型のマネジメント手法ではうまくいかない。十分な調査に基づく計画を信じるようなやり方は、僅かな計画の狂いで上手くいかなくなる。ロケットの開発のように。
・一方で、マネジメントの方法論を諦めて「とにかくやってみよう」とするのも上手くいかない。このケースも著者は数多くみてきたと。
・アントレプレナーは、数えきれないほどのトレードオフに直面する。その際に重要なのは、検証可能な予測が行えるようになる点。
・「スタートアップで失敗した経験から多くを学んだ」など、言うだけなら誰にでもできる。失敗を学びにとよく言われる。しかし。スタートアップにとって失敗は、大事なお金と時間、エネルギーの喪失であり、それは企業家・社員・投資家にとって何の慰めにもならない。回避できるものは回避すべき。確かに学びは大事。特に顧客についての知見を得ることは必要。逆に言えば必要な学びは顧客の知見をえることだけだったりする。それ以外の無駄は無くさないといけない。
・リーンスタートアップという名称は、トヨタのリーン生産方式にちなんだもの。カイゼン活動、パッチサイズの縮小、JITの製造と在庫管理、サイクルタイムの縮小など。
・リーンスタートアップでは、構築→計測→学習というフィードバックループを短い間隔で継続的に行う。仮説に基づいて、小さく作って、顧客候補に当てて反応を見て、そこから学習して、また次を作る。そしてどこかでピボットを考える。
・「とりあえずやってみよう」型の課題は、効果的な学習にならない可能性があること。上のサイクルが回らない懸念。
・コダックの例。①我々が解決しようととしている問題に消費者は気づいているか。②解決策があれば消費者は購入するか。③我々から買ってくれるか。④我々は解決策を用意できるか。
・学習するためには、顧客について知見を得るには、自分たちの仮説が正しいかを確認するには、外に出ないといけない。社内にはない。
・サイクルを短く回すために、構築の段階で実際に物を作らず、イメージ動画だけを用意して、顧客候補に当ててみる、という実例。
・品質100%なものを世に出すことを優先して一向に製品がリリースされないケースも、スピードを重視してリリースした商品のアフター対応に忙殺されて破綻するケースもありうる。パッチサイズは小さくし、製品に課題が見つかればラインを止めて5回のなぜで原因を特定する方法で、スピードと品質の両立を目指せ、と。
・スタートアップの成果マネジメントのポイント。行動しやすさ、わわかりやすさ、チェックしやすさ。
・ピボットの類型はわかりやすい。①製品機能の一つにズームインする、②一つの製品では部分に過ぎなかったのでズームアウトする、③顧客の変更、④ターゲット顧客の真のニーズに製品をアジャストする、⑤まずアプリケーションを作りその後にプラットフォーム化、⑥高品質少量⇔マスマーケットへの切替、⑦価値捕捉(?)、⑧成長エンジン型、⑨販売チャネルの変更、⑩同じソリューションを別の技術で提供。
・スタートアップは飢え死にしない、溺れ死ぬ。アイデアなら数えきれないほど浮かぶ。その中から大きなものに注力しないといけない。
Posted by ブクログ
リソースに限りがあるスタートアップでは、初めから完璧を目指さないほうがいい。
最低限動く状態のものを早くリリースして、顧客からフィードバックをもらうことが重要。
思えば自社サービスで新機能を追加する時、「こういう使い方の時はこれがいるかもしれない。」「この使い方をされた場合に備えて、この機能を追加しておこう」なんて考えてしまう。
そうすると予定していた工数の2〜3倍になってしまうことがよくある。
こういう時、もしもの時に備えて実装した機能は大抵使われない。YAGNIの法則を実感する。
新機能を作る段階では、顧客の希望するものを想像することはできても、100%合致したものを作るのは不可能に近い。
それよりも早く作ってフィードバックをもらってすり合わせるほうが、無駄なリソースを削除し、顧客に素早い価値を提供できる。
これからは最低限作るものをすり合わせるフェーズを取り入れていこうと思った。
Posted by ブクログ
