森晶麿のレビュー一覧
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サロメをモチーフとし、魔性の女と引き寄せられるように関わる人々が交錯し、事件にまで発展していく話。伏線も上手く絡み合っていて面白かった。
しかし『サロメ』感を強調するために官能性を強く押出しているのかも知れないけれど、同じ調子で続くので、少し辟易してしまった。しかも高校生の設定で・・。若さ故の浅知恵...続きを読むPosted by ブクログ -
今では中2病という言葉があるぐらい、中学生というのは青くて甘酸っぱくてどこかゆがんでいて悲観したりすべて見通せている気になって達観していたりする。
歪んだ時間軸の中にいる彼女彼らの青ずっぱい恋愛ミステリでした。あちこちに散らばめられている違和感のある言葉をすべて回収しているところはすごかったです。読...続きを読むPosted by ブクログ -
黒猫シリーズ第4弾。黒猫と付き人、2人の出会った頃のエピソード。
既刊の「現在」より甘い雰囲気じゃないですか~。相変わらずのニヤニヤ展開ですけれども(笑)
モントレゾール君なんて、「付き人→黒猫じゃなくて、黒猫→付き人だったんじゃないの!?」と思ってしまう箇所が色々。Posted by ブクログ -
推理とは違う酔理。酒に酔う話かと思えば様々な事に酔う話。黒猫シリーズとはまた違った主人公たちがとても良い。神酒島先輩が特に謎多き続編にて謎が少しでも減るのか増えるのか期待してしまう。風景の描写でイメージが膨らんでしまう。Posted by ブクログ
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オスカーワイルドの「サロメ」を中心に置いた推理もの。
4章からなるが、各章のテイストは少しづつ異なり、最初はオカルト風味で最後は推理風味となる。また、1章は「乳房」2章は「尻」3章は「太腿」4章は「背中」と、フェティッシュも色とりどり。全編を通じて絵画や文学それに音楽など、美学の各要素がちりばめら...続きを読むPosted by ブクログ -
私立扇央高校朗読部の主・華影忍。〈歩く女百科全書〉を自称する彼は、新入部員の後輩、通称「カラス」から、春休みに一目惚れした女生徒を探してほしいと頼まれる。だがカラスが探していたのは、「存在するはずのない」少女だった。
カラスの仄かな恋心は、嫉妬が引き起こした残酷な夏の事件、軽薄さが全てを崩壊させた秋...続きを読むPosted by ブクログ -
四作目?時系列が違う気がするがまあいいや。冒頭の謎は最後で解決する。パリと日本でおこる謎に黒猫と付き人がそれぞれ対応する。章立てで切り替わるが何処かつながりを感じさせる。黒猫の行動のヒントをつなげるとラストにつながるところが面白い。Posted by ブクログ
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黒猫シリーズ第3弾。
フランスへ渡った黒猫と、東京の付き人。2人はそれぞれに音楽家の天地逆の庭の謎、小説家の処女作に籠められた謎を解く。
2人の関係…どんだけプラトニックやねん(褒め言葉)!でも、このゆったり感が美学的なのかも。もっと美学講義を読み解けていれば、作者が言葉の端々に含ませているものを...続きを読むPosted by ブクログ -
ちょっと二人の会話が私にはレベル高すぎて理解不能な部分が多過ぎた。なんか私って物事をきちんと考えられない人間なのかと思ってしまう。
でも他に読む本のストックがなかったから無理やり頑張って読んだ的な感じです。続編はどうしようかなあ…Posted by ブクログ -
『アッシャー家の崩壊』に描かれる生と死、知覚と時間から過去と現在の恋を紐解く。
付き人は小説家の叶わなかった恋の真相を、黒猫は教授の逆さまの庭と実験音楽の関係を。日本とパリでそれぞれ経験する謎解き。付き人を慕う後輩・戸影の爛漫さは憎めなくて楽しいコンビではあったけど、やっぱり黒猫と並んで交わされるポ...続きを読むPosted by ブクログ -
仏滞在中の黒猫は、ラテスト教授からの思想継承のため、イタリアへある塔の調査に向かう。建築家が亡くなり、設計図すらないなかでなぜか建築が続いているという〈遡行する塔〉。だが塔が建つ屋敷の主ヒヌマは、塔は神の領域にあるだけだと言う。
一方、学会に出席するため渡英した付き人は、滞在先で突然奇妙な映画への出...続きを読むPosted by ブクログ -
バレエと美学の組み合わせ。最終講義なんてタイトルに入っているのでシリーズ最後かと思ったがそんなことはなく、いつも通り付き人と黒猫の関係は続いていく。今回もというかシリーズ一貫して黒猫が付き人を導いている。そもすれば上(立場的にも)に立っているが、ところどころに認め会っている感じが漂っていて研究者とし...続きを読むPosted by ブクログ
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出会いからの短編集。
出会ったころばかりかと思ったら
そうでもなかったです。
しかし初っ端からあだな確定。
まったく名前を呼ばれないのも悲しい…?
一種の記号、と言い切られそうですが。
初詣に行く道すがら、回想されていく過去。
すべてに、その話の軸になる『話』が。
少々興味はありますが、多分
読...続きを読むPosted by ブクログ -
なかなか面白かった。 テキストを解釈して、ある結論を導き出す。 このシリーズはそれを全面に出す作品ですが、今回もしっとりしていて面白かった。 派手な事件はないけど、ミステリの面白さは出ている。 よかったです。Posted by ブクログ
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ポオ作品を読んでいないものだから、黒猫の話が呪文のようでものすごく読みづらかったです。しかし、梶井基次郎の「檸檬」を絡めて論理を展開するシーンはぐいぐい面白く読めたので、ポオ作品を読んでから読み直すときっと全編めり込めるんだろうと感じました。
また装丁も登場人物もかわいらしく魅力的なので次巻も懲りず...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルから想像していた話と、何か違った。まぁ男女間のものだけが恋愛だけが恋ではないといえばそれまでだが。
「秘密の小箱」椹野道流、「花酔いロジック」森晶麿、「浮遊惑星ホームバウンド」伊与原新、「空蜘蛛」宮内悠介、「消えたロザリオ」古野まほろ、の5話収録。
2014/9/11Posted by ブクログ -
「ジャケ買い」なんて言葉がありますが、美しい装丁や言葉のリズムに惹かれて手に取る作品というものがあります。
今日、手に取った一冊はそんな一冊。
早川書房が主催する第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
24歳にして教授職につく通称「黒猫」と、同じく24歳でエドガー・アラン・ポオの研究者「付き人」が出...続きを読むPosted by ブクログ -
黒猫シリーズ第2弾。
前回の短編と違い、今回は黒猫と付き人が観に行ったバレエでのアクシデントから始まる長編。黒猫大学時代の同期、塔馬が登場。
相変わらず2人の関係はもどかしい。次作気になる。Posted by ブクログ