森晶麿のレビュー一覧

  • M博士の比類なき実験
    何て言うかエグ味の強いお話。救いもないし。
    M博士と黒猫の美についての議論を聞いてみたい気がするな。
  • M博士の比類なき実験
    森作品の中で何度も「美」については語られているけれど、今作は割とストレートに外見の美について。
    閉ざされた孤島の研究所で美の高みを目指し整形を繰り返すM博士とその被験者達。そこで起こる殺人事件の物語。

    美しく造られた外見の描写が様々で、人工的だと分かっているが故に余計に想像力を掻き立てられる。
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  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導
    短編集。
    主人公である「私」と黒猫との出会いから黒猫の留学前までを描いている物語。
    「美学」に照らし合わせて黒猫は論理的にいくつもの謎を読み解いていく。
    もしかしたら好き嫌いがわかれる物語かもしれない。
    次から次へと出てくる美学にまつわる単語、いつだって抽象的な言い方しかしない黒猫。
    解体という作業...続きを読む
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導
    2人の出会いと学生時代のはなし。
    最後のお話が素敵でした。

    にしても、キザだな、黒猫。
    教授って肩書きだと生きるキザさだけど、こんな大学生ちょっとやだw

    2017.4.18
  • 黒猫の回帰あるいは千夜航路
    黒猫シリーズ。フランスから帰ってきて、近くで過ごせる。
    遠くに居て連絡が取れないと、途方もなく心配になる。不安が積み重なり、疑心暗鬼になる。黒猫の姉も出てきた。教授がなくなった。お土産をずっと渡せない人だと、知っていればそれだけで安心する。
  • 偽恋愛小説家

    面白かった。

    個人的にひねくれものが好きらしい。
    童話の解釈も面白かった。これから童話は裏を考えながら読みます
  • 花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理
    とりあえずトラブル体質というかそういう主人公のドタバタ劇。登場人物は基本大学生なので、非常に親近感がわく。推理にかけてあるから、日常の謎系なのかと思ったらそうではなかった。とはいえ、これはこれでおもしろく読み切れたので、よかった。
  • 花酔いロジック 坂月蝶子の恋と酔察
    田舎もんなので、東京の大学っていうだけでなんとなく感情移入できない部分もなくはないが(笑)、キャラクターはぶれないし、酔っ払いへの無駄な敬意とでも言うんでしょうかね。これぞ大学生という日常も感じられるので、好きな作品。
  • 俗・偽恋愛小説家
    続きもあるかなぁ?
    前回に続き童話の解釈が好きです。あれがいちばんの魅力。

    聡がどうしてもとってつけたようなキャラで好きになれませんでした。スパイスにもならない。
    でも、カエルの王子様の話はなかなか残酷な結末でしたね。よくトラウマにならなかった月子。

    ラプンツェルの大御所歌手にはかなりスパイス効...続きを読む
  • 人魚姫の椅子
    椅子職人と小説書きの物語であり、作り手が創り出す物語。
    「つくる」こととは。物語が進むにつれて、グイグイと引き込まれていった。森晶麿さんも話していたけれど、ミステリー要素は少なくて異質。その分また違う世界が生み出されてるなって思った。
    森晶麿さんがブログで書いていたセルフライナーノーツもまた読みたい...続きを読む
  • 偽恋愛小説家
    結構面白くて一気読み。
    ストーリーも楽しめたけど、それより童話の解釈が面白かった。
    続きも読む!

    2017.3.6
  • 人魚姫の椅子
    青春と淡い恋心の小説家と思いきや、後半のミステリー感と真実の切なさに心がぎゅーっとなりました。

    途中でもしかして…と思ったことの斜め上をいってしまって…

    途中で少し、桜庭一樹さんの小説『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』を思い出しました。

    でも随所に家族の愛とか青春の甘酸っぱさがあるのがすごく良か...続きを読む
  • 俗・偽恋愛小説家
    やったね続編。

    今回も童話の解体が面白い。

    そしてセンセと月子ちゃんが…いい。

    前作読んでから結構経ってたから覚えてるかなーとか思ったりもしましたが、ばっちりでした。

    前作読んでない人も童話の内容覚えてない人も楽しめるのではないかなー。

    それにしても森さんの本は不思議なくらいグングン読めて...続きを読む
  • 僕が恋したカフカな彼女
    カフカの解釈を上手いこと物語に嵌め込んでいた。強引な感じもなく、ストーリー作りの巧みさが光る。まぁ、カフカは読んだことないし、読む予定もないですが。
  • 人魚姫の椅子
    恋心から始まる失踪事件の物語は作中作含めて薄い紗に包まれた様に幻想的でどこか浮遊感があるのに、ある意味シビアで少し残酷でもある。
    以前から思っているけれど、森先生が十代少年少女の自意識過剰だったり独善的だったり利己的だったりする部分を書くとザクザク刺さる…。
  • 黒猫の回帰あるいは千夜航路
    黒猫シリーズ第6弾。パリで起きた事故に黒猫が巻き込まれたのではないかと、心配する付き人…と言うところから始まる、連作短編集。本編では、長編が続き、パリと日本で離れていた2人の関係を描いていたが、今作では黒猫が帰国。2人の距離も縮まり、疑心暗鬼で読み始めたシリーズも、すっかりはまってしまった。ラストか...続きを読む
  • 花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理
    何かいい。
    自分がら大学生だったら、遠くから眺めてるだろうけど。
    ささいな謎があって、ほんわかと解き明かされる話。
    まだまだ蝶子の飲んべぇな大学生活は続きそうである。
    それにしてもこの作者、黒猫と同じ人の作品とは、初見ではわからないかも。
  • 俗・偽恋愛小説家
    作家が語る童話の解釈が好き。特にカエルの王様は驚いた。王女様に投げつけられる解釈に納得させられてしまう。作中作は今回も恋愛小説と見せかけて実は…という偽っぷり。続ではなく俗なのもいい!
  • 俗・偽恋愛小説家
    童話の解釈が面白い。盲点を突かれるというか、よくもまぁこんなことが思い付くなと感心。特に「かえるの王様」の解釈とそれを含めたオチは何ともやりきれない気持ちにさせてくれる。
  • 偽恋愛小説家
    連作ミステリ。
    シンデレラ、眠れる森の美女、人魚姫、美女と野獣、ロマンチックな話の別解釈と現実の世界でのミステリがリンクして面白く読むことが出来た。特にシンデレラはガラスの靴に主観を置くという考え方が面白かった。
    恋愛小説の部分はエッセンス程度でほぼ本格ミステリ。