森晶麿のレビュー一覧

  • 花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理

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    この作家さんの新たなシリーズの文庫化。
    飲んで飲んで飲みまくる、大学のサークル、スイ研を舞台に、蝶子の大学生活の一年間を描いた日常ミステリであり、連作短編集。
    神酒島先輩と蝶子のやりとりが読んでいて面白く、にんまりしてしまいます。子供時代に有名な子役をやっていた蝶子の抱えるネガティブであり、自分は何者になるのかという悩みを抱えている。けれど、蝶子自身が神酒島先輩への想いを自覚することで、少しずつ大人となっていく姿もいいなと思う。神酒島先輩の蝶子への想いはわからずじまいだけれど、二人の関係もどうなっていくのか、気になります。
    お酒は飲めないけれど、雪や月、浜辺など、自然を愛で、酔うことは優美であ

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    2015年05月25日
  • 四季彩のサロメまたは背徳の省察

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    1章を雑誌掲載時に読み、今回連作短編集となり、どのようにまとまるのだろうかとドキドキしてました。
    最後まで読み、エピローグを読んで、鳥肌が立ちました。エピローグの存在が、物語を引き立てている気がします。

    1章を読んだときに感じたとおり、高校生とは思えないほどの淫靡な世界が広がっていました。忍は、高校生活を支配しているように一見見えるけれど、サロメのような女に翻弄され、悲劇を生んでいく。そのことが、彼と婚約者との関係を歪な形に変えていってしまう。

    忍の女性の身体や男女の関わりを説いている姿は、ある意味では美学なのではないかと思います。話している内容が内容ですが、この作家さんのスタイルは一貫し

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    2015年04月24日
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来

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    ネタバレ

    『メエルシュトレエムに呑まれて』に見る物質と精神。
    レモンの町で成長する〈朔行する塔〉、突如解雇される使用人、付き人を見初める映画監督、塔が崩壊するとき、離れた愛が引き合わされる。
    謎の着地点も比較的合理的で、なにより付き人と黒猫の関係がよかった。物理的に離れた一年間でもてあました不安と葛藤、動き出した距離と、寸土めする理性、めずらしく恋するひとの涙にぐっときた。

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    2015年04月06日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    ネタバレ

    黒猫と付人出会い編。
    もともと巻き込まれ型な付人まさかの被害者化。相変わらず早い展開で読みやすく、ポオ他芸術作品の解釈や学術講義が程よく難解で面白い。独特の動機付けから起こる事件ばかりで端から謎解き放棄の姿勢で向き合うシリーズだったけど、今回は精神面でのおいてけぼり感も比較的少なかったような。
    卒論の敷居に悩む付き人に与えられる「研究とは」、「論文とは」の助言は学生のころ読んでおきたかった・・・
    もう一度、本気で学業してみたいと思わせる作品。
    巻末の著者インタビューも含め、おもしろかったです。

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    2015年04月06日
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行

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    付き人って
    自分のことは仕方ないにしても
    周りのことにも鈍感なんだな
    黒猫と付き人
    今回は別々の場所で
    それぞれ謎解きをする
    付き人の解釈を読んで
    美学も文学も
    あんまり変わらないんだぁと
    思っていたら
    黒猫に突っ込まれてた
    やっぱり違うのね〜

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    2015年04月18日
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行

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    文庫よりこっちの表紙のほうが好き。

    離れてしまってるのが残念で、ふたりの掛け合いが少ないことがさみしい。
    それでもこのテクストを読み込んで、別の背景と重ね合わせていくかたちが、ふたりの関係が、癖になる。

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    2015年02月16日
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義

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    黒猫シリーズの2作目。
    1作目で雰囲気が好きになりすぐさま読んだ。

    あれですね。
    遊動図式わかんねえ!この講義聞きに来てるひとたちどんな思考なの・・・。
    でも今回は、付き人がメインで黒猫の講義が少なめだったので、ちょーーっと読みやすかった(笑

