森晶麿のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ夢センセによる独自解釈が、童話を穢すとか貶めるとか言われても全くもって理解出来なくて、むしろぼやぼやしたある意味取るに足らないとも言える曖昧なものを、しゅんっとした価値あるきれいさに生まれ変わらせてくれるように感じてしまって
でもなんか、性格が悪い的なことをことごとく言われているので、わたしも大概らしい。。
とりあえず夢センセ本人も美しいつもりで言っているらしいので、だよねー!となった。
感覚を共有出来る訳がない、食い違わせずに共同体験として括ろうとすれば当たり障りない感想に終始せねばならない、細かい分析まで始めたら結果的に相手の底の浅さが透けて別れ話に発展しかねない、とかいう考え方も、最大級にうあー!となった。
なんて明確な言葉……。凄くしっくり来る……。
(「底の浅さ」とされちゃうといかにも性格が悪い……)
でも夢センセ、月子のことは「別れ話に発展」しないんだ。ふふ。
涙子のことだけじゃなく咄嗟に基本姿勢として受け取ってしまった「簡単に嫌いになることなんかできない」発言は、ちょっと結構意外だった。
でも納得もする。何だかんだ人間嫌いじゃない感じ。
優しいとか優れた人間性とか言われても、聡は、自分に都合の良い欺瞞を感じてしまってだめだったなあ……。
……性格が悪いからかなあ。
でもなんかすごい警戒させるし。。こわいって、裏あるって、というオーラがすごい。
一巻があんなだったし、電話の声の時点でそれにはあっさりと気付いたけれど、涙子の扱いが中々にえげつなかった。
気付く前は、かなあ……、いくらなんでもイケメン無罪にも限界があるぜ?と思うちょっとしたきもちのわるさがちらほらとあって、あああ……となった。
自分と周囲をモデルにして、平然と相手目線含む(偽)恋愛小説を書いちゃう時点で、ある程度はお察しなんだけど、
それを利用した月子関連の駆け引きはふつうに見守れるんだけど、可愛くもあるんだけど、
まあその短所が、人間味だとは思う。しかたない。(なんだかんだ良い意味で)
月子が夢センセの作品を見当外れに受け取って、それを彼に当たり前のように「わかりにくい」「信じられないくらい丁寧に書かないと最近の読者は」などと言えるのは、何というかちょっと不思議だ。
とても自分基準。ある程度読書量があるからこその自信……?いや今回は、現実と合わせて結構、たぶん、わかりやすかったぞ……?自分事だとやっぱり難しいのかなあ。
夢センセはわかって欲しい、でもわかって欲しくない、みたいなわざとさでやっていそうだし(恐らく)良いんだけどもっ。
全く面倒くさい男である。……ちょっと褒めてる。 -
Posted by ブクログ
まったく関係ないサークルに入ってしまった主人公。
それもこれも、知られたくない弱みを握られたから。
5話の日常ミステリー。
最初の話で友人を失い(?)
サークル仲間は恋仲の女性に振られたかもと嘆き
合宿先で飲み比べをさせられ
まさかの文化祭のためのサークル乗っ取りを命じられ。
最後には、ちらちらと出てきていた主人公の父親の
頑張り具合により~な見合いが。
どれもこれも、主人公は動いているような
傍観して巻き込まれているような、で
微妙にかわいそうな…という気分に。
面白いですけどw
最後に関しては、両親『一生の頼み』を
使い果たしてしまいましたが、次に使うのは
祖母とかでしょうか??
幹事長の最後のお言葉には驚きでした。
だからこそ、弱みを握れた、のでしょう。 -
Posted by ブクログ
自死を遂げたはずの芥川龍之介が、現代の田端に茶川龍之介として蘇ったという突飛な設定。
全体的に軽いノリで、茶川と弥生の掛け合いや、時代のギャップに戸惑う茶川が面白い。特に、平野レミの料理番組を見て夕飯を作ったり、こっそり村上春樹を読んでる茶川が可愛い!
髪切り婆に鬘燃やし、水風船爆弾魔、メッセンジャー潰し。同じエリアで同時多発的に起こるいくつかの奇妙な事件が、すべて繋がっていく様子は、パズルのピースがはまっていくみたいで気持ちがいい。
芥川龍之介の作品は、昔「羅生門」を読んだかなーという程度。もっとちゃんと読んでおけば、作中の羅生門の解釈も、もっと理解できたかも知れない。「羅生門」とか「蜜柑」とか、芥川龍之介の作品をちゃんと読んでみたくなった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一気に読んでぼんやりしている。
待機児童問題や、セクハラ問題や、人々の無関心が生み出すもの。田舎の人間関係。とても身近なものばかりで、背中がざわざわする。
例えば性差の問題。違和感を感じることはあるけれど、具体的に言葉にするのは難しい。そんなもの関係なく話をしているのに「女だから」「男のひとはこう」と言われると、なんだかどうでもよくなってしまう、なんてこともあるなあ。
でも、そういう感覚をなかったことにしたり、蓋をしてしまってはいけないのだ。そうやって無関心になることがいちばんダメなのだなあ、と思わされた。
「保守的なフェミニスト」って意味がよくわからないんだが、それはフェミニストというのだろうか。
結局、最後に依るものは自分しかなくて、何を信じるかも何を守るのかも自分で決めるもの。
「人に頼るな」という麻衣亜の母親の教えは、それほど悪いものでもない気がする。
麻衣亜にとって現実は悪い夢だったとして、辿り着いた場所もやはり夢の中のように思える。それでも、自分で決めて自分で選び取ったもの、ということに意味があるのだろう。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ黒猫シリーズ第6弾。
黒猫との関係性が一歩近づいたと見えた前作からあっという間に1年が経ち、無事博士の学位を授与された付き人は、未だに離ればなれの黒猫を思う日々。
そんな中、パリで起こった事故のニュースを見て心配に駆られていた付き人の前に現れたのは、帰国した黒猫だった。
「きゃ~、やっと帰ってきた~!」と完全に感情移入して思わず脚をバタバタ。
これで、二人の仲は一気に進むか!と期待したもののそこはこの二人、なかなか進まないのがじれったい。
だけど、第1弾からずっ~と見守ってきた二人が、一歩ずつだけど確実に想いを深めている姿に、胸が熱くなる。
もはやポオの作品に絡めた6つの謎なんてそっちのけで二人のシーンだけを楽しむのは、このシリーズの常です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ黒猫シリーズ第4弾にして、エピソードゼロとなる「黒猫」と付き人である「私」の出会いを描く学生篇。
第1弾の頃に比べると肩の力が抜けて文体も論理展開もシンプルになったと巻末掲載のインタビュウで作者が言うように、昨日読んだ「黒猫の遊歩・・・」よりはわかりやすくて楽しめた。
それでも今回も、事件の謎解きよりも「黒猫」と「私」の関係性にドキドキ、やきもき。この二人、これからどんな関係性になっていくのか楽しみで仕方がない。
とはいえ作者自身は「相手と自分について深く考えながら、距離を調節するのが恋愛」と言っているから、これからもやきもきは続きそう。