リーンスタートアップとは、サイクルタイムの短縮と顧客に対する洞察、大いなるビジョン、大望とさまざまさなポイントに等しく気を配りながら、「検証による学び」を通して画期的な新製品を開発する方法なのである。
Posted by ブクログ
起業の教科書
筆者は自身で起業に携わった経験や起業サポートの経験から、スタートアップの成長に重要な要素を体系的に取りまとめた一冊
(個人的な学び)
顧客というのは製品を提示される前にどういうものが欲しいか分からないことが多い
→ペインポイントの特定が重要(顧客に何が欲しいかを聞いてはいけない)
重要な2つの仮説
①価値仮説
②成長仮説
仮説→検証→修正→検証
というプロセスを経てPMFを作り上げる
このプロセスの頻度をあげるためにMinimum Viable Productsが鍵となる
スタートアップの滑走路の長さ(離陸までに使える時間)はピボット(方向転換)可能な回数で数える
→検証を低コスト、高頻度で行うことで滑走路の距離を伸ばせる
Posted by ブクログ
今や事業立ち上げの超基本的な考え方。
事業立ち上げについて、「一発当てる」というイメージから「スモールスケールで検証しユーザーの声を聞きながら徐々にサービスを進化させて行く」という具体的な方法論に変わったのはリーン開発の考え方が世に出てからかと思います。
ただ依然これができず新規事業の成功確率が低い企業が多い印象です。
Posted by ブクログ
仮説検証を繰り返すことの重要性
走りながら改善を繰り返していくことの重要性に気づかされた。
最初から完璧なものを作ることよりも、出してみて反応を見ながら、細かい改善を繰り返すことが重要。
スタートアップをやる上で、一読すべき。
Posted by ブクログ
新しい仕事を始めるとき、人間の想像力なんていうものは所詮当てにならないものだから、まずやってみて、出てきた課題をつぶしていく、というのがここ何年間で染みついた自分にとって、本書はまさに我が意を得たりという感想。
このような考え方が全社的に共有化されるといいなとしみじみ思う。なかなか一つのことを始めると修正したくなくなるというのが心情というもの。まして、当初戦略を捨てるとなれば、なおさらである。個人的にも思い当たる節がある。しかし、自分に鞭を打って方向転換しなくてはならない、という思いを強くした。
「…スタートアップをうまく操縦できる方法を教えるのが、リーン・スタートアップ方式である。リーン・スタートアップでは、さまざまな仮説に基づいて複雑な計画を立てるのではなく、構築−計測−学習というフィードバックループをハンドルとして継続的に調整を行う。ピボットをいつすべきなのか、そろそろすべきなのか、あるいはまた、いまのまま方向性を維持して辛抱すべきなのかは、この操縦プロセスを通じて学ぶことができる。」
「我々の状況に同情を感じ、私がかたくなだったのかもしかたがないと思っていただけるだろうか。なにせ捨てなければならなかったのは、数カ月もかけて私がした仕事だったのだ。…私は死ぬほど働いた。それが当初戦略の要だったからだ。当初戦略を捨てて方向転換するとは、私がした仕事…のほとんどを捨てることを意味する。裏切られた思いがした。私はアジャイル開発と呼ばれる最新のソフトウェア開発手法を信奉していたが、この方法なら製品開発の無駄をなくせるはずだったのだ。それなのに、これ以上はないというくらいの無駄をしてしまった…これは本当に落ちこんだ。」
「コダックギャラリーの文化を、実験を活用するように変えようとしているのが製品担当のバイスプレジデント、マーク・クックである。
『いままでは、プロダクトマネージャーが『私はこれが欲しいんだ』』と言い、それに対してエンジニアが『じゃあ、私がそれを作りましょう』と応えるパターンでした。それに対していまは、次のような4つの問いに答えることをチームに求めています』
1 我々が解決しようとしている問題に消費者は気づいているか?
2 解決策があれば消費者はそれを買うか?
3 我々から買ってくれるか?
4 その問題の解決策を我々は用意できるか?
