森晶麿のレビュー一覧

  • 四季彩のサロメまたは背徳の省察

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    再読。原田マハのサロメを読んだ後、一番にこれを読みたくなった。
    私はこれでサロメを初めて知った。
    そしてやっぱり思う。私にとってはこれこそがサロメ。
    「サロメさながらに、死よりも恋に価値を置く者にしかできぬ、命を賭した恋の駆け引き。」


    改めて読むと、題名の通り本当に四季彩に溢れていることに気づいた。
    初読ではストーリーを追いかけるのに精一杯で、しかもそれで満足してしまっていたからなあ。

    今回、出てくる絵画もきちんと調べながら読んだけど、結構知っているものも多くて、自分の趣味がまたさらに深まった。

    次に読む時は、月と陽光、曇りなど、空の描写に注意してみようかな。

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    2021年02月25日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    ネタバレ

    最初のふたりのシーンからにやにやが止まらず、マスクしててよかったと思いました。もやもやしてる付き人もずっとプレゼントするために準備してた黒猫も可愛いです。謎解き面も付き人は成長が見られているし、このまま進めばひとりで解決出来る日もくるのでは。黒猫も追いついてくるのが楽しみであり、でも頼ってほしい部分もあるでしょう。
    まだまだふたりを見ていたいので、ずっと続いてほしいです。

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    2021年02月18日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    ネタバレ

    駆け抜けるように読むのは惜しく、少しずつ味わうように読んだ。色や匂い、ドーナツの甘さが小説のスパイスになっているように思う。
    誰と過ごしたいか、あるニュースを自分はどう解釈するのかをじっくり考えてみたくなった。ミステリーでもあり少し自己啓発の要素もあると思う。読む人の背中を押してくれるような小説だった。黒猫と彼女の会話だけの見開きがあり、言葉で二人の距離を確かめ合うシーンに美しさを見た。この二人なら大丈夫だと思うし、これからも二人の歩みを見たい。

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    2020年12月17日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    黒猫と付き人の美学の物語。
    今回は「ポー」の短編に擬えた考察。短編。
    それにしても、二人の関係が一歩ずつ近寄って来ていることが微笑ましい。
    相変わらず、クセの強い人間は登場するし、心穏やかに対処出来ないことも。
    だけど、黒猫が付いていれば大丈夫。なるほど、解決!

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    2020年11月28日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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     付き人と黒猫の関係が、一方的に頼るのでは無く、付き人の自立が好ましかった反面、前回での結婚が保留のままで寂しい。
     相変わらず付き人に甘い黒猫が可愛いです。

     黒猫の姉・冷花のデザイナーとしての原点が素敵です。ここで大手に誘われてもなびかないのが冷花らしいかな。

     灰島と付き人のコンビも中々板に付いてきた気がしますが、やっぱり黒猫とのコンビで動いて欲しかったです。少しでも黒猫と対等であろうとする付き人の向上心と焦りだったけど、やっぱり隣に居てくれる安心感がほんわかしました。

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    2020年11月18日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    ネタバレ

     発売日当日に買い、ちょっとずつ読み進めてようやく。一言でいうなら「黒猫シリーズはいいぞ~」。
     今回もポーの作品が絡んでいるのは嬉しい。しかも「黒猫」は遊歩でも扱ってましたね……。そして今回は割と最近の話題やニュースを取り扱ったものが下敷きになっているので、黒猫シリーズの中では取っ付きやすい1冊。

    「本が降る」
     奇しくも読んでいるときにTOKIOの元メンバーが捕まるという……。太宰治も同じようなことを書いていたし、どうしても太宰が好きっていうとなんか暗い?自殺しそう?みたいに感じられる(最近はそんなことなくなってきてるけど)と思ってたから、黒猫の言葉は救われた気になった。
     誰かの代わり

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    2020年10月03日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    シリーズとは知らずにタイトルと表紙に惹かれてこちらから読んでしまいましたが、面白かったです。
    黒猫が甘くて悶えました。これは惚れちゃう。
    第一弾から全部読もうと思います。

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    2020年09月20日
  • 探偵は絵にならない

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    治一郎のバームクーヘン食べたい!出てきた匂い嗅いでみたい!最後に蒼が絵を描き始めていたときの熱量がとても好き。ハードボイルドは全然触れたことがない分野だけれども興味が惹かれました。

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    2020年03月23日
  • 偽恋愛小説家

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    大好きなグリム童話の話が絡めてあってすごく面白かったです✨
    そういう視点で見れるなんて!?と何回も驚きました。
    いろんな視点から見るグリム童話の話が好きなので面白かったです。

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    2019年11月23日
  • 四季彩のサロメまたは背徳の省察

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    黒猫シリーズにどはまりしたので森晶麿さんのをひたすらよんでた。
    森さんのツイートで気になった、忍さま。
    カラスと出会えてよかった…!

