森晶麿のレビュー一覧

  • 黒猫と語らう四人のイリュージョニスト
    今回、何となく不安な気持ちで読み進めてましたが、確かに衝撃的なラストでした。

    思えば、節々に決定的な関係をハッキリ言わない付き人の気持ちが解らず、それでも黒猫を追い続けてるのも違和感がありました。

    このまま2人は完全に別の道へ歩き始めてしまうの?え?これが最終巻なの⁉︎疑問がいっぱいでした。

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  • 黒猫と語らう四人のイリュージョニスト
    美学を芯にして紡いできたこれまで。
    集大成と言うべきこの本でした。
    ミステリアスなイリュージョニスト4人の物語と、失踪した「黒猫」を捜そうとする
    「付き人」の胸打つ想いが錯綜する。

    そして、最終章「黒猫」から語られた言葉は…
    これでこのシリーズ完結なのですか?
    放り投げられた感が否めません。
    これ...続きを読む
  • 黒猫と語らう四人のイリュージョニスト
    このシリーズを読むとき、いつも「言葉」について考える。
    言葉を尽くしても伝わらないこと。
    言葉にしたら消えてしまうこと。
    言葉にしたくないこと。できないこと。
    前作で、黒猫は「結局は行動」と言っていた。

    ここに出てくる4人も、誰かに何かを伝えるために行動する。その行動の意味を、黒猫の言葉によって暴...続きを読む
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス
    冷花のはなしが特に好き。
    黒猫の「弟」の顔が見られるのも良き。

    「結局人生は行動が全て」と黒猫は言う。
    「言葉は揮発性」とも言う。
    はんぶんは賛成。
    黒猫にとって言葉は、大切なことを伝える手段ではないのかな…と思ったり。


  • 超短編! ラブストーリー大どんでん返し
    森さんのショートショートって珍しいと思いつつ読んだ。オチだけを楽しむどんでん返しじゃなくて、短編としてしっかりしてたのがさすが。
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    童話・雪の女王になぞらえた殺人事件を紐解いていく小説家と編集者。
    事件を通して月子と夢センセの思いがゆっくりと雪解けていく終着点にあたたかさを感じました。同時にふたりが歩み出したその先の物語も気になる。一歩踏み出したふたり、見たいなあ!
    登場人物の関係性だけではなくミステリ要素もある内容で、物語の裏...続きを読む
  • Voyage 想像見聞録
     お芝居や劇をするためのステージ作りの様子を描いた「月の高さ」が一番こんな感じで協力しながら仕事出来たら良いなと思う作品だった。
  • 超短編! ラブストーリー大どんでん返し
    ショートショートの中にどんでん返しが散りばめられていて、テンポよく読めました。

    ショートショートじゃなくて、短編として読みたい話ばかりでした。
  • 探偵と家族
    5年前、とある少年失踪事件が未解決に終わり、それを依頼されていた父が探偵を辞めて専業主夫となった。
    現在は母がペット専門の探偵となり、家計を支えていた。

    長女の凪咲はその未解決の失踪事件の再捜査を依頼され、そして長男の瞬矢もその探偵熱に巻き込まれて…

    何故父は探偵を辞めたのか。そして、失踪事件の...続きを読む
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    とある有名な恋愛小説家が真夏の朝に、凍死体として発見された。死ぬ直前に、傑作が出来たと編集者達を騒がせていたにもかかわらず…。各出版社が、こぞって原稿資料を探す中に月子も加わっていく。

    月子が編集者として成長している事が分かるし、月子の思考が夢せんせいに似て来ているように思った。事件を解く鍵は、ア...続きを読む
  • 黒猫のいない夜のディストピア
    後悔しないためにはやっぱり黒猫に相談するのが一番な気がする回。不在だろうが喧嘩中だろうがおかまいなく困ったら相談しよう。
    そして、まだまだ二人の間に邪魔が入りそうですね。
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    登場人物それぞれの思惑、強気な発言に振り回されながらも、月子が成長していくのが分かった。事件の真相が分かっても、どこか切ない中でその成長過程に救われたような気持ちに。

    タイトルにある「嘘」
    「嘘も方便」と言うし、ついていい嘘とそうでない嘘があると私は思っている。ついてはいけない嘘はかえって自分の首...続きを読む
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    なかなか興味深い結末だった。
    夏に凍死というぶっ飛んだ設定を持ってきたけど凍死が肝なのではなくそこから雪の女王につなげるためのものでトリックよりも背景に重きを置かれたミステリのような恋愛小説。
    この作品に出てくる作家がまさに書くような作品

    2022.1.22
    9
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    シリーズ3作目にして最終巻。
    童話をテクストとして解き明かすことで、事件を解明していく。
    今回はアンデルセンの『雪の女王』
    作中の季節は夏なのに、事件の死因が凍死、カバーイラストのイメージカラーの赤がクリスマスのようで、読んでいる間中、冬に迷い込んでいるかのようだった。

    事件の真相は「せつない」だ...続きを読む
  • かぜまち美術館の謎便り(新潮文庫nex)
    18年前に亡くなった少年が描いた絵とそれにまつわる謎解きの物語です。物語の根底にドロドロとした悪意があるんですが、それを吹き飛ばすようなさわやかな物語でした。
    主人公の娘であるかえでのキャラがいいですね。まだ子供であるかえでときちんと会話できる主人公にも少し憧れます。この町で大きくなったかえでの物語...続きを読む
  • 使徒の聖域
    いわゆるサイコパスを扱った小説。騙し絵のようの小説でもあり、読んでいてどことなく違和感を感じつつラストに至りました。ともすると虚実があいまいになり、初めから読み返したくなります。
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘
    このシリーズ、やはり読みやすくて面白い。
    おとぎ話の解体だからかしら。
    とても楽しく読みました。

    犯人も真相も切なかったけど、センセと月子ちゃんの関係性だけが救いのようでしたね。

    それにしても雪の女王、うちに絵本はあった気がしたけど、ちゃんと読んだ記憶がないので気になりました。今度読んでみようと...続きを読む
  • Voyage 想像見聞録
    SF色強めな内容も

    とても好みでした

    一応テーマは旅だと思います

    コロナ禍だからこそ

    想像の翼を広げて旅するって感じかな
    一番好みだったのは

    小川 哲 「ちょっとした奇跡」ですね

    でも実はこれが一番の

    悲劇の作品かも知れません
  • 探偵は追憶を描かない
     今回はかなり物騒な回になってしまいましたね……。バラバラだった事件が全てつながった時の驚き。蘭都も蒼もなんだかんだで腐れ縁だねえ。
     親と子の関係が主だった感じ。好きにさせてもらえない子、子に脅させれる親、いろんな親子の形。澤本が一番はっきりしなかったけど、最初から見切りがついていたのかもしれない...続きを読む
  • Voyage 想像見聞録
    旅に出たくなる短編小説集。
    なかなか気軽に出かけられないコロナ禍にぴったりな一冊。やっぱり小川哲さんは天才だなぁと思った。