    付き人が気づいてないだけで、黒猫は愛を語ってると思う、のはわたしだけだろうか。シリーズの続きがたのしみ。

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    2015年02月01日
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来

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    ネタバレ

    成長する塔を調査に来た黒猫と、映画の出演を依頼された付き人がイタリアで偶然再会する。

    やっぱり二人で会話しているところが好き。
    互いに相手を想っているのは間違いないのに、何でそこでブレーキをかけちゃうの?!黒猫に近づきたいからこそ今じゃないと離れる付き人の決断が切ない。

    次巻も楽しみ。
    今度は黒猫が付き人を追いかけてほしい。

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    2015年01月02日
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来

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    黒猫シリーズ第5弾。〈成長〉し続ける〈遡行する塔〉の謎に黒猫が挑む。
    ア・プリオリ(先験的)、物質と精神、虚構と幻想…感覚的には分かったような気がするけど、今作の美学理論はとりわけ難しかった。
    周りから見ると相思相愛なのに、相変わらず焦れったい2人の関係。2人のセリフの「……」がもどかしくて仕方ない。でも、言葉にはしなくても、何となく暗黙の了解となっている約束。常に黒猫の背中を追いかける付き人さんが追いついた時、2人は一歩踏み出すのだろう。黒猫曰く、付き人さんの成長は著しいらしいので、その時までヤキモキしながら見守ることにしよう。

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    2014年12月07日
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来

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    未完成で終わっているはずの建物が、成長し始めた。
    それを調査するために現地へ飛んだ片方と
    別の理由からその場にいる事になった片方。

    一緒についていった彼女の、密やかな思いは?
    彼の行動は?
    彼女はどうしたいのか。
    建築がどうなるのか、どうしてこうなったのか、が
    話の軸だというのに、気になるのはそちら。
    2人が出会ってしまった状態だと
    それはもう気になって。

    一体誰が塔を成長させているのか。
    まったくもって分かりませんでしたが
    全員の口ぶりから、多分…という予想は。
    そちらは当たりましたが、一体何がどうなったのか、は
    『答え』を見て納得。
    あのシーンについても納得(笑)

    しかし想像するに、

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    2014年12月03日
  • 黒猫の刹那あるいは卒論指導

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    黒猫シリーズ4作目。黒猫と付き人の学生時代の話で、2人の出会いから卒業までを描いた連作短編。
    相変わらず美学講義の部分は難しくてよく分からないけれど、2人の関係に重点を置いて読むとさらりと読める。徐々に惹かれていく付き人さんと、たまに思わせぶりな言動を見せる黒猫。読んでる側としては焦れったくて仕方ないけれど、この2人の微妙な距離感が好き。

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    2014年11月16日
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義

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    黒猫と付き人はあいかわらず。
    バレエをめぐる美学講座とミステリー。
    一気に読んで、次も読みたいと思い
    星4つつけたものの、
    おもしろい?と、問われたら
    んー…まぁ…と、あいまいな感じ。
    内容というより読む楽しみがある本。

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    2014年11月16日
  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義

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    表紙が可愛らしすぎて気恥ずかしく手に取るのを迷った(最近こういう本が多い)
    アガサ・クリスティー賞受賞とのことで思い直して読んだ。
    ズッシリと読みでがある内容なのに、主人公の二人がいいのか、さらさらと読めておもしろい。
    ただ一つ、女の子の「んん」の表現だけは受け入れ難く…だんだん気になって仕方なくなってきた頃「んんん」まで登場してまいった。

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    2014年11月10日
  • 黒猫の約束あるいは遡行未来

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    フランスにいる黒猫がイタリアに出張。相変わらず面白い黒猫のお話だが、今回は建築と映画を中心に据え、物語の構造が複雑になり面白さが増している。また、恒例となったポオ作品の美学的解釈だが、今回は「メエルシュトレエムに呑まれて」を付き人が解体してみせる。院に進んでかなりレベルアップしているようだ。あらかじめカントの「純粋理性批判」を予習しておくとより楽しめるだろう。

