森晶麿のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
黒猫の渡仏から半年。付き人は日本で、とある女流作家のデビュー作の解体作業のために、彼女にインタビューを行う。そこで聞いた、彼女のひとつの恋とそれにまつわる謎がデビュー作の構造に深く関わっていることを知り、その秘密を解いていく。
一方黒猫は、パリで、恩師の孫娘から、とある音楽家の音色が変わった原因を調べてほしいと頼まれる。
日本とパリで、二つの謎を解く二人。二つの謎の鍵は、ポオの「アッシャー家の崩壊」が握っている。
黒猫シリーズ第三弾。
付き人の章と黒猫の章が交互に挟まれている。
唐草教授とか戸影くんとかの作家綿谷埜枝さんとか、日本側のキャラクターがとっても魅力的だった。ラテスト教授もかわいい -
Posted by ブクログ
ネタバレ黒猫と付き人がバレエ『ジゼル』を鑑賞中、ダンサーが倒れるハプニングが発生した。五年前にも同じ舞台、同じ演目で、バレリーナが死亡する悲劇が起きていた。 ガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と、二つの次元の関連を気にする付き人。しかし何やら隠し事をしているらしい黒猫は、関わらないように忠告するだけだった。
仕方なく付き人は一人で事件に挑むが……。
黒猫シリーズ2作目。
今回はバレエがメイン。謎と、進展はしないけど恋愛要素もかなり高め。
相変わらず文章が美しく、透明度が高い。美学談義も謎も、ひとつの作品を構成するための要素でしかない、というほどのまとまりを感じる。
しかし、その分、登場人物