森晶麿のレビュー一覧

  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義
    世界観が美しすぎて...!解説にもありましたが、こんなに上品という言葉が似合う小説は他にないと思います。美学の話が分からなくても、雰囲気だけでも楽しめます。
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス
    短編集
    相変わらず楽しませてくれる作品
    灰島教授が出てくる作品も含まれているとは…
    黒猫シリーズを読むと読書をする際に背筋が伸びる気がします(笑)
  • 黒猫と語らう四人のイリュージョニスト
    え、マジですか?マジですか?

    個々の物語も結構好きだったんだけど最後の衝撃で全部持って行かれた。

    ぶどうのうたのエピソードが一番好きかな。
    でも少年の美しさを切り取ろうとしたあのエピソードの苦々しさもなんとも言えん。

    しかしこの終わりが実に受け入れ難い。
    黒猫に置いていかれたのは私たちだ。
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  • 黒猫と歩む白日のラビリンス
    現代芸術をテーマに話が進む。
    芸術と言っても、絵画だけでなく、詩や服飾、パフォーマンス…。アートと芸術の違い。
    深く考えたことなかった分野だったからそういう考え方があるんだと新鮮な気持ちで読んでた。贋作とオリジナルなんてわたしには見比べることはできない。きっと贋作でもら感動しそう。何が真実なのかなん...続きを読む
  • 黒猫のいない夜のディストピア
    灰島浩平〈ハイエナ〉とのテクスト解体もグロテスクや反美学と新しい単語が多くて苦戦したけど、やっぱり謎は恋愛関係。母と都市開発。途中の幕間の母からの愛がとてつもなく心打たれる。
    灰島の影響で読んでる時にドーナツ食べたくなった。

    なんとなく、竹取物語や印鑑から、え?もしかして??って思ってたけど、最後...続きを読む
  • 黒猫と語らう四人のイリュージョニスト
    衝撃の結末という言葉がぴったりですね。

    第1話から第4話を読み進める中で、1つ1つの話を楽しみながら読み、最終話で一気にもっていかれる感じがしました。第1話で黒猫がかつて言った言葉を付き人が思い出していましたが、最終話に出てきた黒猫の言葉と繋がっているのでしょう。私自身も好きな言葉です。

    ここま...続きを読む
  • 偽恋愛小説家
    御伽話の解釈の仕方に驚いた。シンデレラや眠り姫・人魚姫だったり…。担当編集者の月子は、恋愛小説家である夢宮宇多のデビュー作「彼女」に惚れ込む。しかし、夢宮宇多に突如偽疑惑がかかる。小説の内容と現実が重なっていることが疑惑の根源になっている。夢宮宇多は恋愛小説家なのか、あるいは偽恋愛小説家なのか。
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス
     現代アートをめぐる謎について、黒猫と付き人が迫る。1つの話で、付き人がシャーロックホームズ・灰島がワトソンとして書かれていた。ワトソンである灰島が、気づかずにヒントを出しすぎていて、シャーロックホームズである付き人に指摘されるところが面白かった。アートに含まれる意味が、大衆に伝わるものもあれば、本...続きを読む
  • 黒猫のいない夜のディストピア
    今巻から黒猫シリーズ第2期が始まりました。読者としては嬉しいです。付き人が、自分と似ている女の人を街中で見かける所から、話が始まります。今回も黒猫との美学論議になるのかと思いきや、2人の関係には何か蟠りがるようです。黒猫に変わって、反美学研修者の灰島浩平が現れます。最後は、驚きの結果に繋がっていまし...続きを読む
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来
    フランスにいる黒猫とイギリスにいる付き人。何の偶然か、イタリアにある「遡行する塔」で出会う。黒猫の隣にいる女の人には嫌いだな。黒猫と付き人の会話がたくさん見たい。イタリアで過ごす夜に、黒猫と付き人がお酒を飲みながら会話をするシーンは目が離せなかった。2人だからこそ出来る、想いの探り合いみたいなものが...続きを読む
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行
    フランスにいる黒猫と日本にいる付き人。それぞれは関係ないように思うが、最後に、1つのcotton roseという花によって繋がる。フランス・日本と場面が交互に変わり、対比しつつも話の繋がりに目が離せない。

