森晶麿のレビュー一覧

  • M博士の比類なき実験

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    ネタバレ

    絶海の孤島を舞台にした美をテーマにした作品。
    基本的にはホワイダニットで美に関するもののため、トリック等はそこまで意識されていない、そのためこの本最大のトリックである入れ替わりトリックが割とあっさりとしている印象だった。
    そして動機が美に対する追求が気持ち悪く、それがまさかアキラの高校時代から始まっていたこと、そしてそれをきっかけにこの物語の全てが始まった所がとても驚いた。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    アキラ:梶裕貴
    サトル:下野紘
    アヤ:たかはし智秋
    ミチ:上坂すみれ
    ミチル:愛美
    レイコ:林原めぐみ
    M博士

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    2022年04月10日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    現代アートとは何なのか。前作での私の感想に一部答えてくれるような本作だった。

    ▼シュラカを探せ
    でも、落書きとアートもしくは芸術との違いは結局分からないまま。日本でも最近、NFTアートと称して小学生の落書きに100万円以上の値がついたそう。個人的には、そういうのは芸術じゃないように感じるけど、じゃあその境界線はなんなんだろう。長い経験や修行の果てのアウトプットかどうかか?新しい視点を齎すものなのかどうかか?人の心をどのくらい深く揺さぶるかなのか?思想や信念の有無?シュラカは「中心などない」という、その意味も結局きちんとは理解出来なかった。気が向いたら参考文献に目を通してみる。

    ▼贋と偽

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    2022年02月06日
  • 偽恋愛小説家、最後の嘘

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    今回はあまりはまらなかった。作家につく編集者って何するのか気になる。月子はもっと口出しした方がいいが、編集者のカラーが出てしまうほど手を入れるのはどうなのか…。

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    2022年01月15日
  • 偽恋愛小説家

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    謎だらけの偽?恋愛小説家と新米編集者コンビがシンデレラや眠り姫などのおとぎ話のような事件の真相を追うミステリー連作短編集

    さすがシリーズ化されてる作品やなって感じのキャラ強恋愛小説家と新米編集者のコンビがいい味だしてていい感じ!

    おとぎ話に絡めるだけじゃなくおとぎ話自体もミステリーとして楽しんでいく感じで面白い。

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    2022年01月01日
  • 文豪Aの時代錯誤な推理

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    推理じゃなくて、存在そのものが時代錯誤。とある事件を防ごうとするために芥川が現代に転生し、テレビやスマホやファストフードを知ってだんだん馴染んでいきつつも基本的には時代錯誤なのが面白い。

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    2021年10月19日
  • 前夜

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    ネタバレ

     兄の死の真相を求めて、弟・真斗は兄になる。
     一言でいうなら、すごい。信じていたものが目まぐるしく変わっていって、再読して確認したくなる。真斗の少し世界の見え方に違いがあるという先入観に振り回されてしまった……。奥の開けてはいけない扉は言い得て妙だと思ったけど、まさかあなたもですか。ていうか食べ合わせどうなんですか……(全然関係ないけど)。
     世間のダークな部分だったり、都合の良いとこしか見てないことへの批判だったりもあって、ただの吸血鬼モノではなかった。

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    2021年07月22日
  • 探偵は絵にならない

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    落ちぶれてしまった絵描きが、地元で繰り為す彼女を探し、自分も絵を描くための意思を探す話。
    主人公がなかなか人間らしいダメさを持っているが、友人たる蘭都が頭脳派なので、毎話少しずつ明らかになる主軸の話にもワクワクできるバランスのとれた話だと感じた。

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    2021年07月18日
  • 探偵は追憶を描かない

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    前作が記憶になくても大丈夫。今回は浜松っぽさをあまり感じなかったが、知らないから気付かないだけかも。やたら組関係者が多いのが気になる。蘭都のアロマ講釈がほどほどなのが謎の雰囲気でちょうど良い。やり過ぎすると胡散臭くなりそう。

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    2021年07月08日
  • 沙漠と青のアルゴリズム

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    ネタバレ

    いくつものパラレルワールドと現実と幻実をかいくぐって、ものすごく壮大なお話だったと思います。
    きっと全てを捉えきれてはいないな…。果てしないお話だったから。途中で自分のいる時間軸や世界がわからなくなったり、このKは??このシーは??となってしまいました。

    あと、途中でジェーングレイの絵を検索してしまいました。絵は見たことあっても、タイトルまでは覚えてないものですね。

    一冊読んだはずなのに、何冊かの本を読んだような気持ちになるし、450ページくらいなのに上下巻の大作を読んだみたいな気持ちになります。すごく壮大だし、SFとかミステリとかいうカテゴリも跳躍した不思議なお話。


    余談ですが、先日

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    2021年06月27日
  • 探偵は追憶を描かない

