森晶麿のレビュー一覧

  • 黒猫の接吻あるいは最終講義

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    黒猫シリーズ二作目。今回は長編。相変わらず私の知能では理解できない講義が繰り広げられてますが、そんな浮世離れした雰囲気も好き。そんな雰囲気の中、語り手「付き人」の俗っぽさがいい味出してる。二人の距離感もなんだかいい

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    2021年05月23日
  • 花酔いロジック 坂月蝶子の恋と酔察

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    謎解きとしては設定(動機や場所など)に無理があるようなに無理があるような気がするけど、謎解き要素が含まれた学園もの、青春ものと思えば、十分楽しめる内容でした。
    謎解きそのものより、主人公の過去のコンプレックス、将来への不安や葛藤、そして恋愛(と呼べる状態にも至っていない)に引き込まれて、一気に読んでしまいました。

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    2021年05月16日
  • 前夜

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    ネタバレ

     蛭鬼と呼ばれる不老不死の吸血鬼の存在が伝説として信じられている所で育った稔流と真斗。過去、震災で両親を亡くし児童養護施設で育った。ある時叔父の馨が2人を引き取り、稔流を俳優にさせると言い…天性の才能があった稔流がスター街道に乗れたのも束の間、稔流は殺されてしまう。

     自閉症気味の弟の真斗が行きずりの女遊びをする事によって日常生活やマナーが学べたのは良かったのか、悪かったのか。子供の頃は純粋な真斗がどんどん世慣れしていくのが複雑でした。

     蛭鬼に拘り続ける真斗が最後に見たものは何だかとても切なかったです。真実は大いにして残酷ですね…凜々子の手をあの時離さなければ、少しでも救いがあったのかも

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    2021年05月14日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    黒猫と付き人の二人が出会う、現代美術にまつわる謎を解き明かします。謎解きは、ポーの研究者である付き人がポーの短編小説の解釈をしながら、進めます…また、恋人になった二人の思いも散りばめられています。

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    2021年04月27日
  • 沙漠と青のアルゴリズム

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    ネタバレ

     壮大で多重で広い海のような青い物語。長いと聞いていたけど、なかなか進まないし、進めない。
     芸術とは解釈とは?解釈と誤解については「文豪A」でも書かれていたテーマであったけど、暴走したその先を描き本当にそれでよいのか?と問いかけられている感覚になる。
     図式と記号。繰り返される関係性の図式は単純であるようで、収束していくと実に複雑。夏目漱石の「こころ」の三角なようで、そう簡単に片づけられるものではない。ジェーン・グレイ、(ロンドン)塔、K、赤い執行人、黒いスーツという各記号も何度も繰り返され、解釈するこちらをかき乱す。
     そして、現実と虚構。見ている私がいる、イコール現実なのか?特に最後にか

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    2021年04月04日
  • 四季彩のサロメまたは背徳の省察

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    考えれば考えるほど身震いする展開ですね(⌒‐⌒)
    真の目的はそれでサロメはあなただったのか…
    神秘的で美しい物語のように思えました。
    美しい表紙に惹かれて読みました。カラスも忍もイケメンです(*^^*)

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    2021年04月05日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    ネタバレ

     これだけは読んでなかったのを今更。付き人と黒猫の学部生時代の話なので、最新のラビリンスまで読んでいる身にとっては最初違和感。

    1話「数奇のフモール」
     噂に聞いていた2人の出会いの物語にしていきなり付き人が危険な身にあっているではないですか!!唐草教授の件(薔薇参照)を知っているとますます叶わないんだよなあと思ってしまう。それもまた皮肉。

    2話「水と船の戯れ」
     学生時代の自分に教えてあげたかったー!船の中に水は自分のことも少し重なるものがあって、なんだか分かるなあ。この辺りから黒猫のいつもの調子の片鱗が出てきて、お?ってなったり。

    3話「複製は赤く色づく」
     遊歩の2話の前の話だけど

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    2021年03月10日
  • キキ・ホリック

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    すごく神秘的な物語のように感じられました。
    最期はそうなるのかと思いました。この物語独特の終わり方ですね(⌒‐⌒)
    波瑠花の環境がかわいそすぎましたが、本人が最期幸せだと感じられたのならよかったんだと思います(⌒‐⌒)

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    2021年03月05日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    久々の黒猫シリーズ。昔を思い返しながら読み進めたら、思ったより時間がかかりました。二人の進みそうで進まない関係もデフォルトで、まあ、二人だからなぁと思いつつ、謎解きを楽しみました。

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    2020年12月17日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    現実に起きた出来事をイメージさせる出来事が作中で起きていることから、いつもよりも作品に入りやすかった。長さもちょうど良く、これだと蘊蓄も無理なく入ってくる。

