森晶麿のレビュー一覧

  • 僕が恋したカフカな彼女
    カフカ中毒の女の子を好きになってしまった高校生の話。キャラがアレな感じなのはL文庫だからかなの?内容がどうこうというより、森作品の面白さとでもいいましょうか…。嫌いじゃない。
  • 花酔いロジック 坂月蝶子の恋と酔察
    「名無しの蝶は、まだ酔わない」では、ただの酒好きという印象だった神酒島先輩だったけれど、今作では大分かっこよく感じた。神酒島先輩は出会った時から蝶子に気が合ったのかな?最後はキュンとした。
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導
    巻末の刊行記念インタビュウが興味深い。このシリーズの魅力は黒猫の美学論議に基づく推理と並んで、黒猫と付き人の恋の行方があるとおもう。このインタビュウでは結構聞き手が上手く話を進めていて成る程と思うこと然り。ブックファーストすごい。
    花酔いロジックでもそうだけど、『恋愛は目的に到達するかしないかのぎり...続きを読む
  • 人魚姫の椅子
    瀬戸内海に面した椅子作りの町、宝松市鈴香瀬町。高校生の海野杏(うみのあん)は、毎朝海辺で小説を書きながら、椅子職人を目指す同級生・五十鈴彗斗(いすずすいと)と少しだけ話すことを日課としていた。
    ある日の朝、いつものようにやってきた彗斗から、「高校をやめて町を出る」と告げられる。特別仲がよかったわけ...続きを読む
  • そして、何も残らない
    誰と誰がなんなのか?ということをしっかり理解しながら読まないといけない。それは確かに正しいのだが、そうした作品はいかに複雑な関係性でもあっても、それを複雑に表現するだけでは読んでる方にハードルの高い作品になる。そのあたりでちょっと混乱したなぁ。
  • ホテルモーリスの危険なおもてなし
    経営の危機にある高級リゾートホテル「ホテル・モーリス」に派遣された准。現オーナーるり子に心惹かれ、元殺し屋のコンシェルジュ日野をはじめとする個性豊かなスタッフに振り回されながら、ホテル常連ギャングをおもてなしする。コメディタッチで気楽に読める。作中で紹介されるホテル映画の数々。「ホテルルワンダ」と「...続きを読む
  • 人魚姫の椅子
    椅子造りに込められた狂気。犯人の美学も身勝手だが、周囲の思いこみによる集団リンチにも似た行動や、風評被害の加害者たちの行動が怖い。感情は簡単に理性を凌駕する。その分、長期的視野を持ち、大局的な観点に立って理性で行動できる大作の存在が重い。また、生活力に乏しいヒロインの義父のまっとうさにほっとさせられ...続きを読む
  • 俗・偽恋愛小説家
    偽恋愛小説家の続編。
    前作同様に童話の異なる面を曝け出させる。白雪姫、ラプンチェル、カエルとお姫様、くるみ割り人形。今回はそこに夢センセと月子の恋愛が絡む。前作のように盗作疑惑が絡んだミステリ仕立ての方が好みだった。最後のオチも少し無理がある。童話の解釈などは面白いので読み応えはある。
  • 俗・偽恋愛小説家
    夢センセの書いた小説の違和感はそれだったのか!とすっきり。相変わらずひねくれたおとぎ話の解釈をするけれど、その方が納得できるんですよね、不思議。夢センセが割と嫉妬丸出しで面白かった。月子も嫌いではないけれど、もっと早い段階で決断していれば死人は出なかったのではないだろうか。
  • 僕が恋したカフカな彼女
    ヘルメットに芋虫に拷問具…カフカがモチーフなだけあって、そこで起こる事件も真相もシュールで不条理。
    怪物率の様などこかファンタジーめいてる訳じゃなくて現代の高校生達のはずなのに主人公楓とヒロイン風香のキャラクターもどこか浮世離れしていて、それがまた世界観のシュールさに拍車をかけている。
    楓は中学時代...続きを読む
  • 人魚姫の椅子
    森さんの話は、合うものと合わないものが極端に
    別れるのですが、これは…中間くらい?
    青春期のモヤモヤと未成熟さとがありつつ
    殺人事件が起きて、関係が変わっていく話。

    黒猫シリーズは「ポー」ですが
    まさかのこっちは「乱歩」…
    悲劇的展開に押しつぶされそうになった時に
    帯のQRの黒猫シリーズ出張版に救...続きを読む
  • そして、何も残らない
    途中ものすごい山田悠介みたいで、「ええー……('A`)」と思ってたけど、トリックとラストに向けての展開は森晶麿ワールド全開だった。
    今回は歌、特にロックが大きなテーマだったので、なかなかおもしろかった。
    ナユタの存在は本当に神秘的だった。対極的に軽音部OBOGがすごい噛ませ犬っぽい。
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来
    2017年1冊目。黒猫シリーズ第5弾。2作目のラストでフランスに渡ってしまい、バラバラになった黒猫と付き人。前作では、二人は出会わないまま、終わったけど、今回の舞台はイタリア。恩師の依頼で「遡行する塔」の調査に向かった黒猫と、学会でイギリスに来ていた付き人が、こちらも恩師のいたずらか、イタリアに行く...続きを読む
  • 恋路ヶ島サービスエリアとその夜の獣たち
    サービスエリアで起こる摩訶不思議な事件のかずかす。時系列が最後になるにつれてあれってなってくるのは私だけでしょうか。そしてマキノさん、あなたはもしや。
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義
    黒猫シリーズ第2弾(発売から言うと、間に1冊あるらしい…)。第1弾が短編集だったので、そのままの流れかと思いきや、まさかの長編。バレエ演目の「ジゼル」に沿った5年前の主役の不審死と、同じ演目を演じることになったプリマを巡るミステリー。頭を切り替えながら、読まなければならない短編と違い、文章の癖も分か...続きを読む
  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義
    黒猫シリーズ第1弾。本格的に読む本がなくなってきて、友人に勧められて、読み始めたシリーズ。ポーの短編集に沿って、描かれた短編集だが、最初は独特な雰囲気に慣れず、そもそもの作品のあらすじを2,3回読まないと理解出来ない部分も…文体にもくせがあり、違和感もあるが1冊読めば、結構慣れる。推理も独特なので、...続きを読む
  • 偽恋愛小説家
    面白かったです。夢センセの童話の解釈が思いもよらなかったものばかりで、とても興味深かったです。幼少の頃に読んだ、シンデレラや人魚姫が苦く感じられました。読みやすくてすらすら進みます。人魚姫の中の、「感傷と恋は似ているけんが、違うもんだで。」、心にちくりと刺さりました。ちょっと黒猫を思い出しましたが、...続きを読む
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来
    このシリーズやっぱり面白いなあ。
    敷居が高い雰囲気はありますが、読み出したら止まらなくなるし、二つの物語が絡み合い、一つの物語に到達する。
    なかなかいいミステリを読んだ。
    あと、黒猫と付き人の話しをうまく書いていていい感じ。
  • 俗・偽恋愛小説家
    夢先生は直球に見せかけた変化球を投げる。あーこんにゃろーと思わず唸った。
    結局は俗なんだなー……。前作もまた読み直そうかなー。
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導
    大学最後の年 就職活動しないが大学院に進むか決めかねている私と黒猫との出会いと日常起こる事件をエドガー・アラン・ポーの物語になぞらえて解いて行く。

    私と黒猫とのやりとりが軽妙で楽しい。
    各話とも事件の推理よりそこから派生する黒猫と私のものの考え方・見え方が他のミステリにはないので新鮮に感じた。
    ...続きを読む