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    2019年06月12日
  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義

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    ネタバレ

    森晶麿さんの黒猫シリーズ第一作目、アガサクリスティー賞受賞。
    話は黒猫と付き人が出会うところから始まる。
    ポオの作品の解剖も面白いですが、何かを人に教える側の黒猫、教育上手い!
    ミステリとも恋愛小説とも取れる二面性のある小説です!

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    2019年06月01日
  • 人魚姫の椅子

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    ネタバレ

    海辺のまちの朝の空気感。
    住んだこともないのに懐かしく感じるその雰囲気が切なくて、まだ何も起きていないうちから苦しくなる。
    文章が綺麗で騙されるけれど、内容は色々と重い。真相だけでなく、病気の少年のはなしとか、小さなまちの事情とか。
    そんな中で、杏が、翠を想いながら変わっていく過程が丁寧に描かれていてとても好き。

    椅子マニアの情熱がすごい。
    完ぺきな椅子に座って物語が生まれる、というのもいい。
    読み終わったあと、とことんこだわって何かを創ってみたくなった。

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    2019年05月28日
  • さよなら、わるい夢たち

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    ネタバレ

    不幸を寄せ集めるタイプ、いる。
    そして同情は対価を要求するっていうのが、すごく身につまされる。
    私多分やったことある、覚えもある。
    意識的か無意識的かは関係なくこれは結構やってしまうことだなあ……ラストのウェイもいつかこうならないといいけれど。

    読後も重たい感じが残る。
    こういった毒々しい社会から脱却して欲しいと願っている。けど社会に存在する人間として人と関わる以上、私も悪夢を作っている一端であることはきっとやめられない。

    いつでも自分の味方をしてくれる人間なんておそらく存在しないので、菜摘さんはいつその理想に折り合いをつけるのか。それとも理想を持って一人で生きるのか。ちょっときになる。

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    2019年03月10日
  • 人魚姫の椅子

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    I don't know what that say, not much love and murder. sea cucumber means NAMAKO(海鼠,海参)

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    2018年10月28日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    ネタバレ

    シリーズを読んでる本。

    面白かったけど、水の戯れに歌詞があったのかと思ってびっくりした。題辞のことをいってたのね。

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    2018年10月06日
  • 文豪Aの時代錯誤な推理

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    死に損なって転生した芥川氏が周りで起こる事件を解決する結構お気軽なミステリだと思っていた己を恥じたい。ていうか、良い裏切りに遭いました。
    ちゃんと読まなければ、芥川小説。

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    2018年07月08日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    前日譚であり、黒猫と私の出会いから交流が書かれた連作短編集。シリーズを全体の話ですが、物語と登場人物たちの行動が重なり、物語解釈から読み解けていく真相という構図はあまりにも美しく、また短編ですっきりまとまり、読みやすい作品。 二人の距離感が理性的でながら情熱的で、引き込まれる作品です。

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    2018年06月30日
  • 黒猫の回帰あるいは千夜航路

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    黒猫が客員教授として働くフランスで、大規模なテロが起きたというニュースから本作は始まります。安否不明の彼を心配する私ですが、日本ではペルシャ美学の教授が失踪する事件が起きます。 美学講釈を中心に、謎を読み解いていく連作短編集。相変わらず美しい解釈と、一見不可思議な事件からまっすぐな信念が浮かび上がる展開は魅力的です。またシリーズ全体の総括のような構成は満足感もありつつ、若干の寂しさも感じてしまいました。続編を示唆するような帯に期待していいのかと半信半疑ながら、作者さんの続報を待っております。

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    2023年02月19日
  • 葬偽屋に涙はいらない 高浜セレナと4つの煩悩

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    2018年53冊目。葬偽そのもののインパクトより、それを巡るドラマが濃密に描かれている。人の死というものが周囲に及ぼす影響の大きさを再認識させられる。最後は展開こそ読めなくはないものの、やっぱり感動的。何もかもがうまく行く訳ではないちょうどいい決着だと思う。シリーズの次があるとすれば、歩武の掘り下げもなされるのだろうか。

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    2018年05月10日
  • 心中探偵 蜜約または闇夜の解釈

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    忍が良くも悪くも変わっていなくて、一安心。黒猫の登場も嬉しいし、溝渕や道子もいいキャラしてる。そして相変わらずラストが怖すぎる。⌈四季彩のサロメ~⌋をまた読みたくなりました。

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    2017年11月16日