森晶麿のレビュー一覧

  • 心中探偵 蜜約または闇夜の解釈

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    主人公の華影忍がなかなかの最低男。お金にも美貌にも恵まれながら死にたがり、そのくせ女癖が悪く、妻以外の女性と心中未遂。
    知らず読んだけれど、『四季彩のサロメ〜』の続編らしい。
    そちらは華影の高校時代の話らしく、『心中探偵』だけでは、彼の厭世的な感じが分かりにくかったので、やっぱり順番に読んだほうがいいかも知れない。

    物語は、主人公が行きずりの女性と服毒心中をしたところ、翌朝自分だけが目覚め、傍には見知らぬ女性が死んでいた。自分が昨夜一緒に死のうとした女性は誰なのか、事件の真相を探り始めるというもの。

    華影の性格は置いておくとして、ミステリとしては面白かった。死んだ財閥令嬢や、彼女の兄である

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    2018年04月03日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    ネタバレ

    黒猫と付き人の出会いを描いた話(2人は大学4年生)。黒猫シリーズ第4弾となる連作短編集ですが、文庫本の刊行順の通り、1作目の『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の後に読んでも問題なく読めます。
    今回も面白かった。
    付き人さんがかなり危ない目にあっていたことに驚きました。そして助けにきた黒猫の格好良いこと。黒猫さんの付き人さんへの分かりにくい想いが堪りません!

    巻末の刊行記念インタビューも黒猫シリーズを読む上で良かったと思います。

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    2018年03月23日
  • さよなら、わるい夢たち

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    2018年29冊目。社会問題に切り込みつつ、友人の失踪を探るサスペンスの側面もあり引き込まれていく。ラストは少し唐突なところがあったかな。

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    2018年04月08日
  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義

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    【あらすじ】
    でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽。日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。

    【感想】

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    2018年01月15日
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来

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    黒猫シリーズ第5弾。
    謎解きのためにイタリアへ渡った黒猫と通訳のマチルド。

    遡行する塔に関連する物語も良かった。映画に映り込んだ黒猫の姿から伝わる気持ちという演出も素敵だった。(ちょっと鈍感ぽいマチルドが気づくくらいだから)
    は~~~じれったいですな2人の関係は。奥手すぎやしませんかね 黒猫氏は(笑)なかなか進まない2人の関係を読んでいくのは結構幸せ。

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    2019年04月16日
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行

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    再読。
    今回のテーマは「時間」と「恋」。
    付き人も黒猫もそれぞれ別の地で、時間の意味を知り、恋の形を知る。そして2人の中の図式ーー原風景には2人が共に過ごした美的時間があるんだろうなあと。
    最後、黒猫のばかーっ!ってなる。

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    2017年12月06日
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義

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     実質再読。初めて読んだときは内容の半分も理解できなかったけど、今回は8割くらい。「ベレニス」と「リジイア」を読んだことも理解の助けになったのかも。
     今回は黒猫を追いかける付き人が特に多い。黒猫の過去、本当の黒猫、そして未来……。黒猫も必要な言葉が少ないけど優しい。この後の2人を知っていると更に今回のこの2人の対話は大事なものになると思った。

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    2017年11月19日
  • 心中探偵 蜜約または闇夜の解釈

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    独立しても読める物語だけれど、やはりここは事前に主人公華影忍の高校時代を描いた「四季彩のサロメまたは背徳の省察」をぜひ。

    成長した彼は新鋭の作家となり厭世感を強くしたものの、女に甘いのも性にだらしないのも相変わらず。むしろ大人になった分その行動は危うげで、女を疑う事を基本しない忍はその計略にあっさりとひっかかる。
    共に死のうと誓ったはずの行きずりの女は一人で命を絶ち、何故か生き残った忍は彼女の素性を知るために担当編集者を巻き込んで奔走する。
    彼と一夜の愛を交わした女は誰なのか。ソフトボイルドな探偵行の果てに知るその正体と行動の意味と原因はある意味とてもグロテスク。
    高校時代の事件に続き、今回

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    2017年11月22日
  • かぜまち美術館の謎便り(新潮文庫nex)

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    なかなか悲惨な事件がありながらも物語の雰囲気はかぜまちという名にふさわしいふんわり優しさの溢れた物語。

    てか、生きてたのか、嫁。

    2017.11.16
    160

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    2017年11月24日
  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義