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    2014年10月10日
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行

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    黒猫シリーズ第3弾。黒猫の渡仏から半年。パリと日本で、黒猫と付き人がそれぞれ謎に挑む。今回のテーマは、ポオの『アッシャー家の崩壊』に『万葉集』、『星の王子さま』と盛り沢山。そしてキーワードはタイトル通り時間と薔薇。美学講義の部分は理解できたとは言えないけれど、2人の薔薇のような女性をめぐる恋が切ない。
    別々のものでありながら、共通点が多く、やがて繋がっていくふたつの謎。離れていても、どこか繋がっている黒猫と付き人の関係を表しているよう。相変わらずじれったい2人だけれど、ようやく自分の気持ちを認めた付き人さんが、どう動いていくのか楽しみ。

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    2014年09月18日
  • 名探偵だって恋をする

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    宮内さん目当てで購入し、やっぱり「空蜘蛛」が一番好みだったし、この短さの中で、物語と人物描写のみならず細かな部分(音楽や服装等々)も「抜かりなし」で満足。
    影響されて、しばらくパッサカリアばかり聴いてしまった。

    アンソロジーゆえ、他4人の、今まで読んだことがないラノベ系作家さんの作品に触れられたことも良かった。失礼ながら、どなたも存じ上げなかったし、好みはあるものの、購入して損はなかった。(アンソロジー集は、半分以上の作品を気に入らないと、失敗したと思う)

    他作品では、椹野さんの軽めの探偵ものが特に気に入った。舞台がイギリスなのも好み。貴族探偵エドワードシリーズを読みたくなった。

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    2014年06月28日
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行

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    渡仏した黒猫と、日本で研究に励もうとする付き人。
    同じ植物園、その植物園を作った植物学者、酔芙蓉、そして同じポオの作品。日本とフランスで、離れていても同じものをキーワードで謎を解決しようとする二人と、大切な人との時間。距離は離れて、二人が違う謎を追っているのに、共有しているような感じでした。二人の隣にはいつもの人がいないというところがとても寂しい。
    プロローグのシーンも意味ありげだったけれど、読んでみて納得。
    今回は二人が会話を交わすシーンがとても短かくて、付き人が、黒猫を想う気持ちがひしひしと伝わってきた。けれど、黒猫も同じなのでないだろうか、と思うところがあって、読んでてにんまり。このお話

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    2014年04月04日
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義

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    シリーズ2冊目。美学講義の割合が少ない分、長編でしたが、前作より読みやすかったです。
    事件は、とても悲しいもので、動機もこの作品ならではの解釈だなと思いました。黒猫と付き人の関係も、今回はすれ違く、どこか離れ離れになってしまってもろく壊れてしまうのではないかと思ったけれど、ところどころに、黒猫の付き人に対する想いのようなものが表れていて結果的に少し近づいたのかな。遠距離となってしまう黒猫と付き人だけれど、次作ではどうなるのか気になります。

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    2014年04月03日
  • ホテル・モーリス

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    劇場型ミステリーと謳われていますが、シチュエーション・コメディのほうが近いかと。
    シットコムが好きだという方、特に、三谷幸喜監督の「THE 有頂天ホテル」やドラマ「王様のレストラン」あたりがお好きな方には、おススメです。

    勤めている叔父の会社から、期間限定でホテルの支配人として出向させられた准。
    出向の理由もワケありなのだけど、そのホテルもかなりのワケあり。
    かつては伝説のホテルマン「星野ボレロ」が完璧な仕切りで有名人も御用達の一流ホテルだったのだが、彼の突然の死により、現在は見る影もない寂れ具合。
    そこにつけこまれたのか、今のお得意さまはなんとギャング。
    慣れない支配人の仕事と毎日やって来

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    2014年02月27日
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義

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    ネタバレ

    前作同様、緻密な論理と読めない展開が面白かった。ガラスの解釈が印象的。読み終わって少し怖くなったが、続けて読んだ3作目で緩和された。

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    2014年02月05日