森晶麿のレビュー一覧
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黒猫シリーズの第8弾は、大学教授と付き人という関係から一歩踏み出した「黒猫」と「私」が巡り会った5つの謎。今世の中で話題になっている事件や事柄を彷彿とさせるところが面白くて、いつになくとっつきやすい。
「本が降る」・・・薬物所持で逮捕された天才詩人。彼が違法行為を働いたことで、彼の作品は貶められるのか。「作品に罪はない」という昨今、芸能人が逮捕されるたびに繰り返される言葉に、黒猫が独自の解釈を施す。
「鋏と皮膚」・・・黒猫の姉・冷花さん登場。姉弟の信頼感が感じられる。黒猫って、やっぱり子供の頃から鋭くて、賢かったのね~
「群衆と猥褻」・・・黒猫が担当した「芸術の不発展」のある展示が不敬であると、中止を求められた。これって、あいちトリエンナーレの問題と同じ。「正論で誰かを叩けるほど我々は正解を持ち合わせていない」という黒猫の言葉が重い。
「シュラカを探せ」・・・ゲリラ的に表れて落書き的に作品を残していく覆面アーティスト・シュラカを探す話。これって、やっぱりバンクシーを思い出す。話題性や社会的メッセージばかりが作品の芸術的価値に先んじて語られる現実。それって・・・
「贋と偽」・・・贋作とオリジナルについて。贋作だからといってその作品を見て感じた感動を否定されるものではない。これって、先日読んだ「月と太陽の盤」でも話題になっていたな~。贋作であっても偽物ではない。ん~くらくらする。
そして、最初から最後までツンデレな黒猫と、意外と落ち着いて黒猫愛を育んでいる私の静かで、でもベタ甘な関係に今回もキュンキュンしながら読み終えた。
それにしても、森博嗣の犀川先生と西之園萌絵もそうだけど、どうして若き教授(准教授も)と教え子(付き人も)という関係にこれほど萌えるんだろう~。
このシリーズはまだまだ続いて欲しいな・・・ -
Posted by ブクログ
著者が浜松湖東高校出身で話の舞台が浜松で、神間智博君が森君は後輩だから読んでみて~って推薦してたから読んでみた。
最初から最後まで浜松が舞台のハードボイルドだね。
ハードボイルドといっても殺人や死体は出てこない。
恋愛小説と言ってもいいくらい。
映画の「探偵はBARにいる3」の小説化をしたのもこの著者。
私は2012年1月に 東直己著 「探偵はバーにいる」 も読んでるけどあまり良い印象はない。
私はハードボイルド系はあまり好みじゃないので、良かったよ~とはならなかった。
還暦過ぎたおっさんがハードボイルドって事もないしね。
まあ、浜松の人で若い男性なら読んでみてもイイかも。
あ、いやいや、浜松出身の作家さんなんてなかなか居ないから、是非読んでみてください。(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ夢センセによる独自解釈が、童話を穢すとか貶めるとか言われても全くもって理解出来なくて、むしろぼやぼやしたある意味取るに足らないとも言える曖昧なものを、しゅんっとした価値あるきれいさに生まれ変わらせてくれるように感じてしまって
でもなんか、性格が悪い的なことをことごとく言われているので、わたしも大概らしい。。
とりあえず夢センセ本人も美しいつもりで言っているらしいので、だよねー!となった。
感覚を共有出来る訳がない、食い違わせずに共同体験として括ろうとすれば当たり障りない感想に終始せねばならない、細かい分析まで始めたら結果的に相手の底の浅さが透けて別れ話に発展しかねない、とかいう考え方も、最大級にうあー!となった。
なんて明確な言葉……。凄くしっくり来る……。
(「底の浅さ」とされちゃうといかにも性格が悪い……)
でも夢センセ、月子のことは「別れ話に発展」しないんだ。ふふ。
涙子のことだけじゃなく咄嗟に基本姿勢として受け取ってしまった「簡単に嫌いになることなんかできない」発言は、ちょっと結構意外だった。
でも納得もする。何だかんだ人間嫌いじゃない感じ。
優しいとか優れた人間性とか言われても、聡は、自分に都合の良い欺瞞を感じてしまってだめだったなあ……。
……性格が悪いからかなあ。
でもなんかすごい警戒させるし。。こわいって、裏あるって、というオーラがすごい。
一巻があんなだったし、電話の声の時点でそれにはあっさりと気付いたけれど、涙子の扱いが中々にえげつなかった。
気付く前は、かなあ……、いくらなんでもイケメン無罪にも限界があるぜ?と思うちょっとしたきもちのわるさがちらほらとあって、あああ……となった。
自分と周囲をモデルにして、平然と相手目線含む(偽)恋愛小説を書いちゃう時点で、ある程度はお察しなんだけど、
それを利用した月子関連の駆け引きはふつうに見守れるんだけど、可愛くもあるんだけど、
まあその短所が、人間味だとは思う。しかたない。(なんだかんだ良い意味で)
月子が夢センセの作品を見当外れに受け取って、それを彼に当たり前のように「わかりにくい」「信じられないくらい丁寧に書かないと最近の読者は」などと言えるのは、何というかちょっと不思議だ。
とても自分基準。ある程度読書量があるからこその自信……?いや今回は、現実と合わせて結構、たぶん、わかりやすかったぞ……?自分事だとやっぱり難しいのかなあ。
夢センセはわかって欲しい、でもわかって欲しくない、みたいなわざとさでやっていそうだし(恐らく)良いんだけどもっ。
全く面倒くさい男である。……ちょっと褒めてる。 -
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まったく関係ないサークルに入ってしまった主人公。
それもこれも、知られたくない弱みを握られたから。
5話の日常ミステリー。
最初の話で友人を失い(?)
