森晶麿のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
帯やら冒頭数行読んだ時点で得る先入観と、読んだ後では忍の印象が180度変わった。
読み始めた直後は何をどうしたらこんな少年に成長するんだろうと思っていたけれど、読み進めていく内に歳相応の若さが見えてきて好感度が上がり、その後は忍の決め台詞を読む度に愛おしくなってくる。
黒猫シリーズは大人であってもじれったい二人の話だけれど、やはり「四季彩のサロメまたは背徳の省察」は青さの残る高校生の物語。
彼女は最後に忍を混乱させ翻弄していたけれど、自分だったらあえて「何も言わない」で同じ結果に辿り着く選択をしたい。
気づかない彼の様子にほくそ笑み独占しながら真実を闇に葬り去りたい。
M心とS心を同時にくす -
Posted by ブクログ
ネタバレおかえりなさい、黒猫先生。
1話
暗黒舞踏を見てみたが、生を思い切り表現しているなと思った。と、同時に独特の世界観に怖さを持った。
ポオの魔術と科学の話といえば、心理出の僕としては催眠術を題材とした話のほうが先に出てくる。
ひとり死へと向かう、向かわせる絨毯よりも誰かと乗って旅をする絨毯のほうがいい。飛べたらの話だけど。
2話
心理学的な解釈では頭のない人間は個性の欠落を意味すると聞いたことがある。
トリックは、江戸川乱歩の「二銭銅貨」やアガサ・クリスティの「アクロイド殺し」を思い出させる。谷崎潤一郎の「私」もそれ系らしいが。
3話
世界の声を聞くという言葉にドキッとした。相手の世界を知