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    ネタバレ

    黒猫の回帰の文庫版が出たので再読。最初に出会ったのは大学生の時だったので、久しぶり。

    「月まで」と「月と王様」は互いに相互的関係にあるなあと思った。そして今後の黒猫と付き人の関係にも……。

    「壁と模倣」「頭蓋骨の中で」はどちらも悲しいひとりの人間の物語だった。〈自分〉を持たなくなった青年と、〈自分〉とのせめぎ合いに苦しむ人の話。後者は生と死の相反するようで同じところにあるものという解釈を初読では持っていたので、また違う楽しみ方もできた。

    「水のレトリック」は初読では、イマイチ理解追いつかずだったけど、今回はなんとなく理解。詩的というか言葉遊びの世界というか。

    「秘すれば花」の存

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    2017年10月12日
  • 偽恋愛小説家

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    黒猫シリーズが好きで、この本を知りました。読んでみてやっぱり読みやすく面白く嬉しくなりました。次作を読むのが楽しみ。

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    2017年10月10日
  • 花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理

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    人の心が織りなす謎が解き明かされる。謎の最たるものが恋か。
    蝶子にとって、ミステリは善し悪しを他者と語らう代物ではなく、好きなものの種類くらい自分で分かっており、他のものを人から押し付けられたくないという言葉にいたく共感…。

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    2017年09月03日
  • 四季彩のサロメまたは背徳の省察

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    これが昔の黒猫...?
    と、ソワソワしながら読みました。こんなにエロティックな本だと思わなかったので衝撃でした。

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    2017年08月30日
  • M博士の比類なき実験

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    何て言うかエグ味の強いお話。救いもないし。
    M博士と黒猫の美についての議論を聞いてみたい気がするな。

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    2017年06月08日
  • M博士の比類なき実験

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    森作品の中で何度も「美」については語られているけれど、今作は割とストレートに外見の美について。
    閉ざされた孤島の研究所で美の高みを目指し整形を繰り返すM博士とその被験者達。そこで起こる殺人事件の物語。

    美しく造られた外見の描写が様々で、人工的だと分かっているが故に余計に想像力を掻き立てられる。
    真相は自分が何となく予想していた結末から更にもう一捻りされていて、真実が分かった瞬間に良い意味で背筋がゾクリとした。
    心底怖い話なのだけれど、でも惹かれてしまうのはそこにあるのが『完全な美』だから…?

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    2017年05月09日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    短編集。
    主人公である「私」と黒猫との出会いから黒猫の留学前までを描いている物語。
    「美学」に照らし合わせて黒猫は論理的にいくつもの謎を読み解いていく。
    もしかしたら好き嫌いがわかれる物語かもしれない。
    次から次へと出てくる美学にまつわる単語、いつだって抽象的な言い方しかしない黒猫。
    解体という作業によって浮き彫りになる新たな景色、新たな思考、新たな結末。
    ポオの作品を例に、黒猫と私は表層的にみえるものから、さらにその奥に眠っているかもしれないものへと思考を掘り下げていく。
    ハマる物語だった。
    読み終わった後にまたポオの作品を読みたくなるような・・・。
    もしかしたらまた違った視点でポオの面白さ

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    2017年04月26日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    2人の出会いと学生時代のはなし。
    最後のお話が素敵でした。

    にしても、キザだな、黒猫。
    教授って肩書きだと生きるキザさだけど、こんな大学生ちょっとやだw

    2017.4.18

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    2017年04月19日
  • 黒猫の回帰あるいは千夜航路

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    ネタバレ

    黒猫シリーズ。フランスから帰ってきて、近くで過ごせる。
    遠くに居て連絡が取れないと、途方もなく心配になる。不安が積み重なり、疑心暗鬼になる。黒猫の姉も出てきた。教授がなくなった。お土産をずっと渡せない人だと、知っていればそれだけで安心する。

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    2017年04月11日
  • 偽恋愛小説家

    ネタバレ 購入済み

    面白かった。

    個人的にひねくれものが好きらしい。
    童話の解釈も面白かった。これから童話は裏を考えながら読みます

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    2017年03月25日
  • 花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理

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    とりあえずトラブル体質というかそういう主人公のドタバタ劇。登場人物は基本大学生なので、非常に親近感がわく。推理にかけてあるから、日常の謎系なのかと思ったらそうではなかった。とはいえ、これはこれでおもしろく読み切れたので、よかった。

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    2017年03月17日