製品開発では途中をとばして4番目の問いへ行き、顧客自身が問題を抱えているかどうかを確認する前に解決策を作ってしまうことが多い。」
「投資家が着目したのはふたつの事実である。ひとつはフェイスブックのアクティブユーザーがサイトで過ごす時間。ユーザーの半数以上が毎日アクセスしていたのだ。これは、顧客が製品に価値を認めていることを確認する価値仮説検証のいい例である。立ち上げ期のフェイスブックに魅力を感じるもうひとつの事実は、大学キャンパスへの普及速度である。成長速度が半端ではないのだ。フェイスブックのサービスが始まったのは2004年2月4日だが、2月中にはハーバードの学生の4分の3近くが使うほどになっていた。マーケティングや広告には一銭もかけていないのに、だ。言い換えると、フェイスブックは成長仮説も検証済みだったのだ。価値仮説と成長仮説はいずれもスタートアップが必ず直面する最重要の要となる問いだ。」
「MVPについてリーン・スタートアップの実例をいくつか紹介しよう。いずれの場合も、作り込みすぎたり約束しすぎたりという衝動をいかに抑えるかがポイントだ。」
「作るのにどれだけの時間がかかったかなど、顧客は気にしない。顧客が気にするのは、自分にとっていいか悪いかである。」
「ヴぉティズンのストーリーには、あちこちに共通するパターンがみつかる。中でも重要なのは実用最小限の製品に関するスピードアップだろう。MVPを最初に作ったときは8カ月かかったが、次は4カ月、3カ月、そして最後は1カ月になった。毎回、仮説を検証したり棄却したりするのに要する時間が短くなっているのだ。
なぜスピードアップしたのだろうか。ずっと行われていた製品開発によると考えるのが普通だろう。さまざまな機能が作られ、それとともにかなりのインフラストラクチャーも作られていた。だから、方向転換する際、最初から全部を作る必要がなかったというわけだ。しかし、それだけですべてが説明できるわけではない。まず、方向転換時、製品の大半を捨てなければならないことが挙げられる。さらに、残した部分は過去を引きずったいわゆるレガシーな製品であり、会社の目標達成に適さない。製品開発をした経験のある人ならわかるはずだが、レガシーな製品に手を加えるのは大変だ。この苦労を相殺したのが、中間目標ごとにデビッドが大変な苦労をして手にいれた学びである。ヴォティズンがMVPに関するプロセスをスピードアップできたのは、その顧客や市場、戦略についてかけがえのないことを学んでいたからだ。」
「ピボットを決意したアントレプレナーに話を聞くと、ほとんどの場合、もっと早くに決断すればよかったと言われる。こうなってしまう理由は3つある。
まず第1に虚栄の評価基準から偽の認識を引き出し、自分だけの現実生きられるからだ。変えなければならないという認識自体がなくなるため、ピボットがとても決断しにくくなる。こちらがいいと皆が思っている方向と異なる道に進路を変えるのは難しく、時間もかかれば、最終的に得られる結果もあまりいいものではなくなってしまう。
第2に仮説があいまいだと完全な失敗というものもなくなるが、そうして失敗がなくなればピボットに必要な根本的な見直しをする気にならないからだ。…
第3の理由はアントレプレナーの多くが怖がっていることだ。」
「免疫系が問題を検知すると、さまざまな対応がとられる。
1 問題の元となった変更はすぐ、自動的に取りのぞかれる。
2 関連するチームのメンバー全員に問題が通知される。
3 当該チームはそれ以上の変更ができなくなる。ミスを重ねて事態をややこしくしない予防措置だ。
4 真因を発見し、問題が解決されたら変更禁止が解除される。
これはIMVUで継続的デプロイメントと呼んだ手法だが、これは動きの速いソフトウェア開発の世界でもいろいろと物議を醸している。」
3種の成長エンジン
「粘着型成長エンジンを使う企業は顧客の離反率や解約率と言われるものに注目する。…
粘着型成長エンジンのルールはシンプルで、新規顧客の獲得速度が解約速度を上回れば成長する。」
「…ウイルス型成長エンジンも、定量的に測れるフィードバックループが原動力となっている。このウイルス型ループは、ウイルス係数からその回転スピードが求められる。」
「成長速度を上げたければ道はふたつ−顧客あたりの売上を増やすか新規顧客の獲得コストを減らすか、だ。
これが支出型成長エンジンである。」
Posted by ブクログ
近年、ファストワークスの大号令がGE社内に走った。そのもとになったのがリーンスタートアップという概念。この本がGE幹部の目に留まり、大企業文化になりがちだった社内にメスを入れた。ファストワークスの話を聞いた時に「顧客の声に注目する」「敏捷に動く」ということかと認識していたが、それでは十分ではないことがわかる。注目しなければならないのは、この本でいう「革新会計」。革新会計とは1.現状認識(ベースラインの設定) 2.現状から理想状態へのエンジンのチューニング(実験&検証) 3.ピボットの決定(方向転換か辛抱か)。イノベーションを科学的なプロセスに変換したこの本の中には、起業だけではなく小さなプロジェクトマネジメントでも活用できそうなアイデアが豊富にある。必読の書籍。
Posted by ブクログ
0.この本を読む目的は何か
新規事業や、スタートアップを成功させるまたは早めに失敗することを経験するための考え方や要諦を理解する。
気になる問いと初期仮説:
・リーンスタートアップにおける戦略とは?
仮説と検証を繰り返し、戦略をアップデートすることが前提である。戦略よりも、仮説と検証のスピードを重要視する。
・ピポットと我慢の見極め方は?
ピポット前とピポット後のアイデアの比較評価により、ピポットするかどうかを決める。
・立ち上げた後に軌道に乗せるには?