    相変わらず2人の距離感も良い。
    でも今回1番印象的だったのは冷花がメインのお話。

    2020.11.16
    115

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    2020年11月16日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    黒猫シリーズの短編集。リアルに話題になっている事象をモチーフにしたであろうストーリーもあり、面白い。黒猫と付き人との関係は以前と変わったようで同じようでもある。きっとこれからもそうやって続いていく関係なのだろうなとあたたかい気持ちになれるのが不思議。
    紙の本を買う場合は、初回帯に特典がついているので、帯つきを手に入れたら特典も読めます。

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    2020年11月01日
  • 探偵は絵にならない

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     香りの記憶と過去の記憶を見つめ返す物語。
     蒼と同じく、アロマってそんな?って思ってた節もあったけど、モノ・コトと記憶のつながりってやっぱり深いんだなあって。特に3話目の絵が世界とつながる切符のような役割を果たすっていうのが、印象深かった。
     ハードボイルド調なのに、時々蒼が変なボケ方(?!)をするので、時々笑ってしまったり。周りの人たちも怪しくも個性的な人が多く。きっと香りをたどれば2人はまた出会えると信じよう。

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    2020年10月31日
  • 探偵は絵にならない

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    この手の、一人の女を聖女のように扱って尊い存在としてひたすら追い求める、という構造の物語は感心できない。
    一人の女を聖女として扱うことは他の女をその他大勢として雑に扱うことで、実際に風俗嬢の描き方はとても雑になっている。なにより、大学までガリ勉して大学で出会った女と同棲を始めて結局生涯で女を3人くらいしか知ることがなかった中の下くらいのおじさん的なしみったれたみっともなさを感じてしまうのでしんどい。
    とはいえ「聖女」を最後まで登場させずに期待を煽って最後でバーンと出すのはとてもよかった。匂いとエロティシズムは結びつきやすいと思うので、濡れ場に匂いを絡めるのもよかった。あとはハッピーエンドでない

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    2020年09月12日
  • キキ・ホリック

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    ネタバレ

    少女と植物って最強の組み合わせだな…

    痛くて切なくて、けれども甘やかで、抗えない。同性に対する特別な感情。
    なくすのが怖いから、大切なものは手にとらない。手にとる資格が自分にあるのかもわからない。
    そんなことを考えていたと思い出した。

    こんな風に愛することは、寂しいけれどもしあわせなのかもしれない。

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    2020年07月03日
  • 葬偽屋は弔わない 殺生歩武と5つのヴァニタス

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    偽の葬式をして参列者の反応を見る。ともすれば悪趣味になってしまうネタですが、死と生を見つめる美しい作品になっていますね。副題にもなっている、絵画におけるヴァニタスがいいアクセントになっていました。
    この先も読みたくなるお話です。

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    2020年06月16日
  • 歌舞伎町シャーロック 囚人モリアーティ 解放のXデー

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    アニメ1期と2期の間のモリアーティのお話
    この小説を読んでから2期を見返すと更に面白く感じるかもしれない!

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    2020年05月02日
  • キキ・ホリック

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    ネタバレ

     こりゃーすごい百合だ。美しさのある百合だ。
     読み進めていくうちに感覚が麻痺して現実が分からなくなる。植物が生み出す幻想なのか……それともホリックなのか。
     キキが最初は人間離れしたところがあるのに最後なんか普通に少女だよ……。外見では凛としていても、心の内は戸惑いと悩みの連続だったと思う。それこそあがき。
     最後のところはまるで星の王子さまのよう。悲しいけれど、光景が美しい。

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    2019年11月16日
  • 葬偽屋は弔わない 殺生歩武と5つのヴァニタス

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    190712

    自分が死んだらみんなどんな風な反応するんだろうかって私も考えたことあるなぁ
    森先生の本は孤独を美しく見せてくれる感じがして好き
    知識も増えてなおよし

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    2019年07月12日
  • 文豪Aの時代錯誤な推理

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    つい最近、朔太郎読まなきゃ!って思ったばかりなのに、今度は芥川読まなきゃ!になった。作中に出てくる作品で読んでみたいのは「蜜柑」と「魔術」かなあ

    語り口はライトだけれど、事件は実際にも起こりそう。ちょっと背中を押されて、あちら側へ行ってしまう。連鎖する犯罪に対する人々の無関心。

    茶川さんがかわいい。茶川さんと弥生の距離感がとても良いです。
    他の田端組出てきたら面白そう…だけど、そうなると違うはなしになってしまうか…

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    2019年06月26日
  • かぜまち美術館の謎便り(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    とりあえず文庫本を借りようという気持ちであまり期待もせずに選んだ本だったが、思いの外良かった。
    この作者さんの本は黒猫シリーズを一冊読んだことがあったのだが、それはあまりよくわからなかった。
    こちらは絵画が読み解きに使われていて、知っている絵も多く、それも面白く読めたし、かえでちゃんやマト君の小さい子の感性とそれに対応する大人が微笑ましくて癒やされた。

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    2019年05月03日