    時の流れを意識した作品のように感じた。音楽が時を経て変化したり、薔薇の色が時間をかけて変わっ...続きを読む
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導
    黒猫と付き人が出会う話。お互いに意識しているように感じる表現が、ところどころ読み取れた。付き人は博士課程に進むのか悩み、自分の研究に自信が持てないでいたが、黒猫との出会いが付き人の行く方向を定めていく。論文や研究に対する黒猫の考え方を知ることができて興味深かった。

    私も数年後には、卒業論文を書かな...続きを読む
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    幸いにも雪の女王は読んだことがあったので、予備知識はありました。
    このシリーズは、夢センセによるおとぎ話の解体、新解釈が面白いのですが、今回は編集者側のお話があったのが良かったです。ロマンスもあってドキドキさせてくれるのも◎。ミステリもありロマンスもありっていうのは、つまり夢センセは森先生のことなの...続きを読む
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
     今回の童話のテーマは「雪の女王」。そして、夢センセと月子のコンビも解散かと思ってましたが「最後の嘘」にそんな仕掛けがあるなんて、素敵なラストでした。

     事件の方は切ない展開でしたが、月子の英断が格好良かったです。
     このシリーズも好きなので、続編読みたいです。
  • Voyage 想像見聞録
    気兼ねなく、旅行ができなくなってから、どれだけの月日が流れただろう。ほんのたまに行く旅行でさえ、近場であっても感じてしまう後ろめたさ。

    現実に旅行ができなくても、家の中での読書なら、マスクを外してできるという気持ちで読みはじめましたが、とんでもない異世界が待ち受けていました。


    個人的なオススメ...続きを読む
  • 人魚姫の椅子
    杏の中の優先順位があからさまに出ている。
    ①自分の想い、空想の世界
    ②彗斗の尊厳
    ③翠の命
    一般的には翠の安否が最優先のはずだけど、杏は空想の世界のことばかり考えている。
    現実世界じゃなくて、自分の世界を守ることに必死なのかな、と思った。
    翠の行方を気にしつつ、どうせもう死んでいるだろうと半分決めつ...続きを読む
  • 歌舞伎町シャーロック 囚人モリアーティ 解放のXデー
    アニメの描かれなかった空白の時間のお話し。小説を読む前に、アニメを見てからの方が断然内容が入り易いかな、と思う。もちろん、ひとつの物語として読むのも良いが、アニメを見ておくと張り巡らされた伏線がモノの見事に回収される。わたしはこのモリアーティが愛しくてたまらない。心に穴の開いたティーポットを持ってい...続きを読む
  • 沙漠と青のアルゴリズム
    SF

    『分岐世界』
    ストーリー★5
    ボリューム★5
    満足度★5

    ゲーム ドラッグオンドラクーン、ニーアオートマタが好きな方にも超おススメです。

    内容に触れると面白さが激減してしまうと思ったので、こんな形式の紹介にしてみました。
  • 四季彩のサロメまたは背徳の省察
    再読。原田マハのサロメを読んだ後、一番にこれを読みたくなった。
    私はこれでサロメを初めて知った。
    そしてやっぱり思う。私にとってはこれこそがサロメ。
    「サロメさながらに、死よりも恋に価値を置く者にしかできぬ、命を賭した恋の駆け引き。」


    改めて読むと、題名の通り本当に四季彩に溢れていることに気づい...続きを読む
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス
    最初のふたりのシーンからにやにやが止まらず、マスクしててよかったと思いました。もやもやしてる付き人もずっとプレゼントするために準備してた黒猫も可愛いです。謎解き面も付き人は成長が見られているし、このまま進めばひとりで解決出来る日もくるのでは。黒猫も追いついてくるのが楽しみであり、でも頼ってほしい部分...続きを読む