森晶麿のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ある日配達で訪れたタワマンで
住人と生活を入れ替えることになった主人公。
そこで出会った、初恋の女性。
何不自由なく一変する主人公の生活。
それは幸せなのか。
次第に失い始める感情。
生活を入れ替えたことで主人公は何を得るのか。
恋愛小説なのか?
読み始め、やらかしたと思った。
恋愛小説は得意ではないから。
しかし読み進めるうちに
タワマンの住人への不快感、恐怖心。
初恋の女性への猜疑心、違和感。
いくつもの黒い感情に押し潰されそうになった。
これはミステリーなのか?
エピローグで伏線回収してくれなければ、
黒い感情はずっと居座ったままだったかもしれない。
ある意味、皆が加害者で被害者だった。
タワマンからしか見えない景色もあれば
自転車を漕いでいなければ見えない景色もある。
何が成功で何が失敗なのか。
人間の儚い部分と嫌な部分を見たような気がした。
読後、感想を誰かに伝えたいと強く思った作品は久しぶりかも。
ネタバレしたくないけど話したい。
だからまずは読んで欲しい。
間違いなく私の今年の推し本の1冊になった。
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Posted by ブクログ
帯に一切の前情報を断ってお読みいただくことを推奨しますとあった通り、前情報を一切入れずに読んだら最後の最後に「え?」「ん?」と数秒は理解に時間かかったけど、「え、そーゆうことか!」と面白すぎた!
読んでる途中は結構、ハラハラさせられる部分もあったりタワマン世界という自分には全く持って無縁の世界観で繰り広げられる事柄にのめり込んでました。
予期せぬ結末というか騙されたというか……
テンポ感がよく、先がとにかく気になる作品だった!
これは時間ある時に読み返したらさらに面白いだろうな〜と個人的に思える作品!
2度楽しめる作品になりそうなので、またじっくり読みたい! -
Posted by ブクログ
20代後半を迎えた青年がある日偶然高校時代に思いを寄せていた女性と再会し、そこから始まる物語
読み終えたあと表紙を改めて見返して
「あの日、タワマンで君と」というタイトルが、たしかに相応しい作品だとしみじみ。
作品を読み進めていて「映画の『 太陽がいっぱい』を思い出すようなキャラ設定だな」なんて考えていたら
実際に作中でも「太陽がいっぱい」に触れているシーンが出てきて
「後に同じ原作でリメイクした『 リプリー』で覚えてる人の方がきっと多い、『 太陽がいっぱい』で記憶している人って少数派」と語られているけれど、自分は『 太陽がいっぱい』で覚えてる方です、、少数派なんだな笑
『 太陽がいっぱい』の主人公はその手に「太陽」を掴みとったけれど、この小説の主人公は…さて? -
Posted by ブクログ
帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーには必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。さあ、個別にコメントしよう。
〇 国境の子/宮内悠介
講談社の短編集「国家を作った男」で既読。何回読んでも心に染み入る作品。主人公が大人しいだけに、その範囲内での気持ちの揺れ動きが小さい所が逆に心に引っ掛かる。
〇 月の高さ/藤井太洋
劇団の舞台美術スタッフと星座との関係でほんのわずかながらにSFのにおいがするが、話の流れは至って普通の話。
〇 ちょっとした奇跡/小川哲
既読。初めて読んだ時にはかなりインパクトを受けたが、2回目ともなるとインパクトは皆無。逆に言うと、もう完璧に完成された作品であるとも言える。
〇 水星号は移動する/深緑野分
設定は宇宙旅行も簡単にできる未来社会。その未来社会でも下層社会で生きる人もいる。キャンピングカー、いや移動式の旅館「水星号」に搭乗、いや宿泊する人達とのなんでもないやり取りが実に面白い。
〇 グレーテルの帰還/森晶麿
立派な推理小説。「旅」というイメージよりも、人生の旅のようなイメージ。最大の賛辞を述べるならば、ミニ松本清張っていう感じ?
〇 シャカシャカ/石川宗生
まずは「シャカシャカ」が何であるか考えることから始まる。最初のシンガポールが何故4番なのか判らないまま読み始める。その後、それらの意味が判る。山田太一の「終りに見た街」が激しく連続して起こると言えば良いのだろうか・・・結末は全然違うけど。この作品が一番SFっぽくてとても楽しめた。素晴らしい作品だ。
裏表紙の解説で知ったが、この文庫本は「Voyage想像見聞録」の改題だった。そういうことか。