森晶麿のレビュー一覧
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やはり小難しい。だがそれがいい。
芸術を「見る・感じる」だけではなく、「理解をする」ということはこういうことなんだなと本当に思う。そしてそれはけっこう大事なことなのではないだろうかと思うし、その感覚は何事にも通じる。
それを学ぶためにこの本を読んでるわけではないんだけども(笑)、それを自分の中に...続きを読むPosted by ブクログ -
物事を解釈するということはこういうことなんだろうなぁと思った。本筋とは全く別な話だけども、美学とはこういうものかというのがわかっただけでも意味があった。
ミステリーとしては、人が死ぬことがあるにも関わらず、淡々とものごとがすすんでいく様に日常なのナゾなのかとおもわされる不思議なペースがある。謎解き...続きを読むPosted by ブクログ -
ブラック企業での葬偽と、司書の葬偽が興味深い。司書の偽参列者のミステリマニアたちの盛り上がりも面白かった。わりとスルッと読み終えたのは例の絵画を知っていたからかな?Posted by ブクログ
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2018年70冊目。現代に転生した芥川龍之介というぶっ飛び設定から、途中までドタバタコメディだと思って読んでたけど、途中から鋭い考察が混じってきたのはやっぱり森さんだなぁと。最後のぶっ飛びは謎過ぎるが。Posted by ブクログ
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「四季彩のサロメまたは背徳の省察」の華影忍が再び登場。……ああ、やっぱりろくな男になってない(笑)。とことん最低なんだけど、ここまで突き抜けちゃってるとむしろ腹も立たないし。キャラとしては魅力的かもしれません。黒猫も登場するのが読みどころ。
心中し損ねて自分だけ生き残ったものの、実際に死んだ女とあの...続きを読むPosted by ブクログ -
黒猫シリーズからの流れで、この作者さんの作品を何となく読んでいるが、偽の葬儀を行う「葬偽屋」と言う突拍子もない設定に期待せずに読んだのに、見事に裏切られ、号泣することに…
保険の調査員だった主人公・セレナは調査で結果を出せず、悩んでいるところに、恋人を突然事故で失う。
仕事も恋人も失ったセレナは、親...続きを読むPosted by ブクログ -
ザ・ミステリー!!どっかーん!という感じではなく、砂時計の砂が少しずつ、でも確実に落ちていくようにゾワっとしたり苦しくなったり切なくなったりするお話でした。
後半になるにつれて加速度を増していくのは、やはり森さんだなぁと思った。
菜摘の気持ち、なんかわかる。
わかるから切なかった。
わるい夢はい...続きを読むPosted by ブクログ -
主人公の華影忍がなかなかの最低男。お金にも美貌にも恵まれながら死にたがり、そのくせ女癖が悪く、妻以外の女性と心中未遂。
知らず読んだけれど、『四季彩のサロメ〜』の続編らしい。
そちらは華影の高校時代の話らしく、『心中探偵』だけでは、彼の厭世的な感じが分かりにくかったので、やっぱり順番に読んだほうがい...続きを読むPosted by ブクログ -
黒猫と付き人の出会いを描いた話(2人は大学4年生)。黒猫シリーズ第4弾となる連作短編集ですが、文庫本の刊行順の通り、1作目の『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の後に読んでも問題なく読めます。
今回も面白かった。
付き人さんがかなり危ない目にあっていたことに驚きました。そして助けにきた黒猫の格好良いこと。...続きを読むPosted by ブクログ -
2018年29冊目。社会問題に切り込みつつ、友人の失踪を探るサスペンスの側面もあり引き込まれていく。ラストは少し唐突なところがあったかな。Posted by ブクログ
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【あらすじ】
でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽。日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を...続きを読むPosted by ブクログ -
黒猫シリーズ第5弾。
謎解きのためにイタリアへ渡った黒猫と通訳のマチルド。
遡行する塔に関連する物語も良かった。映画に映り込んだ黒猫の姿から伝わる気持ちという演出も素敵だった。(ちょっと鈍感ぽいマチルドが気づくくらいだから)
は~~~じれったいですな2人の関係は。奥手すぎやしませんかね 黒猫氏は(...続きを読むPosted by ブクログ -
再読。
今回のテーマは「時間」と「恋」。
付き人も黒猫もそれぞれ別の地で、時間の意味を知り、恋の形を知る。そして2人の中の図式ーー原風景には2人が共に過ごした美的時間があるんだろうなあと。
最後、黒猫のばかーっ!ってなる。Posted by ブクログ -
独立しても読める物語だけれど、やはりここは事前に主人公華影忍の高校時代を描いた「四季彩のサロメまたは背徳の省察」をぜひ。
成長した彼は新鋭の作家となり厭世感を強くしたものの、女に甘いのも性にだらしないのも相変わらず。むしろ大人になった分その行動は危うげで、女を疑う事を基本しない忍はその計略にあっさ...続きを読むPosted by ブクログ -
実質再読。初めて読んだときは内容の半分も理解できなかったけど、今回は8割くらい。「ベレニス」と「リジイア」を読んだことも理解の助けになったのかも。
今回は黒猫を追いかける付き人が特に多い。黒猫の過去、本当の黒猫、そして未来……。黒猫も必要な言葉が少ないけど優しい。この後の2人を知っていると更に今...続きを読むPosted by ブクログ -
なかなか悲惨な事件がありながらも物語の雰囲気はかぜまちという名にふさわしいふんわり優しさの溢れた物語。
てか、生きてたのか、嫁。
2017.11.16
160Posted by ブクログ -
黒猫の回帰の文庫版が出たので再読。最初に出会ったのは大学生の時だったので、久しぶり。
「月まで」と「月と王様」は互いに相互的関係にあるなあと思った。そして今後の黒猫と付き人の関係にも……。
「壁と模倣」「頭蓋骨の中で」はどちらも悲しいひとりの人間の物語だった。〈自分〉を持たなくなった青年と、...続きを読むPosted by ブクログ -
人の心が織りなす謎が解き明かされる。謎の最たるものが恋か。
蝶子にとって、ミステリは善し悪しを他者と語らう代物ではなく、好きなものの種類くらい自分で分かっており、他のものを人から押し付けられたくないという言葉にいたく共感…。Posted by ブクログ