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    蒼がかつて描いた女優の肖像画を巡って、複数の組織が動き出す。女優の過去の謎と人間関係が絡まり、読みごたえがある。

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    2021年06月20日
  • 前夜

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    なんとなく昭和っぽい気がした。現代ならもっと都市伝説やこの兄弟のこととかさらされそう。この兄弟に限らず余計な詮索しなければ幸せに暮らせていたのだろうか?いろいろ引っ掻き回した後に印象に残るのは、ピノの人っていう…。

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    2021年06月13日
  • 探偵は追憶を描かない

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    若くして画壇デビューしたものの、最近はスランプぎみで地元浜松に戻ってきた画家の蒼と、アロマテラピストにしてヤクザの親分の子息である蘭都の、馴れ合わないけど信頼し合っている関係性がとにかく好き!
    蒼が描いた女優・石溝光代の肖像画の行方を探すうちに、数々の事件との関連性に気付いて…
    影のあるヒロインが良かった!

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    2021年05月30日
  • 黒猫のいない夜のディストピア

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    ドッペルゲンガー、暗号、反美学。家族。頼りのない不安。黒猫と対比するように登場した灰島。謎ときで明かされる人間模様。読みごたえがある。

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    2021年05月29日
  • 前夜

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    ネタバレ

    色々な『血』をめぐるお話かな。

    さまざまな固有名詞が出てきて、それが時代感を表してたなぁと感じました。くるりとかね。

    吸血鬼、震災、BL、親子や兄弟の愛憎…
    すごくいろんな要素がぎゅぎゅっとされていて、ちょっとびっくりしました。

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    2021年05月05日
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義

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    難しい 笑
    でも今まで読んだことない類のミステリー小説ではあったので、読み進めるのに苦労はなかった。
    黒猫シリーズ前作ぬこの読解が必要なのかと思うと少し気が進まないけど、それでもよんでみたいかな。

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    2021年02月24日
  • 沙漠と青のアルゴリズム

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     言い回しが難しくて、掴み所のない不思議な話でした。

     黒猫シリーズの作者自身のパロディがお気に入りでした。黒猫が漁師とか想像もつかない(笑)

     創造と現実が交差し、その鍵を握るセンセの小説。ラストまでふわふわした感じでした。

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    2021年02月22日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    ネタバレ

    黒猫シリーズ第8弾。
    教授に頼まれ、様子のおかしい学生の相談に乗る助手。学生は本の降る夢を見たという「本が降る」など5編。

    今作は身近な時事ネタがたくさん入っていました。
    (薬物使用で逮捕された人物の作品に罪はあるか?など。)
    黒猫と助手の関係は長年付き合った恋人のような落ち着き…これもまた良き。

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    2020年12月10日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    今回は実際の事件をベースにしたものが多くて、ちょっとムズムズした。
    美学的解釈が半分くらいしか理解できないのと、不確定なことを確定的に話すのが気になるのはいつものこと。
    それでも謎の答えが知りたくて、つい読んでしまうこのシリーズの魅力は不思議だ。

    「群衆と猥褻」がわざわざそこまでするか?という真相だったのだけど、それよりも泊まりに来た後輩が味噌汁すすって沢庵をかじった後にクッキーを頬張ってた方が気になった(笑)

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    2020年11月23日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    黒猫シリーズの第8弾は、大学教授と付き人という関係から一歩踏み出した「黒猫」と「私」が巡り会った5つの謎。今世の中で話題になっている事件や事柄を彷彿とさせるところが面白くて、いつになくとっつきやすい。

    「本が降る」・・・薬物所持で逮捕された天才詩人。彼が違法行為を働いたことで、彼の作品は貶められるのか。「作品に罪はない」という昨今、芸能人が逮捕されるたびに繰り返される言葉に、黒猫が独自の解釈を施す。

    「鋏と皮膚」・・・黒猫の姉・冷花さん登場。姉弟の信頼感が感じられる。黒猫って、やっぱり子供の頃から鋭くて、賢かったのね~

    「群衆と猥褻」・・・黒猫が担当した「芸術の不発展」のある展示が不敬で

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    2020年11月05日
  • 黒猫と歩む白日のラビリンス

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    新章2作目。
    前作ほど難解ではないものの、やはりポーの作品に沿って描かれるミステリーは理解が難しい。
    ポーの小説の難しさと、美術の専門知識、黒猫独特の言い回しなど、本当に難しい。
    ポーの小説に合わせながらも、最近美術系ミステリーでよく取り入れられているバンクシーや、昨年問題になったあいちトリエンナーレなどを思わせる時事ネタを取り入れているのは、さすが。
    今作のラストは黒猫と付き人の明るい未来を思わせる終わり方で、読み終わった後、ほっこり。

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    2020年10月06日