サークル仲間は恋仲の女性に振られたかもと嘆き
合宿先で飲み比べをさせられ
まさかの文化祭のためのサークル乗っ取りを命じられ。
最後には、ちらちらと出てきていた主人公の父親の
頑張り具合により~な見合いが。
どれもこれも、主人公は動いているような
傍観して巻き込まれているような、で
微妙にかわいそうな…という気分に。
面白いですけどw
最後に関しては、両親『一生の頼み』を
使い果たしてしまいましたが、次に使うのは
祖母とかでしょうか??
幹事長の最後のお言葉には驚きでした。
だからこそ、弱みを握れた、のでしょう。 -
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自死を遂げたはずの芥川龍之介が、現代の田端に茶川龍之介として蘇ったという突飛な設定。
全体的に軽いノリで、茶川と弥生の掛け合いや、時代のギャップに戸惑う茶川が面白い。特に、平野レミの料理番組を見て夕飯を作ったり、こっそり村上春樹を読んでる茶川が可愛い!
髪切り婆に鬘燃やし、水風船爆弾魔、メッセンジャー潰し。同じエリアで同時多発的に起こるいくつかの奇妙な事件が、すべて繋がっていく様子は、パズルのピースがはまっていくみたいで気持ちがいい。
芥川龍之介の作品は、昔「羅生門」を読んだかなーという程度。もっとちゃんと読んでおけば、作中の羅生門の解釈も、もっと理解できたかも知れない。「羅生門」とか「蜜柑」とか、芥川龍之介の作品をちゃんと読んでみたくなった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一気に読んでぼんやりしている。
待機児童問題や、セクハラ問題や、人々の無関心が生み出すもの。田舎の人間関係。とても身近なものばかりで、背中がざわざわする。
例えば性差の問題。違和感を感じることはあるけれど、具体的に言葉にするのは難しい。そんなもの関係なく話をしているのに「女だから」「男のひとはこう」と言われると、なんだかどうでもよくなってしまう、なんてこともあるなあ。
でも、そういう感覚をなかったことにしたり、蓋をしてしまってはいけないのだ。そうやって無関心になることがいちばんダメなのだなあ、と思わされた。
「保守的なフェミニスト」って意味がよくわからないんだが、それはフェミニストというのだろうか。
結局、最後に依るものは自分しかなくて、何を信じるかも何を守るのかも自分で決めるもの。
「人に頼るな」という麻衣亜の母親の教えは、それほど悪いものでもない気がする。
麻衣亜にとって現実は悪い夢だったとして、辿り着いた場所もやはり夢の中のように思える。それでも、自分で決めて自分で選び取ったもの、ということに意味があるのだろう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ黒猫シリーズ第6弾。
黒猫との関係性が一歩近づいたと見えた前作からあっという間に1年が経ち、無事博士の学位を授与された付き人は、未だに離ればなれの黒猫を思う日々。
そんな中、パリで起こった事故のニュースを見て心配に駆られていた付き人の前に現れたのは、帰国した黒猫だった。
「きゃ~、やっと帰ってきた~!」と完全に感情移入して思わず脚をバタバタ。
これで、二人の仲は一気に進むか!と期待したもののそこはこの二人、なかなか進まないのがじれったい。
だけど、第1弾からずっ~と見守ってきた二人が、一歩ずつだけど確実に想いを深めている姿に、胸が熱くなる。
もはやポオの作品に絡めた6つの謎なんてそっちのけで二人のシーンだけを楽しむのは、このシリーズの常です。