仮説検証のスピードを緩めない。小回りがきく組織やプロセスを維持し続ける。
キャッシュフローが出るようになれば、規模化を目指し事業としての体制を整える。
1. この本は要するに何について伝えようとした本だと理解しましたか。また、現在の自分にとって、どのような意味があるかを考えてください。
作ってからそれが市場に受けるかどうかを確認するのではない。まず仮説を立て、その仮説があっているかどうかの検証を繰り返し、さらに仮説をアップデートしていく。このサイクルを高速に回すことが、結果として無駄な作り込みをせずに最短で事業を生み出していくことになる。
仮説を検証する際に、MVP(Minimum Viable Product)を作り、顧客に試してみる。確認する観点は、価値検証と成長検証である。
ピポットを実施するかどうかの明確な基準はない。ピポットをし損ねるよりかは、早期にピポットできる方が良いと感じた。
2.本の中で印象に残っていることは何か?
新規事業やスタートアップは、車の運転である
目的地は、固定するが、道中の道路状況により経路は変更しながら進む
MVPは、製品そのものでなくても良い。その製品が実現した様子を動画であらわすことでもMVPとすることができる。
3. 今後、何を意識し、どのような具体行動を励行していきたいですか
DX推進において、新たな取り組みをやるときは、まず仮説を立てる。その仮説(価値仮説、成長仮説)が本当かどうかを、なるべく労力をかけずに検証を行う。その検証結果を確認することで、アイデアをアップデートさせていく。闇雲に、作ってローンチすることの危険性を心得る。仮説がないと、うまくいっているのかどうかが主観的になりすぎて判断できない。
Posted by ブクログ
なにか新しい事業をしようとするときに気をつけることを話す本
小さく作る、ユーザーの反応を確かめる。そういう基礎を書いている。10年前に見たら面白かったのかも。今見てもまあそうだよねというくらいには常識的
検証による学び、学びの中間目標、成長のエンジン
構築・計測・学習、のサイクルを早く回す
①ビジョン②戦略③製品
努力のうち価値を生み出しているのはどこか
MVP:実用最小限の製品
現地・現物主義
コーホート分析・累計ではなく今の変化を確認する
最適化と学習、
評価①行動しやすさ②わかりやすさ③チェックしやすさ
ピポット①ズームイン②ズームアウト③顧客セグメント④顧客ニーズ⑤プラットフォーム⑥事業構造⑦価値補足
⑧成長のエンジン⑨チャネル⑩技術
成長のエンジン①粘着型②ウイルス③支出型
Posted by ブクログ
完成させてから走り出すのではなく、未完成でもいいから見切り発車すること。実際に反応を見ながらブラッシュアップさせていく方が遥かに効率が良いということ。
完璧主義ではなく最善主義でいこう!
Posted by ブクログ
重要なのは定量的な目標を設定することではなく、その目標を達成するための方法を整えること。
リーン生産方式(生産工程における無駄を徹底的に省くことを主眼とする)を参考に思い込みを捨てる
とし、MVPを作成する。
思い込みを捨て、実験による検証という科学的な進め方をすることがエッセンス。
Posted by ブクログ
アントレプレナーシップとは、という漠然としたものの回答を探してタイトルで手に取った本
アントレプレナーシップを身につけるためというよりは、アントレプレナーシップをもった人や企業の事例解説、方法論が多かった印象。
イノベーションアカウンティングがキーか?
あまり気が乗らず読破してませんが引き続き読み続ける
Posted by ブクログ
スタートアップのバイブルともいえるこの本をようやく読みました。
「ようやく」と言ったのは、
「まぁ、読まなくても大体言っていることはわかるし、
わざわざ今更読む必要はないかな」と思っていたからです。
読んでみた感想は、半分は当たっていたけど、もう半分は間違っていたでしょうか。
リーンスタートアップって、製品・サービスを完璧に仕上げてから、世に出すのではなく、
未完成の状態でどんどん世に出して、顧客の声を集めて、
改善していった方がより早く、より良いものができるってことでしょ、
くらいの理解しかなかったのですが、
確かにその通りなのではあるのですが、
本の中で述べられている革新会計を通して、
製品・サービスがどの程度顧客に受け入れられているのかをモニタリングしたり、
ピボットのタイミングや種類だったりは、勉強になりました。
一方、本自体は欧米の本によくあることですが、
結構冗長で結論とポイントとその実例を書いてくれていれば、
もっと分かりやすくもっとシンプルになったのではないかと思います。
リーンという考え方自体は、スタートアップ界隈では浸透しすぎて、
もはやリーンだけでは勝てなくなってきているみたいですが、
それでも原典に当たって著者の考えをトレースするのは、
この分野で仕事をする人(大企業の新規事業開発含む)にとっては一定の意味がありそうです。