森晶麿のレビュー一覧
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この作家さんの新たなシリーズの文庫化。
飲んで飲んで飲みまくる、大学のサークル、スイ研を舞台に、蝶子の大学生活の一年間を描いた日常ミステリであり、連作短編集。
神酒島先輩と蝶子のやりとりが読んでいて面白く、にんまりしてしまいます。子供時代に有名な子役をやっていた蝶子の抱えるネガティブであり、自分は何者になるのかという悩みを抱えている。けれど、蝶子自身が神酒島先輩への想いを自覚することで、少しずつ大人となっていく姿もいいなと思う。神酒島先輩の蝶子への想いはわからずじまいだけれど、二人の関係もどうなっていくのか、気になります。
お酒は飲めないけれど、雪や月、浜辺など、自然を愛で、酔うことは優美であ -
Posted by ブクログ
1章を雑誌掲載時に読み、今回連作短編集となり、どのようにまとまるのだろうかとドキドキしてました。
最後まで読み、エピローグを読んで、鳥肌が立ちました。エピローグの存在が、物語を引き立てている気がします。
1章を読んだときに感じたとおり、高校生とは思えないほどの淫靡な世界が広がっていました。忍は、高校生活を支配しているように一見見えるけれど、サロメのような女に翻弄され、悲劇を生んでいく。そのことが、彼と婚約者との関係を歪な形に変えていってしまう。
忍の女性の身体や男女の関わりを説いている姿は、ある意味では美学なのではないかと思います。話している内容が内容ですが、この作家さんのスタイルは一貫し -
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未完成で終わっているはずの建物が、成長し始めた。
それを調査するために現地へ飛んだ片方と
別の理由からその場にいる事になった片方。
一緒についていった彼女の、密やかな思いは?
彼の行動は?
彼女はどうしたいのか。
建築がどうなるのか、どうしてこうなったのか、が
話の軸だというのに、気になるのはそちら。
2人が出会ってしまった状態だと
それはもう気になって。
一体誰が塔を成長させているのか。
まったくもって分かりませんでしたが
全員の口ぶりから、多分…という予想は。
そちらは当たりましたが、一体何がどうなったのか、は
『答え』を見て納得。
あのシーンについても納得(笑)
しかし想像するに、 -
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黒猫シリーズ第3弾。黒猫の渡仏から半年。パリと日本で、黒猫と付き人がそれぞれ謎に挑む。今回のテーマは、ポオの『アッシャー家の崩壊』に『万葉集』、『星の王子さま』と盛り沢山。そしてキーワードはタイトル通り時間と薔薇。美学講義の部分は理解できたとは言えないけれど、2人の薔薇のような女性をめぐる恋が切ない。
別々のものでありながら、共通点が多く、やがて繋がっていくふたつの謎。離れていても、どこか繋がっている黒猫と付き人の関係を表しているよう。相変わらずじれったい2人だけれど、ようやく自分の気持ちを認めた付き人さんが、どう動いていくのか楽しみ。 -
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宮内さん目当てで購入し、やっぱり「空蜘蛛」が一番好みだったし、この短さの中で、物語と人物描写のみならず細かな部分(音楽や服装等々)も「抜かりなし」で満足。
影響されて、しばらくパッサカリアばかり聴いてしまった。
アンソロジーゆえ、他4人の、今まで読んだことがないラノベ系作家さんの作品に触れられたことも良かった。失礼ながら、どなたも存じ上げなかったし、好みはあるものの、購入して損はなかった。(アンソロジー集は、半分以上の作品を気に入らないと、失敗したと思う)
他作品では、椹野さんの軽めの探偵ものが特に気に入った。舞台がイギリスなのも好み。貴族探偵エドワードシリーズを読みたくなった。 -
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渡仏した黒猫と、日本で研究に励もうとする付き人。
同じ植物園、その植物園を作った植物学者、酔芙蓉、そして同じポオの作品。日本とフランスで、離れていても同じものをキーワードで謎を解決しようとする二人と、大切な人との時間。距離は離れて、二人が違う謎を追っているのに、共有しているような感じでした。二人の隣にはいつもの人がいないというところがとても寂しい。
プロローグのシーンも意味ありげだったけれど、読んでみて納得。
今回は二人が会話を交わすシーンがとても短かくて、付き人が、黒猫を想う気持ちがひしひしと伝わってきた。けれど、黒猫も同じなのでないだろうか、と思うところがあって、読んでてにんまり。このお話 -
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劇場型ミステリーと謳われていますが、シチュエーション・コメディのほうが近いかと。
シットコムが好きだという方、特に、三谷幸喜監督の「THE 有頂天ホテル」やドラマ「王様のレストラン」あたりがお好きな方には、おススメです。
勤めている叔父の会社から、期間限定でホテルの支配人として出向させられた准。
出向の理由もワケありなのだけど、そのホテルもかなりのワケあり。
かつては伝説のホテルマン「星野ボレロ」が完璧な仕切りで有名人も御用達の一流ホテルだったのだが、彼の突然の死により、現在は見る影もない寂れ具合。
そこにつけこまれたのか、今のお得意さまはなんとギャング。
慣れない支配人の仕事と毎日やって来